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コンサルティング業界における、ITコンサルタント特集

コンサルティング業界について

コンサルティング業界ってどんな業界?

顧客に説明するITコンサルタント 顧客に説明するITコンサルタント

コンサルティングとは、企業全体の変革を支援する仕事です。企業や各種団体が経営を行う上で抱える様々な課題に対して、中立的立場から現状を分析して問題と真因を特定し、解決策を提示し、その実現を支援します。
経営と一口で言っても、その要素は様々で、コンサルティングの対象範囲も経営戦略や財務会計、業務、システム、組織や人材まで多岐に亘っています。
現在のコンサルティング業界の市場規模は2000億から3000億円といわれていますが、テクノロジーの進化やグローバル化が加速していく中、企業経営に関わる問題は複雑化を増しており、コンサルティング業界への期待はさらに高まっていくと考えられます。米国のコンサルティング業界の市場規模が10兆円と言われており、日本、あるいはアジアにおいてもこれから大きな成長が見込まれる業界といえます。

コンサルティングファームを分類すると

コンサルティングファームは、その成り立ちや得意とするコンサルティング領域によって大きく5つに分類されます。

総合系ファーム 金融、製造、官公庁などの様々な業界の、戦略、会計、人事、ITといった様々な業務領域に対して、戦略立案から実現、アウトソーシングまで総合的に支援する比較的大規模なファームです。4大会計事務所を母体としたファームが中心でしたが、近年サービス領域を拡大し、総合系とみなされるファームも出てきています。
戦略系ファーム 欧米に本社を置く外資系に多く、経営上の課題解決に向けた戦略策定やアドバイスを行うことを主要な業務としています。
組織人事系ファーム 企業の組織ビジョンや、人事や年金に関する制度、戦略の策定など人と組織に関するサービスに特化したファームです。
シンクタンク系ファーム 大手金融機関などをバックに設立されたコンサルティングファームで、大手企業グループの総合力を活かしたコンサルティングサービスに強みを持っています。
IT系ファーム IT戦略やシステム構想、システム導入による業務改革を得意としますが、戦略から人事、財務関連まで一気通貫で企業の課題解決を行うファームも増えてきています。

各コンサルティングファームも時代の変化に合わせてサービスの拡充を図っており、コンサルティングファームのあり方も変わってきていくことでしょう。

コンサルティングファームってどんなサービスを行っているの?

コンサルティングとは、企業全体の変革を支援することですが、変革対象の領域によって支援内容も様々です。一般的にコンサルティングの対象は、「企業・事業」「業務・システム」「組織・人材」に分類することができます。

企業・事業

会議の様子 会議の様子

企業・事業

組織改革、長期事業開発、M&A戦略、全社リストラクチュアリング、多角化戦略といった企業経営に関する問題解決や特定製品・事業の戦略、製品市場戦略、事業収益性改善といった1つの事業や製品に関する問題解決を支援します。

業務・システム

説明する様子 説明する様子

業務・システム

財務会計、生産管理、販売管理、人事管理、営業といった業務プロセスの改革(BPR)や、それを支えるITの戦略策定から導入までを支援します。近年はAI、IoTなどのテクノロジーを自社の戦略にどのように取り入れていくかなど、企業のデジタル戦略の立案・実行も支援します。

組織・人材

スーツの男女 スーツの男女

組織・人材

人事制度、賃金制度の刷新や、組織風土の変革、教育研修制度導入などにより組織と人に関する課題を解決する支援を行います。

ITコンサルティングの特徴は?

ITコンサルティングとはもちろんITを軸にしたコンサルティングです。但し、「IT=システム開発」ということではなく、コンサルティングの対象は、企業内のIT業務(IT戦略/企画、システム導入、運用保守/運用改善)の全てになります。IT戦略/企画においては、経営とビジネスに貢献するIT部門へと変革するための仕組みづくりや、AI、IoT、クラウドといった最新のテクノロジーの自社ビジネスへの活用の検討、また複雑化する大規模システムの導入を確実に成功に導くためのプロジェクトマネジメントも支援します。
近年、様々な業界でデジタル戦略の重要性が増しており、ITコンサルタントへの期待が高まってきています。

コンサルティングってどんな流れで進められていくの?

まずはプロジェクトを受注することから始まります。晴れてプロジェクトを受注したら、チームを組成し、クライアントと共にゴールに向けてプロジェクトを推進していくことになります。

step.1

受注

受注

クライアントからの相談・依頼やカンファレンスなどでの情報交換によるクライアント経営層へのアプローチからスタートします。事前のヒアリングを経て、企業の課題を解決するための構想、アクションプランを検討し、それを提案書としてまとめ、プレゼンテーションの結果受注となります。

step.2

チーム組成

チーム組成

対象となる領域に対して必要な知識、スキルを持っているメンバーでチームを組成します。例えば、アビームコンサルティングでは、金融、製造、公共など各インダストリーを専門にするコンサルタントと、ITや会計といったプロセスを専門にするコンサルタントを組み合わせたプロジェクトチームで動きます。

step.3

プロジェクト推進

プロジェクト推進

多くのプロジェクトでは構想策定として現状調査・課題分析・あるべき姿を定義し、具体的なアクションプランを纏めます。そして、策定したアクションプランに従って改革を実行し、最終的な効果測定、定着化までを責任を持って推進していきます。

コンサルタントの役職にはどのようなものがあるの?

新卒で入社するとアナリストからキャリアをスタートし、コンサルタント、シニアコンサルタントとキャリアアップし、業務の推進から小規模のチームリーダーまでを担当します。その後はマネージャー、シニアマネージャーとしてプロジェクト全体をマネジメントする立場になり、最終的にはプリンシパル/ダイレクターとして組織全体のマネジメントをすることになります。キャリアが上位に進むにつれ、プロジェクト全体を見るために必要な経営知識やプロジェクトのマネジメント力、より高度な問題解決能力などが求められることになります。

アナリスト

プロジェクトのメンバーとして、個々のタスクを遂行します。タスクをこなしながら考える力・仕事の進め方・ITスキルなどの基礎を作り上げる時期です。新卒入社の場合は、ここからキャリアがスタートします。

コンサルタント

プロジェクトのメンバーとして、上位者のサポートを受けながらも特定領域の担当者として、業務を遂行します。自身の作業をコントロールし、成果を残す力が求められます。

シニアコンサルタント

チームリーダーとして、小規模なチームをマネジメントします。チームの成果を取りまとめる力が求められます。

マネージャー

プロジェクトマネージャーとして、プロジェクト全体をマネジメントします。効果的なアプローチでクライアントやメンバーを導く力が求められます。

シニアマネージャー

プロジェクトマネージャーとして、比較的規模の大きいプロジェクトや複数のプロジェクトをマネジメントします。クライアント企業に新たな価値をもたらす提案をし、人を巻き込み影響を与えながら成果を上げていく力が求められます。

ダイレクター・プリンシパル

プロジェクトではなくクライアントに対する責任者として、クライアントの成長に貢献します。経営者としての能力を持ち、その能力をクライアントに提供する力が求められます。

コンサルタントの年収って?

比較的高い水準にあります。企業が抱える悩みや問題を、プロフェッショナルとして責任もって調査・分析し、今までなかったものをアウトプットするという創造的な仕事に見合った収入を得られているといっていいでしょう。クライアントや自社への貢献度が収入に反映しやすい点も、やりがいに繋がります。

コンサルティングサービスと景気との関連は?最新のトレンドは?

近年、コンサルティング業界は堅調に拡大しており、今後も大きな成長が見込まれます。
テクノロジーの進化によりビジネスのあり方が大きく変わろうとしている時代です。この変化は、金融だけではなく、製造・物流、ファッション業界まであらゆる業界で起こっており、各企業がビジネスにおけるデジタル戦略の重要性を認識し、テクノロジーの活用の方向性を模索しています。企業内に目を向ければ、人材不足や働き方改革の流れの中で、テクノロジーを活用して業務の効率化・高度化を進める流れもあります。RPA導入などは代表的な取り組みです。一方、テクノロジーの進化は企業にとって恩恵をもたらすだけではなく、セキュリティ脅威の高度化も引き起こしています。セキュリティ脅威への対応も経営課題のひとつです。そして、グローバル化の加速により、これら全てをグローバル戦略として考えていく必要が出てきています。このように、あらゆる分野で新しいニーズが生まれており、コンサルティングの需要は高まっています。
我々ITコンサルタントは、AIやIoT、ロボティクスといったテクノロジーとクライアントのビジネスを融合させ、新しい価値を生みだす、デジタル戦略の推進が求められています。

今回教えていただいたコンサルタントの方

アビームコンサルティング株式会社 鈴木 大介氏 アビームコンサルティング株式会社 鈴木 大介氏

アビームコンサルティング株式会社
ITMSセクター
シニアマネージャー
鈴木 大介氏

プロフィール

大学では経済学を専攻。大学卒業後はソフトウェアベンダーに就職し、約6年間SEとしてシステム開発に従事。前職では、SEが開発したパッケージソフトを営業が販売するため、自らが開発したものがクライアントにどのように使われ、貢献しているのかが見えづらく転職を決意。よりクライアントに近い立場で、高度な問題を解決する仕事をしたいと考え、コンサルタントの道を目指した。

入社後の経歴

総合商社、財団法人、生保、メガバンクと様々な業界に対して、コンサルティングサービスを提供。クライアント側の立場でIT構想策定から計画立案、実行まで全面的に支援するPMOが専門。IT運営・組織のあり方見直しや、働き方改革におけるRPA導入なども支援している。