更新日:2022/04/01
サーバーエンジニアを含むインフラエンジニア全体の将来性について、一時期、「クラウドコンピューティングの台頭で、インフラエンジニアの需要が激減する」という悲観的な予測が多く見られました。
こうした予測がされたのは、もう何年も前のことですが、現在もサーバーエンジニアに対する求人案件は多く、年収を見ても決して低くなってきているとは思えません。
ここでは「サーバーエンジニアの将来性」をテーマに、サーバーエンジニアへの転職についてご紹介します。
目次
まずは改めて仕事内容をご紹介します。
サーバーエンジニアは、ネットワークエンジニアと合わせて「インフラエンジニア」と呼ばれることも多い職種です。
文字どおり、情報インフラが必要な場所で、必要に応じてサーバーを使えるようにするエンジニアということになります。
サーバーエンジニアの業務内容は、大きく「構築業務」と「保守業務」に区分できます。
構築業務は、サーバーを設置して正常に稼働させるための業務で、具体的には、サーバーの設計および構築、サーバー機器の設置や配線といった物理作業があります。
また、サーバーを動かすためのOSや、そのOS上で動作するアプリケーションのインストールおよび設定、IPアドレスの設定などの設定作業も構築業務に含まれます。
保守業務は、稼働中のサーバーを継続的に安定稼働させるための業務です。
具体的にはサーバーの設定変更、監視および障害対応、バックアップ、セキュリティチェックなどがこれに含まれます。
サーバーは予定されているメンテナンスによる休止はありますが、原則として365日24時間稼働することが前提となっています。
トラブルが生じたら一刻も早く原因を究明して再稼働させることも重要ですが、そうしたトラブルを未然に防ぐための監視業務が非常に重要とされています。
サーバーエンジニアは裾野が広く、専門性が高い職種です。
一般的に、サーバーエンジニアは構築にせよ保守にせよチーム体制で業務を進めることが多く、その中には前述したような機器の設置や配線といった物理作業、手順書に沿った単純なチェックだけで行われる監視作業なども含まれます。
このように、作業の中には比較的難度が低いものもあり、肩書きはサーバーエンジニアであっても実質的にはエンジニアのアシスタント役を務めているケースが多く見られます。
もちろん、こうした作業を行うにしてもサーバーの基本構造、基本操作、OS、ミドルウェア、アプリケーションなどに関する知識は必要です。
しかし、いくつかの資格を取得するくらいの勉強をすれば、たとえ文系の人でも、未経験者でも、知識を身に付けることが可能です。
このため、エンジニア職にエントリーしたい未経験者にとって、サーバーエンジニアは業界経験を積むことができる「エンジニア職の登竜門」ととらえることができます。
冒頭で「クラウドコンピューティングの台頭でインフラエンジニアの需要が減る」というネガティブな意見を紹介しましたが、実際のところサーバーエンジニアの将来性はどうなのでしょうか。
インフラエンジニアのひとつ、ネットワークエンジニアの場合は、有線通信が無線にシフトしたりIoTの発達でネットワークが増加したりといった事情から、むしろ需要が増加しています。
一方、サーバーエンジニアは、今のところはまだ社内システムをクラウド化していない企業が圧倒的に多いため、人材需要は安定しています。
なお、今後に関しても完全なクラウド化はありえず、クラウド化は進みづらい状況といわれています。
クラウド化にブレーキをかける要素としては、次のようなものが挙げられます。
社内システムをクラウド化する際の移行には、大きな費用が発生します。
企業は、その費用をどう捻出するかという問題があります。
すでに開発が終わり稼働しているシステムを破棄してまで、クラウドに移行するメリットを見出せない企業も多いでしょう。
企業によっては多企業でリソースを共有することのセキュリティリスクや、ユーザーが信頼性をコントロールできないといった問題などによって、クラウドに適していないシステムもあります。
金融機関や重要な機密情報を扱う組織などがそれにあたります。
システム全体が複雑且つ膨大で、移行したくてもできないという企業もあります。
こうした背景を考えると、長期的な将来予測は難しいにせよ、当面のあいだ、サーバーエンジニアの需要は衰えないでしょう。
すぐに大きな変化はないとはいえ、将来的には確実にサーバーエンジニアに要求される働き方やスキルは変化していくでしょう。
仮想化への対応、高負荷分散、大規模インフラ設計構築といった高度な技術を身に付けているなど、ステップアップしていくことは必須です。
特に、業界未経験者や経験の浅い人がサーバーエンジニアに転職した場合、最初から高度な仕事は与えられないわけですから、大きなスキルアップを果たして、将来的に一流のサーバーエンジニアを目指すのか、ネットワーク・システムなどの技術を学んでネットワークエンジニアやSEにジョブチェンジするのか、いずれにせよ何らかの進化が必要です。
資格がなくてもサーバーエンジニアの職に就くことは可能ではありますが、その内定率を少しでも高くすることができるのが資格です。
未経験者がサーバーエンジニアに転職する際に、アピール材料になりそうな資格をご紹介します。
サーバーエンジニアに限らず、ITエンジニアとして取得しておくといいのが基本情報技術者試験(FE)です。
これは、情報処理技術者試験の中でも基本的な国家資格で、持っていればIT人材としての必要な基本的知識・技能を習得している証明になります。
ITパスポート試験(IP)も、情報処理技術者試験のうちのひとつとなります。
こちらは、技術者向けというよりも、IT業務に携わるすべての人に向けた資格で、情報リテラシーやコンプライアンスといった分野まで出題範囲に入っています。
文系の人でも比較的取り組みやすい資格かもしれません。
ここではサーバーエンジニアという職種の業務内容や特徴、そして将来性について話をしてきました。
しかし、私たちを取り巻くIT環境は激変を続けています。
それに合わせて、サーバーエンジニアの働き方も確実に変化していくでしょう。
そうした変化に、いかに対応していくかで将来性の明暗が分かれます。 なお、サーバーエンジニアへの転職に際しては、「人材的な付加価値」が重要なアピールポイントとなります。
具体的には、今回ご紹介したような資格の取得、あるいはネットワークやシステムに対する知見、顧客とのコミュニケーション能力や折衝能力などです。
「自分のキャリアの中でどんな付加価値があるのか、どこをアピールしていけばいいのかわからない」という方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。
業界を熟知したキャリアアドバイザーが、客観的な目線から的確なアドバイスとサポートをさせていただきます。
IT業界
プロジェクトマネージャーの年収は高い?年齢別や他職種との違いも紹介
IT業界
Webライターがきつい理由とは?打開策や将来の見極め方も解説
IT業界
インフラエンジニアに向いている人はこんな人!特徴と転職のコツを解説