電気業界で役立つ資格は?特徴と取得するメリットを解説!|求人・転職エージェント

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更新日:2022/06/29

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電気業界で役立つ資格は?特徴と取得するメリットを解説!

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この記事のまとめ

  • 電気業界の資格の多くは業務独占資格であり、取得資格によって携われる業務が変わる。
  • 企業の事業内容によって必要とされる資格が異なるため、自身に必要な資格を厳選することも大切。
  • 資格取得によって知識の幅が広がり、関連業務で高いレベルの仕事をしやすくなる。

電気業界でのキャリアアップを模索しており、仕事の幅を広げるために役立つ資格が知りたい方もいるのではないでしょうか。電気業界の資格の多くは業務独占資格で、取得することで人材としての希少価値が高まります。

保有資格によって携われる業務が変わるため、自身のキャリアパスに応じた資格に狙いを定めましょう。そこでこの記事では、電気業界で役立つ資格を紹介します。

目次

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電気業界で役立つ国家資格

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電気業界で働くにはさまざまな資格が必要です。たとえば、第二種電気工事士は登竜門的な立ち位置にある資格です。しかし、カバーできない業務も多いため、仕事の幅を広げるには上位資格の第一種電気工事士や施工管理関係の資格を取得しなければなりません。ここでは、電気業界で役立つ国家資格9種を紹介します。

電気工事士

電気技術者試験センターが主催する「電気工事士」は、一般住宅やビル、工場の配線工事や電気設備工事をするために必要な国家資格です。非常にニーズが高くポピュラーな電気系の国家資格で、第二種・第一種の2種類があります。

  • 第二種電気工事士:一般住宅や店舗の600V以下で受電する設備の工事ができる
  • 第一種電気工事士:第二種の範囲に加えて、最大電力500KW未満の工場やビルの工事ができる

第二種は電気工事士の登竜門的な資格で、誰でも受験できます。第一種も受験資格はありませんが、免状の交付を受けるには3年以上の実務経験が必要です。

電気工事施工管理技士

建設業振興基金が主催する「電気工事施工管理技士」は、施工図の作成や工程管理、品質管理、安全管理といった電気工事の管理に必要な技術を持つことを証明する国家資格です。2級・1級の2種類で、以下のような違いがあります。

  • 2級電気工事施工管理技士:一般建設業の営業所における「専任技術者」、現場ごとに設置される「主任技術者」として仕事に従事できる
  • 1級電気工事施工管理技士:2級の範囲に加えて、特定建設業の営業所における「専任技術者」、現場ごとに設置される「管理技術者」として仕事に従事できる

2級は17歳以上であれば誰でも受験できます。1級は一定期間以上の実務経験や学歴、特定の資格を取得しているといった受検資格があります。2級の二次検定を合格していれば一次検定の受験は可能ですが、二次検定は受けられません。

電気主任技術者

電気技術者試験センターが主催する「電気主任技術者」は、受電設備や配線といった電気設備の保安監督をするために必要な国家資格です。社会的な認知度や評価が高い資格で、「電験」と呼ばれることもあります。事業用電気工作物を扱う業者は、電気主任技術者がいなくては運用できません。電気主任技術者を保安監督者として選任することは法令に基づいた義務です。

試験等級は三種・二種・一種の3種類で、どの等級も特別な受験資格はありません。ただし、試験の難易度は高めです。保安監督業務に携わるのであれば、まずは三種の合格を目指しましょう。

電気通信主任技術者

日本データ通信協会(電気通信国家試験センター)が主催する「電気通信主任技術者」は、電気通信ネットワークの工事・維持・運用の監督責任者となるために必要な国家資格です。ネットワークを構築する設備によって2種類に分かれています。

  • 線路主任技術者:電話回線のような有線設備とそれに付随する設備の工事・維持・運用ができる資格
  • 伝送交換主任技術者:無線設備・受電設備・発電設備の工事・維持・運用ができる資格

いずれも特別な受験資格はありません。電気通信事業や通信機器、システムに関わるのであれば、取得したい資格のひとつです。

電気通信の工事担任者

日本データ通信協会(電気通信国家試験センター)が主催する「電気通信の工事担任者」は、電気通信の端末設備や自営電気通信設備について、接続工事や実地で監督をするために必要な国家資格です。

アナログ・デジタル両方で第二級・第一級があり、すべての伝送路設備を扱える資格として「総合通信」があります。特別な受験資格はありません。上位資格の前提条件もないため、総合通信からも受験できます。インターネット通信といった実地作業に携わる方に必須の資格です。

認定電気工事従事者

認定電気工事従事者は、第二種電気工事士でも工場やビルでコンセント設置・照明工事といった簡易的な工事ができるようになる国家資格です。

認定証の交付を受けるには、電気工事技術講習センター主催の「認定電気工事従事者認定講習」を受講後、住所地を管轄する産業保安監督部に申請します。認定試験はありませんが、受講にあたって第二種電気工事士免状か電気主任技術者免状が必要です。第一種電気工事士試験に合格した方や第二種電気工事士免状取得後3年以上の実務経験がある方は、申請だけで認定証の交付を受けられます。

特殊電気工事資格者

特殊電気工事資格者は、ネオンや非常用予備発電装置といった特殊な電気工事に従事できることを認定する国家資格です。

電気工事技術講習センターが実施する「ネオン工事資格者認定講習」や「非常用予備発電装置工事資格者認定講習」を受講し、産業保安監督部へ申請することで認定証が交付されます。認定を受けるには、電気工事士免状取得者であることに加えて、5年以上のネオンまたは非常用予備発電装置に関する工事の実務経験が必要です。

消防設備士

消防試験研究センターが主催する「消防設備士」は、スプリンクラー・消火器・火災報知器のような消防設備の工事・整備・点検をするために必要な国家資格です。甲種・乙種の2種類があり、さらに設備の種類によって第1類~第7類と特類の8種類に分けられます。

  • 甲種:特殊消防用設備を含む工事整備対象設備の工事・整備および点検
  • 乙種:工事整備対象設備の整備および点検

乙種に特別な受験資格はありません。甲種は乙種の免状取得から実務経験2年以上といった受験資格が定められています。

エネルギー管理士

省エネルギーセンターが主催する「エネルギー管理士」は、省エネ法に定められた方法でエネルギーの使用方法の改善・監視・管理をするために必要な国家資格です。エネルギー管理指定工場の事業者は、エネルギー使用量に応じて1名~4名のエネルギー管理士を選任する必要があります。

特別な受験資格はありません。製造業・鉱業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業でエネルギー管理に携わるのであれば取得するとよいでしょう。

電気業界で役立つ安全・衛生関連の資格

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電気工事士のような基本的な資格に付随して、安全・衛生関連の資格が求められる現場もあります。資格がなければ特定業務に従事できませんが、講習を受けるだけで取得できる資格が多く、比較的容易です。ここでは、安全・衛生関連の資格を9種紹介します。

高所作業車運転者

労働技能講習協会のような都道府県労働局長登録教習機関が主催する「高所作業車運転者」は、作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転をするために必要な資格です。

受験資格は自治体(都道府県)によって異なります。講習を受けて修了試験に合格すれば取得でき、難易度は高くありません。資格があればすべての高所作業車を運転できるため、現場で優遇されるでしょう。ただし、運転できるのは工場内といった私有地に限られます。公道を運転するのであれば、対応する自動車免許が必要です。

電気取扱者

「電気取扱者」は、充電電路やその支持物の敷設・点検・修理・操作に関して、安全な作業ができることを証明する国家資格です。低圧電気取扱者と高圧・特別高圧電気取扱者の2種類があります。

  • 低圧電気取扱者:低圧の充電電路や支持物の敷設・修理、充電部分が露出している開閉器を操作できる
  • 高圧・特別高圧電気取扱者:高圧または特別電圧の充電電路や支持物に対する作業ができる

事業者は該当する作業に労働者を就かせる場合、特別教育(講習)を行うことが義務づけられています。受講資格は18歳以上であることです。企業の事業所や都道府県労働局長登録教習機関が実施する特別教育講習を受けることで取得でき、試験はありません

職長・安全衛生責任者

「職長・安全衛生責任者」は、現場で指揮・監督をする「職長」や現場の安全を管理する「安全衛生責任者」になるために必要な資格です。中小建設業特別教育協会といった複数の団体が講習を主催しており、所定の講習を受講することで資格を取得できます。

特別な受験資格はなく、実技もありません。資格を取得しただけで職長や安全衛生責任者になれるわけではありませんが、現場施工のキャリアアップには必須の資格です。

車両系建設機械運転者

「車両系建設機械運転者」は、ブルドーザ・モータグレーダ・トラクターショベル・油圧ショベルなど、整地・運搬・積み込み・掘削に用いる車両系建設機械の運転・操作に必要な国家資格です。

企業の事業所や都道府県労働局長登録教習機関による運転技能講習を受講することで取得できます。講習は18歳以上であれば誰でも受講可能です。地中に電線管を埋める工事でパワーショベルを用いることもあるため、事業内容や現場の性質によっては優遇されるでしょう。

研削といし取替試運転作業者

「研削といし取替試運転作業者」は、携帯用グラインダーや切断機の研削といしを安全に取替・試運転できることを証明する国家資格です。

企業の事業所や都道府県労働局長登録教習機関による特別教育を受講することにより取得できます。主催団体によって受講資格は異なりますが、多くは18歳以上としています。「研削といしの取替えまたは取替え時の試運転の業務」は、労働安全衛生規則により「危険または有害な業務」に指定されており、作業者は特別教育の受講が必要です。

アーク溶接作業者

アーク溶接とは、金属電極と被溶接物の間にアーク(火花)を発生させ、その熱を利用して溶接する方法です。「アーク溶接作業者」はアーク溶接をするために必要な国家資格で、企業の事業所や都道府県労働局長登録教習機関による特別教育を受講することにより取得できます。受講資格は18歳以上です。溶接作業が必要な現場に携わる企業であれば、転職にも有利でしょう。

クレーン・デリック運転者

「クレーン・デリック運転者」は、移動式クレーンを除くクレーンとデリック(クレーンの一種)の運転をするために必要な国家資格です。「クレーン限定」「床上運転式クレーン限定」といった限定つきの資格区分もあります。

誰でも受験可能ですが、免許の交付を受けられるのは18歳以上です。免許試験は全国の安全衛生技術センター、実技教習は都道府県労働局長登録教習機関で実施されます。

玉掛け作業者

クレーンに物を掛け外しする作業を玉掛けと呼びます。「玉掛け作業者」は、クレーンやデリックに玉掛けをする際に必要な国家資格です。

都道府県労働局長登録教習機関が実施する技能講習または特別教育を受講することで取得できます。技能講習・特別教育ともに受講資格に制限はありません。ただし、玉掛け作業に従事できるのは18歳以上であるため、主催団体によっては年齢制限を設けている場合もあります。

高圧ケーブル工事技能認定

日本電気協会が主催する「高圧ケーブル工事技能認定」は、高圧ケーブル工事に必要な知識・技能を証明する資格です。施工不良による停電や作業者の負傷の防止を目的としており、取得すると電気工事士の免状では対応できない高圧受電装置を取り扱えるようになります。

受講資格は、第一種電気工事士の免状を取得しているか、第二種電気工事士免状の取得後5年以上の工事経験があることです。

電気業界で資格を取得するメリット

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電気業界で働くには資格取得が必須です。補助的な立場で業務に携わるのであれば資格不要な場合もありますが、多くの業務は作業者に特定の資格が求められます。ここでは、電気業界で資格を取得する必要性やメリットについて見ていきましょう。

業務の幅が広がる

電気設備は一般家屋・工場・ビル・道路といったさまざまな場所に設置されており、多くの企業は何らかの電気関係の作業を必要とします。電気関係の資格を取得するメリットのひとつは、多種多様な電気設備に対する作業ができるようになり、担当できる業務の幅が広がることです。

人材としての希少性が高くなる

電気業界の資格の多くは、取得しなければ特定の業務ができない「業務独占資格」です。資格によって取り扱える電気設備の種類は異なります。資格があれば人材としての希少性が高くなり、資格取得者を求める企業で優遇されるでしょう。

配線や機械に詳しくなる

資格取得のために勉強したり講習を受けたりする中で、電気設備の仕組みや取り扱いの方法を学べます。電気配線や機械に詳しくなることで、資格を直接活かせる業務に従事しなくても、より高いレベルの仕事に対応しやすくなるでしょう

電気業界の資格を取得する際の注意点

電気業界の資格の多くは国家資格です。講習を受けるだけで取得できる資格がある一方、試験の難易度が高い資格もあります。たとえば、施工管理関連や上級技術者であることを証明する資格は難易度が高く、特に難しいとされているのは第一種電気主任技術者です。

試験によって難易度は異なるため、まずは第二種電気工事士のような基本的な資格を取得し、次に関連資格を取得することで仕事の幅を広げましょう

まとめ

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電気業界の資格には、業務独占資格が数多くあります。保有資格によって従事できる業務が異なるため、キャリアアップを考えているのであれば、企業の事業内容や目指すポジションに合った資格を取得しましょう。

電気業界で資格を活かしたキャリアアップを検討の際は、マイナビメーカーエージェントをご活用ください。業界に精通したキャリアアドバイザーが経験やスキル、希望を踏まえて理想の転職をサポートします。応募書類の添削や面接対策も行っているため、初めて転職する方も安心です。

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