SIerへの転職に資格は重要?主な職種や役立つ経験・スキルを紹介|求人・転職エージェント

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更新日:2024/10/30

IT業界

SIerへの転職に資格は重要?主な職種や役立つ経験・スキルを紹介

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この記事のまとめ

  • SIerはシステムの受託開発を行う企業全般を指す用語。
  • SIerに転職するのに必須の資格は存在しないが、IT系の資格を取得していれば有利になる。
  • 転職を成功させるには、開発スキルや論理的思考力、マネジメント能力といった必要なスキルの習得に励むことが大切。

SIer(System Integrator)は、依頼を受けてシステムを開発する企業の総称です。IT業界への転職を検討しており、SIerが候補に入っている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、SIerの特徴や転職時に必要な資格の有無といった気になるポイントを詳しく紹介します。転職前にチェックすることで必要なスキルが分かり、SIerが自身にマッチした転職先か判断するのに役立つでしょう。

目次

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SIerとは?SEとは何が違う?

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初めてIT業界に挑戦する方の中には、SIerの仕事内容についてよく知らない方もいるでしょう。言葉が似ていることから、SEと混同することがあるかもしれません。ここでは、SIerとは何か解説します。SIerについて正しく理解した上で転職活動に取り組むとよいでしょう。

SIerはIT技術で情報サービスを提供する企業

SIerはほかの企業から依頼を受け、システムを設計・開発し、納品後は運用・保守サービスを提供する企業を指します。取り扱うシステムの一例は以下のとおりです。

  • CRM(Customer Relationship Management)システム: 顧客情報を一元管理するシステム
  • SFA(Sales Force Automation): 企業の営業活動を可視化して支援するシステム

  • MA(Marketing Automation): マーケティング活動の一部を自動化するシステム

  • ERP(Enterprise Resources Planning)システム:経営資源を一元管理するシステム

SIerとSEの違いは?

SIerとSEは混同しがちなワードですが、それぞれまったく意味が異なります。SIerはIT技術を駆使してシステム開発を請け負う企業であるのに対し、SEはシステム開発や工程管理に携わるスタッフのことです。つまり、SIerは「企業」、SEは「人」を指します。SIer企業にシステム開発業務に携わるSEが所属していると考えると分かりやすいでしょう。

SIerの種類と特徴

SIerはシステムの受託開発を行う企業ですが、母体となる企業によっていくつかの種類に分けられます。主なタイプは以下の4つです。

タイプ 母体となる企業 特徴
メーカー系 ハードウェアを設計・開発する企業 母体企業のハードウェアの設計に合わせたシステムを設計する
ユーザー系 ハードウェア関連企業以外の企業 母体企業経由で業務を請け負うことが多い
独立系 母体となる企業を持たない 自社で多種多様な企業からシステム開発を受託する
外資系 外国資本の企業 グローバル展開しているプロジェクトが存在する
コンサルティングに強い企業も多い

同じSIerでもタイプによって開発するシステムの種類が異なります。自分にマッチした企業を探すためにも、それぞれの特徴を押さえた上で転職先を探すとよいでしょう。

SIerへの転職に資格は必須?

SIerの業務には専門技術が必要ですが、特別な資格が求められるわけではありません。転職時にも実務経験を重視する傾向があり、資格がないからといって転職できないことはないでしょう。

しかし、資格は一定のスキルレベルを有することを証明できるため、持っていないよりは持っていたほうが転職で有利です。少しでも有利に転職を進めたいと考えている方や、自身のスキルレベルを可視化したい方は資格取得を検討しましょう。

SIerへの転職に役立つ資格

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SIerへの転職を有利に進めたいのであれば、開発スキルやITスキルを証明できる資格を取得するのがおすすめです。ここでは、転職時に役立つ資格を6つ紹介します。それぞれのレベルや証明できるスキルについて解説するため、スキルアップの一環として資格取得を目指しましょう。

ITパスポート試験

IPAが実施する国家試験で、経営やITに関する基礎知識を有することを証明する資格です。専門的なスキルを問う試験ではなく、IT系資格の入り口に位置づけられています。

何も資格を取得していない方はITパスポート試験からスタートし、上位資格にステップアップするとよいでしょう。SIerに転職するのに十分なスキルを証明できる資格ではないため、ITパスポート試験をゴールに据えるのはおすすめできません。

基本情報技術者試験

IPAが実施する国家試験のひとつで、ITを活用して課題を解決する力やシステム開発に必要な基礎知識を有することを証明する資格です。資格を取得すれば、指導を受けてシステムの設計・開発・運用を行うのに必要なスキルを証明できます。

ITエンジニアの登竜門ともいわれる資格です。ITパスポート試験よりは難易度が大幅にアップしますが、エンジニアとしてキャリアアップしたいのであれば積極的に取得しましょう。エンジニア向けの上位資格を目指す方のファーストステップとしても最適です。

応用情報技術者試験

ITパスポート試験や基本情報技術者試験と同様に、IPAが実施する国家試験のひとつです。基本情報技術者試験の上位資格に位置づけられており、ステップアップするときに目指す資格として向いています。

資格を取得することで、システムの開発・運用・保守現場において方針を理解した上で技術的な課題を解決し、業務を遂行できるレベルのスキルを習得していることが証明できます。

プロジェクトマネージャ試験

マネジメントスタッフとしてシステム開発プロジェクトに携わるのに必要なスキルを有することを証明する資格です。IPAが主催する国家試験のひとつで、プロジェクトマネージャを目指すのであれば取得しておきたい資格といえるでしょう。

資格を取得するには、プロジェクト全体の計画を立てて適切にマネジメントし、結果を次のプロジェクトに活用するスキルが必要です。試験は年に1回実施されるため、計画的に学習して資格取得を目指しましょう。

中小企業診断士試験

一般社団法人 中小企業診断協会が実施する国家資格で、経営に関するコンサルタントに必要な知識を証明する資格です。経営やマーケティングで役立つ資格ですが、SIerで働くエンジニアにも取得する価値があります。

SIerではシステム開発を通して経営課題の解決を目指すことも多く、クライアントをサポートするのも仕事です。中小企業診断士の資格を取得すれば、課題を適切に分析し、効果的なシステムを提案できます

マイクロソフトオフィススペシャリスト

MOSとも呼ばれる試験で、オデッセイコミュニケーションズが実施する資格です。この資格では、以下のMicrosoft Office製品を使用するのに必要なスキルを有することを証明します。

  • Word
  • Excel
  • PowerPoint

  • Access

  • Outlook

Microsoft Office製品は多くの企業で使用しているため、十分なスキルを証明できれば、課題解決策の提示に役立つでしょう。中小企業診断士試験と同様に直接開発業務に直結するわけではありませんが、取得しておくと役立つ場合があります。

SIerの主な職種

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SIerはシステムの開発・運用・保守に携わる企業で、業務を遂行するためにさまざまな職種のスタッフが働いています。職種によって取り扱う業務や求められるスキルが異なるため、自身のスキルや思い描くキャリアプランに合わせて適切な職種への転職を検討しましょう。ここでは、SIerの主な職種を4つ紹介します。

ネットワークの設計や構築をする「ネットワークエンジニア」

ネットワークを設計・構築・運用するエンジニアです。システムを運用するにはネットワークを設計し、ルータといったハードウェアを調達して構築しなければなりません。構築後は実際に運用し、必要に応じて設計を変更したりセキュリティを強化したりします。トラブル発生時には解決を試みる役割があり、システムの安定稼働を支えるために欠かせない仕事といえるでしょう。

システムの設計や開発をする「アプリケーションエンジニア」

委託元企業の課題を解決するためのシステムを設計・開発するエンジニアです。開発するシステムの設計から導入までの全工程に携わるだけでなく、導入後のサポートも担当します。

一般的にSEと呼ばれる職種に近いため、開発に深く携わりたい方はアプリケーションエンジニアを目指すとよいでしょう。ただし、プログラミングスキルをはじめとした開発スキルやデータベーススキル、コミュニケーションスキルが高いレベルで求められる仕事です。

情報セキュリティを管理する「セキュリティエンジニア」

システムのセキュリティを確保するために欠かせないエンジニアです。サイバー攻撃や不正アクセス、マルウェアへの感染を防ぐのが主な仕事で、情報セキュリティを高める上で大きな役割を果たします。システムに存在するセキュリティホールを探して適切な対策を施し、情報漏えいを未然に防ぐだけでなく、ネットワークエンジニアと協力してファイアウォールの設定に携わることもあります。

データベースの設計や構築をする「データベースエンジニア」

ITシステムの運用には、データベースが欠かせません。データベースの設計・構築・運用・保守に携わるのがデータベースエンジニアで、SQLをはじめとした深い専門知識が求められます。ほかにも、データモデリングツールを使用するスキルやテーブル設計書・ER図を作成するスキルも必要です。データベースの運用後は運用業務全般に携わり、万が一障害が発生した場合はトラブル対応に従事します。

SIerに必要なスキルや知識

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SIerで働くには、システムに関する幅広い知識以外にも、さまざまな知識・スキルが求められます。ここでは、SIerへの転職を目指す方が習得したいスキルを3つ紹介します。自身が思い描くキャリアプランを実現するためにも、継続的にスキル習得に励みましょう。

システムに関する知識

SIerでは、システムに関する深い知識が必要不可欠です。具体的に求められる知識には以下のようなものがあります。

  • IT全般に関する知識

  • システムごとの特徴や用途
  • プログラミング言語ごとの特徴
  • 主な開発手法やできること

クライアントの課題を解決するシステムを考えて、適した開発言語や手法を選ばなければなりません。適切なシステムを提案・開発するには、システムに関する広範な知識が必要です。

論理的思考力

論理的思考力はロジカルシンキングとも呼ばれ、問題解決に欠かせないスキルです。具体的には、目の前にある物事の状況を整理し、解決に導くためのルートを矛盾なく設計する能力を指します。

システム開発の現場においては、要件定義・設計の段階で工程が矛盾せず欠陥のない設計書を提示する必要があります。この際に論理的思考力が求められるため、SIerで働くのに向いているといえるでしょう。

プロジェクトを遂行できる能力

システム開発は一定期間で体系的に業務を進めます。プロジェクトには期日があるのが一般的で、工数を正確に見積もって期日までに終わらせるためのスケジューリングをしなければなりません。プロジェクト遂行能力として求められるスキルの一例は以下のとおりです。

  • それぞれのフェーズごとに適切な期日を設定する
  • 進捗状況をモニタリングする
  • 遅延が発生したときにリカバリする

  • リソースを適切に管理する

これらのスキルをマネジメントスキルと呼びます。また、開発はチームで進めるのが基本であるため、コミュニケーションスキルも欠かせません

まとめ

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SIerは企業から委託を受けてシステムを開発する企業の総称です。クライアントの課題を解決するために必要なシステムを提案・設計・開発するだけでなく、納品後の運用・保守サポートも提供します。SIerに転職するのに必須の資格は存在しませんが、ITスキルを証明する資格があれば、有利に転職活動を進められます。SIerを目指す方は必要なスキルを学べる資格を取得しましょう。

SIerへの転職を検討している方は、マイナビITエージェントを活用して自分に合った転職先を探しましょう。IT業界に精通したキャリアアドバイザーが一人ひとりに合った転職活動をサポートします。

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マイナビエージェント編集部

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