更新日:2025/02/28
この記事のまとめ
インフラエンジニアはITシステムの基盤を支える重要な役割を担っており、需要が高く安定して働ける点や高収入を目指せる点など、転職するメリットが多くあります。
一方で、仕事内容や働き方が「きつい」といわれることも少なくありません。インフラエンジニアへの転職を目指す場合は、メリットだけでなく、仕事の厳しさも理解しておきましょう。
この記事では、インフラエンジニアが「きつい」といわれる理由や働くメリットについて紹介します。インフラエンジニアに向いている人の特徴や転職成功のポイントも解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インフラエンジニアは、ITシステムを支える基盤の設計・構築・運用・保守を担当するITエンジニアです。企業が利用するサーバーやネットワーク、データベース、ストレージなどのインフラを管理し、システムの安定稼働を維持します。
具体的には、必要なハードウェアやソフトウェアの選定、システムの構築や設定、運用中のパフォーマンス監視、エラーやトラブルが起きた際の対応などが挙げられます。また、セキュリティー対策や効率的なリソース管理も重要な業務です。
日々成長・発展しているIT業界のITインフラを支えるインフラエンジニアは、需要が高く魅力的な職業です。しかし夜勤があったり、単調な作業が多かったりなどの理由から「きつい」といわれることも少なくありません。ここでは、インフラエンジニアが「きつい」といわれる理由を紹介します。
インフラエンジニアは、システムやネットワークが常に安定して稼働する状態を維持する責任を担っており、障害が発生した場合には迅速に対応する必要があります。ゆえに「運用・保守」の業務においては24時間体制のシフト勤務が一般的であり、夜勤や土日の勤務が発生します。人によっては夜勤が体に合わず、「きつい」と感じるでしょう。
システムやネットワークを安定して稼働するためには、日々の監視や定期的なメンテナンスが欠かせません。しかし、これらの監視業務はマニュアルに基づいて実施することが多く、人によっては単調に感じられる場合があります。
ITシステムやネットワークは24時間稼働しており、予期せぬ障害やエラーが発生する可能性があります。即座に対応しなければ、システム全体やユーザーに大きな影響をおよぼすため、インフラエンジニアは迅速にトラブルの原因を特定し、対処する必要があります。
しかし、障害の原因が複雑な場合や、問題の特定に時間がかかる場合には、人によってプレッシャーやストレスを感じることがあるでしょう。
インフラエンジニアの仕事はバックエンドに位置し、ユーザーや他部門から直接見えにくいため、努力が正当に評価されない場合があります。たとえば、システムが問題なく動いていること自体がインフラエンジニアの成果であるにもかかわらず、それが通常運転と見なされることが少なくありません。ゆえに、特別な功績として評価される機会が少なく、やりがいや達成感を得にくい場合があります。
IT業界は変化が激しく、クラウド技術、仮想化、セキュリティー対策など、幅広い分野の知識を常にアップデートし続ける必要があります。新しい技術やツールが次々と登場するため、これらを学ばなければ競争力を維持できず、業務に支障が出ることもあるでしょう。
こういった継続的な努力が必要な点も「仕事がきつい」と感じる理由のひとつですが、成長意欲や向上心のある人にはやりがいを感じられる部分でもあります。
サーバールームは、稼働中のサーバーやネットワーク機器から発生する熱を冷却するため、設定温度が低く保たれています。この低温環境は、機器を適切な温度で動作させ、過熱や故障を防ぐために必要不可欠です。しかし人間にとっては、長時間作業するには寒すぎると感じることがあり、「きつい」といわれる理由になっています。
インフラエンジニアの仕事は決して楽なものとはいえません。しかし、頑張りしだいで高収入を目指せる点や自身の市場価値を高められる点など、転職するメリットは多く存在します。ここでは、インフラエンジニアの魅力を5つピックアップして紹介します。
IT業界は実力主義の風潮が強く、学歴を問わず活躍できる点が魅力です。たとえば、ネットワークやサーバーの設定、トラブルシューティング、クラウド技術の運用といった実践的なスキルを持っていれば、学歴に関係なく採用されやすくなります。また、IT業界では未経験者を積極的に採用する企業も多く、異業種からチャレンジできる点もメリットです。
インフラエンジニアは、ITシステムの基盤を支える重要な役割を担っています。多くの企業がデジタル化を進める中で、サーバーやクラウド、ネットワークなどの設計・運用を担当するインフラエンジニアは欠かせない職種です。IT業界では求められる知識や技術が変化することもありますが、きちんとスキルをアップデートしていくことで長く安定して働けます。
IT業界では、学歴や年齢よりもスキル・経験が重視されます。そのため、努力してスキルを磨けば、キャリアアップや年収アップを実現することが可能です。たとえば、ネットワークやサーバー運用に関する専門知識を深めるだけでなく、クラウド技術やセキュリティー対策といった最新分野のスキルを習得することで、より市場価値の高いITエンジニアとして評価されます。
インフラエンジニアとして働くことで、サーバーやネットワーク、クラウド、セキュリティーなど、ITインフラの幅広い分野に関するスキルや知識を習得できます。これらのスキルは、別のIT企業に転職した際にも共通して求められるため、習得することで自身の市場価値を高められます。
また、インフラエンジニアの業務で培った問題解決能力やコミュニケーションスキルは、IT以外の分野やマネジメント職にも応用可能です。
インフラエンジニアの運用・保守の業務においては、シフト制が採用されているケースがほとんどです。24時間体制でシフト制が採用されている職場では、交代の時間になると次の担当者に業務を引き継ぎます。ゆえに、残業が発生しにくく、体力や精神的な負担を軽減できるのが魅力です。プライベートとの両立を重視する人や、一定のリズムで働きたい人にとっても、大きなメリットといえます。
将来の選択肢を広げるうえでは、インフラエンジニアにどのようなキャリアパスがあるのかを知っておくことが大切です。インフラエンジニアとして働いて得たスキルや経験は、多様な転職先で役立てられます。ここでは、インフラエンジニアのキャリアパスを5つ紹介します。
社内SEは、社内のITシステム全般を担当する職業です。社内のシステム環境の整備や、運用時のトラブルシューティングなどが主な業務です。また、自社が使用する業務システムの安定稼働のために、セキュリティー管理やバックアップの管理なども担当します。
社内SEは社外のクライアント向けに提供されるサービスとは異なり、社内のスタッフや部門が快適に業務を進めるための支援が中心で、ヘルプデスクとしても活躍します。
IT企業の営業職は、顧客に対してIT関連の製品やサービスを提案・販売し、企業の収益向上に貢献する職業です。仕事内容は、新規顧客の開拓や既存顧客のフォロー、提案資料や見積書の作成、プロジェクトの契約締結に至るまでのプロセス管理などが挙げられます。また、社内のITエンジニアと連携し、技術的なサポートを受けながら商談を進めることも一般的です。
インフラエンジニアとしての経験を活かし、技術的な知識をベースにした提案をすれば、ほかの営業職との差別化を図れます。営業職は成果が給与に反映されやすいため、高収入を狙いたい方にもおすすめです。
フルスタックエンジニアとは、ITシステムやアプリケーションの開発において、フロントエンド(ユーザーインターフェースやデザイン)、バックエンド(サーバーサイドの処理やデータベース操作)、さらにインフラ(ネットワークやサーバーの構築・運用)まで、幅広い領域を一貫して担当できるITエンジニアのことです。
開発と運用の全工程に関与することから、特に中小企業やスタートアップ企業で重宝されます。技術面でのスペシャリストを目指したい方におすすめの職業です。
プロジェクトマネージャーは、ITシステム開発の構築・運用プロジェクト全体を管理する職業です。具体的には、プロジェクトの目標を定め、スケジュールや予算を策定し、プロジェクトメンバーを適切に配置して進捗を管理します。また、クライアントやステークホルダーとの調整を行い、品質や納期を守りながらプロジェクトを成功に導きます。
プロジェクトマネージャーはITの技術的な知識だけでなく、マネジメントスキルやリーダーシップが欠かせません。チームのモチベーションを管理したり、各メンバーの能力を引き出したりする能力が求められます。
ITコンサルタントは、企業が抱える課題を解決するために、ITを活用した戦略やシステムの導入計画を提案し、実行を支援する職業です。具体的には、企業の業務プロセスを分析し、改善案を提示したり、新しいシステム・インフラの導入をサポートしたりする役割を担います。
インフラエンジニアとして培ったネットワークやサーバー、クラウド環境の知識は、企業のIT基盤を技術的に理解し、現実的かつ効果的な提案に活かすことが可能です。また、システム運用の現場で培った問題解決能力やトラブルシューティングの経験は、クライアントの課題を解決する力として役立ちます。
人によって仕事には向き不向きがあります。向いている仕事に就くで、自分の能力を最大限に活かしてモチベーション高く働くことができ、早期のキャリアアップ実現も可能です。ここでは、インフラエンジニアの仕事が向いている人の特徴を3つ紹介します。以下に当てはまらなくても転職することは可能であるため、興味があればぜひインフラエンジニアを目指してみてください。
IT業界は技術の進化が速く、新しい技術やツール、トレンドが次々と登場するため、インフラエンジニアとして働くうえで常に学び続ける姿勢は欠かせません。また、インフラエンジニアはトラブル対応や新規環境の構築などで未知の課題に直面することが多く、その際に解決方法を自ら調べたり、新しい知識を習得したりする必要があります。
このような学びの積み重ねによってスキルを向上させられるため、成長意欲があり、勉強を楽しめる人がインフラエンジニアに向いているといえます。
インフラエンジニアは、さまざまなハードウェアやシステムと日常的に関わる職業です。機器のセットアップや設定、障害発生時のトラブルシューティングなど、業務の多くがコンピューターや関連機器を相手に進めます。
インフラエンジニアの業務は、クライアントやチームとコミュニケーションを図りながら進めることもありますが、基本的には機器やシステムに向き合う時間が多い傾向です。そのため、人と話すよりも機械を操作するほうが好きな人にとってはストレスが少なく、やりがいを感じやすい環境といえます。
インフラエンジニアの仕事には、チームでの連携やクライアントとのコミュニケーションも必要ですが、サーバールームでひとり黙々と進める作業も多くあります。そのため、ひとりで作業に没頭し、技術的な問題を解決することに楽しさを感じる人にとって、インフラエンジニアの仕事はストレスが少なく、やりがいを感じやすいといえます。
IT業界では人手不足が続いており、インフラエンジニア未経験者を採用する企業も少なくありません。とはいえ、未経験者は経験者に比べてアピールできる経験やスキルが少なく、転職を成功させるにはポイントを押さえておく必要があります。ここでは、インフラエンジニア未経験者に向けて、転職を成功させるポイントを紹介します。
インフラエンジニアはITシステムの基盤を支える職種であり、ネットワーク、サーバー、クラウド、セキュリティーといった幅広い知識が求められるため、まずは基礎的な知識をしっかり習得することが重要です。具体的には、ネットワークの仕組みやOSの基本操作、セキュリティー、設計、プログラミングなどを幅広く学ぶとよいでしょう。
また、クラウドサービスも普及しているため、AWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureなども学習するのがおすすめです。こういった基礎知識は、オンライン学習プラットフォームや書籍、資格試験の教材などで独学することが可能です。
未経験者はアピールできる実績や経験が乏しいため、資格を取得して専門性を客観的に証明するのが有効です。資格取得に向けた努力や成長意欲も評価される場合があります。さらに、資格試験の勉強を通じて、インフラエンジニアとしての基礎力を養える点もメリットです。インフラエンジニアを目指す未経験者におすすめの資格は、以下のとおりです。
履歴書には資格取得に向けて勉強している段階でも記載できます。転職活動と併行して資格取得を目指すのもよいでしょう。
プログラミングスクールに通うことで、独学では習得が難しいスキルや実践的な知識を効率よく学べます。特に未経験者にとって、専門的なサポートを受けながら学べることは大きなメリットです。IT関連の技術は複雑で理解が難しいため、独学だと挫折してしまうケースも少なくありません。しかし、プログラミングスクールに通うと講師から直接アドバイスを受けられるため、未経験者がつまずきやすいポイントも回避できます。
また、転職支援が充実しているスクールも多く、履歴書の書き方や面接対策、求人紹介などのサポートが受けられる点も魅力です。スクールによってはインフラエンジニアとしての転職実績が豊富なところもあり、そのネットワークを活用することで自分に合った企業やポジションを見つけやすくなります。
転職活動はひとりで進めることも可能ですが、転職エージェントのサポートを受けることで転職の成功確率をアップできます。転職エージェントは、転職活動を無料でサポートしてくれるサービスです。求人情報の紹介や応募書類の添削、面接対策、キャリア相談などを通じて転職活動を支援してくれます。
特にITに特化した転職エージェントは業界のトレンドや選考対策に精通しており、登録するとインフラエンジニアへの転職を有利に進めることが可能です。
インフラエンジニアは、ITシステムを支える基盤の設計・構築・運用・保守を担当するITエンジニアです。インフラエンジニアの仕事が「きつい」といわれる理由には、夜勤・休日出勤があることやマニュアルに沿ったルーティンワークが多いことなどが挙げられます。しかし、安定した需要があり将来性が高いことや、頑張りしだいで高収入を目指せる点など、多くのメリットがあります。
「インフラエンジニアへの転職を成功させたい」「未経験で選考対策に自信がない」といった方は、ぜひマイナビITエージェントにご相談ください。業界に精通したキャリアアドバイザーが、求人の紹介や選考対策をしっかりとサポートし、転職成功に導きます。
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