更新日:2024/01/30
この記事のまとめ
IT業界において、さまざまなシステムを設計・開発するITエンジニアをシステムエンジニアと呼びます。これまでの経験を活かしてシステムエンジニアへ転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか。また、システムエンジニアとして働く中で、将来性が気になっている方もいるでしょう。
そこでこの記事では、システムエンジニアの将来性を左右する要素と自分の市場価値を高める方法を紹介します。キャリアプランを明確にしたうえでスキルアップに励めば、システムエンジニアとしてさらに活躍できるようになるでしょう。
目次
全体的な市場環境を考慮すると、システムエンジニアの将来性は高いといえます。なぜそのようにいえるのでしょうか。主な3つの理由を見ていきましょう。
将来のことを確実に予測するのは難しいものの、下記の要素を総合的に踏まえると、システムエンジニアの将来性に関して過度に心配する必要はないといえます。
日本国内においてはITエンジニアの数が十分な水準に達しておらず、全体的に人手不足です。人手不足がすぐに解消する可能性は低く、しばらくこの状況が続くと考えられます。
特に高度なスキルを有する人材の市場価値は高いといえるでしょう。システムエンジニアとしての自分の価値を高めたいのであれば、さまざまな開発スキルを習得して活躍の幅を広げるのがおすすめです。
IT技術が進歩していることに伴い、多くの企業がDXを推進しています。DXはIT技術を活用して新たなビジネスを創出したり、業務改善を目指したりする取り組みの総称です。
いままではDXの面で後れを取っていた業界や企業でも、徐々にIT技術の活用が進んでいます。今後もIT技術の進歩とDX推進の流れが続くと考えられ、それに伴って高度なスキルを有するIT人材の需要が高まるといえるでしょう。
IT技術の進歩は著しく、次々に新しい技術が開発されています。既存の技術も常にアップデートされ、新たなシステムの開発に用いられている状況です。一例として、AIを用いた自動運転や予知保全、IoTシステムを活用したスマートホームが社会に浸透しています。
上記の状況に対応するには、最新の技術をシステム開発に活用できる人材が欠かせません。先進IT人材が不足している現状もあり、常に勉強を欠かさず最新の技術に対応できるシステムエンジニアの需要は高いといえます。
システムエンジニアの活躍の場は広範囲におよび、そのキャリアパスも多岐にわたります。システムエンジニアとして働いている方は実務でさまざまな経験を積みながら、どのようなキャリアを歩んでいけばよいのかを考えましょう。以下で具体的なキャリアパスの例を紹介します。
IT業界におけるエンジニアとしてのキャリアは、プログラマーからスタートするのが一般的です。入社後はさまざまなシステムの開発経験を積みます。プログラミングの実績を積んだら、より上流工程を担当するシステムエンジニアにキャリアアップするのが一般的です。
そこからシステムエンジニアとしての経験を積み、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどにキャリアアップしつつ、システム開発の上流工程を担当するようになっていきます。
システムエンジニアとして十分な経験を積み、さらに活躍の場を広げるケースもあります。経営や資金調達などのビジネスに関するスキルを習得し、ITコンサルタントを目指すことも可能です。
ITエンジニアのスペシャリストを目指したいのであれば、より専門性が高いネットワークエンジニアやデータベースエンジニア・ITアーキテクトを目指してもよいでしょう。自分の興味・関心がある職を目指してキャリアアップに励むのがおすすめです。
正社員としてシステムエンジニアの経験を積んだのちに独立し、フリーランスのシステムエンジニアとして活躍する道もあります。
フリーランスのシステムエンジニアになると、仕事を自分で獲得する必要があります。したがって、仕事が取れないと収入が減るでしょう。一方で成功して次々と仕事を依頼されるようになれば、正社員時代より高い年収を得ることも可能です。
自宅でシステムエンジニアとしての業務を遂行するのが在宅SEです。在宅勤務であっても、クライアントとの打ち合わせや物理的にシステムを見なければならないときがあります。しかし、常駐するタイプのシステムエンジニアと比べればオフィスに出社することは少なく、場所や時間に縛られにくい勤務形態といえます。
ただし、予定どおりに業務を進めるには高い自己管理スキルが求められます。この点が自分にとって大きな問題にならず、比較的自由度が高い働き方を実現したいのであれば、在宅SEという選択肢を検討してみてもよいでしょう。
システムエンジニアに転職し、自分の市場価値を高めるにはさまざまなスキルを習得する必要があります。ここでは、システムエンジニアとして活躍するのに欠かせない4つのテクニカルスキルを紹介します。
これからシステムエンジニアを目指す方だけでなく、すでに開発現場で活躍していてさらなるキャリアアップを実現したい方もチェックしておくとよいでしょう。
ITシステムの開発に携わるには、プログラミングスキルの習得が欠かせません。一口にプログラミングといってもさまざまな言語が用いられているため、自分が目指す分野で使われているものを学びましょう。分野別によく使われているプログラミング言語を挙げると、以下のとおりです。
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プロジェクトによってはほかにもさまざまな言語を使用するため、順番に学ぶとよいでしょう。すでに習得している言語と近いものから学ぶことで、扱える言語を効率的に増やせます。
ITシステムを設計・開発・運用するにあたって、データベースは欠かせない存在です。そのため、データベースについても体系的に学びましょう。
データベーススキルの具体例には、データモデリングに関連するスキルやSQL関連のスキル、主要なデータベースを構築・運用するスキルが含まれます。現職でデータベースを扱う機会があれば、そこから知識を深めるとよいでしょう。データベースについて学習できる市販の書籍もあります。
クラウドサービスを活用したITシステムの開発も盛んに行われています。クラウドサーバーやデータベース、開発プラットフォームなどのさまざまなサービスが提供されているため、開発工数・コストの削減や最新技術の活用を目的として幅広く使用されているのが現状です。
たとえば、AWS・Microsoft Azure・Google Cloudの3つはさまざまなプロジェクトで活用されています。クラウドについて学ぶときは、上記の3つを優先的に学習するとよいでしょう。
各クラウドベンダーはスキルレベルを証明できる資格を運用しています。学習の一環として、ベンダー資格の取得を目指すのもおすすめです。
情報資産の強奪を目的として、サイバー攻撃を仕掛ける団体や個人がいます。場合によっては、国家によるサイバー攻撃が行われるケースもあります。
攻撃者からシステムを守るには、強固なセキュリティを施すことが欠かせません。そのため、システムエンジニアにはサイバーセキュリティに関する高度なスキルが求められます。
攻撃手法は日々変化していることもあり、常に最新の攻撃手法を調査して適切な対策を講じる必要があります。日頃からサイバーセキュリティに関心を持ち、最新の脅威や主流となっている対策法を含めたセキュリティ関連の知識を学びましょう。
システムエンジニアとしてキャリアアップするには、ITに関するスキルだけでなくビジネススキルも欠かせません。企業がシステムを開発・導入する背景には、経営課題の解決や新たな事業の展開など、ビジネスの創出と密接に関係しているためです。
システムエンジニアとして長期的に活躍し続けるためにも、以下で紹介する3つのスキルを高めるように努力することをおすすめします。
日々の業務においては、クライアントの要望を満たすのに役立つシステムの提案を担当するケースがあります。相手にシステムを提案するときは、そのシステムがなぜ役立つのか、導入するとどのようなメリットがあるのかを伝えなければなりません。
上記の状況で求められるのが、プレゼンテーションスキルです。プレゼンテーションスキルは相手に必要な情報を明確に伝え、納得させるために欠かせない複合的なスキルを指します。具体例は以下のとおりです。
上記のスキルはプレゼンテーション以外でも発揮する機会が多く応用が利くため、日頃から意識して習得を心掛けるとよいでしょう。
システムエンジニアは開発チームをまとめることもあり、マネジメントスキルが求められる職です。マネジメントスキルは企業のリソースを管理・運用するスキルの総称で、以下が含まれます。
上記のスキルは、いずれリーダーやマネージャーにキャリアアップするときに高く評価されるでしょう。将来的なキャリアプランとしてプロジェクトマネージャーやITコンサルタントを掲げているのであれば、特に意識する必要があります。
システムエンジニアとしての市場価値を高め、さらなるキャリアアップを実現するにはコンセプチュアルスキルが欠かせません。コンセプチュアルスキルは何らかの物事の本質を見極めるスキルの総称で、含まれるスキルの具体例は以下のとおりです。
高度なコンセプチュアルスキルは、システムエンジニアからITコンサルタントにキャリアアップするときに求められます。将来のキャリアアップを実現するためにも、早いうちから意識しましょう。
転職を決断するための材料として、年収水準は大切な要素です。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、システムエンジニアの平均年収は550万2,000円です。
しかし、システムエンジニアはスキルレベルが年収に大きく影響する職であるため、これまでの経験や有しているスキルによっては平均より大幅に高い年収を得られる可能性もあります。
同調査の所定内給与額別の人数割合を見ると、20万円台前半~20万円台中盤・30万円台前半・40万円台前半の3ヵ所がピークです。したがって、スキルレベルを高めて年収アップを目指すのも現実的な選択肢といえるでしょう。
実際にシステムエンジニアとしてキャリアを積むには、どのような企業に就職すればよいのでしょうか。システムエンジニアが活躍する企業は、大きく以下の3つに分けられます。ここでは就職先の種類別に、どのようなキャリアプランが描けるのかを紹介します。
システムエンジニアの就職先として代表的な存在が、コンピューター関連のメーカーやシステム開発会社、ソフトウェア開発会社です。上記の企業に転職した場合、ソフトウェアやシステムの設計・開発を担当します。
開発を手掛ける企業では、常駐SEとしてクライアントのオフィスに出向いて開発作業に従事するケースもあります。IT業界全体が拡大傾向にあり、クライアントや開発案件の数も多いため、将来性は高いといえるでしょう。
さまざまな業界でDXが進んでいることもあり、多くの企業がシステムの開発やメンテナンスを依頼できる企業を探しています。一般的な企業でも情報処理部門を設置していて、システムの運用やメンテナンスなどを担当する社内SEと呼ばれるエンジニアがいます。
社内SEは業務効率などにも影響する重要な仕事で責任もあり、やりがいを感じられる職種です。ただし、習得できる技術は社内システムをはじめとした特定のものに限られ、経験を積んでキャリアアップを目指したい方にとっては、満足できない環境の可能性があります。
IT業界が全体的に人材不足傾向にあることも影響して、ITエンジニアを派遣する企業があります。未経験者に対して戸口を開いている企業も多く、システムエンジニアを目指しやすい環境です。
まずはIT派遣会社でシステムエンジニアの経験を積み、より条件がよい企業ややりたいことができる企業に転職するのもひとつの方法です。開発経験を積みつつスキルアップし、担当できるシステムの幅が広がれば自分の市場価値も高まります。
未経験からシステムエンジニアになる方もいます。しかし、システムエンジニアは頭を使うハードな仕事であるうえ、常に勉強が必要になるため体力も使います。
未経験から目指すこと自体は可能ですが、スキルを習得するのに一定の勉強が求められることを意識しておきましょう。勉強が苦痛ではなく、ITに関するスキルに興味・関心がある方に向いています。
転職は若手ほど有利です。システムエンジニアを目指したいのであれば可能な限り早く転職するのがおすすめです。ただし、30代以降になっても不可能なわけではないため、チャレンジしてみてもよいでしょう。
IT業界は全体的に人手不足に陥っていて、システムエンジニアの需要が高まっています。人手不足が短期間で解消することは考えにくく、将来性に期待できる職のひとつです。これからシステムエンジニアを目指す方や、現役のシステムエンジニアは将来性について過度に心配する必要はありません。
むしろ、スキルアップに励んで自分の価値を高め、さらなるキャリアアップを目指すとよいでしょう。新たにシステムエンジニアを目指す方もさらなるキャリアアップを目指す方も、転職を検討しているのであれば、ぜひマイナビITエージェントにご相談ください。
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