制御設計
私たちの身の回りにあるさまざまな機械の動作が正常なものとなるよう開発を行います。
「制御設計ってどんな仕事?」「制御設計になるために必要なスキルは?」など、
制御設計の仕事内容について興味関心を抱いていませんか?
制御設計とは、私たちの身の回りにある機械製品が意図した通りに動作するよう、
制御システムを設計する仕事です。
今回は、制御設計の仕事内容、魅力ややりがい、難しさや大変さ、
年収、向いている人、必要な知識やスキルなどを解説していきます。
機械の仕組みに興味がある人や、専門的なスキルを身につけて安定的に働きたい人は、
ぜひ参考にしてみてください。
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この記事のまとめ
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制御設計とは、私たちの日常生活を支える機械製品の動作をコントロールする制御システムを設計する仕事。
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制御設計者の年収は350万円~600万円程度。しかし、経験やスキルの程度を考慮して決定している企業も多く見られる。
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制御設計の仕事に就くうえで資格は必須ではないものの、実務に役立つ資格として、基本情報処理技術者試験・電気製図技能検定などが挙げられる。
制御設計とは
私たちの身の周りには家電や自動車をはじめさまざまな機械やコンピューターがあり、生活を支えています。そんな機械やコンピューターづくりに欠かせないのが、制御設計の仕事です。
機械やコンピューターの動作には必ず「制御」を行うためのシステムが必要となります。
たとえば、自動洗浄機能付きエアコンが自動的にフィルター掃除を開始・終了するのも、制御システムがプログラミングされているためです。ほかにも、部屋の温度に合わせた暖房や冷房の温度設定、風の強さを自動的に変える機能なども、制御システムによってなされています。
この制御システムの開発を担当するのが、制御設計者です。
制御設計の仕事内容
制御設計の仕事は、主に以下の5つで構成されます。それぞれの仕事内容について解説します。
要件の定義
制御設計者の仕事はまず要件定義から始まります。要件定義とは、製品の仕組みや作業の進め方などを定義する工程です。盛り込む機能などを決定し、必要な人員やスケジュールまで検討していきます。
仕様の策定・設計
要件定義に基づき、具体的な仕様の策定・設計を行います。先々の工程でなるべく仕様変更が生じないよう、多角的な視点で進めていく必要があります。
プログラミング
設計が固まったら、プログラミングの作業を進めます。制御設計者の作業領域は企業や案件によって異なります。
動作のテスト・改善
プログラミングが完成したらテストを実施します。万が一、テストで不具合が発見された場合は、原因に立ち返り改善作業を試みます。
製品への組み込み
動作環境に問題がないことが確認できたら、実際の製品への組み込み作業に進みます。製品を稼働させるシステムと合わせて動作に問題がないか確認を行います。
制御設計の魅力ややりがい
掃除機や冷蔵庫などの身近な機械から、工場や建設現場などで使用されているロボットやコンピューターまで、あらゆる機械に制御設計の開発が必要となっています。私たちの生活を支える便利なものや最新のものに携わることができるのが、この仕事の魅力です。
自分が手掛けたシステムが世に出て役立つことにやりがいを感じる人、常に最新システムの開発に携わりたい人などにおすすめの仕事でしょう。
制御設計の難しさや大変さ
制御設計の難しさや大変さは、自分の想定を超える状況と向き合い、適宜最善な判断が求められる点です。完璧な予測は難しく、設計者の意図する結果や展開が望めない場面もあります。クライアントや他部署から急な仕様変更を求められたり、プログラミングの工程でバグが見つかり修正が発生したりといったハプニングも珍しくありません。
自らの不手際であれば改善の余地がありますが、自分のコントロールが利かない範疇で起きる出来事に関しては、機転を利かせて都度対応していく必要があります。
制御設計者の年収はどれくらい?
実際に掲載されている求人情報によると、制御設計者の年収は350万円~600万円程度となっています。ただ、金額を明示している企業ばかりではなく、年齢・経験・スキルを考慮のうえ決定する旨を求人情報に記載する企業も数多く見られる状況です。そこからは、一人ひとりの求職者をしっかり見極め正当な評価をしたいという企業側の意思が感じられます。
したがって、技術力を身につけながら地道な経験を積み重ね、実力主義の世界で勝負したい人にとっては、制御設計の仕事はやりがいやモチベーションを感じられるものとなるでしょう。
制御設計者に必要なスキルや知識
制御設計に必要なスキルや知識は主に以下の6つです。すべてを完璧に網羅することは難しいので、できるところから徐々に身につけていきましょう。
電子工学や回路設計などの知識
制御設計に携わるうえで、電子工学や回路設計などの知識は必須です。実務経験がなくても、大学などで学んだ経験がある場合は、実務に入りやすいでしょう。ただし、いずれも専門性が高く奥深い分野なので、働きながらスキルアップは必要です。
プログラミングの知識
制御設計は、制御用コントローラーであるマイコンやPLCのプログラムを行います。思いの外プログラミングに触れる機会が多い仕事のため、エンジニア職に求められるような基礎的なプログラミングスキルは必須です。
CADの操作スキル
設計図を作成する際は、CADで作図するため、操作スキルを身につける必要があります。平面図を作成する2DCAD、立体図を作成する3DCADを使いこなし、設計者の頭の中に描く図面を誰の目にもわかる形で可視化していきます。
語学力
制御設計者には縁遠いように思えますが、場合によっては語学力が求められます。たとえば、外資系企業に努める制御設計者などです。外資系企業では、社用語が英語のケースや日系企業とは勝手が異なるシーンもあるので、語学力が求められるか否かを事前に確認しておきましょう。
論理的思考力
論理的思考力(ロジカルシンキング)が備わっているかどうかは、制御設計者の仕事ぶりに対する評価を左右します。一つひとつの可能性やアイデアを整理し、根拠に基づく思考を深めていきながら、最適な答えを見つけ出せる力こそが、制御設計の仕事には重要です。
コミュニケーション能力
技術職=孤独な作業というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、制御設計者にはコミュニケーション能力が必須です。
制御設計者は、社内外問わず多数の人と関わりながら仕事を進めていくことになります。相手の言い分を理解し、こちらの意図することを円滑に伝え、良好な関係性を構築できるコミュニケーション能力はなくてはならないスキルの一つです。
制御設計者に向いている人の特徴
制御設計者に向いている人の多くに見られる特徴をご紹介します。以下に該当する場合、制御設計者として活躍できる可能性が高いでしょう。
モノづくりが好きな人
モノづくりが好きな人は、制御設計者としての素質を持ち合わせている人材です。
ユーザー満足度が高い機能的な製品を生み出せるのは制御設計があるからこそで、現代のモノづくりにはなくてはならない存在です。製造現場での中枢に携われる制御設計職は、モノづくりが好きな人にとってこの上ない喜びを感じられる仕事であり、成長意欲をかき立てられるでしょう。
細かな作業が得意な人
細かい作業を得意とする人も、制御設計者に向いています。
制御設計者の業務は、仕様の決定や設計作業、プログラミングなど多岐にわたりますが、いずれの工程も細かい作業の連続です。その細かい部分を見過ごしてしまうと、その後の工程で歪みが生じることになります。そのため、細かい作業にも地道に取り組める人は、制御設計者として活躍が期待できます。
機械をいじるのが好きな人
実際に製造する作業員の役割は担いませんが、設計を行う以上、機械の仕組みは知っておく必要があります。「好きこそものの上手なれ」ということわざもあるように、もともと機械いじりが好きであれば、学びや試練を苦労と思わずポジティブな視点で取り組み、優秀な制御設計者になれるでしょう。
学習意欲が高い人
知識や技術の習得に積極的な人も、制御設計者に向いているでしょう。
制御設計者は幅広い分野の知識が求められます。時には自分の得意・専門とは真逆のスキルが必要になったり、新たな技術が求められたりするケースもあります。そのため、学ぶことが好き、スキルアップの過程が楽しいなどといった感覚を持てる人に向いている仕事です。
制御設計者に転職する際に役立つ資格
ここからは、制御設計に関する資格についてご紹介します。業種にもよりますが、制御設計者に転職を目指す際に役立つ資格には以下のようなものがあります。
基本情報処理技術者試験
基本情報処理技術者試験とは、経済産業省が認定する国家試験です。高度なIT人材となるために必要な基本的知識と技能を持っている証明となることから、IT系資格の登竜門的な資格として知られています。
令和4年実施時の合格率は4割弱となっていることから、決して簡単な資格試験ではありませんが、制御システムの構築にあたっては情報処理の知識は必須となるので、取得できれば実務で活かせる場面も多いでしょう。
電気製図技能検定
電気製図技能検定とは、電気設備に関する製図の技能レベルを証明する厚生労働省認定の国家検定です。多数の技能検定が設けられている中で、最も制御設計の業務に密接に関わる資格といえます。技能検定は3~1級まで難易度別に実施されており、令和3年度における全体の合格率は約5割です。
電気製図技能検定に合格すれば、制御盤の設計・製作が担える技能が習得できていることになるので、実務はもちろん、転職時にも高評価につながるでしょう。
CAD利用技術者試験
制御設計に欠かせないCADの取り扱い技術を証明するのが、CAD利用技術者試験です。
平面的な製図を行う2DCAD利用技術者と、立体的な製図を行う3DCAD利用技術者の2つの試験が設けられています。2次元は基礎・2級・1級、3次元は2級・準1級・1級とそれぞれ3段階用意されており、初心者から熟練者まで幅広い技術者を対象とする資格です。
2DCADの1級は、機械、建築、トレースの3分野に分かれ、CADのプロフェッショナルの証明となるので、実務や転職時に有利に働くでしょう。
電気主任技術者
電気主任技術者は、受電設備や配線といった電気設備の保安監督を担う技能を証明できる、社会的評価が高い資格です。
取得するには、電気主任技術者試験(電験)という国家試験に合格するか、認定校卒業の後に一定の実務経験を経て経済産業省の認定を受けることが必要になります。電験は、第一種・第二種・第三種の3種類が設けられており、それぞれ取り扱える事業用電気工作物の電圧が異なります。
電気主任技術者になると、発電所や変電所、工場、ビルといった電気設備に立ち入れるようになるので、携わる業界によっては非常に重宝されるでしょう。
制御設計者の転職先やキャリアプラン
制御設計者の転職先やキャリアプランの一例をご紹介します。
転職先
制御設計者の主な転職先は、制御システムを専門に取り扱う企業やメーカーなどです。
制御システムの専門企業の場合は、クライアント企業の業界によって制御設計者としての仕事も千差万別です。自分のキャリアの方向性を踏まえながら会社選びを行うことをおすすめします。
一方、メーカーの場合は、企業の一ポジションとして採用され、自社製品の制御設計に従事する形となります。興味や憧れを抱いている特定のメーカーがある場合はチャレンジしてみる価値があるでしょう。
キャリアプラン
制御設計者が不足しがちともされる現在、制御設計のスキルや知識を持つ人はもちろん、未経験者でもこの仕事を選ぶ人は歓迎される傾向があります。機械やコンピューターのスケールはさまざまなため、経験と案件次第で着実にキャリアアップができるはずです。
また、機械製品が生み出される以上、制御システムは欠かせないものなので、手に職をつけて安定的に働けるでしょう。
制御設計への転職を成功させるポイント
制御設計への転職を成功させるための大前提は、自分が貢献できる人材である、もしくは貢献が見込めるということを応募先企業に理解してもらうことです。もしも過去に設計やプログラミングの経験がある場合は、応募先企業の求める業務内容や人物像に関連づけながらアピールしましょう。まったくの未経験者より、ごく一部でも経験や知識がある人材のほうが、企業側も安心して採用に踏み切れます。
一方、未経験の人も決して諦める必要はありません。直接的な業務経験がなくても、いままでの社会人経験から制御設計の仕事に活かせるポイントはあるはずです。もし不安がある場合は、制御設計に活かせる基礎知識を独学で学んでみると、それだけでも一つのアピールポイントとなるでしょう。
近年はモノづくり業界全般的に人手不足の傾向にあるため、多少求める人物像と異なっていても、採用後に自社で育てようとしている企業が多く見られます。したがって、経験の程度に関わらず、自分の希望や能力に合った制御設計職と出会えるチャンスは広がっています。
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