更新日:2025/05/15
この記事のまとめ
日本におけるIT技術者の女性比率は、男性に比べて低い傾向にあります。そのため、「女性がSIerで働くのは難しいのでは?」「転職活動で不利になるのかも」と悩んでいる方は多いでしょう。
しかし、近年はSIerとして活躍する女性も増えており、未経験で転職する方も少なくありません。
そこで本記事では、SIerで働くことを検討している女性向けに、女性がSIerで働くメリットや、一般的な一日の仕事の流れ、女性がSIerに転職する方法を解説します。
目次
SIerへの就職・転職を考えている女性にとって、「女性でも活躍できるの?」という点は気になるポイントでしょう。
女性もSIerで活躍することは可能ですし、実際にSIerで目覚ましい実績を挙げている女性はたくさんいます。
ここではSIerにおける女性の活躍度や、SIerの女性の雇用状況を説明します。
内閣府傘下の男女挙動参画局が公開している資料によると、デジタル分野におけるIT技術者の男女比率は、男性が約8割であるのに対し、女性は2割にとどまっています。
依然として男性の比率が高い傾向にありますが、近年は国内企業でも女性のIT人材を積極的に雇用する動きが活発化しています。
中には女性を責任のあるポジションに登用する大手IT企業もあるため、SIerでキャリアアップやポジションアップを目指すことも十分可能です。
政府も女性デジタル人材育成プランを決定するなど、デジタル分野における女性の社会進出を後押ししているため、今後SIerで活躍する女性はますます増えていくと予想されます。
前述したとおり、女性の雇用に積極的なIT企業は決して少なくありません。
女性の雇用に関する取り組み方は企業によって異なりますが、たとえば女性が結婚や出産、育児などのライフイベントの変化を迎えても働き続けられるよう、フレックスタイム制度やリモートワークなどの制度を導入しているところも増えています。
IT企業が女性の雇用に積極的な理由は複数ありますが、中でも大きいのは圧倒的なエンジニア不足です。
経済産業省が実施したIT人材需給に関する調査によると、IT人材の需要と供給の差は、2030年には78.7万人にまで到達し、深刻なIT人材不足に陥ると試算されています。
少子高齢化が加速化する現代日本では、新たなIT人材を獲得するのは簡単なことではないため、各企業は女性のIT人材雇用に力を入れているのです。
参照:IT人材需給に関する調査 調査報告書 P21|経済産業省
SIerはIT業界の中でも人気のある企業であり、男女問わず転職を希望する方はたくさんいます。
SIerで働きたいと思う理由は人それぞれですが、ここでは参考までに、女性がSIerで働く場合に期待できる主なメリットを5つご紹介します。
SIerは、国や自治体、大手金融機関などからの大口案件を受注するケースが多いため、経営基盤が安定しています。
特にメーカー系やユーザー系、外資系のSIerは、親会社である大手企業からシステム開発や運用・保守を受注したり、親会社が展開するサーバーやIoT機器と組み合わせたシステム開発に着手したりするため、案件が途切れる心配がほとんどありません。
また、SIerはシステム開発だけでなく、運用や保守も手がけることから、継続案件になるケースが多いのも特徴です。
以上の点から、SIerの収入や雇用は比較的安定しており、地に足をつけた生活を送りたい女性に適しているでしょう。
SIerはシステム設計や開発、テスト、運用・保守などが主な業務となるため、コンピューターやネットワークなどの環境が整っていれば、在宅勤務も可能です。
実際、リモートワークやテレワークを導入しているIT企業は多く、育児や介護などで長時間家を空けられない女性でも働きやすいところが大きなメリットです。
自由度が高いのは働く場所だけでなく、企業によっては時短勤務やフレックスタイム制度の導入で働く時間にも融通を利かせているため、ライフスタイルに合わせて無理なく働けるでしょう。
先ほど説明したとおり、IT業界は男性と女性の比率が8:2で、SIerも男性が多い職場環境となっています。そのぶん人間関係がさっぱりしており、女性同士の確執や衝突が少ない傾向にあります。
かつて女性の多い職場で働いており、同性同士の人間関係にストレスや疲弊を感じた経験がある方は、SIerに転職することで心身の負担が軽減するかもしれません。
なお、男性が多い職場であっても、業務内容や評価制度に男女差は少ないため、「女性だから評価されない」などの悩みを抱える心配も少ないでしょう。
女性は結婚や出産、育児などライフステージの変化によって、一時的に仕事から離れざるを得ないこともあります。ほかの業界では、ブランクが空くほど職場復帰が難しくなり、再就職や転職に苦労するケースがほとんどです。
一方、IT業界は慢性的な人材不足に陥っていることや、実力主義の世界である点から、一度SIerで働いた経験がある女性はブランクがあっても重宝されます。
もちろん、IT技術は日々進化しているため、ブランクを経てSIerで働くには学び直しやスキルアップが必須になりますが、ほかの産業よりも復帰や再就職しやすいところは大きなメリットでしょう。
SIerで働くのに、特別な資格や経験は必要ありません。未経験者OKの条件で求人を出している企業もあり、異業種からSIerに入社して活躍している女性はたくさんいます。
ただ、SIerを含むIT業界で働いた経験を持っていることが大きな強みになるのは事実です。
そのため、まったくの未経験者がSIerで働くことを希望する場合は、これまでの経験や実績、保有するスキルなどを積極的にアピールし、SIerでも活躍できるポテンシャルのある人材と認識してもらう必要があるでしょう。
SIerで初めて働く女性は、普段どのような業務を行っているのか。1日のスケジュールはどうなっているのか、気になるところでしょう。
実際のスケジュールは勤務先や担当している業務によって異なりますが、ここではSIerで働く女性の一般的な1日のスケジュールをまとめました。
SIerは顧客のシステムの運用や保守を任されているため、システムサポートの開始に合わせて出社するのが一般的です。
なお、フレックスタイム制度を導入している企業はこの限りではなく、家事を済ませたり、子どもを保育園に送ったりする時間を踏まえて、1時間遅れで出社する方もいます。
出社したらまずメールをチェックし、アラートメールが来ていないか確認します。アラートメールとはシステムに何らかの異常が起こった場合に自動で送信されるメールのことで、もし届いていたら早急に対処しなければなりません。
次に、顧客から問い合わせが来ていないかどうか確認した後、その日に行うタスクのチェックを行います。
SIerではチームで動くことが多いため、午前中のうちにメンバー間でミーティングを行います。
タスク自体はメンバーが個々で行うケースがほとんどであるため、ミーティングでは各人が進捗状況を報告し、プロジェクトが問題なく進行しているかどうか確認し合うことが重要です。
もしタスクの進行に遅延が発生していたり、何らかの問題が見つかったりした場合は、原因を追求し、必要に応じてリソースの割り振りや計画そのものを見直します。
SIerによってはシステムやアプリを利用し、リアルタイムで進捗状況を共有できる環境を整えているところもありますが、メンバー間でコミュニケーションを取るために対面でのミーティングを重要視している企業は多いようです。
ミーティングを終えたら、各人で午前中の作業を開始します。作業内容は担当している業務によって異なりますが、案件のプログラミングやエラーの処理、保安案件のレビューなどが主な業務です。
また、プロジェクト成果物のレビューやシステム設計の立案に関する資料作成などを行うこともあります。
人によっては午後からの作業の準備に取りかかるなど、おのおのの裁量で仕事を進めていくのが常です。
個人ワークが主ですが、分からないことや連携が必要なことがあれば社内メンバーとコミュニケーションを取り、問題や課題の解決を目指します。
ランチタイムは比較的自由が利きますが、12時ごろに取る人が多いようです。外に食べに行く人もいますが、お弁当を持ってきて自分のデスクで食べる人も少なくありません。
会社によってはなるべく同じ時間帯に昼休憩を取るようにし、メンバー間で交流を深めることを推奨しているところもあるようです。
同じチームのメンバーだけでなく、他部署やほかのプロジェクトのメンバーと一緒にランチを取れば、一体感が高まったり、ほかの部署やプロジェクトではどのような仕事を行っているのか知ったりするきっかけになります。
ランチタイムが終わったら、まずメールチェックを行い、昼休憩中に問い合わせやアラートメールが届いていないか確認します。特に問題がなければ、午前中に引き続き、各人で作業を開始します。
たとえば、システムの設計や開発、テストを行ったり、運用・保守に問題がないかどうか確認したりするのが主な業務です。
また、顧客と打ち合わせを行うこともあります。顧客から要望や課題をヒアリングし、どのようなシステムを求めているのか要件定義して、顧客に分かりやすいよう説明しなければなりません。
作業を終えたら退社しますが、顧客から急ぎの問い合わせがあったり、アラートメールが届いたりした場合は残業して対応に当たることもあります。
SIerに限らず、エンジニアは残業が多いイメージがありますが、進捗管理を適切に行い、メンバー間で密なコミュニケーションを取っていれば、定時で帰れる日も多いです。
退社後はメンバーと食事に行くこともありますが、IT業界は日々進歩しており、勉強しなければならないことがたくさんあるため、早々に帰宅して独学の時間に充てる人も多いようです。
女性がSIerに転職する方法は、大きく分けて3つあります。それぞれに特徴があるため、どの方法がご自分に合っているかしっかり見極めましょう。
ここでは女性がSIerに転職する際の主な方法3つと、それぞれの特徴をまとめました。
転職向けの求人サイトには、あらゆる業種の求人情報が掲載されており、勤務地や業種、職種、働く条件などで絞り込み検索できます。
気になる企業があったら、求人サイトから直接エントリーすることも可能であるため、求人探しからエントリーまでスムーズに行えます。
自分のペースで転職活動を進められるのが利点ですが、一方で求人探しからエントリーまですべて一人で行わなければならないため、手間と時間がかかるところがネックです。
なお、SIerの転職を目指すのならIT業界に特化した求人サイトを利用するとよいでしょう。
気になる企業がある程度絞り込めている状態なら、その企業のコーポレートサイトに掲載されているリクルートページで採用情報を確認してみましょう。
企業によっては、自社のコーポレートサイトにしか求人情報を載せていないところもあるため、求人サイトでは見つからない情報を入手できる場合もあります。
一方で、リクルートページにどのような情報を掲載するかは企業側に一任されるため、テンプレートに沿って必要な情報が記載されている求人サイトに比べると、詳しい業務内容や待遇などが載っていないこともあるため注意が必要です。
ご自分にマッチした求人探しや応募書類の作成、面接対策など、充実したサポートを受けたい場合は転職エージェントに登録するのがおすすめです。
転職に関する知識やノウハウに長けたプロフェッショナルが、転職活動を最初から最後まで徹底サポートしてくれるため、初めて転職する方も安心して活動を進められます。
転職エージェントの登録や利用は無料であるケースが多いため、「SIerに転職したいけど何から始めればいいか分からない」と悩んでいる方は転職エージェントの利用を検討してみましょう。
近年はIT業界への女性進出が活発化しており、SIerとして活躍する女性も少なくありません。SIerで働くと、安定した収入に加え、在宅勤務が可能、ブランク後でも働きやすいなど、さまざまなメリットを期待できます。
SIerへ転職するための方法には、求人サイトの利用や企業サイトのチェックなどがありますが、初めて転職する方や、効率よく転職活動を進めたい方はプロの力を借りられる転職エージェントの利用がおすすめです。
マイナビITエージェントでは、ITやWebエンジニアの転職に特化した転職支援サービスを提供しています。知識やノウハウが豊富なキャリアアドバイザーが、転職活動の疑問や不安点に対して丁寧に回答しながら、応募書類の添削や面接対策、内定後のフォローに至るまで、徹底してサポートいたします。
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