樹脂設計|求人転職エージェント

ものづくりメーカーの職種図鑑

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樹脂設計

樹脂(プラスチック)を成形するための金型の設計や、あるいは樹脂を用いた部品そのものの設計を行うことを「樹脂設計」といいます。
今日の電子機器部品は、プラスチック素材が占める割合が非常に高く、製造コストの多くを占めています。
プラスチックはご存じのとおり可塑性(力を加えて変形させた固体が、力を取り去っても元に戻らない性質)が高く、複雑な形状の成形加工も比較的容易な素材です。また、軽量でコストも低いため、従来は金属を用いていた部品をできるだけプラスチックに置き換えようという動きが進んでいます。
このため、樹脂設計の技術者に対する人材需要が増大しており、転職先としては非常に有望な職種です。
ここでは樹脂設計の仕事の内容や、将来性などについてご紹介します。

プラスチックの性質

まずは樹脂設計の仕事を理解するため、プラスチックの基本的な性質や工業製品への応用についてご紹介します。
昔のプラスチックは剛性や強度の面で金属に劣っていました。また、燃えやすい、経年劣化が早いなどが弱点とされてきました。しかし、近年の技術革新によって、プラスチックの性能は大幅に進歩し、弱点を克服することに成功。今では、多くの機械部品が金属からプラスチックに置き換えられています。以下に、プラスチックが金属よりも優れている点をご紹介します。

プラスチックが金属に比べて優れている点

  • 靭性(粘り強さ)が高いので割れにくい

  • 絶縁性が高い

  • 光を通す

  • 塗装ではなく、素材その物に着色しやすい

  • 耐摩耗性が高い

  • 可塑性が高く、成形加工がしやすい

  • 軽い

  • いろいろな薬品を添加することで付加価値をつけることができる

  • 極小、極薄といった形状の成形も可能

  • 分子構造を変えたり、炭素繊維などを加えたりすることによって、熱耐性を高めたり引張強度を高めたりすることが容易にできる

  • 低温で加工できる(金属のほとんどは、数百℃から数千℃といった高温でなくては溶けないのでコストがかかり、精密・超小型の部品などは作りにくいといった問題がありました。これに対しプラスチックは、100~200℃の比較的低温で流体の状態にすることが可能)

以上のようなメリットがありますが、金属とプラスチックは力学的な特性の違いがあり、同じ用途の部品でも、安易に「同じ形状で素材だけを変える」というわけにはいきません。素材の肉厚や形状を変える必要があるのです。
もちろん、機械部品をすべて金属からプラスチックに置き換えることはできませんが、このようなプラスチック素材の進化から、機械部品に占めるプラスチックの割合は、年々高まっています。そこで注目されるようになったのが樹脂設計です。

樹脂設計はどんな仕事?

樹脂設計の仕事は、成形に適した形状、扱える素材、長所・短所、工程数、製造コストなどを鑑みて、ベストな素材や加工方法などを選択し、設計していきます。
例えば、強度には「圧縮強度」「引張強度」「曲げ強度」など、さまざまな種類がありますし、同様に、耐熱性や耐摩耗性、耐薬品性などについても考慮しなくてはなりません。また、成形技術にも次のような選択肢があります。

樹脂加工の成形技術の種類

  • プラスチックを熱して溶かし、金型に流し込む「射出成形」

  • ホースやパイプなどの長い部品を成形するのに適した「押出成形」

  • 溶けたプラスチックの中に空気を吹き込んで中空の部品を作る「ブロー成形」や「インフレーション成形」

  • プラスチックを金型で挟み、圧力をかけながら熱することで成形する「圧縮成形」

  • 型の中を真空にすることで、プラスチックを型に密着させて成形する「真空成形」

樹脂設計の難しさ

前項では、プラスチックのメリットをご紹介してきましたが、一方で、プラスチックの性質によって設計が難しくなっている点もあります。その性質が、「熱による膨張」です。

機械部品の設計には寸法精度が非常に重要ですが、プラスチックの熱膨張率は非常に高く、熱を加える加工の際には、寸法の狂いが生じやすいという問題があります。
さらに、プラスチックに配合された薬剤などによっても熱膨張率は微妙に変化しますので、精密部品を作る際には、作業場の気温すら気にしなければなりません。
また、経時変化によるプラスチックの変形や歪みなどが発生する場合もあるため、樹脂設計では単純に「金型どおりの精度で部品を仕上げる」といったことができません。このようなさまざまな条件を念頭に置き、緻密な計算によって部品の仕上がり精度を高めていく必要があります。
プラスチックという材料の特性を熟知した上で、仕様どおりの部品を完成させる。さらに、加工時の工数を最小限にし、作業時間とコストを圧縮する。樹脂設計には、常にそういったことが要求されます。

樹脂設計職の魅力と将来性

プラスチック部品は、私たちの身近な工業製品のほとんどに使用されています。軽くて丈夫で低価格。このため、樹脂設計に対するニーズは非常に高いです。ですから、樹脂設計職は、業界、業種の違いを越えて、幅広く活躍の場を求めていくことができるでしょう。
また、今後もプラスチックにはさらなる性能や付加価値が盛り込まれ、進化していくと思われます。こうした新技術を積極的に学び、自分のスキルとして取り入れていくことで、技術者としての将来が大きく開けていくでしょう。
このように、樹脂設計職は技術者としての安定と成長の両立が期待できる魅力的な職種といえるのではないでしょうか。

転職に有利なキャリア・資格は?

樹脂設計職に転職する際、有利になるキャリアや資格をご紹介します。

有利になるキャリア

転職に際しては、機械系エンジニアとしての実務経験者が最優遇されます。また、たとえ未経験者であっても、機械系や電気系学部出身者であれば、高い評価を得られる可能性があります。

有利になる資格

「プラスチック成形技能士」という厚生労働省が認定する国家資格があります。資格には3級・2級・1級・特級があり、3級は実務経験がなくても受験できます。また、学歴などの受験資格も特に設けられていないため、原則として誰でも取得できる資格となっています。
資格がなければ樹脂設計の仕事ができないというわけではありませんが、未経験からの転職を有利にし、技術者として早く成長したいのであれば受験勉強をしてみる価値はあるでしょう。

未経験者にもチャンス!設計補助からキャリアを積もう

樹脂設計職は人材不足の状況にあり、求人数も多くあります。しかし、求人案件をチェックしてみると「学歴・経験・年齢不問」という会社も少なくありません。まったくの未経験者であっても「ものづくり」に意欲を持つ真面目で根気強い人なら、ゼロから育てるということなのでしょう。
もちろん、未経験者が最初から高度な仕事を任されるわけではありません。設計補助としてアシスタント業務をこなしながら研修やOJTで実務スキルを身に付けていくことになります。ものづくりへの関心が高く、技術職を一生の仕事にしたいと考えている方は、思い切って樹脂設計の仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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