社内SEへの転職で資格は役立つ?必要なスキルと主な仕事内容を紹介|求人・転職エージェント

メニュー

更新日:2024/01/31

IT業界

社内SEへの転職で資格は役立つ?必要なスキルと主な仕事内容を紹介

it_267.jpg

この記事のまとめ

  • 社内SEには、ITに関する全般的なスキルやプログラミングスキル、マネジメントスキルが求められる。
  • 社内SEへの転職で有利に働く資格には、応用情報技術者試験やシステムアーキテクト試験、AWS認定資格、情報処理安全確保支援士試験などがある。
  • 社内SEの平均年収は660万4,000円であり、年収アップを目的に転職するのもおすすめ。

これまでのITエンジニア経験を活かし、社内SEに転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、社内SEは人気があって転職難易度が高いといわれることもあります。

そこでこの記事では、社内SEへの転職を有利に進めるために役立つ資格を紹介します。資格を取得することでスキルレベルを客観的に証明でき、転職活動における武器として活用できるでしょう。

自分のキャリアパスや転職目的を実現できる企業への転職を成功させるためにも、学習目標のひとつとして資格取得を目指すことはおすすめです。

目次

IT専任のアドバイザーが揃うマイナビITエージェントIT専任のアドバイザーが揃うマイナビITエージェント

社内SEへの転職は難しい?

it_267_1.jpg

システムエンジニア(SE)はシステムの設計・開発など主に上流工程を担当するITエンジニアですが、同じSEでも「社内SE」はやや異なるポジションです。所属する企業の現行システムの運用や保守を担当するほか、新たなシステムの企画や提案、SIerやベンダーに対する開発の発注・管理など、多種多様な業務に携わります。

また、社内のPC環境をすべて把握しトラブルに対応する「何でも屋さん」のような役割を担う場合もあります。

派遣や出向で働くケースも多いシステムエンジニアの仕事ですが、社内SEは会社専属のITエンジニアとして働く職種です。基本的には固定された職場で業務をこなすことになるでしょう。

ワークライフバランスを実現しやすく労働環境は安定しており、システムエンジニアの中でも人気の職種のひとつです。しかし転職市場における競争率は高めで、状況によっては転職が難しい場合もあります

社内SEに求められる経験やスキルとは?

it_267_2.jpg

これから転職で社内SEを目指すのであれば、実務で求められる経験やスキルを習得しておく必要があります。どのようなスキルを習得すれば、転職において有利になるのでしょうか。代表的な4つのスキルを詳しく紹介します。基本的には、一般的なITエンジニアに求められるスキルと同じものが求められます。

臨機応変な対応

社内SEの働き方に求められるのは、臨機応変であることです。一般的なSEの仕事は、顧客からの要求に応じてシステムの要件を定義し、設計・開発・テストを経て期日内に納品するというサイクルで成り立っています。

これに対して社内SEの仕事は、主に既存の社内システムに対してPDCAサイクルを回し続けることです。システムを内製化している企業では、社内でシステムをゼロから開発することもあるでしょう。しかし、多くの企業では大規模な開発は外部SIerに発注し、社内SEはその窓口を担当する場合が多いといえます。

社内SEはこのような働き方をする都合上、同時に複数の案件を掛け持ちで並行処理していかなくてはならない場合もあります。また、突発的なシステムトラブルなどの対応はもちろん、社内の情報インフラに関するさまざまな問い合わせにも対応しなくてはならないなど、想定外の働きを求められることも少なくありません。

そのため、リソースの配分やリスクヘッジを踏まえたスケジュール管理をどのように行うかなど、常に臨機応変に動ける態勢を整えておく必要があります。

運用保守経験

社内SEの仕事の主要な部分は、基幹システムなどの運用保守業務です。そのため、システムの専門家としてメンテナンスを行う技術と、システムを利用する各業務部門と調整しながら業務運用を回していく調整力が求められます

上流工程からプログラミングまでのスキル

社内SEとしてベンダーに開発を依頼した場合、設計書やソースコード、試験成績書などのアウトプットの確認は欠かせません。

システム開発のスキルを活かしてレビューや妥当性を確認できるかどうかも、社内SEにとって重要なスキルといえます。

マネジメントスキル

自社でシステムを開発する場合もベンダーに任せる場合も、関係者と協力しながらプロジェクトを進める必要があります。要件どおりのシステムを開発するには、プロジェクトをコントロールするためのマネジメントスキルが必要です。

マネジメントスキルは、目標を達成するために人材や予算などを適切に管理・運用するスキルの総称です。具体的にはコミュニケーションスキルや課題発見力・リーダーシップなどが含まれます。社内SEを目指す方にとってはいずれも欠かせないスキルであるため、日頃から意識して習得するとよいでしょう。

【基本編】社内SEに転職する際に有利な資格

it_267_3.jpg

社内SEに転職する際には、どのような資格があると有利になるのでしょうか。ここでは、基本的なITに関する知識・スキルを証明できる2つの資格を紹介します。いずれもITエンジニア向けの資格であるため、社内SEへの転職を検討している方は取得を考えてみてはいかがでしょうか。

基本情報技術者試験(FE)

「ITエンジニアの登竜門」ともいわれている、ITエンジニアにとっての基本的な資格が「基本情報技術者試験」です。

ITエンジニア以外の職種からSEに転職する際には、ぜひ取得しておきたい資格のひとつです。出題範囲はコンピューター・プログラミング言語・システム・ネットワーク・データベース・セキュリティと広範ですが、取得すればITエンジニアに欠かせない基礎知識を習得できていることを示せます

応用情報技術者試験(AP)

「応用情報技術者試験」は、基本情報技術者試験の上位資格です。合格するのに必要な技術水準は、設計・開発・運用・保守・プロジェクト進行などの実務を問題なく遂行できるレベルを想定しています。高度IT人材を対象とした資格であるため、取得しておけば即戦力として活躍できることを示せるでしょう。

【基礎技術編】社内SEに転職する際に有利な資格

it_267_4.jpg

社内SEとして活躍するのに必要なITスキルを証明できる資格には、ほかにもさまざまなものがあります。ここでは、システムに関する知識やプログラミングスキルを証明できる4つの資格について見ていきましょう。IT技術について学習するときは、学習目標のひとつとして以下の資格の取得を目指すのもおすすめです。

システムアーキテクト試験

企業が経営目標を達成するために定める情報システム戦略に基づき、必要なシステムを設計・開発するITエンジニアを「システムアーキテクト」と呼びます。システムアーキテクトとして求められる全般的なスキルを有していることを証明する資格が、システムアーキテクト試験です。

資格を取得するには、企業の戦略を正確に理解したうえでどのようなシステムを開発する必要があるのかを考え、具現化するのに必要なスキルが求められます。IT関連のスキルに加えて、企画や計画に関するスキルも欠かせません。

ORACLE MASTER Gold DBA

主要なデータベースのひとつとして幅広く用いられているOracle Databaseを取り扱うのに必要なスキルを証明する資格が、ORACLE MASTER Gold DBAです。試験では、データベース設計・環境構築・運用に関する全般的なスキルとSQLのスキルが問われます。

ORACLE MASTER Gold DBAの取得を目指して学習する中では、リレーショナルデータベースの構造についても体系的に学べるでしょう。データベースはITシステムに欠かせません。システム開発に携わるITエンジニアにとって、データベーススキルは必要不可欠といえるでしょう。

C言語プログラミング能力認定試験

プログラミング言語のひとつであるC言語を扱うのに必要なスキルを証明するのが、C言語プログラミング能力認定試験です。基本的な構文や変数・定数・ライブラリなどに関する内容が出題されます。

C言語は、エンベデットシステムの開発やゲーム開発・業務系システムの開発で用いられる言語です。社内SEとして働くと業務系システムの開発・運用・保守に携わる可能性が高いため、有用な資格といえるでしょう。

Javaプログラミング能力認定試験

Webアプリやスマホアプリなどの身近なものから、社会インフラとして活躍している大規模なシステムまでさまざまな用途に用いられているプログラミング言語がJavaです。

Javaプログラミング能力認定試験では、演算子や制御構文・例外処理・データ型などのJavaを扱うのに必要なスキルを総合的に測定します。Javaは需要が高いプログラミング言語のひとつであるため、試験に合格して十分なスキルレベルに達していることを証明できればITエンジニアとしての活躍の幅を広げられるでしょう。

【クラウド編】社内SEに転職する際に有利な資格

it_267_5.jpg

さまざまなクラウドサービスを活用したシステム開発も活発になっています。いままでオンプレミスで動いていたシステムをクラウド化する動きもあり、クラウドに関するスキルを習得すればより活躍の幅を広げられるでしょう。

ここでは、クラウド関連のスキルを証明する3つの資格を紹介します。いずれもクラウドサービスを提供している企業が運営するベンダー資格です。

AWS認定資格

AWSはAmazonが提供しているクラウドサービスです。AWS認定資格はAWSに含まれるさまざまなサービスを活用するのに必要なスキルを証明する資格で、以下の4つに分類されます。

  • FOUNDATIONAL
  • クラウドサービスの基礎的な知識を有していることを認定する
  • PROFESSIONAL
  • AWS活用のプロフェッショナルとして必要なスキルを有していることを認定する
  • ASSOCIATE
  • AWSを使用したアプリを設計するスキルを有していることを認定する
  • SPECIALTY
  • AWSに関するアドバイザーとして必要なスキルを有していることを認定する

上記のうち、PROFESSIONALやASSOCIATEに分類される資格を取得できれば高度なスキルがあることを証明でき、転職時に強力な武器になるでしょう。いずれも豊富な開発経験がある方を対象にした資格です。

Google Cloud認定資格

Google Cloudはビックデータの解析やAIシステムの開発において大きな強みを発揮するクラウドサービスです。上記の分野を手掛けているのであれば、使用する可能性が高いといえるでしょう。Google Cloudに関連する資格は多種多様で、以下の3種類に分類されています。

  • 基礎的な認定資格
  • Google Cloudのサービスや機能に関する基礎的な知識を有していることを認定する
  • アソシエイト認定資格
  • Google Cloudを活用したシステムの開発・運用に必要な知識を有していることを認定する
  • プロフェッショナル認定資格
  • Google Cloudを活用したシステムの設計・実装・運用・保守に求められる高度なスキルを有していることを認定する

Google Cloudについて学びたいと考えているのであれば、ぜひ学習におけるマイルストーンの一環として資格取得を検討してみましょう。

Microsoft Azure認定資格

WindowsやOfficeといったMicrosoft製品と相性がよいクラウドサービスが、Microsoft Azureです。AIやセキュリティ・データエンジニアリングなどのさまざまな分野に分かれていて、数十種類以上の資格が存在します。

Microsoft Azure認定資格を取得することで、Azureを活用するのに必要なスキルを証明できます。Microsoft製品を導入している企業は多くAzureの市場シェアも高いため、十分なスキルがあれば活躍の幅を広げられるでしょう。

【サイバーセキュリティ編】社内SEに転職する際に有利な資格

it_267_6.jpg

多くの企業がITを活用していることもあり、サイバーセキュリティの重要性がより高くなっています。そのため、セキュリティ関連の知識やスキルを証明できる資格の取得を検討してもよいでしょう。ここでは、セキュリティ関連の資格として代表的なものを3つ紹介します。

情報処理安全確保支援士試験

サイバーセキュリティに関連する専門的なスキルを有していて、システム開発の現場で発揮できることを証明する資格が、情報処理安全確保支援士試験です。試験ではリスクアセスメントやセキュリティ方針・規定の策定に必要な知識・スキルが問われます。

暗号技術やマルウェア・セキュリティホール対策などのスキルも問われるため、セキュリティに関する広範な知識が要求されるでしょう。

ITシステムを運営している限りサイバー攻撃を受けるリスクがあり、十分なセキュリティを確保することは欠かせません。セキュリティに関する高度なスキルを有する人材の価値は、さらに高まるでしょう。

情報セキュリティマネジメント試験

企業をはじめとした組織全体の情報セキュリティを確保するためには、適切なマネジメントが欠かせません。情報セキュリティマネジメント試験に合格すると、企業全体のセキュリティ意識を高めつつ安全にITを活用できるように取り組める人材であることを証明できます

業務用システムに携わるうえで、安全を確保するには利用者側のセキュリティ意識を高めることが不可欠です。セキュリティに関連するマネジメントスキルを高めれば、より安全に社内システムを活用できるようになるでしょう。

情報セキュリティ管理士認定試験

情報セキュリティ管理士認定試験は、ITを活用するすべての方を対象にした試験です。試験では主な脅威とその対策、コンピューターに関する基礎知識、情報資産を守るための管理手法などが問われます。

サイバーセキュリティについて体系的に学びたい場合、情報セキュリティ管理士認定試験に挑戦するのがおすすめです。ただし、基礎的な資格に位置づけられている分、転職市場における評価はそこまで高くありません。取得後はより高度なサイバーセキュリティ関連資格の取得を検討するとよいでしょう。

社内SEの魅力や働きがい

一般的なSEは、システムを納品したら仕事はいったん完了です。そのため、日々自分の手掛けたシステムがどのように稼働しているのか、どのようにその会社に貢献しているのかを実感する機会は少ないでしょう。

一方で社内SEはシステムが稼働している現場を実際に見るため、ユーザーとなる上司や同僚から直接意見を聞き、次の改善課題をピックアップできます。それらを次の設計に反映することで、「ひとつのシステムが成長・最適化していく過程」に携われます。こうした経験は、ITエンジニアとして成長するうえで大きな魅力です。

また、社内SEは自分もその会社の一員であることから、「自分が所属する会社に自分のシステムが直接貢献している」というやりがいも感じられるでしょう。

システムを常に安定稼働させるためには、本来の仕事以外のことも手掛けなくてはならない場合もあります。しかし、そのような経験を経て「組織の中でシステムが稼働し、貢献するとはどういうことなのか」を学べるでしょう。企業のシステム戦略という責任ある仕事に挑めることも、社内SEの魅力のひとつです。

下記の記事では、社内SEが転職者・企業の両者から人気がある理由を紹介しています。ぜひ併せてご確認ください。

社内SEならではの仕事の難しさとは?

社内SEの「ITエンジニアとしての自分」と「組織の一員としての自分」という2つの立場は、矛盾することがあります。

たとえば「システムのこの部分をこのようにしたい」「いまの仕様は受け入れられない」といったITエンジニアとしての気持ちと、「組織の一員としては業務指示に従わざるを得ない」という社員としての気持ちが自分の中で対立することもあるでしょう。

そのようなときには、「自分はどのようなスタンスを取るのか」「誰に相談するのか」といった悩みを抱えることもあります。

しかし、上記の矛盾について一度時間を取って考えてみることで、SEとしてだけではなく管理者として必要とされるスキルも習得できます

「大型案件のプロジェクトマネージャーを目指したい」「システムについて絶大な権限を持つ役職に就きたい」「IT経営のスキルを身につけて、将来は経営者やCIOになりたい」といった方であれば、社内SE職の経験は貴重なものとなるでしょう。

社内SEの年収はどれくらい?

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、社内SEの平均年収は660万4,000円です。2022年における全産業平均年収496万5,700円(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」による)と比較しても、高めの水準であることが分かります。

また同調査の「年齢別の年収」によると、25歳~29歳の年収が514万1,500円であるのに対し、45歳~49歳では759万8,900円にまで上がっています。最初は年収が低くても、経験を積み重ねる中でスキルアップに励めば年収を大きく上げられる可能性があるといえます。

参照:システムエンジニア(基盤システム)|職業情報提供サイト(日本版O-NET) jobtag|厚生労働省

社内SEに転職するには?

社内SEは企業にとって重要な存在となる職種であり、需要も安定しています。しかし人気の職種でもあるため、転職を目指す場合は志望動機をきちんと整理しておく必要があります。

「定時で帰れる」「社外で働かなくてもよい」といったネガティブな理由ではなく、企業に貢献するための自己アピールとなる志望動機を伝えるようにしましょう。社内SEへの転職でどのように準備すればよいか知りたい方は、下記の記事もぜひご参考ください。


一方、社内SEに転職できたにもかかわらず、「働いてみたら想像と違った」「残業が増えた」「キャリアパスが描けない」など、ミスマッチに悩む例もあります。

仕事内容が自分のスキルやキャリアプランとマッチしているかを事前に確認するなど、きちんとリサーチしたうえで求人を探すことが重要です。社内SEへの転職失敗事例と対策については、下記の記事もご参考ください。

まとめ

it_267_7.jpg

社内SEは自社で使用するITシステムを開発・運用・保守・アップデートする職です。比較的人気が高く競争も激しいため、転職するときは自分の市場価値を高めて積極的にアピールすることが欠かせません。ITに関するスキルに関する資格をいくつか取得し、自分のスキルレベルを客観的に証明すると転職しやすくなるでしょう。

より有利に転職活動を進めたいのであれば、早い段階で転職エージェントに相談するのもおすすめです。マイナビITエージェントには、社内SEを含めたIT業界の転職状況を熟知したキャリアアドバイザーが数多く在籍しています。あなたのスキルや経験を活かした転職を実現できるようサポートしているため、ぜひご相談ください。

関連記事:マイナビITエージェント

IT専任のアドバイザーが揃うマイナビITエージェントIT専任のアドバイザーが揃うマイナビITエージェント

タグ一覧
執筆・編集

マイナビエージェント編集部

マイナビエージェント編集部では、IT業界・メーカー・営業職・金融業界など、様々な業界や職種の転職に役立つ情報を発信しています。マイナビエージェントとは、業界に精通したキャリアアドバイザーが専任チームで、あなたの転職活動をサポートします。多数の求人情報の中から最適な求人をご紹介します。

SNSシェア

注目コンテンツ