セキュリティエンジニア
平均年収
356万円
情報セキュリティに配慮したシステム構築、運用、サイバー攻撃への対策などを担当する専門技術職です。
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活かせる資格
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験、
シスコ技術者認定
セキュリティエンジニアとは、
エンジニアの中でもどのような役割を持つエンジニアなのでしょうか。
近年、企業や団体がサイバー攻撃に対して対策に力を入れており、
その役割を担うのが「セキュリティエンジニア」です。
ここでは、セキュリティエンジニアの仕事内容や重要性、
必要なスキルなどについてご紹介します。
セキュリティエンジニアとは?
「セキュリティエンジニア」とは、情報セキュリティに関する業務に特化したエンジニアのことを指します。インターネットが一般化した現在は、企業や団体がサイバー攻撃に対して対策を行う必要があり、セキュリティエンジニアがその役割を担います。
情報セキュリティの重要性
セキュリティエンジニアが必要だといわれているのは、それだけ情報セキュリティが重要視されるようになったからです。では、企業はどんな脅威に備え、情報セキュリティを行っているのか。企業がそれだけ力を入れる理由をご紹介します。
ITの普及により情報資産が高まっている
近年、情報資産の価値が高まっています。要因は、IT技術の進化と普及にあるでしょう。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークの浸透によりあらゆる重要情報がデジタル化され、蓄積や参照が容易となったことも考えられます。
デジタル化により情報の取り扱いの利便性は向上しましたが、同時に第三者による悪質な攻撃から守る策を講じることが急務となり、情報セキュリティの重要性にスポットライトが当たっている状況です。
個人情報漏洩の防止
名前や住所、銀行口座、または、カードやインターネットのサイトに登録した際に作ったパスワードなどのさまざまな個人情報が他人の手に渡ってしまうことが、「個人情報の漏洩」です。
実は、漏洩のほとんどの原因が内部の人間による「ミス」だといわれています。こういった事故を防止するのも情報セキュリティの役目なのです。
ウィルスの感染防止
ウィルスの侵入により、多大なる被害を受けている企業は少なくありません。
ウィルスによってシステムの不具合が起こり、それをきっかけにして、機密データの破損、漏洩につながる可能性もあります。また、ホームページを不正に改ざんされ、ネットバンキングの不正送金が起きてしまうかもしれません。そんなことでは、企業は信頼を失ってしまうでしょう。
事前にウィルスの侵入を防ぐ対策はもちろんのこと、不具合が起きた際の対策を行うことも情報セキュリティの役割です。
セキュリティエンジニアの仕事内容
セキュリティエンジニアの仕事内容は、「企画」「設計」「実装」「テスト」「運用」という、5つのステップに分かれています。
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企画
システムのコンサルティングを行い、どのようなセキュリティが必要なのかを企画・提案します。
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設計
セキュリティに配慮したシステムの設計を行います。ネットワークはもちろん、サーバー機器などのハードウェアやアプリケーション、システムの運用に至るまで、すべてを網羅して設計します。
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実装
設計と同様に範囲が広く、ネットワーク機器やOSの設定に加えて、プログラミングも行います。
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テスト
実装したシステムに脆弱性がないかをテストします。擬似的にサイバー攻撃を行ったりもします。
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運用
導入したシステムを安全に運用します。最新の情報を常に入手し、OSやアプリケーションのアップデートを行います。また、システム障害やサイバー攻撃などに対処するためのスキルも必要となります。
将来のためにスキルアップしませんか?
働きながら身に付けられる企業もあります。
セキュリティエンジニアに向いている人は?つらい仕事と言われる理由
セキュリティエンジニアに向いているのは以下のような人です。
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最新のIT技術に触れ、情報や知識を得られることに楽しさや喜びを感じられる人
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自分のスキルや技術によって、クライアントの課題解決に貢献したい人
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あらゆる仮説を立てて、課題解決までの最適な手段を考えられる人
上記に該当する人は、セキュリティエンジニアとして長く活躍できる可能性が高いでしょう。
一方で、セキュリティエンジニアがつらい仕事といわれる理由としては以下のような要素が挙げられます。
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不測の事態が発生すると、いち早い解決が求められる
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IT業界の慢性的な人手不足により、環境や時期によっては業務量が増加する
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各方面との連携が必要となるため、人間関係でのトラブルが生じる場合がある
セキュリティエンジニアへの転職を具体化する際には、つらいといわれるこれらの要因を念頭に置き、入社後に「こんなつもりじゃなかった」といったマイナスなギャップを抱くリスクを最小限に抑えられるようにしましょう。
セキュリティエンジニアになるために必要なスキルや知識
適切なスキルや知識を身につけるのが、セキュリティエンジニアになるための近道です。
セキュリティエンジニアとしてのキャリアを目指す際は、以下を理解しておきましょう。
必要なスキルや能力
セキュリティエンジニアには、主に以下のスキルや能力が必要となります。
コミュニケーションスキル
一定のコミュニケーションスキルは、セキュリティエンジニアとして働くうえで欠かせません。
エンジニアの仕事は常にパソコンと向き合い黙々と作業しているイメージがあるかもしれませんが、実際はそうとも限らず、クライアントとのコミュニケーションが常時発生します。セキュリティエンジニアの職務を遂行するためには、日頃のクライアントとのコミュニケーションの中から要望や課題を見極め、解決に必要な情報を相手から引き出し、いかに適切な対策を施せるかが重要です。
したがって、コミュニケーションスキルはセキュリティエンジニアに必須のスキルとなります。
プログラミングスキル
実装のフェーズでは自らプログラミングを行う機会もあることから、セキュリティエンジニアにはプログラミングスキルも求められます。たとえ自身でプログラミングをする機会がない場合でも、システムの脆弱性を見極めるために、より多くの知識を持ち合わせているのに越したことはありません。設計したものを運用可能な形にできなければ意味を成さないため、プログラミングに関する知識は積極的に身につける必要があります。
倫理・道徳意識
直接的に関係がないように思えるかもしれませんが、セキュリティエンジニアは倫理・道徳意識が強く求められる仕事です。
セキュリティエンジニアは、クライアントの重要情報を悪用することも決して難しくない立場にあり、またそのためのスキルを十分に持ち合わせています。つまり、万が一倫理や道徳意識が備わっていないセキュリティエンジニアが職務にあたれば、クライアントの安全安心を守るという本来の職務が遂行されないリスクがあるのです。クライアントをあらゆる脅威から守る使命感と職務として当然の道徳観を持ち仕事に取り組む必要があります。
必要な知識
セキュリティエンジニアに必要な知識や技術は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が「IPAスキルマップ」として定量化、可視化しています。IPAスキルマップは16個の大項目からなり、情報セキュリティに携わる人材に必要な知識の程度が中分類・小分類で俯瞰できるよう構成されています。
上記を踏まえたうえでフェーズごとに必要となる知識は以下のようにまとめられます。
基礎編
前述の通り、セキュリティエンジニアは倫理・道徳意識が強く求められます。クライアントの重要情報を悪用することなく、外部の脅威から守る知識も持ち合わせなければなりません。
応用編
企業、組織における情報セキュリティの確保に組織的、体系的に取り組む「セキュリティマネジメント」や、外部だけでなく内部ネットワークからの脅威にも備えた対策知識「ネットワークセキュリティ」、設備や機器に対する攻撃を防ぐ「システムセキュリティ」に関する知識があると良いでしょう。
さらに、「守り方を知るには攻撃の仕方も知らなければならない」ということで、どんな相手がどんな手段で攻撃してくるのかを知る「サイバー攻撃に関する知識」も必要となります。
将来のためにスキルアップしませんか?
働きながら身に付けられる企業もあります。
セキュリティエンジニアにおすすめの資格
セキュリティエンジニアとしての実力を示すことができる資格の中から、代表的なものをいくつかご紹介します。転職などを視野に入れるならば、ぜひ取得を目指してみましょう。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験は、IPAが主催する国家資格です。高度IT人材に求められるスキルを認定し、IT業界に携わるための登竜門的な試験として広く知られています。基礎は初心者向け、応用はある程度の経験を積んだ人材向けです。
シスコ技術者認定
シスコ社が行う「シスコ技術者認定」の中に、セキュリティ分野における認定資格制度があります。これらを取得することで、セキュリティのスペシャリストであることが証明できます。
セキュリティエンジニアの年収
セキュリティエンジニアの平均年収は、20代で282万円。30代で416万円です。
ただし、セキュリティエンジニアを含め、IT業界は全般的に慢性的な人材不足が続いているため、企業やスキル次第では、上記の年収を上回る可能性も大いに考えられます。
年収の査定は、あくまでも企業によって異なるため、一概に決めつけず求人情報をよく確認するようにしましょう。
参考までに、現在マイナビエージェントに掲載しているセキュリティエンジニアの求人では、平均年収を上回る企業が多数あり、個人のスキルや経験を重視した査定をおこなう企業も多く見受けられます。
特に海外のセキュリティエンジニアは、日本の倍近い報酬を得ているケースもあり、今後の報酬見直しに大いに期待が持てる職種といえるでしょう。
年齢 | セキュリティエンジニア |
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20代 | 282万円 |
30代 | 416万円 |
セキュリティエンジニア年収別求人特集
セキュリティエンジニアのキャリアパス
セキュリティエンジニアは、同じセキュリティ関連の職種にキャリアアップするケースがほとんどです。例えば、監査法人などのセキュリティコンサルタント、コンプライアンス部門の情報セキュリティ担当など、豊富な知識を持つセキュリティエンジニアならではの多様性があります。
もちろん、ほかのIT系エンジニア同様、独立するケースもあります。中には、より良い条件を求めて海外に挑戦する人もいるようです。
ITコンサルタント系
セキュリティエンジニアとして培った経験やスキルは、ITコンサルタントとしても役立つものです。経営的な視点も求められますが、ビジネス全体を俯瞰し動かしていく役割を担うことから、年収も高水準が期待できます。
スペシャリスト系
狭く深くセキュリティエンジニア分野を追求しスペシャリストを目指すキャリアも選択肢の一つです。ITスキルやリスクマネジメントの技量が求められますが、現場での生の体験や、特定のものを突き詰めることに醍醐味を感じるタイプには適したキャリアでしょう。
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調査概要
【平均年収 調査対象者】2020年1月から2020年12月の間でマイナビエージェントに登録いただいた方