SIerとITコンサルの違いを分かりやすく解説!転職を成功させるには?|求人・転職エージェント

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更新日:2023/05/09

IT業界

SIerとITコンサルの違いを分かりやすく解説!転職を成功させるには?

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この記事のまとめ

  • SIerとITコンサルはどちらもクライアントのシステム開発に関わるが、業務の目的や業務内容、求められる人材などに違いがある。
  • SIerとITコンサルは必要なスキル、収入、キャリアパスが異なるため、転職する際には将来像をイメージすることが重要。
  • SIerで培ったスキルや経験は、ITコンサルへの転職で大きなアピールポイントになる。

SIerのキャリアパスのひとつに、ITコンサルへの転職があります。SIerからITコンサルへキャリアチェンジするかどうか迷っている人もいるのではないでしょうか。

転職を成功させるには、SIerとITコンサルの違いをきちんと理解しておくことが必要です。そこでこの記事では、SIerとITコンサルの違いを詳しく解説します。ITコンサルとしての将来像がしっかりと描ければ、転職への一歩を踏み出せるでしょう。

目次

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SIerとITコンサルの違い|言葉の意味

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「SIer」や「ITコンサル」という言葉は、理解が曖昧なまま使われることも少なくありません。誤った使い方をしてしまうと、IT関連知識の不足や資質のなさと捉えられてしまうことにもなりかねません。まずは言葉の意味をしっかりと確認し、認識を整理しておきましょう。

SIerは企業のこと

IT業界で使われる「SI」は「System Integration(システムインテグレーション)」の頭文字で、ITシステムの開発・運用を請け負う事業やサービスのことです。日本では、社内にITシステムの専門部門を作る企業は少なく、多くはSIを利用しています。

SIを提供する企業は「System Integrator(システムインテグレーター)」または「SIer(エスアイヤー)」と呼ばれます。SIerは「SI」に「~する者」を意味する「er」を組み合わせた和製英語です。

ITコンサルは企業と職種

ITコンサルは「ITコンサルティングファーム」、もしくは「ITコンサルタント」を指します。「ITコンサルティングファーム」とは、企業が抱える経営課題に対し、ITを使った解決策を提案して実行する企業のことです。

一方、「ITコンサルタント」は職種のことで、その多くはITコンサルティングファームに所属しています。企業の課題を見つけて解決へと導くスペシャリストとして、クライアント企業に派遣されます。

SIerとITコンサルの違い|業務に関する3つの違い

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SIerからITコンサルへの転職を考えている場合は、業務に関する違いをしっかりと理解しておくことが重要です。仕事の目的や業務内容を理解していれば、転職活動時に自分のスキルの効果的なアピール方法を見いだせるようになるでしょう。ここでは業務の目的、業務内容、必要とされる人材という3つの視点で違いを解説します。

SIerの目的

SIerとITコンサルはともにクライアント企業のシステム開発に関わりますが、その目的は大きく異なります。SIerの目的は、クライアント企業の要望に応じて情報システムの構築・開発・導入を行い、運用・保守・管理までを請け負うことです。

クライアントが使いやすいITシステムを導入し、トラブル対応などのサポートを迅速に行うことで信頼を獲得してクライアントとの長期的な付き合いを目指します。しっかりとした信頼関係が築ければ、新システムへの刷新などの受注も見込めるでしょう。こうして安定したビジネスへとつなげていくのがSIerのやり方です。

ITコンサルの目的

ITコンサルの目的は、「クライアントの抱える経営課題に対して効果的なITソリューションを提案・実行し、目に見える成果を上げること」です。ITという観点からだけでなく、経営資源、生産性、コスト削減などさまざまな側面から経営課題に切り込んでいかなければなりません。そのため、ITコンサルには経営と技術の両面における幅広い知見が求められます。

クライアントからの依頼をそのまま受け入れるのではなく、投資対効果などを検証し、開発に取り込むかをクライアントとともに最終決定します。なお、システムの実装に関しては自社で行う場合もありますが、最適な事業者を選んで外注するケースも少なくありません。

SIerの業務内容

SIerの仕事は、クライアントの要望に沿ったITシステムの構築です。クライアントから受け取るRFP(提案依頼書)に基づいて、システムの要件定義、基本設計、詳細設計、開発、テスト、保守・運用といった業務を担います。

業務上関わるのは、主に情報システム部やアプリケーション開発部、基盤部などのIT部門担当者です。SIerはクライアントからの要求の変更・追加に対して、原則拒否することはありません。

ITコンサルの業務内容

SIerはクライアントから受け取るRFP(提案依頼書)に基づき、システム要件定義から業務を開始します。一方、ITコンサルはその前段階である業務要件定義も任されており、SIerよりもさらに上流工程を取り扱います

ITコンサルの業務は、ヒアリングや市場調査、データの分析などによる経営課題の洗い出しから始まります。その後、課題を解決するITソリューションを提案し、必要なシステム開発のプロジェクト管理を行うという流れです。業務上さまざまな部門の担当者と関わり、経営者や部長、役員といった決裁権者とのやりとりも必要です。

SIerに必要な人材

SIerでは、システム開発から運用までさまざまな業務を分担して行っているため、知識やスキルの異なる人材を必要としています。たとえば、以下のようなエンジニアです。

ネットワークエンジニア ・ネットワークを設計、構築、運用するエンジニア
アプリケーションエンジニア ・システムの設計、開発、導入後のサポートを担当するエンジニア
・プログラミングスキルをはじめとした開発スキルやデータベーススキル、コミュニケーションスキルが高いレベルで求められる
セキュリティエンジニア ・サイバー攻撃や不正アクセス、マルウェアへの感染を防ぐエンジニア
データベースエンジニア ・データベースの設計、構築、運用、保守に携わるエンジニア

ITコンサルに必要な人材

ITコンサルではプロジェクトごとにメンバーを選定し、チームで業務を担います。チーム内ではそれぞれ異なる役割が期待されており、各ITコンサルタントが持つスキルや経験に合わせて割り当てられる形が一般的です。たとえば、以下のような人材が必要とされます。

IT戦略コンサルタント ・全社的な戦略においてITをどのように活用して価値を生み出していくかを提案する担当者
ERPコンサルタント ・企業の持つ経営資源の最適化を図るERP(Enterprise Resources Planning)パッケージの提案を行う担当者
SCMコンサルタント ・サプライチェーンの管理手法であるSCM(Supply Chain Management)という切り口で課題解決と収益の改善をサポートする担当者
PMOコンサルタント ・プロジェクトの支援、管理、指揮を行うPMO(Project Management Office)業務に携わる担当者
CRMコンサルタント ・顧客関係管理を意味するCRM(Customer Relationship Management)をIT技術でサポートする担当者

SIerとITコンサルの違いはほかにも

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SIerからITコンサルへキャリアチェンジをすべきかどうか、迷っている人もいるでしょう。そこでここでは、SIerとITコンサルのさらなる違いを「必要なスキル」「収入」「キャリアパス」「転職難易度」の観点から解説します。自分の望む将来像を描けるかどうかをイメージしながら読み進めていくことをおすすめします。

必要なスキルの違い

システムの実装と運用管理を手掛けるSIerと、企業の経営課題に取り組むITコンサルとでは必要とされるスキルが異なります。SIerでは技術面でのスキルが必須です。一方、ITコンサルは高度なビジネススキルが要求される一方で、技術面におけるスキルはそこまで要求されません。

SIerとITコンサルに求められる主なスキルは、それぞれ以下のとおりです。

SIerで求められるスキル ITコンサルで求められるスキル
・要件定義力
・設計力
・プログラミングスキル
・最新技術へのキャッチアップ
・プロジェクト管理能力
・進捗管理能力
・コミュニケーション能力
・順応力
・経営全般に関する基礎知識
・クライアントの業界に関する知識や経験
・ITの技術動向に関する最新の知見
・論理的思考力
・情報収集能力
・課題解決能力
・コミュニケーション能力

収入の違い

年収は企業ごとに異なるため一概にはいえませんが、一般にはSIerよりもITコンサルのほうが高収入とされています。SIerからのキャリアアップとして、ITコンサルへの転職を希望する人も少なくありません。 

ITコンサルとしてキャリアを積めば高収入が期待できる点は大きなメリットといえるでしょう。しかしその分、責任も大きい仕事です。結果が出なければ、クライアントの経営に大きなダメージを与えかねないことを肝に銘じておく必要があるでしょう。

キャリアパスの違い

SIerからのキャリアパスには、ITエンジニアとしてのスペックを上げていく、より上流工程を扱うポジションや職種へのキャリアアップなどが考えられます。

ITコンサルであれば、事業会社の情報システム部や大手外資系企業への転職、IT分野に縛られない経営・戦略コンサルタントを目指してスキルアップしていくといったキャリアパスを描けます。起業や独立といった道も開かれており、ITコンサルのキャリアパスの選択肢はSIerよりも多い傾向にあります

転職難易度の違い

SIerは未経験からの転職も可能といわれています。もちろん重要な業務はスキルや経験を持ち合わせた人に任せられますが、下流工程に関わりながら知識やスキルを磨き、キャリアアップを目指すことが可能です。

一方、ITコンサルはITスキルだけでは業務をこなせないため、転職難易度は高めです。転職先企業をしっかりと研究したうえでの対策が必要であり、未経験からの転職であればノウハウがなければかなり難しいのが現状です。

SIerからITコンサルへの転職を成功させるには

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ITコンサルとして活躍する将来像を描けるのであれば、思い切って転職への一歩を踏み出してみましょう。SIerからの転職成功者は多く、他業種からの転職よりも有利な立場にあります。ここでは、SIerからITコンサルへの転職が有利な理由と、転職を成功させるポイントを解説します。

SIerからITコンサルへの転職をおすすめする理由

ITコンサル業界ではSIerからの転職者が多く、需要も高まっています。SIerで経験を積んできた人であれば業務要件やRFPなどを作成する際に工程を把握しているため、実際にシステム要件定義や詳細設計、構築へと進んだ際に修正が少なくて済むという大きなメリットがあるのです。予定どおりにリリースできれば、クライアントの満足度も高まります。

SIerの現場で培ってきた経験は実現可能なITソリューションの提案に直結するため、ITコンサルへの転職でアピール可能です。さらに、プロジェクトマネジメント能力やコミュニケーションスキルなど、SIerで培ってきたスキルが役立つシーンも多くあります。

知識や資格で強みをプラスする

ITコンサルでは、SIerでは培えなかった知識やスキルが求められます。たとえば、ロジカルシンキングや課題解決能力、ドキュメント作成能力などです。コンサルティング業界やその業務を理解するために関連書籍を熟読するなどの努力が必要になるでしょう。生産・物流・販売・購買・人事・総務・財務会計といったさまざまな業務に関する知識も必要です。

自身の強みをアピールできるよう、中小企業診断士、公認会計士、税理士などの資格を取得するのもひとつの方法です。

転職エージェントに相談しよう

SIerからITコンサルへの転職難易度は高いため、転職エージェントの利用をおすすめします。転職を成功させるには、企業が求める人物像と自分の強みがマッチしていなければなりません。転職エージェントは取り扱う企業の内情に通じているため、自身のキャリアやスキルに適した転職先を探してくれます

自分の強みをどのようにアピールすればよいのか、ITコンサルの面接にはどのような傾向があるのかなど、さまざまなノウハウをもとに履歴書の作成や面接対策までサポートしてもらえるのも魅力です。

まとめ

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SIerとITコンサルはどちらもクライアントのシステム開発に関わりますが、業務の目的や取り組み方、必要とされる人材、スキルは異なります。転職後のミスマッチを防ぐためにも、両者の違いをしっかりと把握しておきましょう。

SIerからITコンサルへの転職を目指しているのであれば、マイナビITエージェントをぜひご利用ください。IT業界の転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたの強みをしっかりとアピールできる転職先を紹介します。

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