更新日:2022/07/06
この記事のまとめ
製品の開発や設計に携わる機械メーカーのエンジニアは、日本のものづくりを支えるやりがいのある仕事です。しかし、さまざまな理由から異業種や異職種へ転職したいと考える方もいます。機械メーカーのエンジニアが転職する場合、どのような傾向やプランがあるのでしょうか。
この記事では、機械メーカーから転職を考える理由や転職先の傾向を紹介します。経験や知識を生かせる転職先を選ぶ方法や役立つスキルも紹介するため、転職活動の参考にしてみてください。
目次
機械メーカーには、自動車や産業機械、医療機器といったさまざまな業界があります。それぞれの業界で培うノウハウや知識は異なりますが、エンジニアをはじめとした職種や部門は多くの企業で共通するため、転職先には同様の傾向が見られます。後悔しない転職のためにも、転職パターン別のメリット・デメリットを把握しましょう。
異業種・未経験の職種への転職は、年齢によって異なりますが、難易度が高いのが一般的です。特に30代は転職のハードルが高い傾向があります。ただし、キャリアに伴ったスキルや経験があれば転職は可能です。
メリットは、先入観なく知識を吸収できることです。また、選ぶ業種によっては、前職で培ったノウハウを提供できます。一方、新たに学ぶことが多く負担が大きいことがデメリットです。これまでのスキルを生かせないこともあるでしょう。
異業種でも経験のある職種への転職は、未経験の職種に比べてハードルが低く、これまで培った知識やノウハウを生かせます。特にエンジニアは多くの業界で人材が不足しています。業種が変わることで新たに学ばなければならないこともありますが、前職のスキルは十分に生かせるでしょう。
とはいえ、業種によっては求められるスキルと自分のスキルが一致しない場合もあります。志望する企業を選ぶ際は、職種が同じでも業務内容の確認は必須です。
同業種への転職は、知識を存分に生かせます。未経験の職種でも、培った知識や経験を提供できるため重宝されるでしょう。エンジニアは設計だけでなく、開発や生産、品質管理といった製造に関する幅広い知識を持っています。製品に関する技術が理解できるため、未経験でも即戦力として働けるでしょう。
ただし、職種のノウハウやスキルは学び直すことが多く、仕事に慣れるには少し時間がかかるというデメリットもあります。
同業種・同職種への転職は、4つの中で最も転職しやすいパターンです。その企業で扱う製品の情報や知識を新たに身につける必要はありますが、基本的な知識や技術は生かせます。特に設計や研究開発に携わるエンジニアは、経験が豊富な即戦力を求めていることが多く、転職活動を有利に進められるでしょう。
転職することで前職のキャリアを失うデメリットはありますが、給料や福利厚生といった処遇がよい企業へ転職するのであれば、メリットは大きいでしょう。
転職を考えるときは何かしらの理由があります。このような理由で転職を考えてもよいのだろうかと悩むこともあるかもしれません。ここでは、機械メーカーからの転職を考えた理由で多く挙げられるものを紹介します。転職理由は転職先を決める指針にもなるため、自身の気持ちと素直に向き合いましょう。
転職を検討する理由のひとつは、単純作業の繰り返しです。企業によって異なりますが、機械メーカーの仕事は毎日同じ作業の繰り返しが多く、単調に感じます。
特に技術が進化するエンジニアの場合、「新しい技術を取り入れたい」「専門知識を生かしたい」と考えることもあるでしょう。与えられた仕事だけをこなす毎日にやりがいを見いだせず、新しいことに挑戦したいと感じる方もいます。
機械メーカーの企業規模は大手から中小までさまざまで、年収も大きく変わります。特に中小企業では、労働時間の長さや基礎給与の低さに不満を抱く方が多い傾向があります。
また、複数の業務を兼任する場合や人手が足りていない場合、残業時間が長く給料に見合わないと感じることもあるでしょう。体力的にも精神的にも限界を感じる方がいます。
機械メーカーから転職する場合、培った知識やスキルを生かせる転職先を選びましょう。即戦力として働けるだけでなく新しく覚えることが少ないため、転職に伴う負担を減らせます。ここでは、機械メーカーで培われるスキルや知識を紹介します。
機械メーカーで培った専門知識やスキルは、転職先の商品を違う目線から理解できるという強みとなります。特に機械系エンジニアは理系の四力学(機械力学・熱力学・材料力学・流体力学)を学んでいるため、ほかの職種の経験者よりも製品を深く理解できます。商品のメリットや改善点を素早く判断し、調整の提案ができるでしょう。
機械メーカーのエンジニアは、プロジェクトの進捗管理を任されることがあります。そのような任務を果たすには、マネジメントスキルが必要です。企画の立案から製造、商品管理まで関わり、リーダーとして他部署への協力も申請しなければなりません。リーダーはやれる方が限られているため、リーダーシップを発揮できることは転職先での強みです。
機械メーカーでは、計画的かつ効率よく作業を進めなければなりません。緻密な作業の試行錯誤により論理的な志向(ロジカルシンキング)が身につき、転職先でも計画的に物事を進めて問題の合理的な解決方法を見つけることにつながります。同業種だけでなく異業種や異職種でも十分に生かせるでしょう。
仕様やコンセプトといった商品の「核」に関わった経験がある方は、技術的な説明ができるほか、各部門や経営陣との連携ができます。スケジュール管理や進捗確認により全体をまとめたり見渡したりするだけでなく、関係者の調整もできるため、どの業種や職種でも経験を生かせます。
コミュニケーション能力は、どの業種・職種にも欠かせないスキルです。社内の人間関係はもちろん、社外の人間との交渉にも役立ちます。エンジニアは、プロジェクトのマネジメントや各部門との連携が必要で、高いコミュニケーション能力が求められます。業務を通じて得たコミュニケーション能力は、転職先でも十分に生かせるでしょう。
エンジニアはさまざまな職種の人と関わる機会が多く、人脈を作るスキルも培われます。人脈を作るスキルは、転職先でも部署間の連携や調整に役立ちます。また、社外に広い人脈を持つ人は、機械メーカーと関わりのない業種・職種に転職しても力を貸してもらえるかもしれません。人脈作りの上手な人は、転職先でもよい人間関係を築けるでしょう。
転職先を選ぶ際は、自らがやりたいと思える職業を選ぶことが大前提です。ただし、仕事のしやすさや経験を生かせる職種、働きやすい業種と、技術者におすすめの転職先もいくつか存在します。ここでは、機械メーカーのエンジニアに向いている転職先プランを紹介します。
機械メーカーで商品管理を担当した経験は、物流業でも生かせます。出荷業務のデータ管理やフォークリフトの取り扱いは、物流業でもメインの仕事です。また、物流機械の設計や研究開発をする「物流機械エンジニア」という職種もあるため、機械の知識を十分に生かせるでしょう。
物流業は常に需要が高く、長期的に働ける安定した業種です。産業の基盤となる仕事で、やりがいも感じられるでしょう。
機械設計の知識や技術は、フィールドエンジニアの仕事にも生かせます。フィールドエンジニアとは、パソコンや医療機器、制御装置のメンテナンスや故障の修理をする職種で、製品のユーザーをサポートする役割です。
顧客のところに出向いて修理や設置をするため、フットワークが軽く、コミュニケーション能力に長けているとさらに重宝されます。
営業職や事務職は、異業種からの転職でも狙いやすい職種です。営業職は採用枠が広く、人脈の広さやコミュニケーション能力がある方は特に重宝されます。
事務職はオフィス用ソフトの知識があり、単調な作業が苦ではない方におすすめです。正確でスピーディーな対応を求められるため、スケジュール管理が得意な方にも向いています。
エンジニア職や機械系の仕事に飽きている方は、人と関わりを持てる接客業、特に飲食業がおすすめです。新鮮な気持ちで一から楽しく働けます。培った機械系の知識を生かせる機会は多くありませんが、食材の発注管理やスタッフの勤怠管理など、マネジメントスキルは生かせるでしょう。
転職を成功させるには入念な事前準備が必要です。自分に合う転職先を見つけるために、まずは自己分析をして自分に合う業種や職種を考えましょう。転職の目的を明確にして、条件をクリアする企業を見つけるのもポイントです。ここでは、機械メーカーエンジニアからの転職を成功させるコツを紹介します。
辞めたいという思いからネガティブな面ばかり見てしまうかもしれませんが、転職理由で前職の不満を訴えることは自らの印象を悪くします。単純作業や労働環境への不満といったネガティブな理由は、向上心やステップアップのようなポジティブな言葉に置き換えましょう。
また、前職のスキルを生かした将来的なビジョンや自分を採用するメリットをアピールするのもおすすめです。前向きに転職を考えていることを伝えましょう。
転職先の業界や職種、取り扱う商品についてしっかりとリサーチしましょう。ある程度の知識を得るだけでも、実際に働く際のイメージがつかみやすくなります。
リサーチする内容は、求人募集の条件だけでなく、企業理念や支社や営業所、営業実績やプレスリリースです。不明点があれば面接時に質問することで、熱心に企業研究しているというアピールにもつながります。
効率よく転職先を探すのであれば、転職エージェントの活用もおすすめです。転職エージェントでは、知識やスキルを生かせる企業だけでなく、ライフスタイルを考慮した最適な企業を紹介してくれます。面接日の調整や給与交渉まで行う転職エージェントもあり、専門家の助言を受けながら在職中でも安心して転職活動に挑めるでしょう。
機械メーカーエンジニアで培った知識やノウハウは、異業種や異職種でも十分に生かせます。ただし、業種や職種によってアピールできるスキルが異なります。まずは自己分析をして転職の理由を明確にし、転職先のリサーチを進めましょう。
マイナビメーカーエージェントでは、メーカーの転職市場に精通したキャリアアドバイザーと各企業と太いパイプを持つリクルーティングアドバイザーがチームとなり、転職をサポートします。面接対策や条件交渉といった転職に関するお悩みもご相談ください。
メーカー
機械設計の転職先とは?転職で失敗するパターンと成功の5つのポイント
メーカー
機械設計の年収水準は?年収アップに必要なスキルや転職のコツも
メーカー
【例文つき】機械系エンジニア(機械設計)の志望動機の書き方やポイントを紹介