SIerの将来性を見極める5つのポイント|転職成功のコツも紹介|求人・転職エージェント

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更新日:2023/04/05

IT業界

SIerの将来性を見極める5つのポイント|転職成功のコツも紹介

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この記事のまとめ

  • 既存のビジネスモデルや業務形態に固執しているSIerは時代の変化についていけず、将来性には期待ができないといえる。
  • 時代の変化を見据え、柔軟に変化していけるSIerには将来性がある。
  • SIerへの転職を成功させるには、企業の実情をしっかりと見極め、自分の強みや転職目的とマッチする転職先を見つけることが大切。

「SIerには将来性がない」といわれることがあります。SIerを目指していたものの、本当に転職しても大丈夫かどうか不安を覚えている人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、将来性のあるSIerを見極める5つのポイントと転職を成功させる3つのコツを紹介します。将来性に期待ができるSIerを見分けられれば、転職を成功に導けるでしょう。

目次

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SIerの将来性を見極める前に

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キャリアチェンジの選択肢としてSIerを視野に入れているのであれば、まずはSIerに関する理解を深めることが重要です。また一口にSIerといっても、企業によって業務内容が異なる場合がある点を押さえておきましょう。ここでは、SIerの概要や業務形態、業務内容、SIerで働くエンジニアのキャリアパスについて解説します。

SIerとは

SIer(エスアイアー/エスアイヤー)とは、クライアントのシステム開発や保守運用などを請け負う企業のことです。「システムの統合」を意味するSystem Integrator(システムインテグレーター)の頭文字と、「~をする人」という意味のerを組み合わせて「SIer」という言葉が作られました。

SIerが広まった背景には、かつて経済産業省が実施していた「SI(システムインテグレーション)登録制度」があります。SI登録制度はシステム開発を遂行できる技術や実績を備えた企業を認定する制度のことで、これにより、システム開発にかける資金やノウハウのない企業がシステムの外注化を進められるようになりました。なお、2011年3月末で「SI登録制度」は廃止されています。

SIerの種類

SIerは取り扱うビジネス領域により、主に以下の種類に分けられます。

SIerの種類 特徴
メーカー系SIer

・大手メーカーの子会社として親会社のシステム開発を請け負う
・職場環境や福利厚生、待遇などは親会社に準じており、給料も安定している

ユーザー系SIer

・銀行や保険会社などのシステム部門が独立
・主に親会社のシステム開発を請け負うため、親会社の業務に精通している必要がある

独立系SIer

・親会社を持たない
・関連企業の製品に縛られずに開発できる

外資系SIer

・海外に拠点を置く
・自社システムを使用してもらう目的でSIer事業を行っているケースが多い

SIerで必要とされる職種

SIerでは、システムの開発・運用・保守に関わるさまざまな人材を必要としています。たとえば、以下のような職種です。

SIerが必要とする職種 内容
ネットワークエンジニア

・ネットワークを設計・構築・運用する

アプリケーションエンジニア

・課題を解決するためのシステムを設計・開発する
・プログラミングスキルやデータベーススキルなど高いITスキルが求められる

セキュリティエンジニア

・サイバー攻撃や不正アクセス、マルウェアへの感染を防ぐ業務がメイン

データベースエンジニア

・データベースの設計・構築・運用・保守に携わる

SIerで働くエンジニアのキャリアパス

SIerの業務には高いITスキルを必要としないものもあるため、未経験からでも転職がしやすいといわれています。転職後にキャリアアップを目指すのであれば、自身が理想とするキャリアを思い描くとともに、新たな知識やスキルを身につけていくことが必要です。 

SIerでは上流工程を扱うプロジェクトマネージャーを目指し、システム開発のスキルだけでなく、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルも磨いていくとよいでしょう。SIerからWeb系企業のシステム担当者、社内SE、ITコンサルタントなどへと転職する人も少なくありません。 

SIerに将来性がないといわれる5つの理由

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SIerは将来性がないといわれることも少なくないため、SIerへの転職を迷っている人もいるのではないでしょうか。そこでここからは、SIerに将来性がないといわれる5つの理由を紹介します。ネガティブな情報をしっかりと押さえておくことで、将来性があるSIerを見分けられるようになるでしょう。

1.多重請け構造

SIer業界では、大手SIerが仕事を受注し、下請け企業や孫請け企業に実務を任せる多重請け構造が広く見られます。下流になればなるほど納期はタイトとなり、必然と業務内容も多くなりがちです。また、下請け企業ほど開発費用が圧縮されるため、末端で働くエンジニアの給料も低くなってしまいます。

このような実情から待遇に不満を抱いて辞める人は多く、体調を崩して休職・退職してしまうケースも少なくありません。人材不足が懸念されるIT業界において、社員が定着しづらいSIerの将来性が危ぶまれているのが現状です。

2.クラウド化の波

これまでのSIerでは、サーバーやネットワーク、ハードウェア、OSなど企業のニーズに合わせてシステムをアレンジして開発するスタイルが主流でした。しかし現在はシステム開発に関わるさまざまなクラウドサービスの普及に伴い、システムを一から開発するのではなく、インターネット経由で必要なサービスを利用する企業が増えています。

クラウド型のサーバーを利用すると、オンプレミスのサーバーには欠かせなかったハードの運用・保守の必要はありません。ハードの運用・保守はSIerが請け負う主要業務のひとつです。クラウド化が普及することによってSIerの定期的な収入源が失われてしまうため、その将来性が懸念されているのです。

3.優秀なエンジニアが定着しにくい

多重請け構造で業務を回す大手SIerは、実際に業務を担当するエンジニアを雇用しない傾向にあります。実務をこなすエンジニアは下請け企業や孫請け企業で働くことになりますが、過酷な労働環境や待遇面での不満などから、優秀なエンジニアから先に離職してしまうのが現状です。

さらに業務範囲が限定されているため、エンジニアとしてのスキルアップが難しい現場も多くあります。そのため、エンジニアとしての成長を目指すやる気のある人は、スキルアップできる別の職場を探すことになるでしょう。

エンジニアとしてのキャリアアップを目指す優秀な人材が定着しにくいという現状も、SIerの将来性が危ぶまれる理由のひとつです。

4.高コストのビジネスモデル

SIerが掲げてきたビジネスモデルは、コストのかかる大規模なシステム開発を行い、その後は運用・保守で収益を上げていくというものでした。しかし、近年はまず必要最小限のシステムを開発してコストを抑える「スモールスタート」がトレンドです。その後、状況に応じて必要な機能を拡張していき、より実用性を高めていきます。

高コストの古いビジネスモデルでは実際の需要とはマッチしないため、将来性が感じられないという意見も見受けられます。

5.グローバル展開が難しい

収益源が国内市場に限られてしまうと、そのうち頭打ちになってしまうでしょう。需要のある海外へ進出することにより、大きく業績を伸ばしてきたIT企業も少なくありません。

しかし、SIerというビジネスモデルは日本独特のものです。海外ではシステム開発から運用・保守まですべてを外注するというスタイルはほとんど見られません。多くは自社に情報システム部門を保有しており、外注するとしても業務のごく一部です。

従来型のビジネス構造をそのまま海外市場には適用できずにグローバル展開が難しい点も、SIerの将来性が危惧されているひとつの要因です。

将来性のあるSIerは5タイプ

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SIerの将来性を危ぶむ声がある一方で、将来性が期待されるSIerが存在するのも事実です。将来性のあるSIerには、5つのタイプがあります。SIerの転職先を探す際には、この5つのタイプに当てはまるかどうかを慎重に検討するとよいでしょう。

1.大規模なシステム開発を扱えるSIer

規模の大きなシステムはクラウド化が難しいため、新たなシステム開発はもちろん、既存システムのメンテナンスにおいてもSIerの存在が欠かせません。特に官公庁や金融機関などからの大規模なシステム開発の発注は定期的に発生するため、こういったクライアントを抱えるSIerには将来性があるといえるでしょう。

大型プロジェクトはセキュリティが重視される案件が多く、信頼と実績がある企業に発注されることがほとんどです。大規模なシステム開発で実績を積んできたSIerはクライアントからの高い需要が見込めるため、安定した環境で働けるでしょう。

2.DX戦略に絡めるSIer

現在、さまざまな業界・業種でDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進んでいます。しかし、事業部門ごとに別々のシステムが構築されている、システムの過剰なカスタマイズによりブラックボックス化してしまっているなど、既存システムに関わる問題も浮上しています。

新たなDX需要を取り込むだけでなく、既存のシステム開発に関わったSIerとして新たなパッケージソリューションの導入に取り組めれば、今後も大きな受注を見込めるため将来性も大きいといえるでしょう。

3.企業の経営改善方法を提案できるSIer

クライアントの要望どおりにシステムを開発するだけでなく、企業の経営上の課題を見つけ、それを解決するようなサポートまでできるSIerを「コンサル系SIer」といいます。

現在、コストの削減や業務の効率化など、クライアントの業務改善に貢献できるSIerの需要が高まっています。システム開発に加えてITコンサルタントとしての実績も豊富なSIerであれば、将来性にも大いに期待できるでしょう。

4.新たなビジネス展開を創出できるSIer

古いやり方に甘んじるのではなく、新たなビジネスやサービスを創出できるSIerは今後も需要が見込めるでしょう。大手SIerの下請けであった中小SIerが、自社サービスを開発して収益を伸ばしたケースはその一例です。

また、海外決済システムのプラットフォームを構築することにより、海外向けの新たなビジネスモデルを立ち上げたSIerも存在します。従来型のビジネスモデルを脱却し、新たなビジネスを展開できるSIerには将来性が十分あるといえます。

5.人材を大切にするSIer

労働環境が過酷なイメージの強いSIerですが、近年推し進められている「働き方改革」により明るい兆しも見え始めています。

「辞めたら新しい人材を採用する」のではなく、職場環境や業務、待遇を見直し、人材を育てようとするSIerも増えてきました。人材を大切にする企業であれば優秀なエンジニアが定着しやすく、時代の変化に合わせた新たなサービスを開発できるようになるでしょう。将来性にも期待ができます。

SIerへの転職を成功させるには

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将来性のあるSIerがどのような企業なのかが分かったとしても、どのようにすれば転職を成功させられるのかが分からない方もいるでしょう。そこでここからは、SIerへの転職を成功させるうえで押さえておきたい3つのポイントを解説します。

転職の目的を明確にしよう

どのような職種の場合でも、転職を成功させる最初の一歩は自分の目的に合った企業を見つけることです。目的がはっきりしていなければ、給与や待遇のみに目が行ってしまうでしょう。「キャリアアップをしたい」「ライフスタイルに合った働き方をしたい」「家族との時間を大切にしたい」など、転職目的は人それぞれです。SIerをステップとしてキャリアチェンジを目指すケースも少なくありません。

転職活動を始める前に、まずなぜ転職したいのかを明確にし、その目的を実現できるSIerを探しましょう。

将来性のあるSIerを見つけよう

企業の実態は外からではなかなか見えづらいものです。しかし、転職企業を間違ってしまうと、時間を無駄にするだけでなく体力や気力まで削り取られることになりかねません。企業の将来性はもちろんのこと、職場環境や必要としている人材など、できるだけ詳しくリサーチすることが重要です。

将来性のあるSIerへ転職したい、転職後のミスマッチを防ぎたい場合は、IT業界に強い転職エージェントを活用しましょう。転職エージェントは取り扱う求人企業の内情にも通じているため、求人情報からでは知り得なかった企業の体質や求められるスキル・人物像なども教えてくれます。疑問や不安を解消したうえでベストな転職先を選択できるでしょう。

企業に必要な人材であることをアピールしよう

企業の求める人材・人物像と自分のアピールポイントがうまくマッチすると、転職は成功します。なぜSIerなのか、なぜその企業なのかをはっきりとさせ、アピールできるポイントを探しましょう。

SIerは未経験採用も少なくありません。ITスキルだけでなく、コミュニケーション力やマネジメント力、論理的思考力なども必要とされます。前職で培った経験が自身の持つポテンシャルの証明につながるケースもあるため、自分の強みを見極め、しっかりとアピールしていきたいものです。

まとめ

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SIerは未経験からでも比較的転職しやすい傾向にあります。将来性がないといわれることもありますが、大規模なシステム開発案件を抱えていたり、企業の経営改善のコンサルタントを行えたりするSIerには将来性があるので、安定した環境で長く働けるでしょう。

将来性のあるSIerへの転職を目指しているのであれば、マイナビITエージェントをぜひご利用ください。IT業界の転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたの目的に合った転職先をご紹介します。

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