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ものづくりメーカーの職種図鑑

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ものづくりメーカーの職種図鑑

EMCエンジニア

EMCエンジニアとは、電子機器の開発に携わる一員として、EMCに関する専門知識を身に付けた技術者のことです。EMCとはElectromagnetic Compatibilityの略語で、「電磁両立性」と訳されます。私たちの身の周りにある機器は電磁波を発していますが、この電磁波が周囲の機器に影響を与えず、他からの電磁波の影響を受けずに動作する性能のことを「電磁両立性」といい、このバランスをとるためにEMCエンジニアの技術が必要になってきます。

EMCエンジニアは、電磁波によるノイズ対策や試験を行うことができる専門色の強い職種で、近年はコンピューターやスマートフォンが浸透しているのに加えて、自動車や家電などにも無線通信を行う製品が増えていることなどから、様々なメーカーで需要が高まっています。

EMCエンジニアの仕事とは?

EMCエンジニアも他のエンジニアも、ハードウェア開発に欠かせない存在であることに違いはありませんが、EMCエンジニアの仕事は、専門性が高く、特別なエンジニアとして捉えられています。

電磁波ノイズにまつわる設計と試験

EMCエンジニアの仕事は、大きく2つに分かれます。ひとつは、EMC試験を実施する仕事で、様々な条件下におけるノイズの状態を測定し、結果をレポートにまとめる業務です。もうひとつは、電子回路などの設計にEMC対策を行う業務です。対策は、設計段階において作成された図面を見て、専門家としてノイズ対策を検討する場合と、試作品をEMC試験にかけてから明らかになった問題に対して、原因調査と改修を行う場合などがあります。

専門性が高く希少な戦力として活躍

設計全体から見ると、EMCエンジニアが担う範囲は狭いものの、専門性が高く、電子機器の設計に関わる現場から常に求められる存在です。エンジニアとして必要なスキルセットもかなり異なるため、電子機器のエンジニアとして一括りにできる存在ではなく、採用時点でEMCエンジニアとして募集されることが一般的です。活躍の場は、電子機器を手掛ける企業内の部門や、EMC試験と対策を請け負う専門企業にあります。

EMCエンジニアに必要なスキル

EMC試験を行う業務については、第二新卒や未経験者を歓迎する求人も存在します。一方、EMC対策を行う業務の場合、EMC対策や対策支援の経験、あるいは基板や電源を設計した経験が優遇されます。いずれも電気、電子、品質管理などの知識があれば優遇されるものの、初心者からの育成に対応したり、研修制度を設けたりする企業もありますので、専門性が高いからといって必ずしも門戸が狭いということではありません。異業種や文系出身でも、向上意欲があれば採用している企業があります。

EMCエンジニアは、設計担当者や試験を依頼した顧客と対話しながら作業を行うため、コミュニケーション能力が求められます。また、製品や試験が変化するため、いつも同じではない状況から解決策を見いだすことを楽しめる性格を持ち、常に広い視野で発想できることが大切です。EMC試験を行うにあたっては、実験とレポート作成が好きな方には適性があるはずです。

EMC試験とは?

EMCには、国際規格や地域における規格と規制があります。日本の場合、電気用品安全法によって対象となる機器については規格を満たす必要があります。対象外の機器であっても自主規制が行われており、情報処理関連の場合は、VCCI協会(旧、情報処理装置等電波障害自主規制協議会)が加盟しているメーカーに要求を満たすよう求めています。

このような規制などに、EMCに適合しているのかを確認するのがEMC試験です。国際規格や規制などの枠組みの中で、対象機器が発する電磁波のノイズが他に影響を及ぼさず、かつ影響を受けても動作に影響がないかを試験します。

EMC試験を実施できる環境は限られており、専門の施設が必要です。テレビや携帯電話などから発せられる電磁波の影響を受けることなく、試験で発生した電磁波がもれて周辺に影響しないよう配慮が施された「EMC試験サイト」と呼ばれる施設で行います。様々なケースを想定した屋内外のEMC試験サイトで機器を動作させ、アンテナなどを使ってノイズを測定します。当然ながら、EMC試験サイトを有する企業などが求人を募集している場合があります。

EMCエンジニアにおすすめの資格

EMCにおける国家資格は日本にありません。しかし、業界内でEMCエンジニアの能力を示す資格として知られているのが「iNARTE EMC Engineer(技術者)」「iNARTE EMC Technician(技能者)」です。これは、アメリカにある国際無線通信電磁気協会(iNARTE)が認定するグローバルな技術資格で、現在は日本国内で日本語による受験が可能です。

いずれも受験資格として、「EMCに従事していること」「経験年数」「推薦者」が必要となっていますので、EMCエンジニアとして経験を積んでから能力を示すために受験する資格です。暗記力ではなく、判断力や応用力を問うものなので、計算用具や参考資料、オフラインのパソコンを持ち込むことができるのが特徴です。人数の多いiNARTE EMC Engineerの合格率は、実務経験者を対象にしながらも、良くて3割程度と難度は高く、有資格者は国内で1,000人あまり、世界全体でも2,300人(2018年4月時点)となっています。全てのEMCエンジニアが資格を取得しているわけではないものの、EMCエンジニアが国際的に見ても貴重な存在であることがうかがい知れます。

EMCエンジニアのキャリアパス

EMCエンジニアのキャリアは、電子機器メーカーなどに就職し試験所に配属されるケース、基板などの設計を通してEMCに興味を持ち、転属や転職するケース、異業種から関心を持ってEMC専門企業に挑戦するケースなどがスタートになります。自社の製品だけではなく、より幅広いジャンルの製品を扱いたいという動機から転職するエンジニアもいます。反対に、EMCの経験を身に付けてから電子機器の開発エンジニアへと転身する人もいます。試作品の段階でEMC対策を行うよりも、設計段階でEMCを意識したほうが効率的に製品化できるため、価値の高いエンジニアになれるのです。

未経験でも始めやすいのがEMC試験を担当するエンジニアで、スキルや経験を積んでステップアップしていきます。企業によっては社内資格を設けることで、段階的に目標を立てやすくなっています。
新しい規格ができた場合には対応した試験環境を整えるなど、時代や新製品への対応力も必要で、エンジニアとして突き詰めるのがキャリアのひとつです。試験対象や結果は変化するので、それを楽しみながらスペシャリストとして極めたいという思いを持つエンジニアが少なくありません。電子などの知識が身に付けば、EMC対策を行うエンジニアへの道も開けていくでしょう。

また、EMC試験で10年程度の経験を積んだ後に、試験施設のマネージャーになる道もあります。

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