更新日:2025/10/27

この記事のまとめ
20代で「自分に合う仕事が何か分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。キャリアの初期段階にある20代は、未経験職種への転職も十分狙える年代です。「別の職種へ転職したい」と考えているのであれば、積極的にチャレンジすることをおすすめします。
この記事では、20代で未経験職種への転職を考えている方に向けて、市場動向や成功のコツ、おすすめ職種までを徹底解説します。転職時の注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次

総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、2024年における転職者数は331万人でした。そのうち、最も転職数が多かったのは25歳~34歳で76万人です。また15歳~24歳の転職者数も61万人おり、20代で転職をする方の割合は比較的多いことが分かります。ここでは、20代の方が未経験職種への転職を検討するにあたって押さえておきたい実情を紹介します。
参照:労働力調査(詳細集計)2024年(令和6年)平均結果の概要|総務省統計局
20代前半は、「第二新卒」として未経験職種へのチャレンジがしやすい時期です。企業は若手人材に対して、現在の経験やスキルよりも将来性や潜在能力を重視するポテンシャル採用を積極的に行う傾向があります。新卒と年齢が近く柔軟性が高いと評価される一方、社会人経験がある点も強みといえるでしょう。多くの企業が第二新卒向けの採用枠を設けており、未経験分野でも門戸が開かれています。
20代後半は4年制大学卒業から3年程度が経過していることから、企業は即戦力を求める傾向が強くなります。そのため20代前半と比較すると、未経験職種への転職難易度は上がります。企業からは一定の実績やスキルが期待され、「ポテンシャル採用」よりも「即戦力採用」の対象となりがちです。
しかし、新卒の早期退職による人材不足や成長産業での人材確保などの理由から、若手を積極採用している企業は多く存在します。30代以降と比べれば、未経験職種への転職はまだ十分に可能な段階といえるでしょう。

20代は、ほかの年代に比べて未経験職種への転職を目指しやすいといえます。しかし、20代後半になるにつれて求められる条件は増え、厳しくなる傾向にあるでしょう。早い段階で転職を成功させるためには、コツが必要です。ここでは、20代の方が未経験職種への転職を成功させるコツを8つ紹介します。
未経験職種へ転職する場合、少しでも採用される確率を上げるためにも転職理由は明確にしておきましょう。「何となくやってみたかった」など曖昧な気持ちで応募すると、その姿勢が企業側へ伝わってしまいます。
即戦力としての活躍が見込めない未経験者を採用する際は、その人のポテンシャルや入社意欲が評価されるケースが多いといえます。そのため、実現したい目標を具体的な数字やアクションプランを用いて伝えることで、やる気が伝わり、未経験でも採用される可能性が高くなるでしょう。
転職先を探す際は、優先したい条件を明確にしておきましょう。たとえば、「週休二日制」「連休が取れる」といった休暇に関する内容や、「ボーナスがある」「昇給制度が整っている」といった給与面です。産休・育休制度や時短勤務制度の有無など、将来的なライフイベントとの両立可能性も重要な判断材料となるでしょう。
特に20代の転職では、現在の条件だけでなく、5年後、10年後のキャリアパスも視野に入れた選択が必要です。優先したい条件には順位をつけておくと、転職先の候補を効率よく見つけられます。
未経験職種への転職の場合は、キャリアビジョンをなるべく具体的にしておきましょう。「挑戦したい仕事がある」「理想のライフスタイルがかなえられる」など転職理由をはっきりさせることで、転職活動の方向性を定めやすく、自分に合った企業を見つけられて入社後のミスマッチが起こりにくくなります。
未経験から仕事を始めると、覚えることが多かったり環境に慣れなかったりと大変なことが多いものです。曖昧な理由で転職すると、理想と現実のギャップによって早期退職につながりかねません。
未経験職種への転職を考えている場合、その業界や各企業の情報を具体的に調べておきましょう。転職先の候補を決めやすくなるだけでなく、入社後のイメージも湧きやすくなります。また求められるスキルを知っておくと事前に準備ができるため、未経験でも採用につながる可能性が高くなるでしょう。
まずは、企業のホームページで経営理念や事業内容を確認します。プレスリリースやIR情報から最新動向を把握しておくのも、忘れないようにしましょう。その業界にいる知人に聞いたり、転職エージェントに相談したりする方法も有用です。
未経験職種へ転職したいと考えている場合でも、前職で培ったスキルが活かせる職種を選択すると、採用される可能性が高くなります。たとえば、前職で一般的な事務職に就いていた場合、パソコンの応用スキルが身についていると考えられます。このような場合、経理事務や営業事務など、ほかの事務職への転職であればハードルは低いといえるでしょう。まったくの未経験者に比べて、スキルや実績を評価される場合があります。
未経験職種への転職を目指す場合、転職活動が想像以上に長引くことも少なくありません。退職後の転職活動は「早く就職しなければ」と焦ってしまい、自分に合わない企業を選択するなどミスマッチが起こる原因となります。精神面はもちろん、経済面での負担も抑えるためには、なるべく働きながら転職活動を行ったほうが安心です。
未経験職種へ転職する際は、アピールできる実績が多くありません。そのため少しでも強みを増やすために、入社後に役立つ資格を取得しておくのもひとつの方法です。たとえばIT企業への就職を検討している場合は、基本情報技術者試験などの資格試験合格を目指すとよいでしょう。
早い段階で即戦力になれるだけでなく、入社へ向けて準備をしていたことをアピールでき、企業側へプラスのイメージを与えられます。
未経験職種への転職を目指すにあたり、自分に合った企業を見つけることが難しいと感じる場合もあるでしょう。ミスマッチの起こりにくい転職先を探すには、転職エージェントの活用も有用です。自分の強みを分析してもらえるので、より力を発揮できる企業へ転職できる可能性が高くなります。
また希望条件に合った転職先を探してもらえるため、転職活動期間の短縮も期待できるでしょう。通常の求人サイトには掲載されていない、非公開求人を紹介してもらえる可能性もあります。

未経験職種への転職に向けて応募先企業をやみくもに探してしまうと、想像以上に時間がかかったり、入社後のミスマッチにつながったりするリスクがあります。ここでは、未経験でも「転職してよかった」と思える企業を選ぶためのポイントを紹介します。
転職先を探す場合は、未経験者を積極的に採用している企業を前提に選んだほうが安心です。採用される確率が上がるだけでなく、入社後の研修制度が充実しているなど、育成に力を入れている可能性も高いためです。求人サイトで探す際は、「未経験者可」「研修制度充実」といったキーワードに注目してみましょう。
転職先を選ぶ場合は、成長を期待できる業界や職種を選択するとよいでしょう。将来性や競争力の強化などのために若手人材を確保したいと考えている企業が多く、未経験の20代でも採用されやすいためです。また20代での転職の場合、残り40年ほど働くことになります。成長を期待できる業界の場合、高いモチベーションで働けたり、よい待遇や条件で働けたりする可能性も高いといえるでしょう。
人手不足の職種も、未経験者の転職先として向いています。成長を期待できる業界と同様に、人材確保のために中途採用のハードルが下がっており、未経験者でも採用される可能性が高いためです。また社会情勢の動きによって急激に需要が高まっている業界もおすすめです。
未経験だからといって採用されやすさだけを重視し、理想とかけ離れた企業を選んでも本末転倒です。理想のライフスタイルやキャリア形成が実現しなければ、転職する意味がなくなってしまいます。入社後のミスマッチを起こさないためにも、理想のライフスタイルやキャリアなど希望条件を明確にして転職先を探しましょう。
転職先を探す際は、離職率の低い職種や企業を選択することも大切です。離職率の低い職種や企業の特徴としては、人事評価制度が整っていて社員のモチベーションが高い、コミュニケーションが活発で社内の風とおしがよいといった点が挙げられます。このような企業は未経験で入社しても働きやすさを感じやすく、ミスマッチが起こりにくい可能性も高いといえます。

未経験職種への転職活動を成功させるには、選ぶ職種も重要といえます。どのような職種を選択するかによって、採用される確率や入社後の働きやすさが変わるためです。ここでは、20代未経験でも転職しやすい職種を理由とともに解説します。
未経験者を積極的に採用している職種を狙うのも、ひとつの方法です。
上記の職種は、スキルや実績よりも意欲やコミュニケーション能力が重視される場合が多くあります。営業やコンサルタントは専門的な知識が必要だと考えられがちですが、入社後に身につけることを前提に研修制度が整っている企業もあります。
「未経験者可」「研修制度充実」などをアピールしている企業を狙うとよいでしょう。また一般的な事務職は、特別な資格が不要で基本的なパソコン操作ができれば問題ないケースも多く、転職しやすい職種といえます。
将来性が高く、業界としての成長を期待できる職種の場合、人材を確保するために未経験者でも積極的に採用するケースがあります。
上記のような職種が働くWeb・IT業界は技術の発達などにより、求人数が増えている傾向にあります。資格取得者は優遇される場合もありますが、未経験から実績を積んでいくことも十分可能です。
人材が不足している職種は、未経験でも採用してもらえる可能性が高いといえます。該当する職種としては、下記が挙げられます。
高齢化社会が進む中で、医療や介護、福祉関連業界は人手が不足しているケースが多く、未経験者でも採用してもらえる可能性が高いといえます。また、荷物を運ぶトラックなどのドライバーも人材が不足している傾向にあるため、未経験でも挑戦しやすい職種です。

20代はほかの年代に比べて、未経験職種にも挑戦しやすいといえます。しかし転職の仕方を間違えると、失敗に終わってしまうこともあるため要注意です。ここでは、20代が未経験職種への転職で失敗するケースとその対策方法について紹介します。
自分の強みを活かせない企業に就職すると、入社後のミスマッチにつながりやすくなります。たとえば、コミュニケーション能力がほかの方より高いのに、ひとり作業が多く周りとほとんど関わらない仕事を選択してしまうといったケースです。未経験職種でスキルや実力がない場合でも、自分の性格を把握して強みを十分活かせる職種を選択する必要があります。
転職先を探す際、企業の情報収集が不十分だと入社後にミスマッチを起こしてしまう可能性があります。イメージや憧れだけで選ぶのではなく、仕事内容や社風、働き方が自分に合っているかを十分リサーチしたうえで、転職するか検討しましょう。
未経験職種への転職の場合、これまでの実績やスキルなどアピールできる部分が経験者に比べて少ないことが懸念点です。そのため面接対策が不十分で、やる気だけで面接を乗り越えようとすると、採用につながらない場合があります。「どのようなアピールをすれば採用してもらえるか」を徹底的にリサーチしましょう。

20代の場合、やる気やポテンシャルを重視した採用も多く、未経験職種だとしても自分の理想がかなう転職先を見つけられる可能性は十分にあります。しかし、必ずしも希望条件をすべて満たす企業を見つけられるわけではない点に注意が必要です。ここでは、転職活動をするうえで念頭に置いておきたい注意点を3つ解説します。
年収の相場は、職種によって大きく異なります。たとえばマイナビエージェントの調査によると営業職の平均年収は412万円であるのに対し、クリエイティブの平均年収は349万円です。営業職からクリエイティブ職へ転職すると、年収が下がる可能性がある点は覚悟しなければならないでしょう。
また、経験年数によって給与が決まる企業もあります。このように転職の仕方によっては、年収が下がってしまう恐れがある点に注意が必要です。
参照:職種別平均ランキング【2020年度】|マイナビエージェント
転職先として希望する企業に目星がついているとしても、雇用条件はあらかじめ確認しておきましょう。憧れの仕事に就けても、「想像以上に休みが取れない」「イメージしていたより給料が低かった」など、ミスマッチが起こる可能性があります。

20代での未経験転職に関する疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。ここでは、20代で未経験転職を考える方が直面しやすい疑問にお答えし、成功への道筋を示す実践的なアドバイスを紹介します。
株式会社マイナビの「転職動向調査2025年版(2024年実績)」(2024年12月調査)によると、転職を意識し始めてから内定通知を受けるまでの期間は、3ヵ月未満が6割強を占めています。また、3ヵ月~半年未満(16.1%)を合わせると7割強になります。このデータから、一般的な転職活動期間の目安は3ヵ月~6ヵ月程度といえるでしょう。
ただし、未経験職種への転職の場合は、期間が長引く可能性があるため注意が必要です。転職活動が長引く主な理由としては、自己分析の不足、転職軸の不明確さ、企業研究の不足などが挙げられます。特に20代で未経験職種へ挑戦する場合は、自分の強みを明確にし、それを新しい職種でどのように活かせるかをしっかり整理しておくことが重要です。
参考:「転職動向調査2025年版(2024年実績)」(2024年12月調査)|株式会社マイナビ
希望する職種の求人が少ない場合でも、諦める必要はありません。段階的なキャリアチェンジを検討しましょう。関連する職種や部署から始めて、徐々に希望する職種へ近づく「二段階転職」が有効です。
たとえば、マーケティング部門を目指すなら、まず営業職として入社し、社内でのキャリアチェンジを目指す方法があります。また、派遣や契約社員からスタートするという選択肢も検討できるでしょう。正社員採用のハードルが高い職種でも、非正規雇用であれば門戸が広がることがあります。実務経験を積みながらスキルを証明できれば、正社員登用や他社への転職も目指せるでしょう。
一般的に転職回数が多いと、採用担当者から「定着率が低い」「長く働く意欲がない」というマイナス評価を受ける可能性があります。転職回数が多い場合は、転職理由を前向きに説明することが重要です。「スキルアップのため」「キャリアビジョンを実現するため」といった建設的な理由を具体的に伝えましょう。
また、各職場で得た経験やスキルを明確にアピールし、入社後にどのように活かせるかを説明できると好印象を与えられます。面接では、長期的に働く意欲や、今回の転職が「最後の転職」になる理由を伝えることで、企業の懸念を軽減できるでしょう。
20代では実績やスキルがなくても、自分の強みが企業の求める人物像とマッチすれば採用される可能性は十分期待できます。「未経験職種へ挑戦したいけれど、なかなか踏み込めない」という方は、マイナビエージェントへご相談ください。転職活動に必要な自己分析をサポートし、未経験でも働きやすい転職先を提案いたします。

20代の未経験転職は、適切な準備と戦略があれば十分に実現可能です。特に20代前半は「第二新卒」としてポテンシャルを評価されやすい傾向があります。成功に導くためには、転職理由の明確化、キャリアビジョンの具体化、業界・企業の詳細なリサーチが重要です。
未経験職種への転職に関するご相談は、マイナビエージェントにお寄せください。業界知識豊富な専任アドバイザーが、あなたの強みを活かせる職種の提案から、書類・面接対策、条件交渉まで一貫してサポートいたします。
マイナビエージェント編集部では、IT業界・メーカー・営業職・金融業界など、様々な業界や職種の転職に役立つ情報を発信しています。マイナビエージェントとは、業界に精通したキャリアアドバイザーが専任チームで、あなたの転職活動をサポートします。多数の求人情報の中から最適な求人をご紹介します。
転職全般
【キャリアチェンジ向け】転職理由の例文テクニック|PREP法の活用方法も
転職全般
失業保険はいくらもらえる?自己都合と会社都合で比較!給付額の計算方法
転職全般
「上司と合わない」を転職理由にする前に|面接での伝え方と関係性の構築方法