社内SE(社内システム)
平均年収
512万円
社内の情報システムの開発、運用、管理が主な仕事です。
企業によってはIT関連全てが守備範囲になります。
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活かせる資格
基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、ITパスポート試験(iパス)、情報処理安全確保支援士(RISS)
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転職ノウハウ
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年収別求人
平均年収出典元:社内システム企画|職種別平均年収ランキング【2020年版】
SE(システムエンジニア)の中でも、
自社内での業務に従事するのが社内SEと呼ばれる仕事です。
社内SEは立場上、単に技術者としてのスキルが高ければ良いわけではなく、
幅広い複合的なスキルを求められます。
ここでは、社内SE(社内システム)の仕事内容や必要なスキル、
経験、資格、年収などをご紹介します。
雇用側にも応募側にも人気がある社内SE(社内システム)とは
ITはいまやすべての企業において必須であり、社内SEを抱える会社も増えています。その需要の高さから、社内SEは常駐SEに比べて待遇がよいことも多く、転職を希望する人も増えています。
また、一昔前までは、SEを含めたエンジニア職は男社会というイメージが色濃くありました。しかし、近年は女性の社内SEも増加傾向にあります。柔軟な働き方が浸透したことでライフステージの変化に左右されず女性が働きやすい社会が推進され、結婚・出産を経験した女性たちが安心して働ける職場環境を提供できる企業が増加しIT業界への女性進出も活発化している状況です。
女性SEや、社内SEと常駐SEの違いについて詳しくは、以下の記事でも解説しています。ぜひご覧になってください。
社内SEと常駐SEとの違い
社内SEは、自社内のシステム運用や保守が主な仕事です。また、自社の経営課題解決のために必要なシステムを開発したり、有効活用につながる提案をしたりといった役割も担います。
一方、常駐SEとは、Sler企業に所属し顧客企業へ常駐するスタイルで働くSEです。客先のシステム企画や構築、開発、運用など一手に担います。
SEの詳細は以下の記事でも解説していますので、併せてご覧ください。
社内SE(社内システム)の仕事内容
社内SEの仕事内容は、主に以下の5種類に分類できます。
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システムの予算作成と管理
社内SEの仕事には、技術面だけでなく部門内の予算作成や管理も含まれます。自社内で開発から運用まで担うケースもあれば、開発業務を外部に委託するケースもありますが、いずれにしても決められた予算を作成し、その範囲内にコストが収まるような管理が必要となります。
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システム企画や導入
社内SEの場合、システムの企画段階から開発に携わるケースも多くあります。自社の課題解消や事業の拡大を実現するシステムがどのようなものなのか検討し、企画や導入を推し進めていきます。
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システム開発やベンダーとの調整
システム開発を自社で行う場合は、社内SEが開発工程を一貫して担います。もし社内SEが開発まで担えない場合は外注するケースもあります。その際にはベンダーを選定し、スケジュールやコストの調整、発注後の進捗管理などを担当します。
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システム運用や保守
導入したシステムの運用と保守も社内SEの重要な仕事です。自社内での開発業務がない場合は、運用や保守がメインの業務となってくるでしょう。日々システム障害を防止する対策を講じることが重要となりますが、それでも発生してしまう予期せぬトラブルに関してはいち早く状況を見きわめ、解消のために手を尽くします。
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社内のお問い合わせ対応
社内SEは、「IT関連の何でも屋さん」のような存在として従業員の問い合わせにも対応します。「プリンターと接続できない」「パスワードを忘れてしまった」「システムの設定がうまくいかない」など、問い合わせ内容は多岐にわたります。従業員にどの程度ITリテラシーが備わっているかにより、問い合わせボリュームも変動するでしょう。
社内SE(社内システム)のやりがい
次に、社内SEだから得られるやりがいを3点紹介します。
愛着が持てる仕事ができる
常駐SE(常駐システム)は、他社のシステムを開発し、契約が終わったらそれまでです。ですから、「自分が手掛けたシステムがどう使われているのかなど、実感がない」といった不満が残ります。
その点、社内SEは自分が作ったシステムをその後も継続して管理できるため、開発者としての責任を持ち続けることができ、仕事に対する充実感にもつながります。
会社経営にも関わるような大きな仕事もある
経営サイドと直接コミュニケーションを取りながら、経営方針などの意向を反映したシステム構築を行うなど、会社にとって重要な仕事に携われることがあります。責任が大きい分、やりがいや充実感を得られるでしょう。
依頼元は社内だからこそ、感謝の気持ちが届きやすい
社内SEの仕事は、自社内のシステム運用や保守がメインです。つまり、社内SEが担う業務の依頼主は、すべて社内の従業員ということになります。物理的にも精神的にも近しい距離感にいるため、「助かったよ」「ありがとう」といった感謝の言葉を直接かけてもらったり、ほかの社員づてに聞いたりする機会も多いでしょう。
開発が好きな人には物足りなさを感じることも
常に新しいシステムの開発を追い求めていきたい人にとっては、社内SEという仕事には若干物足りなさや退屈さを感じるかもしれません。
社内のシステム環境すべてにおいて管理を任される立場になるわけですから、ある意味では雑用のような仕事を依頼されることもあり得ます。たとえば、パソコン仕事が初めての人にゼロから扱い方を教えるような依頼がやってくるかもしれません。
また、一度システムを開発したら、その後は管理業務が続いてしまうこともあります。それらを考慮したうえで、社内SEの仕事に魅力を感じることができるのかを判断しましょう。
社内SE(社内システム)はきつい?
社内SEは比較的安定した働き方ができる職種として人気がある一方で、「きつい」と感じる瞬間も存在します。その要因のひとつは、担当範囲の広さです。ネットワークやサーバーの運用・保守、業務システムの管理、ヘルプデスク、PCの設置やアカウント管理まで、幅広い業務を少人数でこなす職場も少なくありません。
また、社内からの問い合わせや依頼が絶えず、計画どおりに作業が進まないこともしばしばあるでしょう。業務部門との調整や経営層への説明など、技術だけでなく高いコミュニケーション能力が求められる点もプレッシャーにつながる要因です。
ただし、顧客対応や納期プレッシャーが比較的少なく、急な仕様変更や過酷な残業が少ない点では、SIerや開発現場よりも落ち着いた働き方ができる場合が多いのも事実です。
社内SE(社内システム)の年収
マイナビ転職エージェントの調査による社内SEを含めた「社内システム企画」の平均年収は、男女別に以下のとおりとなっています。
| 年齢 | 平均年収 | 男性平均年収 | 女性平均年収 |
|---|---|---|---|
| 20代 | 385万円 | 345万円 | 482万円 |
| 30代 | 505万円 | 503万円 | 513万円 |
上記から分かるように、女性のほうが年収の水準が高い傾向にあります。しかし、20代から30代への上昇幅を見てみると、男性がプラス158万円、女性がプラス31万円と、圧倒的に男性のほうが大きいことが分かります。
ただし、前述のとおり、ひと口に社内SEといっても業務や責任の範囲はさまざまです。任される業務量や背負う責任の程度、企業規模、経営状況によっても大きく変動するため、あくまでもひとつの参考値として捉えておきましょう。
社内SE(社内システム)になるには
未経験から社内SEを目指すことは簡単ではありませんが、努力しだいで転職を有利に進めることは可能です。
まずはITの基礎知識を習得しましょう。パソコンの基本操作、ネットワークやサーバーの仕組み、業務システムに関する知識を独学や講座を通じて取得すると、選考時にアピール材料として使用できます。「ITパスポート試験」や「基本情報技術者試験」など、ITエンジニアへの登竜門として位置づけられている国家試験の合格を目指すのもおすすめです。
また、ヘルプデスクやテクニカルサポート、システムエンジニアなどの職種からスタートし、実務経験を積んでから社内SEに転職する方法も有効です。
社内SE(社内システム)に向いている人
社内SEの仕事には、ほかの部署の社員からのITに関する問い合わせ対応も含まれています。そのため、自分のサポートを通じてほかの社員の業務の効率化に貢献できる点にやりがいを見いだせる人には社内SEが向いています。社内外のさまざまな人と連携を図る必要もあるため、コミュニケーション能力が高い人にも向いている職種です。
また、突発的なシステム障害などのトラブルが発生したときに柔軟に対処できる人、地道な運用業務を大切にできる人にも向いています。さらに、自社のIT環境をよりよくするための改善提案や新技術の導入を考えられる探求心のある人は、社内SEとして重宝されるでしょう。
社内SE(社内システム)に必要なスキルや経験
社内SEとして活躍のチャンスを得るためには、ある程度のスキルや経験が必要になってきます。社内SEに役立つ5つのスキルや経験をご紹介します。
予算管理スキル
社内SEには、予算管理のスキルや経験が求められます。
必要なシステムを適切な予算で開発するためには、社内SE自身が財務知識を備えている必要があります。最低限、損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)の仕組み、また科目の仕訳を理解できていると実務に役立つでしょう。
プロジェクトマネジメントスキル
社内SEの業務範囲は企業によって異なりますが、プロジェクトマネジメントスキルは必須です。
自社内で開発から担う場合は、プロジェクトを立ち上げ、各フェーズを管理していくことになります。またベンダーに依頼する場合でも、両社間で連携体制を取り、常に進捗をコントロールしていかなければなりません。いずれにしても、品質や納期、人を管理するプロジェクトマネジメントスキルがあると、活躍の場が広がります。
プログラミングスキル
自社開発を行わない企業の社内SEの中には、自分でコードが書けない人も意外と多くいます。しかし、自社内で開発を行う場合は設計やプログラミング、テストなど各フェーズを遂行するためのプログラミングスキルが必須です。JavaやC言語など、汎用性の高い言語は最低限押さえておきましょう。
ユーザビリティを考慮したシステム開発
ユーザビリティを踏まえたシステムを開発できる手腕も、社内SEが身につけたいスキルのひとつです。多額のコストを投入しても、ユーザーに快適に使用してもらえないシステムでは意味を成しません。臨機応変で柔軟な思考や、周囲の声を聞き入れられる余裕、さらにそれらを開発に落とし込むスキルも求められます。
顧客折衝やマネジメント経験
クライアントとの折衝経験がある場合は、その経験を社内SEの仕事に活かすことができます。
開発を外注する際には、ベンダーとの綿密なやりとりが欠かせません。自社開発を行う企業では、外部と折衝する機会はそうはありませんが、自社の経営層をはじめとした目上の人に対する立ち回りもそつなくこなせれば、優秀な人材として評価されるでしょう。マネジメント経験も評価の向上につながります。
社内SE(社内システム)におすすめの資格
社内SEになるために取らなければならない資格はありません。ただし、スキルアップのため、また対外へのスキルの証明のためにも、資格の取得はおすすめです。
以下は、社内SEに役立つ資格の一例です。
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基本情報技術者試験(FE):ITエンジニアの登竜門的な国家試験
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応用情報技術者試験(AP):基本情報技術者試験の上位国家試験
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ITパスポート試験(iパス):ITや経営全般の知識を幅広く問う国家試験
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情報処理安全確保支援士(登録セキスペ):情報セキュリティに関する知識を問う資格
それぞれの資格の詳細については以下の記事をご覧ください。
社内SE(社内システム)のキャリアパス
社内SEのキャリアパスとしては、技術者としての専門性を追求する以下職種への転職が考えられます。
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サーバーエンジニア
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アプリケーションエンジニア
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ネットワークエンジニア
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テクニカルサポート
社内SEは、常駐SEと異なり、あくまでも自社内の業務に従事するため、「自分の会社に貢献できている」というやりがいによってモチベーションを感じることができるでしょう。
プログラミングを担うか否かで社内SEのスタイルは大きく異なります。転職を検討する際は求人情報を細かくチェックし、手がけたい仕事がそこにあるのかをしっかりチェックするようにしましょう。
社内SEのキャリアプランの考え方については以下の記事も参考にしてみてください。
社内SE(社内システム)の将来性
社内SEの将来性は、企業のIT依存度が年々高まっている現代において拡大しているといえます。業務効率化やテレワーク対応、DXの推進など、社内システムの果たす役割はこれまで以上に重要になっており、それを支える社内SEのニーズも高まっています。
また、システム開発を外部に依頼せず社内でシステムを構築するケースが増えており、今後の社内SEには開発スキルもいっそう求められるでしょう。
