未経験でシステムエンジニアに転職できる?役立つスキルや資格を紹介します|求人・転職エージェント

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更新日:2025/10/22

IT業界

未経験でシステムエンジニアに転職できる?役立つスキルや資格を紹介します

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この記事のまとめ

  • システムエンジニアはプログラマーなどからキャリアアップするケースが多いが、人手不足であるため、未経験から転職できる可能性も高い。
  • システムエンジニアを目指すなら、プログラミングをはじめとした基本的なスキルはもちろん、近年ニーズが増えているAIのような最新技術を学ぶのがポイント。
  • 未経験からシステムエンジニアへ転職する際は、ポートフォリオの作成に力を入れるなど十分な準備を整えることも大切。

未経験でもシステムエンジニアへの転職は可能です。システムエンジニアとして必要なスキルを習得したり資格を取得したりすれば、より現実的になります。特に昨今はAIのような最新技術のニーズが増えているため、しっかりと学ぶことで市場価値の高い人材を目指しましょう。

この記事では、未経験者がシステムエンジニアへの転職を実現するために覚えておきたいポイントや事前に習得したいスキルを紹介します。

目次

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システムエンジニアの役割・業務内容

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システムエンジニアはプロジェクトの上流工程を担当する職種にあたり、プログラマーをはじめとしたプロジェクトメンバーを取りまとめ、マネジメントする立場です。また、クライアントや顧客との打ち合わせにも参加し、プロジェクト全体を管理し先導する役割を担います。

システムエンジニアの業務内容は、システム開発における要求分析、要件定義、本設計、詳細設計などが基本です。全体を取り仕切るポジションであることから、プログラマーとともにプログラミングやテストといった下流工程に加わることもあります。

どのような業務に携わるかは、企業の方針やプロジェクトによって異なります。また、システムを納品すれば終了ではなく、使用方法のレクチャーや保守対応にも携わるため、システムエンジニアの業務に明確な終わりはありません。

未経験でもシステムエンジニアへの転職は可能?

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未経験者は経験者と比較すると不利になるものの、システムエンジニアへの転職は現実的な選択肢です。なぜそのようにいえるのでしょうか。

ここでは、未経験からシステムエンジニアを目指せる主な2つの理由を紹介します。自分にとって魅力的なキャリアと感じるのであれば、積極的に転職を目指しましょう。

ITエンジニア不足により需要が増えている

IT業界は急速に進歩していて、新たな技術が生まれたり活用が進んだりしています。しかし、業界を担うITエンジニアは不足しているのが現状です。IT業界は今後も発展する可能性が高く、ITエンジニアの需要が高い状態は継続すると予想されています。

経済産業省の調査によると、若年層の人口減少に伴ってIT人材は今後減ると予想される一方、需要は増え続ける見通しです。結果、2030年までのIT人材の不足数は40万人~80万人に上ると試算されました。特に「ビッグデータ」「IoT」「人工知能(AI)」といった先端技術を担う人材は現在でも不足しています。

全体的な人手不足がすぐに解消されるとは考えにくく、必要な人員を確保するために未経験者でも積極的に採用している企業があります。未経験者にとって、転職しやすい環境であるといえるでしょう。

参照:IT人材育成の状況等について|経済産業省 商務情報政策局情報処理振興課

長期的に活躍するには高度なスキルが必要

システムエンジニアは進歩し続ける技術に対応する必要があることから、求められているのは高度なスキルを有する人材です。長期的にシステムエンジニアとして活躍し続けるには、常に勉強して最新の技術を学んでスキルアップすることが求められます。

特に、AIを使いこなせる人材は今後重宝されるでしょう。ルーチンワークやコーディング、システムのメンテナンスといった単純作業でAIを活用することで、より戦略的でクリエイティブな仕事に専念できます。将来的に市場価値の高い人材になるには、AIに関する知識の習得や資格の取得に励むのがおすすめです。

転職する段階でも一定レベルのスキルが必要とされるため、事前にプログラミングやITに関する十分な知識を学ぶことが大切です。転職を検討している方は、早めに学習をスタートして転職に必要なスキルを習得しましょう。

システムエンジニアを求める企業とは

システムエンジニアを求めているのは、ITコンサルタントやSIerなど、システム導入を事業としている企業がメインです。しかし、IT業界以外でもシステムエンジニアを求めていることがあります。たとえば、製造、流通、金融、医療、広告といった業界で社内SEの求人を出しています。

今後、さらにシステムエンジニアを求める声は大きくなるでしょう。IT業界以外の社内SEの需要も増えており、未経験者でもシステムエンジニアに転職しやすい状況といえます。

未経験でシステムエンジニアを目指すときに役立つスキル

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未経験からシステムエンジニアへの転職を成功させるために、持っておくと役に立つ「スキル」があります。ここでは、代表的なスキルをひとつずつ見ていきましょう。

1. プログラミング知識

ITシステムを扱う職種であることを考えると、プログラミング言語に関する知識が必要です。システムエンジニアが用意した仕様書を基にプログラムを組むのはプログラマーの仕事ですが、システムエンジニアがプログラミングスキルを求められる場面も少なくありません。

プログラミング言語に詳しければ依頼された仕事の工数を容易にイメージできるため、見積もりの精度が高くなります。開発段階ではソースコードを追えるようになり、ソースコードレビューに深みが増します。

ただし、多数のプログラミング言語を一度に覚える必要はありません。実務で使われる言語は限られているため、まずは需要が高いプログラミング言語を優先的に学ぶとよいでしょう。

需要が高いプログラミング言語として代表的なものは「Java」です。ほかにも、スマートフォンアプリ開発に用いられる「Objective-C」や「Swift」も需要が高いといえます。これらのプログラミング言語を扱えれば、システムエンジニアとしての市場価値が高まるでしょう。

併せて、データベース言語のSQLも習得することをおすすめします。ITシステムにおいてデータベースは重要な存在であるためです。

2. コミュニケーション能力・交渉力

直接開発で発揮するスキルではないものの、コミュニケーション能力や交渉力もシステムエンジニアにとって重要です。システムを作り上げるには、クライアントからのヒアリングやプロジェクトメンバーとのコミュニケーションをスムーズかつ正確にする必要があるためです。

システムエンジニア未経験の場合、前職で培ったコミュニケーション能力をアピールすることで採用に際してプラスに働くでしょう。前職が営業職や接客業、サービス業といったコミュニケーションが重視される仕事であれば、積極的にアピールしましょう。

3. マネジメントスキル

ヒアリングや要件定義のような上流工程を担当する際は、プロジェクトメンバーをまとめたり進捗状況を管理したりする業務に携わることがあります。そのようなときに役立つのがマネジメントスキルです。マネジメントスキルはリソースを適切に管理して目標を達成するスキルの総称で、以下が含まれます。

  • 課題解決力
  • 意思決定力
  • スケジュール管理スキル

上記のスキルは、すぐに高められるものではありません。転職前からスキルアップを意識し、日々の業務に取り組むことが大切です。

4. ロジカルシンキング

ロジカルシンキングは論理的思考力とも呼ばれ、根拠と結果を結びつける要素を整理して筋道立てて考える方法です。システムエンジニアとして働いていると、「課題をどのように解決すればよいか」「求める結果を得るには何をすればよいか」など、考えることが多くなります。

日々の業務では、解決しなければならない課題を細かく分析して原因を追究し、具体的な解決策に落とし込む作業が必要です。その過程でロジカルシンキングが求められるため、普段からトレーニングするとよいでしょう。

システムエンジニアに必要なスキルを学習する方法

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実務で求められるスキルのうち、プログラミングスキルをはじめとした技術的なスキルを習得するには意欲的に学習する必要があります。ここでは、スキルを習得するのに有効な2つの勉強法を見てみましょう。それぞれメリット・デメリットがあるため、自分に合った方法を選ぶことをおすすめします。

オンライン講座を受講する

効率的にスキルを習得したいのであれば、オンライン講座を活用するのがおすすめです。オンライン講座を受講するとプロの講師から体系的に教えてもらえるため、効率的に学習できます。まずは習得したいプログラミング言語を決め、具体的な講座を選びましょう。

ただし、オンライン講座の受講にはコストがかかります。講座を選ぶときはどの程度の受講料がかかるか確認することも大切です。

書籍や学習サイトで独学する

多くのコストを掛けずに学びたい方には、独学がおすすめです。習得したいプログラミング言語を決めたら、その言語を扱った書籍や学習サイトを参考にして勉強を進めましょう。

言語によっては多種多様な書籍や学習サイトがあるため、自分のスキルレベルに応じたものを活用することが大切です。習得度合いに応じて徐々にレベルを上げていくことで、無理なくスキルアップできます。

システムエンジニアに向いている人に共通する3つの資質とは?

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システムエンジニアはコンピューターが好きな人や集中力が長く続く人に向いているといわれることがあります。それ以外に共通する特徴はあるのでしょうか。ここでは、システムエンジニアに向いているとされる資質を3つ紹介します。

1.変化を受け入れられる

IT業界やIT技術は日々進歩しており、次から次へと新しい情報が舞い込んできます。PCやスマートフォンといったハードウェアやさまざまな目的で用いる各種ソフトウェアがリリースされ、急速に普及する様子を実感する方もいるでしょう。

いまはまだ知らない新しい技術が生まれているかもしれません。常に新しい技術をキャッチアップして学び、その変化を受け入れる姿勢がシステムエンジニアには必要です。

2.好奇心が旺盛である

IT業界に限った話ではありませんが、分からないことに興味を持って解決する姿勢は重要です。クライアントから質問されたとき、自身が理解していなければ納得してもらえる回答ができません。都度確認を挟むと、十分な信頼関係を築くのは難しいでしょう。

また、システムに不具合が発生したときに原因を究明し、修正するのもシステムエンジニアの仕事です。その場で調べながら直すこともあるため、原因を見つけるまで向き合い続けられる好奇心も必要となるでしょう。

3.物事を理解するのが得意である

システムエンジニアは、クライアントからの要望をヒアリングして設計書を作成し、システムを開発します。設計書やプログラムを作成する際は、既存システムとの連携や扱う言語の特徴を理解する必要があります。そのため、仕組みを理解することが得意な方にも向いている職業といえるでしょう。

未経験でシステムエンジニアに転職しやすい年齢は?

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未経験からシステムエンジニアを目指すなら若いほうが有利ですが、20代後半や30代前半でも転職できないわけではありません。ここでは、なぜそのようにいえるのか、理由とともに解説します。

20代なら転職しやすい

IT業界は慢性的な人手不足に陥っているため、システムエンジニアを目指すための門戸は広く開かれています。20代の転職が有利という状況はシステムエンジニアの世界でも同様です。

経験がなくても独学やスクールでITに関する知識の基礎を身につければ、より有利に転職できるでしょう。また、システムエンジニアは人との関わりが多い仕事のため、コミュニケーション能力や人柄をアピールできると好印象です。

30代でも転職できる

30代でもシステムエンジニアへの転職を諦める必要はありません。高いコミュニケーション能力やマネジメント経験など、20代では補うことが難しい要素を求めて30代の人材を採用するケースがあるためです。

システムエンジニア未経験者でも、就職希望先の業種に精通している場合は採用されるケースがあります。業種・職種ともに未経験の人材を採用するより、企業の人材育成にかかる労力が少なく済むためです。

システムエンジニアを目指す方が持っていると差がつく資格

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システムエンジニアになるにあたって、資格は必須ではありません。しかし、システムエンジニアへの転職に有利に働く資格もあります。資格を取るために勉強して得た知識はシステムエンジニアとして働く際も役立つため、学習目標のひとつとしておすすめです。

システムエンジニアに関係する資格は、主に「国家資格」と「ベンダー資格」に分類されます。また、国家資格にはさらに上位資格があります。近年はAI関連資格のニーズも高いため、チェックしておきましょう。

国家資格

IT系資格の中で最も多くのITエンジニアが取得しているといわれるのが、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施し、経済産業省が認定する国家試験の「情報処理技術者試験」です。高度IT人材となるために必要な基本的知識と技能を備え、実践的な能力を持つことを認定する目的で運営されています。

試験の一例には、ITエンジニアの登竜門とされる「基本情報技術者試験」と、ITエンジニアとしてさらなるレベルアップを図りたい方のための「応用情報技術者試験」があります。

ベンダー資格

ベンダー資格とは、製品を製造・開発するベンダー企業が独自に認定する資格試験です。代表的なベンダー資格を以下にまとめました。

  • Microsoft「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」
  • Oracle「ORACLE MASTER」
  • IBM「DB2グローバルマスター」
  • Cisco「Cisco技術者認定」

資格を取得すると、無資格者より有利に転職できる可能性が高まります。さらに、毎月の給料に上乗せされる「資格手当」制度を導入している企業もあります。上記を総合的に考えると、システムエンジニア向けの資格を取得しておいて損はないでしょう。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する上位資格

国家資格の情報処理技術者試験は、「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」のほかに専門・上級の区分があります。これらの資格は特定の分野に特化しており、取得するにはより専門的な知識が必要です。上位職種を目指す方が取得するとよい資格の例を紹介します。

試験名 試験内容 対象者 合格率/受験者数
ITストラテジスト試験(ST) 事業企画、業務改革推進、情報化企画、製品・サービス企画などにおいて、情報技術を活用した基本戦略の策定・提案・推進を遂行するための知識や実践能力が問われる CIOやCTO、ITコンサルタントを目指す人 15.0%/5,586人
※2025年春期
システムアーキテクト試験(SA) システムアーキテクトの業務と役割を円滑に遂行するための知識や実践能力が問われる 上級エンジニアを目指す人 15.5%/3,963人
※2025年春期
プロジェクトマネージャ試験(PM) プロジェクトマネージャーの業務と役割を円滑に遂行するための知識や実践能力が問われる マネージャーを目指す人 13.9%/8,627人
※2024年秋期
ネットワークスペシャリスト試験 目的に適合したネットワークシステムを構築・維持するための知識や実践能力が問われる ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指す人 17.8%/1万1,948人
※2025年春期
データベーススペシャリスト試験 高品質なデータベースを企画、要件定義、開発、運用、保守するための知識や実践能力が問われる データベース管理者やインフラ系エンジニアを目指す人 17.2%/1万120人
※2024年秋期
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 要求される機能、性能、品質、信頼性、セキュリティーなどをハードウェアへの要求とソフトウェアへの要求に適切に分解し、最適な組み込みシステムとして実現するための知識や実践能力が問われる 組み込みエンジニアを目指す人 16.9%/1,365人
※2024年秋期
ITサービスマネージャ試験 ITサービスマネージャーの業務と役割を円滑に遂行するための知識や実践能力が問われる ITサービスマネージャーを目指す人 14.7%/2,002人
※2025年春期
システム監査技術者試験 情報システムや組み込みシステムが適切かつ健全に活用され、ITガバナンスの向上やコンプライアンスの確保に貢献できるように改善するための知識や実践能力が問われる 監査人や情報システム責任者などを目指す人 16.7%/2,278人
※2024年秋期

引用:独立行政法人情報処理推進機構

参照:試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

AIに関連する資格

近年、企業のデジタル化推進に伴い、AIエンジニアの需要が高まっています。そのため、AIに関連する資格は多様化が進んでおり、この分野のスキルを証明する手段として積極的に取得を目指すとよいでしょう

特におすすめなのが、ディープラーニングをビジネスに活かすための知識を証明する「G検定(ジェネラリスト向け)」と、実装技術を証明する「E資格(エンジニア向け)」です。ほかにも「Python3エンジニア認定データ分析試験」やクラウドベンダーが提供する「AWS認定機械学習」があります。

これらの資格はスキルの客観的証明になるだけでなく、体系的に最新AI知識を習得できる点でも価値があります。未経験からシステムエンジニアを目指す方にとって、将来的な専門性を示す強力なアピールポイントになるでしょう。

未経験からシステムエンジニアになるための学習のポイント

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未経験からシステムエンジニアに転職したい方にとって、何から始めればよいかは重要な問題です。ここでは、未経験者がシステムエンジニアを目指す際の学習の順序や効果的な方法について解説します。最初に取り組みたい言語選びのポイントや独学とスクール学習それぞれのメリット・デメリットを押さえることで、自身に合った最適な学習計画を立てる手助けとなるでしょう。

最初に学ぶべき言語と効率的な学習方法

未経験者が最初に学ぶプログラミング言語選びは、将来のキャリアに大きく影響します。携わる仕事にもよりますが、現役エンジニアへの調査で初心者におすすめの言語として上位に挙げられるのは、JavaやPythonです。Javaは業務システムやWeb開発など汎用性が高く、Pythonは文法がシンプルでAI開発やデータ分析に強みがあります。

言語選びのポイントは、学習しやすさ、案件の豊富さ、応用の幅広さ、業界トレンドとの相性です。また、目的に合わせた選択も重要で、IT企業への就職ならJava・Python、Web開発ならJavaScript・PHP、AI開発ならPythonが有利でしょう。言語を選んだら、書籍やオンライン教材を活用し、実践的な学習を進めることで効率よくスキルを身につけられます。

プログラミングスクールと独学の比較と選び方

プログラミングの学習方法として、スクールと独学のどちらが適しているかは状況によって異なります。独学のメリットは費用を抑えられることや自分のペースで学習できる点です。ただし、方向性を見失いやすく、挫折率が高いというデメリットがあります。

一方、プログラミングスクールは体系的なカリキュラムと質問できる環境が整っており、モチベーション維持がしやすく効率的に学べます。また、就職・転職サポートが充実している点も大きな強みです。

システムエンジニアへの未経験転職を目指すなら、効率的な学習と実践的なポートフォリオ作成、転職活動のサポートを受けられるスクールがおすすめです。自己学習能力に自信がある方や費用を抑えたい方は独学も選択肢ですが、挫折リスクを考慮した学習計画を準備する必要があります。

システムエンジニア転職後のキャリアパスと現実

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システムエンジニアに転職後、どのようなキャリアパスが待っているのでしょうか。システムエンジニアは継続的な成長とスキルアップが求められる仕事です。入社直後の研修内容は企業規模や方針によって大きく異なり、その後のキャリア形成にも複数の選択肢があります。ここでは、未経験からシステムエンジニアへ転職した後に直面する現実と、長期的なキャリア構築のために押さえておきたいポイントについて解説します。

未経験者向け研修内容の企業別比較と実態

企業によって未経験者向けの研修内容は大きく異なります。大手SIerでは、ビジネスマナーから技術研修まで体系的なカリキュラムを2ヵ月〜3ヵ月かけて実施するケースが一般的です。JavaやSQLといった基本スキルを習得後、OJTで実践力を養います。

一方、中小SIerやベンダーでは1ヵ月程度の基礎研修後、すぐに現場に配属されることが多く即戦力が求められます。スタートアップ企業は体系的な研修より現場での学びを重視し、メンター制度を導入している企業も少なくありません。

研修形式も講師派遣型、集合型、オンライン型など多様化しており、企業の予算やニーズに応じて選択されています。未経験者が転職先を選ぶ際は、自身の学習スタイルに合った研修体制を持つ企業を選ぶのもひとつの選択肢です。

キャリアアップの方向性と専門性の獲得方法

システムエンジニアのキャリアパスには、主に「スペシャリスト」「ゼネラリスト」「マネジメント」の3つがあります。スペシャリストは特定技術領域を深く追求し、その分野の第一人者を目指す道です。

ゼネラリストは複数技術や業務領域の知識を持ち、幅広い問題解決に貢献します。マネジメントはPMやテックリードとして、チームや事業の成功を導きます。いずれの道を選ぶにしても、AIや機械学習、データサイエンス、クラウドネイティブといった最新技術トレンドを学び続けることが重要です。

キャリアプランを立てる際は「現状のスキル棚卸し」「将来の理想像の設定」「必要なスキルの逆算」「具体的な学習計画の作成」「定期的な見直し」という5つのステップを意識しましょう。キャリアプランは一度設定したら終わりではなく、継続的に更新することが成功の鍵です。

未経験からシステムエンジニアへの転職で直面する現実と対処法

未経験からシステムエンジニアへの転職を成功させる人もいる一方、現実的な課題に直面することも少なくありません。特に、客先に常駐して働くSES企業に入社した場合、多重下請け構造による低賃金や社内コミュニケーション不足による孤立感といった問題に悩むことがあります

しかし、これらの課題は長期的なキャリアビジョンを持つことで乗り越えられます。初めは厳しい環境でも、実務経験を積むことで次のステップへの道が開けるでしょう。転職成功のポイントは、企業が求めるスキルの習得、明確なキャリアプランの策定、徹底した情報収集です。まずは実務経験を積むことを最優先し、そのほかの条件は妥協する柔軟さも大切です。

未経験からシステムエンジニアへの転職を成功させるコツ

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未経験者がシステムエンジニアへの転職を成功させるには、念入りな準備が必要です。ここでは、未経験者がシステムエンジニアを目指すときにやっておきたい準備と転職のコツを詳しく紹介します。転職に必要なスキルを習得したら、準備を整えたうえで自分に合った企業を探して応募しましょう。

事前にポートフォリオを作成する

未経験での転職ではアピールできる実務経験や成果物がないため、スキルレベルを客観的に証明するのが難しくなります。そこで役立つのがポートフォリオです。

ポートフォリオは自分が制作した成果物をまとめた資料で、スキルレベルを証明するのに役立ちます。応募先企業の採用担当者に自分をアピールする強力な材料になるため、十分なクオリティーのものを作成することが大切です。

未経験者歓迎の求人を探す

転職先を探すときは、未経験者に広く門戸を開いている企業を探して応募しましょう。未経験者を対象とした求人は比較的多いため、自分が転職で重視することややりたいことを明確にし、望むキャリアを実現できそうな企業へ応募することがポイントです。

選考の第一段階である書類選考を通過するためにも、自己分析や企業研究を徹底したうえで志望動機を作成しましょう。また、採用を勝ち取れるように「よくある質問に対する回答を用意しておく」「採用担当者に好印象を与えられる話し方を意識する」など、面接対策を万全にすることも大切です。

まとめ

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システムエンジニアは需要が高く、人手不足傾向にあることから未経験者でも転職しやすい職種のひとつです。未経験でシステムエンジニアへの転職を目指している方は、必要なスキルを習得したうえで自分が望むキャリアを実現できそうな企業を探すとよいでしょう。特に、今後ニーズが高まると予想されるAIのような先端技術に関しては、資格を取得するなど十分に学ぶことをおすすめします。

自分ひとりで企業を探して転職するのが難しいと考えているのであれば、ぜひマイナビITエージェントにご相談ください。IT業界に強いキャリアアドバイザーがベストな転職をサポートします。

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