更新日:2022/09/05
この記事のまとめ
社内SEは、企業システムを総合的に管理する重要な職種です。一方で「長期的にキャリア形成できるかが不安」「スキルが身につかない職種のイメージがある」といった不安を持つ方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では社内SEの将来性を解説します。これから社内SEを目指そうと考えている方や、社内SEへの転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
IT業界の中には、社内SEという企業システムの中枢を担う職種があります。システムの企画から運用・保守にいたるまでその業務内容は多岐にわたりますが、具体的にどのような仕事に携わるのかがあまりよく分からない方もいるのではないでしょうか。そこでここでは、社内SEの概要や一般的なSEとの違いについて解説します。
社内SEは、社内システムの総合管理を担う職種です。具体的には社内インフラの構築や運用・保守などの作業をとおして、企業内のさまざまなシステムが安定して稼働するように整備します。
そのほか、社内メンバーや外部の協力会社など関係各所と連携を取り合うのも業務のひとつであり、必要に応じてマネジメントの仕事も発生します。あらゆる角度から社内システムの安定稼働に取り組む必要があるため、視野の広い人材に適した職種ともいえるでしょう。
社内SEと一般的なSEとでは役割が大きく異なります。一般的なSEが外部企業から受託したシステムの開発や納品後の運用などに携わるのに対して、社内SEは社内システムの構築や整備を通じてあくまでも自社業務の効率化に貢献します。
また、一般的なSEはあらゆるクライアント企業のシステムに携わることでさまざまな知識を習得できますが、社内SEは所属先企業の業界に関する専門的な知識を得られる点が特徴です。
社内SEは将来的なニーズの高まりが予想される職種のひとつです。リモートワークの推進やシステムの内製化などの動きにより、業界内でも将来性が見込まれています。ここでは社内SEの将来性が期待できる3つの理由を解説します。
令和2(2020)年1月以降、国内で感染が拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの企業でリモートワーク(テレワーク)が導入されました。実際に総務省が発表した「令和2年通信利用動向調査の結果」によると、リモートワークを導入した企業の割合は令和元(2019)年の20.2%から令和2(2020)年8月末には47.5%へと増加しています。
しかしリモートワークを実施するには社内におけるITシステムの整備が欠かせません。リモートワークによるスムーズな業務を実現するためにも、安定したシステムの稼働に携わる社内SEの需要が高まっています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)化とはデジタル技術によって人々の生活やビジネスを変化させる動きの総称です。IT技術を駆使して、より豊かで便利な社会を目指すべく生まれた考え方ともいえます。
しかし現状では、IT技術に精通した人材はIT業界に偏在している傾向にあります。DX化を推進できる人材の不足といった課題を抱えている企業は多いため、必然と社内SEのニーズも高まりを見せているといえます。
内製化とは、自社内でITシステムの開発や保守・運用を手掛けることです。従来は自社システムの開発を外注する動きが顕著でしたが、社内でIT人材を育成・雇用している海外企業との競争に勝つためにシステムの内製化に踏み出す企業が増加傾向にあるのです。内製化の流れの中で、今後あらゆる業界・企業で社内SEが活躍するシーンが一層増えてくると予想されています。
社内SEには企業の活動を裏から支えるやりがいがありますが、いったいどのくらいの年収がもらえるのかが気になる方もいるのではないでしょうか。また、年収を上げるためにはどのようなキャリアパスが描けるのかが知りたい方もいるでしょう。ここでは、社内SEの平均年収と年収を上げるためのキャリアパスについて解説します。
マイナビエージェントの調査によると、IT業界全体の平均年収は427万円です。その中でも、社内SEの平均年収は512万円と高い数値を誇ります。
年代・性別で見ると、20代男性の平均年収は345万円、女性の平均年収は482万円、30代男性の平均年収は503万円、女性の平均年収は513万円です。男女ともに経験を積めば任せられる業務内容が増え、その分、年収に反映されるといえるでしょう。
社内SEとして働く中で年収を上げるには、マネジメント職へのキャリアアップがおすすめです。マネジメント系の仕事も担当できるようになれば、必然と社内評価が高まり、年収アップのチャンスも広がります。
具体的な職種としては、企業経営に携わるビジネスマネジメント職、社内システムの企画を担当するプロジェクトマネジメント職などがあります。また社内SEとして技術面での貢献を検討するのであれば、テクノロジーマネジメント職として現場に携わるのも選択肢のひとつです。
社内SEは、社内システムの根幹を支える重要な職種です。業務内容も多岐にわたるため、幅広いスキルが必要とされますが、具体的にどのような仕事に携わるのかがイメージできない方もいるでしょう。そこでここでは、社内SEの仕事内容のうち「予算管理」「企画・開発」「運用・保守」「ヘルプデスク業務」「セキュリティ対策」について紹介します。
社内SEの仕事内容のひとつに、社内システムの開発費や運用にかかる固定費などといった予算の作成があります。作成した予算計画以上にコストがかかってしまっている場合はその調整・管理も実施します。状況によっては社内の経理担当とも密なコミュニケーションが必要になるでしょう。
社内の課題解決につながるシステムの企画・開発を実施します。企画においては、課題の分析や開発で生じる費用、スケジュールなどを設計するのが特徴です。また開発段階に移行すると、社内での作業に加えて協力会社への外注も生じます。完成したシステムのテストも適宜実施しつつ、設計したとおりに開発が進んでいるか管理するのも業務のひとつです。
社内システムのサーバーやネットワークを調査して、システムの安定稼働を実現します。開発後のシステムは、運用する中でトラブルを招くケースも少なくありません。必要に応じてシステム改修や、ミドルウェアの調整を実施します。
社内SEは、社内で使うPCのセットアップや環境設定、OSのバージョン管理などのヘルプデスク業務も担います。社内システムの開発・メンテナンスのみならず、社員が作業しやすいIT環境を整備するのも重要な業務のひとつです。
社内SEが社内のセキュリティ対策を担当する場合もあります。とくにオンライン上で作業を進めるにあたっては、セキュリティソフトの用意や在宅勤務環境で必要なネットワークの整備などが欠かせません。社内の機密事項を扱うケースも多いため、責任が大きい業務ともいえるでしょう。
社内SEの業務はじつに多岐にわたるため、さまざまなスキルが求められます。しかし、実際に社内SEとして働くにあたってどのようなスキルを身につけておけばよいのかが分からない方もいるのではないでしょうか。ここでは社内SEとして働くために必要なスキルを紹介します。社内SEとして活躍するためにも、業務上必要となるスキルを把握しておきましょう。
社内SEの主な業務は社内システムの安定稼働にありますが、業務上では以下のような課題に直面しています。
いずれも業務の効率化を図るうえで、迅速な対応が求められます。それぞれの課題を解決し、社内システムを維持するためにも課題解決スキルが欠かせません。
社内SEは、取引先企業や社内メンバーなど、さまざまな相手とコミュニケーションを取る必要があります。システムにトラブルが発生した際には外注先企業との連携が必要になるほか、社内作業で滞りが生じた場合は社内メンバーへのサポートも欠かせません。両者のバランスを保ちつつ、業務をスムーズに遂行するにはコミュニケーションスキルが重要です。
社内SEとして仕事を進めるうえでは、想定外のトラブルに対処するスキルが必要です。実務においては、急なシステムエラーへの対応はもちろん、社内のネットワーク障害やスケジュールの変更などあらゆるトラブルが起こり得ます。トラブルが発生しても慌てることなく、リスクを最小限に抑えたバックアッププランを考えて動く意識が欠かせません。
社内SEは、設計から運用にいたる幅広い業務を通じて社内システムの中枢を支える職種です。リモートワークやシステム内製化の促進により、将来的なニーズの増加も見込まれています。IT業界の中では平均年収が高い点も魅力といえるでしょう。
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