更新日:2025/04/17
この記事のまとめ
SIerは、ITシステムの開発や運用を担う企業です。SIerへの転職を検討するにあたり、「年収はどれくらいなのか」「高収入を目指せるのか」などが気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、SIerの平均年収を企業規模や年齢、経験年数別に解説します。また、年収アップの方法やSIerの魅力も紹介するため、転職するかどうかの判断材料に役立ててください。
目次
SIerで活躍するエンジニアの年収は、企業規模や職種、年齢などによって大きく差が開くことがあります。一般的にITエンジニアの年収は高い傾向にありますが、SIerの場合はどうでしょうか。ここでは、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に、エンジニアの年収を紹介します。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、システムエンジニア(受託開発)の平均年収は557万6,000円です。全産業の平均年収が506万9,400円であるため、50万円ほどシステムエンジニア(受託開発)の年収が高いことが分かります。しかし、IT業界(情報通信業)全体の平均年収は605万3,600円であり、システムエンジニア(受託開発)の平均年収は業界の中では低めです。
SIerはシステムの構築を請け負う企業であり、さまざまなエンジニアが活躍しています。また、IT業界ではITコンサルタントやITヘルプデスクなどの職業もあります。以下は、IT関連職の平均年収です。
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以下は、企業規模別のソフトウェア作成者の平均年収です。
上記のように、大企業ほど平均年収が高い傾向があります。これは、大企業がより多くの資源を持ち、従業員に高い報酬を提供できるためと考えられます。
以下は、年齢別のソフトウェア作成者の平均年収です。
上記のデータから、年齢が上がるにつれて平均年収も増加することが分かります。これは、経験やスキルの蓄積により、より高い報酬が得られるためと考えられるでしょう。また、平均年収のピークは50代で、60代以降は平均年収が下がっていることが読み取れます。これは、60歳前後で定年退職を迎えることが影響していると考えられます。
以下は、経験年数別のソフトウェア作成者の平均年収です。
上記のデータから、経験を積むにつれて着実に年収が上がることが分かります。経験年数を重ねるごとに、ソフトウェア開発に必要な専門知識や技術が向上することや、プロジェクトへの貢献度や成果が評価されやすくなるためと考えられます。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」の結果から、SIerの年収は全産業の平均年収よりも高いことが分かりますが、どういった理由で年収が高いのか知らない方も多いのではないでしょうか。SIerの年収の高さは将来性にも関わってくる要素であり、転職前に知っておくことが大切です。ここでは、SIerの年収が高い理由について解説します。
システム開発に関係する業界だけでなく、IT業界全体が継続的に発展しています。新たな技術が次々に開発されたり、既存の技術が高度化されたりしつつ活用が進んでいるのを目にしたことがある方も多いでしょう。
IT業界は今後も発展し続けると予想されており、それに伴って業界全体を支える人材の需要が高まっています。将来的にも上記の傾向が続くと予想されているため、日頃からスキルアップに励めば年収アップを実現しやすいでしょう。
新たなビジネスを創出したり既存ビジネスの価値を高めたりするために、ITを活用する企業が増えています。業務効率化やBCP(事業継続計画)の一環としてDXに取り組む企業があるのも事実です。
ITを積極的に活用する企業が増えるにつれて、システム開発の需要も高まると考えられます。最新技術を活用した高度なシステムを開発するには、十分なスキルを有している人材が必要です。そのため、経験・学習を積み重ねて担当できる範囲を広げれば年収アップを実現しやすくなります。
開発にかかるコストを削減したり優秀なITエンジニアを確保したりするなど、さまざまな理由でオフショア開発を導入する企業も存在しています。オフショア開発とは、開発業務の一部または全部を国外の企業に委託する取り組みです。
オフショア開発に積極的な企業が増えれば、スキル・経験を活かして国外で活躍する道も開かれるでしょう。国内から国外の開発企業を監督する業務の需要も高まります。エンジニアリングスキルに加えて外国語スキルを高めれば、オフショア開発の現場で活躍して年収アップを実現できるでしょう。
ITエンジニアは、スキルや経験を積むことで年収を大きく向上させることが可能です。特にSIer業界では、専門性の高いスキルや資格を持つエンジニアが高く評価される傾向にあります。適切なキャリア戦略を立てれば、年収1,000万円以上を目指すことも夢ではありません。ここでは、SIerで年収アップを実現するための具体的な方法を紹介します。
SIerで年収アップを実現するためには、技術スキルやマネジメントスキルを磨くことが不可欠です。特に、以下のスキルを意識して伸ばすことで市場価値を高められます。
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上記のような知識・スキルを磨くことで、企業からの評価が高まり、昇進や昇給につながります。
資格を取得することは、自分が身につけているスキルの証明として有効です。資格の勉強を通じて知識を深められるだけでなく、第三者に専門性をアピールできるため、評価が高まりやすくなります。また、企業によっては資格手当が支給される場合もあり、収入アップにつながることもあります。年収アップを狙う場合には、以下のような難易度の高い資格の取得が有効です。
SIer業界には、大手から中小、独立系ベンダーまでさまざまな企業が存在し、それぞれ年収水準は大きく異なります。現在の企業の年収水準が低い場合、スキルや資格を活かして年収の高い企業へ転職するのも有効な手段です。
たとえば、大手SIerや外資系企業では、プロジェクトの規模が大きく、高度なスキルを持つエンジニアが求められるため、比較的高い給与が設定されています。
SIerは、IT業界の中でも高収入を狙える点が魅力です。しかし、年収以外にもシステム開発の経験を幅広く積めたり、ポータブルスキルを磨けたりするなどの魅力もあります。ここでは、SIerへ転職するメリットを3つピックアップして紹介します。
SIerの業務範囲は広く、システム設計・開発から運用・保守まで、さまざまなフェーズに関わる機会があります。そのため、単にプログラミングスキルを磨くだけでなく、上流工程の要件定義や設計にも携わることで、幅広い開発経験を積める点がメリットです。
また、SIerでは企業向けの大規模プロジェクトに関わることが多く、さまざまなエンジニアとチームで協力しながらシステムを構築する経験も積めます。
SIerでは、技術力だけでなく、業務を遂行するためのポータブルスキル(持ち運び可能なスキル)も習得できます。たとえば、顧客との要件定義や折衝を通じて「コミュニケーションスキル」が磨かれます。クライアントのニーズを正確に把握し、それをシステムに落とし込む能力は、どの業界でも求められる重要なスキルです。
また、プロジェクト管理の経験を積むことで「マネジメントスキル」も向上します。納期や予算を考慮しながらチームを統率し、品質を担保する能力は、エンジニアとしてのキャリアアップだけでなく、将来的にプロジェクトマネージャーやITコンサルタントを目指す際にも有利に働きます。
SIerの多くは、大手企業の子会社やグループ企業として運営されているため、経営基盤が安定しています。特に、金融や公共機関向けのシステム開発を手がける企業は、長期的な契約を結ぶケースが多く、業界全体としての将来性も高いです。
また、大手企業のグループの場合は福利厚生が充実している点も魅力です。たとえば、住宅手当や資格取得支援制度、研修制度が整っている企業も多く、スキルアップしながら安心して働ける環境が整備されています。
SIerの年収は、企業規模や職種、経験によって大きく異なります。厚生労働省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、システムエンジニア(受託開発)の平均年収は557万6,000円です。スキルや経験を充実させたり、大手SIerへ転職したりすることで、年収1,000万円以上を狙うことも可能です。
IT業界への転職で年収をアップさせたい方は、マイナビITエージェントにご相談ください。SIer業界に精通したキャリアアドバイザーがあなたのスキルや経験、希望を丁寧にヒアリングし、年収アップにつながる企業を紹介します。企業との給与交渉の代行やキャリアプランに関する相談も可能です。お気軽にお問い合わせください。
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