システムエンジニア（SE）の仕事に興味はあるものの「どんな仕事をするのだろう」「女性が続けやすいか」と不安や疑問を抱いていませんか。

システムエンジニアは、システム開発の各工程に深く関わる専門職です。女性の活躍も増えており、リモートワークやフレックスタイムなどの導入によって、専門分野を深める道や管理職への登用といったキャリアの選択肢も広がりつつあります。

そこでこの記事では、システムエンジニアの仕事内容や女性比率の現状、女性がシステムエンジニアとして働く魅力、必要なスキルや学習方法、さらにキャリアパスまでを整理します。理解を深め、転職やキャリア形成に踏み出す準備を始めましょう。

まずは確認｜システムエンジニア（SE）の仕事内容と役割

システムエンジニア（SE）は、システム開発の各工程に関わり、全体をつなぐ役割を担います。主な業務内容を以下にまとめました。

1. 要件定義：顧客の要望を整理し、必要な機能や条件を明確化する
2. 基本設計・詳細設計：システムの構造や処理内容を設計図に落とし込む
3. テスト工程：計画を立て、動作確認や品質保証を実施する
4. 顧客・チーム調整：関係者と連携し、技術的課題を解決へ導く

要件定義から設計、テスト、調整までを担当することで、企画段階から運用開始までの流れを支えます。システム開発全体を前に進める要所を担う点が特徴です。

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システムエンジニア（SE）として働く女性の現状

女性のシステムエンジニア（SE）の現状を知るには、根拠となる数値を踏まえることが大切です。ここでは女性システムエンジニアの割合に関するデータと、システムエンジニア職全体の平均年収を取り上げ、働き方の現状を具体的に解説します。

女性のシステムエンジニア（SE）の割合

マイナビエージェントの職種別データによれば、システムエンジニア全体の男女比は男性76％、女性24％です。

女性は依然として少数派ですが、リモートワークや短時間勤務など柔軟な制度を導入する動きが広がりつつあります。女性が参入しやすい環境の整備は、今後も期待できるでしょう。

参照：IT・インターネット・通信　システムエンジニア・プログラマー（気になる "あの" 比率）｜マイナビエージェント

システムエンジニア（SE）の平均年収

厚生労働省の「職業情報提供サイト（Job Tag）」によると、ソフトウェア開発技術者（Web・オープン系）の年収はITスキル標準（ITSS）のレベルに応じて420万円から950万円の範囲に分布しています。

初級レベルでは400万円台が中心となり、高度な専門スキルを身につけた人材では900万円に近い水準へ到達するケースもみられます。成長がダイレクトに評価へ反映されやすい職種といえるでしょう。

参照：職業情報提供サイト（Job Tag）｜厚生労働省

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女性がシステムエンジニア（SE）として働く魅力

システムエンジニア（SE）は、専門知識を生かしながら柔軟な働き方や成長の機会を得られる職種です。ここでは女性の視点から、仕事と生活の両立、専門性を伸ばせる環境、将来を見据えたキャリア設計の3つに分けてシステムエンジニアという職種の魅力を紹介します。

仕事と生活を両立しやすい

システムエンジニア（SE）の業務は情報処理や設計が中心で、リモートワークやフレックスタイム制度といった柔軟な働き方と親和性が高い職種です。

繁忙期を除けば、家庭や私生活とのバランスをとりやすい働き方ができます。また、育児や介護との両立を支援する仕組みを導入する企業も増えており、ライフステージに合わせて働き続けやすい環境を期待できることも、システムエンジニアを目指す女性にとって大きな魅力です。

専門性を活かして成長できる

システムエンジニア（SE）は、システムの設計や要件定義に携わる中で、プロジェクト全体の進行や品質向上に関わる機会が多くあります。

新しい知識を学び実務に反映する流れを繰り返すことで、成長を実感しやすい職種です。資格取得や技術の習得を積み重ねるほど、キャリアの幅を広げやすくなります。

長期的なキャリアを描きやすい職種

システムエンジニア（SE）は、関わる業務領域や求められるスキルが多岐にわたります。そのため、実務経験を重ねるほどに将来のキャリアパスが広がる点は、システムエンジニアの特徴のひとつです。

専門分野を深めて技術者として活躍するほか、マネジメントや教育分野に進むケースもあります。さらに異業種のIT部門やコンサルティングへの転身も、実績やスキル次第で可能です。積み上げた経験がそのまま将来の選択肢を広げる点は、システムエンジニアの大きな強みといえます。

女性がシステムエンジニア（SE）として働くときに課題になりやすいこと

システムエンジニア（SE）は、繁忙期の業務増加や技術の進歩、ライフステージの変化などによって働き方が左右されることがあります。ここでは、女性がシステムエンジニアとしてキャリアを続けるうえで課題になりやすい点を確認します。働き方を考える際の参考にしてみましょう。

業務量が多い時期の時間管理の難しさ

システムエンジニア（SE）の業務はプロジェクトの進行状況に左右され、繁忙期には業務時間が長くなることがあります。納期対応やトラブルが重なると、時間のやりくりが難しいと感じる場面があるかもしれません。

そのため、多くの企業では進行管理ツールを活用したり、チーム内で役割を分担したりして対応しています。進め方を共有しながら業務を分散させることで、働きやすさを維持できる環境づくりが進んでいます。

スキル更新にかかる時間と負担

システムエンジニア（SE）は、技術の進歩に合わせて新しい知識やツールを身につける必要があります。クラウドサービスの運用方法や新しいプログラミング言語、セキュリティ対策など学ぶ範囲は広く、実務と並行して取り組むのは容易ではありません。家庭との両立が重なると、学習時間を確保する難しさがさらに増すこともあります。

一方で、社内研修や勉強会を定期的に実施する企業や、外部セミナー・オンライン講座の受講費を補助する制度を整える企業もあります。こうした仕組みを活用できれば、負担を抑えながら学習を続けやすくなるでしょう。学びを後押しする環境が少しずつ広がっている点は、安心材料といえます。

ライフイベント期のキャリア継続の難しさ

システムエンジニア（SE）の仕事はプロジェクト単位で進むため、工程の途中で勤務調整や長期休暇が必要になると、チーム全体の進行に影響する可能性があります。

出産や育児といったライフイベント期には、どの職種であっても働き方に制約がかかりやすいものですが、システムエンジニアの場合はプロジェクトの特性上、調整の難しさが増す場面もあるかもしれません。

一方で、多くの企業では時短勤務や在宅勤務などの制度を導入し、柔軟に働ける仕組みを整えています。キャリアを継続する選択肢は増えているといえるでしょう。

システムエンジニア（SE）に向いている人の特徴

システムエンジニア（SE）として活躍している人には共通点があります。要望を整理して解決策を導く力や、周囲と協力して進める姿勢、変化に対応する学びの意欲などです。ここからは、現場で成果を上げている人に共通する特徴を紹介します。将来のキャリアを考えるうえで参考になる視点として、チェックしておきましょう。

課題を整理し解決できる

システムエンジニア（SE）には、複雑な要望を整理し、具体的なシステム要件へ落とし込む力が求められます。新しいシステム導入の場面では、顧客の要望が「効率化したい」「見やすくしたい」といった抽象的な表現にとどまることも珍しくありません。

そこでシステムエンジニアは要望を細かく分解し、重要度や実現可能性の高いものから順に整理して設計に反映させます。たとえば「処理を速くしたい」という要望であれば、処理件数や応答時間といった具体的な数値に置き換えることで、仕様として明確にすることが可能です。

こうした具体化と優先順位付けを的確に行えるかが、システムの完成度やプロジェクト全体の進行に大きく影響します。

協調性を持ちチームで動ける

システムエンジニア（SE）の業務は多くの場面で他職種との連携が欠かせません。

開発の現場では、システムエンジニアがほかのエンジニアやデザイナーとやりとりしながら作業を進めます。役割ごとに視点が異なるため、認識齟齬によるトラブルを回避するためには早い段階で情報をすり合わせておくことが必要です。テスト工程では品質管理担当と連携し、不具合を洗い出して修正の優先度を判断します。

このように、システムの品質を安定して高めるためには、開発に関わるメンバーとの連携が重要です。協調性はシステムエンジニアに求められる基本的な資質といえます。

新しい技術を学び続けられる

システムエンジニア（SE）の仕事は技術の進化が速く、知識を更新し続ける姿勢が求められます。たとえば新しいプログラミング言語を学ぶことで開発の幅が広がり、開発支援ツールを取り入れれば作業効率の改善につながります。セキュリティやクラウドの知識は、実務を通じて培われることが一般的です。

こうした学びと経験の積み重ねは、自身の成長だけでなく利用者にとって価値の高いサービスの提供にも直結します。システムエンジニアの長期的なキャリア形成を支える力となるでしょう。

スキル習得から始める未経験者のシステムエンジニア（SE）転職の進め方

未経験からシステムエンジニア（SE）に挑戦する際は、企業ごとに求められる準備が異なります。研修制度を設けて採用後に教育するケースもあれば、応募段階で資格やスキルを条件とするケースもあります。

そのため転職活動の際は、応募条件や研修の有無を事前に確認しておくことが重要です。ここでは、準備を進めるうえで押さえておきたい4つのステップを整理します。

1.希望するシステムエンジニアの職種・業務領域を明確にする

システムエンジニア（SE）は幅広い分野で活躍しますが、担当する領域は企業やプロジェクトによって異なります。

利用者が直接操作する仕組みを構築するアプリケーション開発を専門とするケースもあれば、サーバーやネットワークを扱い、システム全体を支えるインフラ構築を担うケースもあります。また、要件定義や基本設計を任され、システム全体の設計図を描く上流工程に携わる道もあり、職域の広がりは非常に大きいといえるでしょう。

自分がどの分野に関心を持ち、どのような環境で力を発揮でるか整理しておくと、学習の方向性や応募する企業の選定に役立ちます。

2.必要なスキル・経験を調べ、取得計画を立てる

システムエンジニア（SE）の仕事では、担当する分野によって求められるスキルが異なります。求人票にはプログラミング言語やデータベース操作、ネットワーク知識などが記載されることも多く、目安として確認しておくと役立ちます。どの分野から学習を始めるか整理しておくとよいでしょう。

たとえばプログラミングならばPythonやJava、インフラ分野ならばLinuxの基本操作といった形で、具体的な学習内容に置き換えられます。学び方もさまざまで、参考書を使った独学や動画教材、オンライン講座の受講、職業訓練校での学習などが考えられます。自分の生活リズムや転職時期に合わせて方法を工夫し、計画的にスキルを積み上げていきましょう。

3.資格取得や成果物でスキルを示せる状態にする

システムエンジニア（SE）の転職活動では、知識や技術を客観的に示す材料があると採用側に伝わりやすくなります。基本情報技術者試験が代表例で、ITの基礎知識を幅広く証明できます。応用情報技術者試験やネットワークスペシャリスト試験など、専門分野に応じた資格を取得しておくことも効果的です。

資格だけでなく、簡単なアプリケーションや自作プログラム、学習の過程で構築したシステム環境の記録といった成果物（ポートフォリオ）も評価につながります。こうした準備があれば、面接時に具体的なスキルを説明しやすくなり、経験を補う裏付けとして役立つでしょう。

4.転職活動をして成長につながる職場へ応募する

システムエンジニア（SE）として成長を続けるには、応募先の環境を見極める視点が重要です。教育体制やサポートの有無、配属後のフォロー体制、担当できる工程の幅といった条件を確認しておきましょう。入社後にどのような経験を積めるか、予想するのに役立ちます。

さらに、転職エージェントを利用すれば、希望条件に合う求人紹介や応募書類の添削、面接対策などの支援を受けられます。転職のプロのサポートを取り入れることで選考への準備を具体的に進められ、自分の描いたキャリアを実現する転職へとつなげられるでしょう。

システムエンジニア（SE）の3つのキャリアパス

システムエンジニア（SE）として経験を積むと、技術を極める進路やマネジメントに進む進路、異業界で力を発揮する進路など、キャリアの幅が大きく広がります。ここでは代表的な3つの方向性を取り上げ、それぞれの特徴を解説します。

1.専門分野で技術力を高める

システムエンジニア（SE）の進路のひとつは、特定の分野を深めて専門性を高める道です。代表的な例として、次のようなものが挙げられます。

• AI分野：機械学習モデルの設計・開発
• クラウド分野：AWSやAzure（代表的なクラウドサービス）などクラウド基盤の構築・運用
• セキュリティ分野：脆弱性診断やセキュリティ対策
• アプリケーション分野：業務システムやWebサービスの開発

これらの分野では高度な知識や応用力が求められるため、継続的な学習や資格取得が成果に直結します。積み重ねたスキルと経験は、専門家として長く評価されるキャリアを築く道につながるでしょう。

2.管理職として組織運営に携わる

システムエンジニア（SE）のキャリアパスには、管理職として組織運営に関わる道もあります。代表的な役割には次のようなものがあります。

• プロジェクトマネージャー（PM）：進行管理や予算管理を担い、プロジェクト全体を統括
• 部門責任者：チームの方針策定や人材育成を担当
• ITマネージャー：現場と経営層をつなぎ、技術と組織の両面を調整

これらの役割では、個々の成果にとどまらずチーム全体の成果を生み出す責任を担います。技術者とは異なる形でキャリアを広げ、組織に大きな影響を与えられる点が特徴です。

3.ITスキルを活かして新しい分野や業界で活躍する

システムエンジニア（SE）のキャリアには、これまで培ったスキルを別の分野で活かす進路もあります。代表的例として、以下の職種が挙げられます。

• ITコンサルタント：システム導入や業務改善を企業に提案し、課題解決を支援する
• 企画職（ITサービス企画や新規事業企画）：サービス開発にITの知見を取り入れる
• 情報システム担当（社内SE）：異業種企業のIT部門で基盤整備や運用を担う

システム開発で培った知識や経験を応用することで、働く場所の選択肢は大きく広がります。自分の強みを発揮できる場を選べば、新しいキャリアを築けるでしょう。

まとめ

システムエンジニア（SE）は、設計や開発にとどまらず、マネジメントや新しい分野への挑戦など、多彩なキャリアを築ける職種です。女性にとっても柔軟に働ける環境が整いつつあり、専門性を発揮しながら長期的に活躍できる可能性が広がっています。

転職を検討する際には、業界の動向や求人内容を把握し、自分に合う進路を見極めることが大切です。マイナビITエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが求人紹介や応募書類の添削、面接対策を含む多面的な支援を行い、安心して転職活動を進められるよう伴走します。新しいキャリアへの一歩を、私たちとともに踏み出してみませんか。

参照：マイナビITエージェント