IT・エンジニアの職種図鑑

テクニカルサポート

平均年収

310万円

テクニカルサポートの女性

企業が提供する製品・サービスへの消費者からの問い合わせに対し、電話やメールで対応します。

  • 活かせる資格

    ITパスポート試験、PeopleCert/ITIL® ファンデーション、Microsoft 認定資格者試験

製品の利用者と直接やりとりするテクニカルサポートは、
利用者からすれば会社の顔です。
大変なこともありますが、直接ユーザーの声や感謝の言葉を聞ける
やりがいのある職種ともいわれています。

ここでは、テクニカルサポートの仕事内容や年収、
キャリアパスの他、転職するときに役立つスキルや資格などについてご紹介します。

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テクニカルサポートの仕事とは?

テクニカルサポートの仕事とは?

テクニカルサポートは、企業が販売するパソコン本体や家電などのハードウェア製品およびソフトウェア製品について、利用者から寄せられる技術的な問題に関する問い合わせに対応し、トラブル解決のサポートを行う仕事です。問い合わせの内容は、操作方法や故障に関すること、修理の相談などが中心となります。サポートする相手は、一般消費者の場合もありますし、企業向けの製品なら企業の情報システム担当者などとなります。

顧客とのやりとりは、メールや電話、FAXがほとんどですが、スマートフォンやPCの設置・操作に関する問い合わせなどではチャットを利用して説明したり、専用ソフトを使って利用者のPC画面を自分のPCに表示させ、遠隔操作したりして問題を解決する場合もあります。

また、電話やメールでのやりとりだけでは問題解決が難しい場合は直接利用者のところへ赴き、直接製品を見ることもあります。

テクニカルサポートが求められる職場

テクニカルサポートを担当する人材を募集しているのは、製品を製造するメーカーです。大手家電メーカーやパソコンメーカー、電子機器メーカーなどが持つ顧客サポートセンターには、多くのテクニカルサポートの求人があります。また、メーカーと契約してサポートセンターを運営するアウトソーシング会社も定番の勤務先の一つです。

数多くの電子機器が生活に欠かせない物となり、スマート家電などの普及も進む中、テクニカルサポートの仕事は今後増えていくことが考えられます。

テクニカルサポートとヘルプデスクとの違いは?

「テクニカルサポート」と「ヘルプデスク」は、問い合わせに対して電話やメールで回答するという点では同じですが、細かい部分で仕事内容が異なります。

  1. テクニカルサポート

    テクニカルサポートとは、ハードウェアやソフトウェアなど、自社製品の購入者に対して、技術的なサポートを行う職種です。

    メーカーがユーザーサポートの一環として無料で設置していることが多いのですが、中には有償のサポートもあります。

  2. ヘルプデスク

    お客様向けのヘルプデスクの場合、テクニカルサポート同様にお問い合わせ対応をします。

    社内向けのヘルプデスクの場合、「急にPCが動かなくなってしまった」「回線がつながらない」「ネットはできるけどメールの送受信ができない」といった社員のトラブルに対応します。

    ただし、これらは明確に区別されているわけではありません。求人によっては逆の意味で使われていることもありますので、応募する際は注意しましょう。

テクニカルサポートのやりがいや厳しさ

テクニカルサポートへ転職を検討する際には、仕事のポジティブ要素であるやりがいと、ネガティブ要素である厳しさを両方知っておきましょう。そうすることで、想像で描いていたイメージと現実とのギャップが少なくなります。

テクニカルサポートのやりがい

テクニカルサポートのやりがいは、主に以下の2点です。

顧客の課題を解決する達成感が得られる

テクニカルサポートの最も大きなやりがいといえるのが、自分のサポートの結果、顧客の抱えていた課題が解決したときの達成感です。自分の得意分野を活かしスピーディーかつ確実に対処できれば、ゲームをクリアしたときのような感覚が味わえるでしょう。

また、テクニカルサポートへ連絡してくる顧客はもれなく何らかのトラブルを抱えており、一刻も早い解決を望んでいる可能性が高く、課題が解決すれば顧客から「ありがとう」と感謝の言葉を受け取ることも少なくありません。

仕事の成果が目に見え、さらに誰かの役に立てている実感が持てることは、大きなやりがいにつながるでしょう。

仮説構築能力を得られる

仮説構築能力が得られることもテクニカルサポートの醍醐味です。テクニカルサポートに連絡をしてくる顧客が置かれている状況は千差万別であるため、それぞれの課題に適した手法をいかに見極められるかが重要となります。限られた情報の中でいかに顧客の状況をリアルに想像し、仮説を立てて課題解決に導けるか。このミッションと日々向き合うことで、おのずと仮説構造能力が鍛えられてくるでしょう。

テクニカルサポートの厳しさ

やりがいの反面、テクニカルサポートには以下のような厳しさも潜んでいます。

常に新しい知識を身につける必要がある

テクニカルサポートの仕事においては、知識を学び続ける努力を怠ってはいけません。技術は日々発達していくなかで顧客が置かれている環境は多様化し、提供される商品やサービスも進化しています。その中でテクニカルサポートとしての職務を遂行するためには、常に新しい情報を求め、そこから得た情報をサポートに活かし続ける必要があります。

顧客に応じて臨機応変に対応しなくてはならない

顧客一人ひとりに対して、臨機応変なサポートを提供しなければならない点も、テクニカルサポートの厳しさの一つです。一見同じ事象でも、顧客の置かれている環境やトラブルに至るまでの背景は一つひとつ異なります。

テクニカルサポートは、顧客ごとに異なるトラブルに対し、都度最適なサポートを行わなければなりません。さらに、顧客が持ち合わせているITリテラシーの程度によってもサポートの道筋は変化するため、その見極めも重要です。

テクニカルサポートに必要なスキルや知識・経験

高い顧客満足度を獲得できるテクニカルサポートになるためには、備えておくべきスキルや知識や経験があります。それぞれのポイントを理解し、自分自身に足りない要素を確認しておきましょう。

スキル

テクニカルサポートに必要なスキルには主に以下の5点が挙げられます。

コミュニケーションスキル

顧客と対話をしながらトラブル解決を図るテクニカルサポートにとって、コミュニケーションスキルは必須です。時間や環境の制限があるなか、顧客とスムーズな意思疎通を行って相手の伝えたいことを過不足なく受け取ると同時に、こちらが伝えたい内容を意図する形で受け取ってもらう必要があります。相手の状況や感情を思いやる気持ちも、良好なコミュニケーションには必要です。

ヒアリング能力

テクニカルサポートが顧客のトラブルをスムーズに解決に導けるか否かは、ヒアリング能力の程度が関係します。顧客対応はほとんどの場合、メールや電話、FAXなど非対面でのサポートとなるため、いかに顧客から有力な情報を引き出せるかがトラブル解決には欠かせません。顧客の状況やコミュニケーションの癖を察知しながら欲しい情報を聞き出すヒアリング能力が求められます。

問題解決能力

顧客の抱えるトラブルを解消する問題解決能力もテクニカルサポートに必要なスキルです。業界や製品知識を幅広く身につけ、さまざまなサポート案件を経験することで、問題解決能力を磨いていく努力が求められます。

忍耐力

テクニカルサポートは、忍耐力がなければ務め上げることが難しい仕事といえます。製品や会社に対して怒りを抱いている顧客もいるため、通常のコミュニケーションとは少々勝手が異なります。理不尽な叱責を受ける場面もありうるポジションのため、平常心を保ちながら辛抱強く顧客の主張や訴えに耳を傾ける忍耐力が求められます。

ビジネスマナー

テクニカルサポートは顧客と直接コミュニケーションを取るため、一般的なビジネスマナーを身につける必要があります。顧客対応自体は個人で行いますが、企業の看板を背負っていることを忘れてはなりません。「テクニカルサポートの言動=企業の対応、判断」と認識されることを忘れず、顧客に対して礼儀や誠意のある振る舞いを心がけることが大切です。

知識

テクニカルサポートに必要な知識には主に以下の2点が挙げられます。

製品に関する幅広い知識

テクニカルサポートには、多岐に渡る顧客の問い合わせに対応できるだけの幅広い製品知識が必要です。 顧客がテクニカルサポートに求めるものは「今抱えているトラブルの解消」です。スピーディーかつ的確なサポートを提供するためには、日々アップデートされる技術や製品に関する知識を常に学び続けなければなりません。

運用や開発知識

運用や開発といった技術面の知識があると、テクニカルサポートとしてより的確なサポートができます。運用や開発の知識をもとにマニュアルの一歩先を行く視点で顧客を課題解決に導けるため、社内でも重宝されるテクニカルサポートになれるでしょう。

経験

テクニカルサポートに必要な経験には主に以下2点が挙げられます。

メールや電話対応などの接客経験

メールや電話を用いた接客経験は、テクニカルサポートの仕事にダイレクトに活かせます。

テクニカルサポートは電話やメールを用いた対応が多くを占めるため、対話とは異なる手法で顧客と信頼関係を築き、適切なサポートを行う技量が求められます。そのため、過去にメールや電話対応による接客経験があると、より早くテクニカルサポートの仕事に馴染めるはずです。

開発・運用・保守の経験

開発や運用、保守の経験があると、テクニカルサポートとしての活躍の場が広がります。

所属する業界や取り扱うジャンルによっては、個人だけでなく法人に対して長期的なサポートを行う機会もあります。その際、運用や開発など専門性の高い知識を身につけておくと幅広い視点で対応できるため、顧客から感謝されると同時に社内での評価もアップするでしょう。

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テクニカルサポートにおすすめの資格

テクニカルサポートとして働くうえで、おすすめの資格をご紹介します。これらの資格がすぐに昇給昇格につながるわけではありませんが、実務をこなすためのスキルの基盤を固める意味でも取得しておいて損はありません。まだ取得していない方は、ぜひチャレンジしてみてください。

ITパスポート試験

かつて実施されていた「初級システムアドミニストレータ」の後継資格として認知されているのが、経済産業省が認定する国家資格ITパスポート試験です。

ITの基礎知識を幅広く体系的に学べる資格試験として、業界職種問わず人気を得ています。

PeopleCert/ITIL® ファンデーション

PeopleCert社が主催するITIL(Information Technology Infrastructure Library)ファンデーション試験は、ITIL系の入門編の資格試験です。ITサービスマネジメントのスキルを問う内容のため、テクニカルサポートに対して取得を推奨する企業もあります。

Microsoft 認定資格者試験

Microsoft製品に関するスキルを証明するのが、Microsoft 認定資格者試験です。多くの企業でMicrosoft製品を導入していることから、テクニカルサポートの仕事にも直接的に役立つ資格試験です。

テクニカルサポートの年収

テクニカルサポートの平均年収は、20代が282万円、30代が368万円です。多くの業務がマニュアル化されているためか、他のIT系職種と比べて水準は低くなっています。

しかし、上記はあくまでも全国的な値であり、平均を上回る求人も多く見受けられます。テクニカルサポートへの転職を検討する際には、幅広くさまざまな求人をチェックすることをおすすめします。

年齢 テクニカルサポート 男性 女性
20代 282万円 341万円 354万円
30代 368万円 386万円 370万円

テクニカルサポート年収別求人特集

テクニカルサポートのキャリアパス

テクニカルサポートは、ポテンシャルが感じられればIT業界未経験でも採用するという企業が多く、挑戦しやすい職種です。

業界を問わず、顧客のサポートをする部署や問題解決に携わる仕事の経験があればアピールポイントになりますし、英語が得意であれば外資系企業で働く道もあります。

テクニカルサポートからのキャリアパスとしては、ネットワークエンジニアやサーバーエンジニア、システムエンジニア、アプリケーションエンジニアなどが考えられます。専門分野を決めてより高度な技術者職に進むのが一般的です。

サポート役のプロフェッショナルとして成長したうえで、社内システムの構築や運営・管理を一手に担う社内SEへと進む道もあります。

この記事の監修者


この記事の監修者

藍田 敬之

株式会社マイナビ所属。キャリアアドバイザー歴15年。IT領域専任アドバイザー。SE、IT営業経験を踏まえ、「入社してみたら違った」を撲滅すべく、日々アドバイスを心がけています。

株式会社マイナビ所属。キャリアアドバイザー歴15年。IT領域専任アドバイザー。SE、IT営業経験を踏まえ、「入社してみたら違った」を撲滅すべく、日々アドバイスを心がけています。

調査概要

【平均年収 調査対象者】2020年1月から2020年12月の間でマイナビエージェントに登録いただいた方

よくあるご質問

  • テクニカルサポートの仕事は何ですか?

    企業が提供しているハードウェア製品、ソフトウェア製品やサービスについての問い合わせ対応を行います。
    利用者から寄せられる技術的な問題に関する問い合わせに対応し、トラブル解決のサポートを行う仕事です。

  • テクニカルサポートに必要な資格やスキルはありますか?

    必須となる資格はありませんが、経済産業省が認定している国家資格「ITパスポート試験」は、IT知識を体系的に学ぶことができるのでおすすめです。
    スキル面は、問い合わせ内容に対応できるだけの製品に関する深い知識や、聞き出す・伝えるためのヒアリング能力やコミュニケーション能力は必須スキルです。