更新日:2023/04/06
この記事のまとめ
インフラエンジニアはITシステムの基盤を作る重要な職業です。インフラエンジニアへのキャリアチェンジ、あるいはインフラエンジニアからのキャリアアップを目指すのであれば、知識やスキルに関する勉強が欠かせません。
しかし、「自分なりに勉強しているものの、なかなかうまくいかない」という人もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、タイプ別に効果的な学習法を解説します。
自分に合った勉強の仕方が分かれば、時間を無駄にすることなく知識やスキルを身につけられます。転職活動も有利に進められるようになるでしょう。
目次
インフラエンジニアはITシステムの構築においてなくてはならない職業です。ただし一口にインフラエンジニアといっても職種によって必要な知識やスキルは異なるので、まずは自身がどの職種を目指したいのかを明確にしましょう。ここではインフラエンジニアの代表的な職種を3つ取り上げ、業務の概要と必要な知識・スキルを紹介します。
ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計・構築・運用・保守といった業務を通じて企業のITインフラを支える職種です。ネットワークエンジニアに必要な知識やスキルは以下のとおりです。
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サーバーエンジニアは、サーバーの構築や保守を行う職種です。サーバーにはWebサーバーやファイルサーバー、メールサーバーなどいくつか種類があります。サーバーエンジニアはそれぞれのスペックや処理能力などを理解したうえでサーバー環境を整え、維持していかなければなりません。サーバーエンジニアに必要な知識やスキルは以下のとおりです。
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クラウドエンジニアとは、クラウド上でシステムを設計・構築・運用する職種です。近年はシステムのクラウド化が進んでいるため、クラウドエンジニアの需要は高まっています。クラウドエンジニアに必要な知識やスキルは以下のとおりです。
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自分が目指したい職種が定まったら、学習を通じてその業務に必要なスキルと知識を身につけていきましょう。時間を無駄にせずに効率よく学ぶためには、自分に合った勉強法を見つける必要があります。ここでは、未経験からインフラエンジニアを目指す場合に効果的な勉強法を取り上げます。
ITインフラにはネットワーク、サーバー、クラウドなどさまざまな側面があります。サーバーやクラウドを学ぶにはネットワークの知識が必要であるため、まずはネットワークの勉強から始めましょう。その後、サーバーエンジニアを目指すのであればサーバー、クラウドエンジニアを目指すのであればクラウドと学習範囲を広げていきます。
書籍を使って学習する場合は、絵や図などで解説してあるものを選ぶとイメージをつかみやすく、効率的です。Webサイトを使う場合は、自分のレベルに合った初心者向けのサイトを見つけるようにしましょう。
独学には勉強のモチベーションが保ちにくいデメリットがあります。自分だけでは疑問を解消できないといった壁にぶつかることもあるでしょう。そのようなときには、IT関連のスクールやWebセミナーなどを利用し、第三者のサポートを上手に活用するのも選択肢のひとつです。
スクールを利用する際には相応の費用がかかるほか、定期的に通う時間も確保しなければなりません。しかしITインフラのプロから直接指導を受けられるため、効率的に学べる点は大きなメリットです。疑問が生じた場合にもすぐに回答を得られるでしょう。
Webセミナーには有料や無料などさまざまなタイプがあり、自宅で学習できる点がメリットです。スクールへの通学が難しい場合は積極的に活用するとよいでしょう。
知識は実践しなければすぐに忘れてしまいます。ネットワークエンジニアを目指すのであれば、習得した知識をもとにネットワークを実際に構築してみましょう。ネットワーク機器はオークションなどで安く購入できます。仮想のネットワーク環境を使い、ネットワークで起こる事象や障害をシミュレーションできる「ネットワークエミュレータ」を使う方法もあります。
サーバーエンジニアを目指すのであれば、Linuxをインストールし、Webサーバーやメールサーバー、FTPサーバー、DNSサーバーと順に構築していくことでより実践的な力をつけられます。
クラウドエンジニアであればAWSやLinux を利用し、簡単なECサイトやWebサービスを作ってみるとよいでしょう。
インフラエンジニアになるために資格が必要というわけではありませんが、資格取得という目標があれば体系的な勉強ができます。モチベーションも維持しやすくなるでしょう。また、資格を取得することで自身の能力を客観的に証明できるようになるため、転職活動時にも有利に働きます。
未経験からインフラエンジニアを目指すのであれば、最初はITに関する基礎知識を身につけていることを証明できる国家試験「ITパスポート」にチャレンジしてみましょう。その後、Cisco技術者認定資格やLinuxプロフェッショナル認定プログラム、ORACLE MASTER、AWS 認定などへ挑戦することをおすすめします。
現在IT関連職種で働いていて、インフラエンジニアへのキャリアチェンジを目指している人もいるでしょう。すでにITに関する基礎知識を習得している点は大きなアドバンテージとなりますが、インフラエンジニアに求められる知識をさらに深めていく必要があります。ここでは、IT職種からインフラエンジニアを目指す際の効率的な勉強法を紹介します。
すでにIT職種で働いているのであれば、インフラエンジニアに必要な知識を断片的に持っている状態といえるでしょう。通信プロトコルやルーティング、LinuxなどのOSスキル、クラウドに関する知識など足りない知識を補っていくことで、幅広い知識を身につけたインフラエンジニアを目指せます。
独学する場合は、さまざまなインフラエンジニアが講師を務める動画サイトの利用がおすすめです。自分のレベルと学習したい内容に合ったプログラムを見つけて、自宅学習を充実させましょう。
ITインフラの関連企業が開催するハンズオンセミナーを活用する方法もあります。企業が取り扱う高価なネットワーク機器や最新のソフトを使い、専門のITエンジニアから指導を受けられる点が大きなメリットです。無料で開催されているものも多いため、気軽に参加してみるとよいでしょう。
自宅に必要機材を準備し、ネットワーク環境やサーバー環境、クラウド環境などを構築する学習を繰り返すことで実践的な力を身につけられます。それぞれの環境に適したLinuxディストリビューションを選定したり、テスト運用で動作を確認したり、仮想サーバーを作ったりとより実務に近い学習で知識を深めていけます。
自信がついてきたら、クラウドソーシングサービスなどを利用して実際に案件を受注してみましょう。初めは仕事を見つけられないかもしれませんが、単価を安く設定すれば受注できる確率を上げられます。受注した案件を無事に完了できれば、実績としてアピール可能です。
インフラエンジニアへの転職を目指すのであれば、インフラエンジニアに特化した資格を取得して自身の能力をアピールする方法も有効です。情報処理技術者試験やCisco技術者認定資格、Linuxプロフェッショナル認定プログラム、ORACLE MASTER、AWS 認定などの資格から実務に関連するものを選びましょう。初級からではなく、自分の知識や実力に見合ったランクから始めると時間の節約になります。
すでにインフラエンジニアとして働いていて、キャリアアップのために学習を続けている人もいるでしょう。より上流工程に携わるマネージャー、職種の垣根を越えて活躍するスペシャリスト、インフラエンジニアとしての知識や経験を活かせるITコンサルタントなどゴールはさまざまです。ここでは、インフラエンジニアからキャリアアップをするために効率的に学ぶ方法を解説します。
インフラエンジニアの勉強には、ネットワークやサーバー、クラウドという枠を超えた幅広い知識やスキルが含まれます。
セキュリティの知識はもちろん、最新の情報収集に欠かせない英語力、インフラシステムの効率化を図るプログラミングの知識など、学習の幅を広げることでより有能なインフラエンジニアとしてキャリアアップしていけます。上流工程に携われるよう、コミュニケーションスキルや管理スキルを身につけることもキャリアアップには欠かせません。
インフラエンジニア向けの勉強会を利用するものおすすめです。同じインフラエンジニアとして働くさまざまな人と情報を共有したり討論したりする中で学びを深めていけます。知識やスキル、業務に関することだけでなく、キャリアや転職について考える機会にもなるでしょう。
メーカーやIT関連団体が開催する研修やセミナーに参加するのもよい方法です。業務に活用できる実践的な内容であるため、すでにインフラエンジニアとして働いている人には最適な学びの場といえます。
転職活動では、これまでに業務を通じて培ってきた経験に加え、さらに高いレベルの知識やスキルを習得していることをアピールできれば志望先企業に好印象を与えられ、採用を勝ち取れる確率を上げられます。そこでうまく活用したいのが上級資格です。
情報処理技術者試験であればプロジェクトマネージャ試験(PM)やネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験を目指しましょう。Cisco技術者認定資格、Linuxプロフェッショナル認定プログラム、ORACLE MASTER、AWS 認定であれば上級レベルに挑戦してみることをおすすめします。
インフラエンジニアを目指して学習しているのであれば、その成果をうまく転職につなげることが重要です。ここでは、インフラエンジニアへの転職を成功させる3つのポイントを解説します。学習段階から転職をきちんと見据えていれば、時間を無駄にすることなく、身につけた知識やスキルを転職活動に活かせるでしょう。
より実践的なスキルを身につけていると、実際に企業で働いて活躍するイメージを採用担当者に抱いてもらいやすくなるため、転職には有利に働きます。インフラエンジニアの作業範囲はケースによって異なります。ネットワーク、サーバー、クラウドと限定せずに知識の幅を広げていけば、さまざまなケースに対応できる人材になれるでしょう。
実務に直結するスキルを習得するには、学習を通じて得た知識を使って実際にインフラやサーバーなどを構築することが大切です。自宅でネットワークやサーバー、クラウド環境を構築する、ハンズオンセミナーや研修会に参加する、案件を引き受けてみるなど、知識をアウトプットする機会を増やしていくようにしましょう。ITインフラを巡る技術は常に進歩しているため、トレンドを押さえることも重要です。
さまざまな企業がインフラエンジニアを必要としていますが、企業によってその目的や業務内容は異なります。インフラの要件定義や設計部分が主な業務という企業もあれば、ネットワークの構築や運用・保守を行うエンジニアを探している企業もあります。IT、小売り・流通、金融など業界によっても求められる人材が異なります。
自分の希望する業務内容やキャリアパスに見合った企業を選ぶことが、インフラエンジニアへの転職を成功させる大きな鍵です。
転職を成功させるためには、インフラエンジニアに必要な知識やスキルを身につけていることをしっかりとアピールしなければなりません。資格があれば一定のレベルを有していることを証明できますが、実務に役立つスキルは資格だけでは測れないため、自分の能力を正確に伝えるテクニックが必要です。キャリアチェンジの場合には、前職で培った経験が思わぬ好評価を得るケースもあります。
インフラエンジニアへの転職を実現したい場合は、転職エージェントを上手に活用しましょう。自分の能力や実績を志望先企業へしっかりとアピールできるよう、志望動機の作成や面接対策のサポートもしてくれます。IT業界に通じた転職エージェントであれば、キャリアチェンジを強みに変えるコツも知っているため、大いに力になってくれるでしょう。
インフラエンジニアへの転職を目指す場合は、自分のレベルや目的に合った学習方法を選ぶことが重要です。学んだ知識やスキルを実践に落とし込み、自分の実力をうまくアピールできれば転職を成功に導けるでしょう。
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