更新日:2022/07/06
この記事のまとめ
日本には、世界にシェアを拡大する大手機械メーカーがいくつか存在します。ハイレベルな環境で経験を積みたいと、転職を考えている方もいるでしょう。そのためには業界を知り、仕事を知ることが大切ですが、範囲が広いため正確には理解できていない方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、機械メーカーという業界の特徴や転職のポイントを紹介します。目指せる職種についても細かく解説するので、「機械メーカーとは」という幅広い問いにも答えられるようになるでしょう。
目次
機械メーカーへ転職するのであれば、どのような業界であるか理解しておく必要があります。また、入社後に後悔しないためにも、その業界の市場価値を把握しておくことは重要です。この項目では、機械メーカーの代表的な業種、そして経済的な現状と将来性を解説します。
機械メーカー業界の代表的な業種は以下の7つですが、企業によって扱う機械は異なります。いずれも人の生活と社会を効率化させるために欠かせないものです。
大きな分類としては、工作機械、建設機械、重機などです。工作機械とは、ものづくりのための機械で、あらゆる機械や部品を適切な形状・精度に加工します。
建設機械と重機は区別があいまいになりがちです。建築機械は土木・建築の作業に使用されるすべての機械が該当します。固定式機械のタワークレーンや手持ち式のコンクリート破砕機なども建設機械のひとつです。このうち、重機は人間が動かすショベルカーなどの大型車両が該当します。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、世界的に経済活動が再開したことにより、順調な回復傾向が見られます。しかし、部品・部材不足は深刻であり、機械受注総額に深い影を落としています。
とはいえ、機械メーカー業界の需要自体は順調です。日本では半導体製造装置の需要が続いています。
中国やアメリカへの工作機械の輸出が好調というデータもあります。中国では電子機器や電動車、米国では半導体製造装置や自動車、医療機器向けの機械に大きな需要が見込まれています。
以前から、機械業界は人材不足や人件費、海外メーカーとの価格競争といった課題に直面していました。しかし、近年はAI機械学習が進歩しています。
IoT活用と自動化が普及すれば、大規模なデータから自動で最適なソリューションを導き出すことが可能です。前述した課題の解決も進みつつあるため、将来性は非常に高い業界といえるでしょう。
一般的に転職は頻繁に行うものではありません。そのため、魅力を感じつつ働ける業界を選択することが重要です。機械メーカー業界にはどのような魅力があるか、代表的なものを紹介します。
機械メーカーはものづくりの根幹に関わっています。身の回りにある製品がどのようにできあがっているのか、一から経験できます。
特に日本のものづくり技術は「広範囲な要素技術」「高いチームワークと現場力」「低コスト・高品質」といった点で世界的に評価されています。自身が携わった製品が世の中に広く流通していくことに喜びを感じられるでしょう。
開発や設計といった、技術者が大きな達成感を得られるのも特徴です。これらの仕事は一人で黙々とマニュアルどおりに行うものではありません。多くの専門職が関わり、協力したうえで繊細に作業する必要があります。
ものづくりの過程が大変なぶん、完成度が高いときや新しいものができたときには、大きな達成感を得られるでしょう。
企業にもよりますが、機械メーカー業界には主に6つの職種が存在します。転職の際には、エントリーシートの段階で志望職種を伝えることになるでしょう。仕事内容や求められるスキルが異なるため、事前に理解しておくことが重要です。
研究開発職は新商品開発の仕様に基づき、業務用機械の開発を行う仕事です。テーマを設定し、構造設計と強度解析を繰り返しながら製品化・実用化を目指します。
一般的に、基礎研究、応用研究、製品化研究に分かれて進めていく仕組みです。高度な専門知識と技術が必要な分野であるため、大学などで同様の分野を専攻していた人が携わっています。
開発設計とは、機械や電子機器の構造設計を行う仕事です。条件に合った製品開発・改良を実現するために、デザイン性や剛性など、さまざまな条件を考慮します。
二次元CADや三次元CADを使用した、図面設計作業のイメージが強いかもしれません。しかし、コスト計算やCAEによるシミュレーション解析、強度や安全性の修正など、さまざまな作業を必要とします。
主な分野は機械・電子機器設計、制御設計、ソフト設計などです。制御設計とは機械を制御する電気回路や電子回路、ソフト設計は機械を動かすソフトウェアを設計します。他部門とも関わりつつチームで試行錯誤するため、コミュニケーション能力と根気が必要です。
品質管理は、できあがった製品が顧客の求める品質を満たしているか管理する仕事です。正しい数量、サイズ、仕様などもチェックします。
世界でも評価される、日本のものづくりの品質を担っている重要な仕事です。材料の調達から製造工程での不良発生、販売後のアフターサービスまでを品質管理業務としている企業もあります。
生産管理は、製品を顧客が求める数で生産できるように管理する仕事です。数量を満たすために納期が設定されていることから、営業部門や生産部門、調達部門と関わりつつ効率的に進めていく必要があります。
販売状況と在庫状況から現状の把握・今後の予測を踏まえ、正しい生産計画を実現しなければいけません。在庫数などに不備があれば対応が求められるため、コミュニケーションスキルはもちろん、広域な情報を処理する能力も求められるでしょう。
営業職は顧客に対して、自社製品やサービスを提案する仕事です。製品の売上はそのまま企業の利益に直結するため、重要な役割を担っています。
新規顧客の獲得だけでなく、既存の顧客とも長く契約を続けていく必要があるため、コミュニケーションスキルが重要です。文系・理系問わず志望できますが、その企業の分野や製品について理解を深めておきましょう。
セールスエンジニアとは、技術面で営業をサポートする仕事です。機械メーカーの専門的な製品は、営業職だけでは顧客へ十分な対応ができない場合もあります。営業スタッフに同行し、製品の説明やサービスの提案を行うことがセールスエンジニアの主な役割です。
エンジニアといっても営業に近い仕事ですが、顧客の要望があればカスタマイズや課題解決のアドバイスも行うため、営業よりも深い専門知識を持っている必要があります。
機械メーカーで活躍するには専門分野の知識が必要なため、技術系の経験を積んだ人のほうが有利だと感じるかもしれません。しかし、文系的な知識が求められるシーンもあります。語学力はその最たる例だといってよいでしょう。
機械メーカーでも、大企業になると語学力が求められます。中でも英語スキルは重要で、設計・開発エンジニアは英語圏のサプライチェーンとやり取りすることもあります。
海外の企業も交えたプロジェクトの公用語は英語であり、チャット、メール、電話などで使うシーンは多々あります。
さらに、プログラミングにおけるドキュメント・カンファレンスは英語で記載されているのが基本です。逐一翻訳するのもよいですが、手間がかかるうえに専門用語は正しく翻訳できません。以上から、円滑に業務を進めるためにも英語は重要となるでしょう。
機械メーカーでも文系の需要は十分あります。営業はもちろんですが、管理部、経理、経営企画などの部署で働くこともあるでしょう。予算の策定や工場の運営を行い、技術者が開発・設計に集中できるようにサポートします。
エンジニア職を目指すにしても、文系理系を問わず募集している企業はあります。「戦力になる人材」だと判断されれば文系出身者でも採用される可能性はあるでしょう。
機械メーカーは売り手市場であるうえ、技術職は専門スキルを取得した人が多数応募するため、簡単に転職できる業界ではありません。
とはいえ、営業や生産管理など職種はさまざまあることから、求められるスキルは多様です。その意味では、転職できるチャンスが少ない業界ではないでしょう。
たとえば、技術職の経験があっても、前職で扱っていた分野と異なる場合もあるのではないでしょうか。この場合も、基本となる開発・設計技術が備わっていれば採用される見込みはあります。また、未経験であっても工学系などの学部を卒業していれば、第二新卒扱いで採用されるかもしれません。
ものづくりが好きで、専門分野の知識がある人はすべて機械メーカー業界向きといって差し支えありません。中でも達成意欲や集中力の高い人は、世の中にないものを形にすること、既存のものを試行錯誤して改良することに喜びを感じられるでしょう。
また、機械メーカー業界は職種もさまざまで、他部門・他社の人とのやり取りも需要です。納期までのスケジュール管理やコスト・在庫数の計算も大切な仕事です。コミュニケーション能力や論理的思考力、計数能力に自信がある人は重宝されるでしょう。
機械メーカーは、ものづくりの根幹に関われるやりがいのある仕事です。今後もAI機械学習など、多様な技術を組み込み発展していくことが期待できます。とはいえ、自分に適した企業・職種探しに苦戦している方もいるかもしれません。
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