アルバイト採用・年収150万円ダウンで叶えるスキルアップ転職
業種
- 電子・電気機器
- インターネット_広告_メディア
業務内容
- 組込みソフトウェア開発
- Web系プログラマー
年収
- 500万円
- 350万円
転職へのご志向、転職経緯
今回取り上げる事例は非常にユニークなケースでした。ソフトウェアエンジニアとして一定の自信があり、さらにスキルアップしていきたいという典型的なエンジニアの転職ではありますが、労働環境・条件面のご希望が尖っていました。初回のご面談時から「正社員にこだわらないし、年収にもこだわらない。とにかく自由度高く働きたい。フレックスタイム制があったら嬉しいし、週3日勤務とかでもいい。副業にも興味があるし……」という、今の時代を色濃く反映するような、一風変わった個性的な志向性をお持ちの方でした。
転職エージェントにご相談いただくケースの多くは、正社員の雇用形態と年収アップをご希望されます。同時にワークライフバランスを求めるとなると、非常に難度の高い転職活動になる訳ですが、今回のO様のケースは「自由度高く」「フレックス」「週3日」などに表れているように究極のワークライフバランスをお求めで、逆にそれ以外を求めないという非常に潔いご希望をお持ちでした。
転職活動中の不安、不安へのアドバイス
「副業OK」という会社は、IT業界や人材業界などを中心に、ある程度の頻度で見かけるようになりました。しかし、まだ実例は多くはありませんし、仮に制度として副業OKだとしても、実際には社内で自分のポジションを確立した上で制度利用に至るケースがほとんどであって、中途入社したと同時に副業をスタートすることが容認されるような環境というのはまだまだ整っていないのが実情ではないでしょうか。冒頭のようなユニークなご希望を持つO様の志向性にマッチする求人探しは当初、難航しました。
退職済みということもあって、離職期間が長引くのは避けたく、スピード決定が求められる中、私にもO様にも焦りがありました。組込みソフトウェア領域のエンジニアの転職先は、一般的に製造業界とIT業界にまたがりますが、働き方の自由度を考慮するとターゲットはIT業界、中でもWeb系ベンチャーに主に照準をあてて探していきました。
内定までの流れ
最終的に内定を得たのは、Web系サービスを自社で展開するベンチャー系の事業会社で、雇用形態はアルバイト、年収は約150万円ダウンの約350万円提示での採用オファーでした。職種は広義のソフトウェアエンジニアであることには変わりありませんが、ハードに近いレイヤーの組込みソフトウェア開発をやっていたところから、独学・自己研鑽のスキルレベルであったWeb系ソフトウェア開発に転向することになりました。選考途中では、Web系ベンチャーでよくあるオリジナルの「プログラミング課題」も実施されました。
業務未経験の領域に飛び込んでのテクニカルスキルを問われる課題に相対したとき、確かに苦労も不安もありましたが、強い決意と熱い思いを絶やさずに取り組んでいただいたので、結果的には即戦力とまではいかないものの、高いポテンシャルを認められました。それが条件付の採用内定、つまり「有期雇用・契約更新型のアルバイト形態での採用内定」でした。このたびの転職先となる企業は、非常に技術力が高く、業界内でも一目置かれるサービスを展開する優良企業なので、条件面のダウンを補って余りある非常に嬉しい内定となりました。
キャリアアドバイザーから見る転職成功ポイント
最大のポイントは転職の軸を明確にし、最後までブレずに堅持したことです。O様の転職軸は「自由度の高い働き方の実現」でした。多くのケースでは「あれも欲しい、これも欲しい」とさまざまな希望条件を同時に追い求めてブレてしまい、往々にして求人探しに、内定獲得に、最終意思決定に苦戦します。O様の転職軸は明確で、それは結果的に「アルバイト」という雇用形態をもって実現するに至りました。
また、なぜ働き方に自由度の高さを求めるのかともとをただせば、そこにはソフトウェアエンジニアとしてキャリアの付加価値を高めたい、時代や分野を飛び越える強さを獲得したい、という強い思いがありました。一見すると「正社員⇒アルバイトはキャリアダウンではないのか？」と思われることでしょう。
しかし、転職先で想定される職務内容、会社の環境、育成の方向性などを見るに、私は大いにスキルアップが叶う転職を果たしたものと心の底から納得していますし、O様もやる気を漲らせて入社していかれました。有期契約となるアルバイト形態も、あえて年収を下げたことも、スキルアップの覚悟となり、かえってプラスに働くものとみて、私は心の底から応援しています。