配管設計
建物内の装置や設備といった機械の数々をつなぐ配管網の設計を行います。
「配管設計に興味があるけれど、自分にできそうな仕事か不安」
「配管設計者として働くうえで必要となるスキルや資格が知りたい」
など、配管設計の仕事が自分に向いているか、
また就職や転職が可能か、不安や疑問を感じていませんか?
配管設計とは、建築物やプラント内にある機器類をつなぐ配管を設計する仕事です。
今回は、配管設計の仕事内容、魅力、難しさ、向いている人、
役立つ資格、キャリアプランなどを解説していきます。
設計の仕事に興味がある、専門性の高い仕事がしたい人は、
ぜひ最後までご覧ください。
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この記事のまとめ
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配管設計とは、建築物やプラント内の配管の設計や配置を手がける仕事。
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配管設計者になるうえで必須な資格はないが、CAD利用技術者試験や機械設計技術者などを取得しておくと、業務の幅が広がる可能性がある。
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まずは、実務で必ず求められるCADや配管設計の知識をコツコツ学ぶことが重要。
配管設計とは
配管は、よく「血管」に例えられます。心臓をはじめとしたさまざまな臓器をつなぐ血管のように、建物内の装置や設備の数々をつなぐ重要な役割を果たしているのが配管です。配管設計は、この配管網の設計を手掛ける仕事となります。
また、配管設計の仕事は「空間設計」でもあります。土木や建築、各種機器などの仕事と連携しながら、運転や点検がしやすく消費エネルギーやコストに関しても無駄がない配管レイアウトを設計していきます。
配管設計の仕事内容
配管設計とひと口にいっても、「建築物の配管設計」と「プラントの配管設計」では業務内容が大きく異なります。その違いを見ていきましょう。
建築物の配管設計
建築物の配管設計は、ビルなど一般的な建物の配管設計を担当する仕事です。配管の種類としては、給排水配管や空調のエアー配管などが挙げられます。
プラントの配管設計にも共通していえることですが、配管設計では次のようなポイントを考慮して設計を進めていきます。
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運転や操作
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保守点検、安全面に問題がないか
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耐圧や熱膨張応力、振動などの強度に問題がないか
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消費エネルギーに無駄がないか
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コスト低減が図れる配管か
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美観を損ねていないか
建物内のさまざまな機器に対する知識と配慮が求められ、ほかの土木・建築・機器などの仕事との連携も重要となります。
プラントの配管設計
プラントの配管設計では、化学や食品の工場、製鉄所といった施設特有の配管レイアウトを担当することになります。上下水道はもちろん、高温の熱湯やガス、液体など、プラントの配管内はさまざまな流体が通るものです。こういった施設の配管設計をする際は、配管内を通る液体やガスなどに適した材質・寸法に加え、それらを送り出すためのポンプやモーターなどの設計も行うため、一般的な建物の配管設計よりも高度な知識が求められるでしょう。
配管設計の魅力ややりがい
配管設計の仕事ならではのやりがいや魅力は、専門性の高い業務に従事することで大きな達成感を得られる点にあります。
配管設計に「パイプの配置を決める」という単純なイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし実際は、建築物やプラントの構造、また配管技術について熟知していなければ各機器や設備が正常に稼働する配管設計は不可能であり、高度な知識を要します。
特に工場などのプラント配管の場合は、可燃性や毒性の高い流体が通る可能性もあり、万が一破損や漏えいなどがあっては危険です。そのため、より高い専門性や責任が求められ、構造や意匠設計の担当者、現場の管理者・作業員など、各持ち場のプロフェッショナルたちと連携しながら進める必要があります。
求められる能力や与えられる役目は決して軽いものではありませんが、多くの人と関わり一つのプロジェクトを完遂したあかつきには、大きな達成感が得られるでしょう。
配管設計の難しさや大変さ
配管設計の難しさや大変さは、実態に即した設計をしなければならない点にあります。
配管設計の仕事には、建築物やプラント内で使用される機器や設備をつなげる目的がありますが、ただ適当に配置すれば良いわけではありません。配管の用途やメンテナンス時の利便性、見栄えなどを考慮しながら配管ルートを確定していく必要があります。
そのためには、建築物やプラントの構造を理解するのはもちろんのこと、配管の部材の選定、ほかの機器や設備と干渉しないかなど、多方面で確認や調整を行わなければなりません。
配管設計者の年収はどれくらい?
実際に掲載されている求人情報を確認すると、配管設計者の年収は400万円~600万円程度となっています。ただし業務範疇や企業規模によって幅があるので、どのような要素で提示金額になっているのか見極める必要があるでしょう。
また、具体的な年収額ではなく、年齢や経験、能力を踏まえた査定を行う旨を明示している企業も多く見受けられます。その場合、個人の経歴やスキル、アピール次第で年収が変動するとことになり、入社後も頑張り次第で年収アップのチャンスに恵まれやすい企業であると想定されます。
配管設計者に向いている人の特徴
配管設計者に向いている人には以下のような特徴が見られます。自分自身に該当しているか、また自分が高められるポイントがあるかを確認してみましょう。
学習し続けることが好きな人
配管設計には一つとして同じ仕事はなく、携わる建築物やプラントによって内容が大きく異なります。そのぶん新たな知識を要する機会が多くあり、都度インプット・アップデートをしていかなければなりません。そのため、学び続けることが好きな人に向いている仕事といえるでしょう。
海外で活躍したいと考えている人
海外のプロジェクトを手がけている企業に入社すれば、ある程度経験と実績を積んだ後に海外で働けるチャンスに恵まれる可能性があります。将来的に海外で働きたいと考えている人には理想的な環境を得られるかもしれません。
コミュニケーション能力が高い人
多少技術や知識が不足していたとしても、コミュニケーション能力が高い人なら、配管設計として活躍できる可能性があります。配管設計は依頼主となる顧客や他部門のスタッフと連携しながら進行する仕事なので、良好な人間関係を構築できる人が重宝されるためです。
配管設計の仕事に役立つ資格
ここからは、配管設計者への転職や、配管設計者としてのキャリアアップに役立つ資格を紹介します。
配管設計の仕事で必要または役立つ資格としては、CAD関係の資格や機械部門の技術士などが挙げられます。
CAD利用技術者試験
配管設計に使用するCAD(キャド)システムの取り扱い知識や製図スキルは、配管設計の業務において必須です。そのスキルの証明となるのが、CAD利用技術者試験です。
CAD利用技術者試験は、2次元CAD利用技術者と3次元CAD利用技術者に分かれています。2次元は基礎・2級・1級、3次元は2級・準1級・1級と、それぞれ3段階のレベルが設定されているので、初心者から熟練者まで、自分の能力に応じて受験が可能です。
なお、2次元CADの1級は、機械・建築・トレースの3分野に分かれています。CADを使用する幅広い業務の専門家であることを示せるため、取得することで、より高度な業務に携わることができたり、待遇面でメリットを享受できたりする可能性があります。
CAD系の資格で最もポピュラーなものなので、取得しておいて損はないでしょう。
技術士・技術士補(機械部門)
「技術士」と「技術士補」の資格は、公益社団法人日本技術士会が実施する国家試験によって取得できます。高い技術を持つ技術者であることを証明できるため、転職の場面はもちろん、その後の業務においても大いに役立つ資格です。
第一次試験に合格または指定の教育課程を修了すると「修習技術者」となり、登録すると技術士補の資格が得られます。そのうえで、実務経験を積むと第二次試験を受けることができます。これに合格して登録すると、ようやく技術士の資格が得られます。
なお、技術士および技術士補の第一次試験は、基礎科目と適性科目のほかに20の専門科目から一つを選んで受験することになります。配管設計は、機械部門の機械設計、材料力学、機械力学・制御などの科目を選択すると良いでしょう。
機械設計技術者
「機械設計技術者」は、一般社団法人日本機械設計工業会が機械設計技術者のスキルを認定するために行っている資格試験です。安全かつ効率の良い機械設計の技術を有することを認定するもので、国家試験ではありませんが、配管設計の転職や業務を遂行するうえで非常に役立ちます。
試験は1級から3級まであり、実務経験がない場合は受験資格に制限がない(学生でも受験可能な)3級から挑戦することになります。
配管設計者の転職先やキャリアプラン
配管設計者として考えられる転職先とキャリアプランをご紹介します。以下を参考に、自分自身が配管設計者になった場合の方向性を検討してみましょう。
転職先
配管設計者の転職先としては、環境、エネルギー、建設、施工管理、メーカー、プラント業界などが挙げられます。
冒頭で触れたように、配管設計といっても一般的な建築物とプラントでは業務内容が大きく異なります。どちらの方向性に進みたいかによって選択すべき業界が異なるので、あらかじめキャリアビジョンを明確にしておきましょう。
キャリアプラン
配管設計者として第一線で働き続けるためには、前述したように実務経験と専門的な知識が必要となります。そのため、実務経験がない場合、まずはしっかりと知識をつけることが肝心です。CADや配管設計を学びながら設計スキルも上げられるような会社への転職が理想となるでしょう。
知識と実務経験がある程度伴ってきたら、スキルアップを目指せる上級の資格取得に挑戦することをおすすめします。技術者として箔がつき、さらなるキャリアアップも目指せます。
また配管設計は、設計スキルだけでなくさまざまな建物や機器に関する知識も必要となります。そのため、連携して設計を完成させていくほかのエンジニアとのつながりも重要です。コミュニケーションを密に取りながら、より良いものづくりができる環境が整えられている企業への転職を意識してください。
配管設計への転職を成功させるポイント
配管設計の仕事への転職を成功に導くポイントも併せてご紹介します。
まず、あらゆる職種の転職においていえることですが、応募書類・面接対策は非常に重要となります。
転職をする際は、必ず履歴書と職務経歴書を提出することになります。経験者採用であればこれまでの詳しい業務内容や実績が、未経験であれば人柄ややる気が重視されます。また、最低限の応募条件を満たしているか、転職後に活かせる強みを持っているかといったことも、応募書類から判断されます。
面接では、応募書類よりもさらに詳しく、その人自身のスキルやキャリアプラン、人柄などが審査されることになります。志望企業に合わせた志望動機や自己PRを伝えることが大切です。
転職するなら、転職エージェントの活用がおすすめ
ここまでの内容を踏まえ、「やっぱり配管設計に転職したい」と思ったなら、具体的に転職活動を進めていきましょう。
その際、より自分の理想に近い職場に、できる限り早く転職を決めたいと思うのであれば、転職エージェントの活用をおすすめします。転職エージェントとは、あなたの求職を成功に導く、転職業界に精通したプロフェッショナル集団です。
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もちろん配管設計の求人も多数取り扱っているので、特に初めての就活、異職種からの転職の心強い味方となるはずです。限られたチャンスをより確実に自分のものにするためにも、積極的に活用することをおすすめします。
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