更新日:2025/02/27
この記事のまとめ
インフラエンジニアへの転職を検討しているものの、自分に向いているか分からず不安を抱く方もいるのではないでしょうか。インフラエンジニアはシステム運用の重要な役割を担うため、人によって向き不向きがあります。
この記事では、インフラエンジニアに向いている人と向いていない人の特徴を紹介します。インフラエンジニアに必要なスキルや主なキャリアパスも解説するため、未経験からの転職活動の参考にしてみてください。
目次
インフラエンジニアは未経験者でも目指せる職種ですが、向いている人もいれば、向いてない人もいます。転職後のミスマッチに悩まされないように、自分がインフラエンジニアに向いているかを確認しましょう。ここでは、インフラエンジニアに向いている人の特徴を8つ紹介します。
ITインフラの構築においては、サーバー機器やネットワーク機器といったハードウェアの操作が必要です。電源ユニットやストレージ、配線などを触ることもあります。
メーカーによって仕様は異なり、時代とともに型が変わることもしばしばです。機械への興味や関心がなければ、覚えることが辛いと感じてしまうかもしれません。
パソコンを自作するなど機械いじりが好きな人は、インフラエンジニアとしての適性を備えているといえます。
インフラエンジニアの業務には、システムトラブルや障害への対処も含まれます。どこに原因があるのかを突き止め、どうすればトラブルを解消できるのかを順序立てて考え、答えを導き出す必要があります。適切な処置ができなければ、復旧に時間がかかるだけでなく、取り返しのつかない損害を発生させることにもなりかねません。
普段から論理的で合理的、効率的な考え方をする人は、トラブルが発生しても落ち着いて対応できるでしょう。
インフラエンジニアの業務は夜間、休日に及ぶこともあります。予期せぬシステムトラブルを早急に解決するケースや、利用者の少ない夜間帯にシステムメンテナンスを行う機会が多いためです。
過酷な労働を強いられることもありますが、インフラエンジニアは社会全体に影響を与えるITインフラを支える重要な職種です。仕事にやりがいを見いだせて、責任感を持って業務に取り組める人は、インフラエンジニアとしての素質があるといえます。
インフラエンジニアに限らず、ITエンジニアに必要な素質のひとつとして学習意欲が挙げられます。IT技術は常に進化しており、インフラエンジニアの業務においても仮想化やコンテナ化など次々と新たな技術を取り入れています。
インフラエンジニアとして活躍するためには、新しい知識やスキルを積極的に習得する姿勢が欠かせません。新たな知識を得ることに喜びを感じられる好奇心旺盛な人は、インフラエンジニアの適性があります。
インフラエンジニアは、常に冷静かつ慎重に業務を進める必要があります。たとえひとつでもミスや漏れがあると、システムダウンや大きな障害につながりかねないためです。
トラブルを最小限に抑えた高いパフォーマンスでビジネスやサービスをサポートするシステムを構築するには、ひとつひとつの手順を慎重に確認し、組み立てなければなりません。
普段から細部まで手を抜かず、物事を丁寧に行える人は質の高いインフラエンジニアになれるでしょう。
インフラエンジニアの業務では、マニュアルに沿った作業を淡々と繰り返すことも少なくありません。特に未経験者が最初に割り当てられる「運用・保守」は、いくつものコンピューターに同じ設定を何度も行ったり、手順どおりの確認作業を繰り返したりといった単純作業が多い業務です。
単純作業が得意な人は自分なりの目標を決め、小さな達成感を積み上げながら業務を進められます。単純作業をより効率的に行う方法を考え、作業負担を軽減できるでしょう。
インフラエンジニアはチームでの作業が多いため、エンジニア同士の連携や情報共有が欠かせません。プロジェクトを円滑に進めるにはチームメンバーとの密なコミュニケーションが重要で、小まめな報告・連絡・相談も必要です。
コミュニケーション不足はトラブル解決の遅れを招くだけでなく、クライアントの要望を適切にヒアリングできなくなります。コミュニーション能力が高い人は、円滑にプロジェクトを進められるでしょう。
インフラエンジニアは重いサーバーの設置や天井裏・床下での配線作業など、肉体的にハードな現場作業も行います。また、ITインフラは休みなく稼働するため、夜間や休日の勤務も少なくありません。トラブル対応やメンテナンス作業は深夜に及ぶこともあり、残業による長時間勤務が続くこともあります。
運用・保守・監視を担うインフラエンジニアは、肉体的にハードな仕事や不規則な勤務に耐えられる体力が必要不可欠です。
ここでは、インフラエンジニアに向いていない人の特徴を6つ紹介します。ひとつでも当てはまれば諦めたほうがよいというわけではありません。しかし、向いていない人の特徴が分かれば、インフラエンジニアを目指すかどうかの判断がしやすくなるでしょう。
ITエンジニアに華やかなイメージを持つ人もいますが、インフラエンジニアの仕事は地味な単純作業が多く、目に見える成果を評価されたり賞賛されたりすることは多くありません。ITインフラはビジネスや社会に欠かせない一方で、正常に作動するのが普通だと思われる傾向があります。正常作動にどれほどの労力や神経が使われているかは、なかなか理解してもらえないでしょう。
そのため、人前で評価されたい人や目に見える成果で達成感を味わいたい人はストレスを感じるかもしれません。
インフラエンジニアの業務において、高いコミュニケーションスキルが要求されることはありません。しかし、チームで業務を行う以上、最低限のコミュニケーションは必要です。
情報や状況の共有がしっかりできないことでプロジェクトが遅れたり、思わぬトラブルが発生したりすることもあります。インフラエンジニアはパソコンやサーバーなどの機械だけでなく、チームやクライアントといった人とも向き合う仕事であることを理解しましょう。
インフラエンジニアの仕事は不規則になりがちです。不規則な勤務をなるべく避ける企業もありますが、それほど多くはありません。ITインフラを24時間365日正常に作動させるには、日中以外の業務がどうしても必要です。
夜勤やシフト制、システムトラブルによる急な休日出勤は、インフラエンジニアの働き方としては一般的です。自分のライフスタイルを変えたくない人には難しいでしょう。
インフラエンジニアの仕事には、丁寧さや慎重さが求められます。マニュアルをきちんと理解し、ひとつひとつの手順を確認しながらミスなく進めることで、安定したITインフラが提供できます。
細かな指示に気づけなかったり、経験や勘に頼り過ぎてルールを無視したりすると、大きなシステム障害につながる恐れがあります。
普段から大ざっぱで「細かいことは気にしない」タイプの人は、インフラエンジニアにはあまり向いていないといえます。
インフラエンジニアは、突発的なシステムトラブルや障害に対応する責任ある職種です。トラブルの発生時に焦りが勝ると、初動が遅れて復旧に時間がかかるだけでなく、不必要なミスをしてさらなる障害を誘発する恐れがあります。
予定どおりに物事が進まないときに慌てる人や冷静さを失う人は、インフラエンジニアに向いていないでしょう。
ITインフラの開発では、設計の段階から細かなルールが数多く設定されています。構築段階でも、システムトラブルを回避するために設計書に忠実であることが求められます。
ルールにしたがって作業することがITインフラの正常運転には欠かせないため、自分のやり方にこだわる人やルールを守れない人はインフラエンジニアには向いていないでしょう。
システムの構築や運用、保守を担当するインフラエンジニアには、必要な知識やスキルがいくつかあります。スキルや知識は転職後の実務に役立つだけでなく、面接時の自己アピールにもつながるため、何が必要かしっかりと確認しましょう。ここでは、インフラエンジニアに必要な知識とスキルを紹介します。
インフラエンジニアに必要不可欠なのが、ネットワークとサーバーの基礎知識です。特に、設計・構築を担当する場合、ネットワークや機器の知識がなければ適切に接続できません。また、接続の仕方によってはトラブルが起こりやすくなるため、負荷の分散にも気を配る必要があります。
サーバーの知識は担当業務に関係なく必要です。LinuxやUNIX、Windowsといった基本的なOSが操作に加え、アプリケーションやソフトウェアのトラブルシューティングができるとよいでしょう。
仮想化やクラウド化の普及に伴い、インフラエンジニアにも仮想化技術やクラウドに関する知識が求められるようになりました。
仮想化技術であれば、VMwareやHyper-Vなどの仮想化ソフトウェアを使いこなし、サーバーリソースを効率的に管理する技術が必要です。クラウドに関しては、AWSやMicrosoft Azure、GCPなどのクラウドサービスを活用できるスキルがあるとよいでしょう。
仮想化とクラウドの技術トレンドをキャッチアップし、最新のインフラ技術にも対応できる柔軟性が、これからのインフラエンジニアには必要です。
プロジェクトでは、ネットワークの設計・構築を担うチームとサーバーを構築・管理するチームに分かれることがあります。プロジェクトを円滑に進めるには、チームメンバーとの綿密な情報共有や意見交換が欠かせないため、コミュニケーション能力が必要です。
コミュニケーションはチーム間だけでなく、クライアントとのやりとりでも発生します。インフラエンジニアには技術力だけでなく、チームをまとめ、ステークホルダーと円滑にコミュニケーションを取れる対人スキルが求められます。
インフラエンジニアはクライアントの要望を正確に理解し、システムに落とし込むため、ヒアリング能力と問題解決能力が求められます。
トラブルが発生した際に重要なのは、現状の把握と原因の特定です。しかし、専門知識がないクライアントの場合、トラブルの内容や状況をしっかりと伝えられないこともあります。
クライアントから情報を引き出すにはヒアリング能力が不可欠で、問題を解決するには手段を論理的に判断する問題解決能力が必要です。
インフラエンジニアのキャリアパスは多岐にわたりますが、主に「スペシャリスト」「マネージャー」「ITコンサルタント」の3つに分けられます。進む道によって身につけるスキルや知識が変わるため、転職前に大まかな将来設計を立てましょう。ここでは、インフラエンジニアの主要なキャリアパスを紹介します。
ITスペシャリストは、ITSS(ITスキル標準)で定められた専門分野のうち、いずれかでITSSレベル3以上のスキルを持つエンジニアを指します。ITSSで定められている専門分野は、以下の6つです。
ITスペシャリストはそれぞれの専門性を活かし、プロジェクトにおける技術サポートをします。ITスペシャリストに認定資格はありませんが、ITSSレベルが3以上あることを示すには情報処理技術者試験の資格取得が必要です。
プロジェクトマネージャーは、責任者としてプロジェクト全体の進行・品質・納期を管理します。マネジメントが主な仕事となるため現場作業はありませんが、セキュリティーやネットワーク、サーバーの知識や技術が求められます。
技術的な知識に加え、プロジェクト全体を管理する能力や問題解決能力、コミュニケーション能力が必要です。チームや部署の調整役を経験している人やメンバーへの気配りができる人は、プロジェクトマネージャーに向いているでしょう。
ゼネラリストは、インフラ分野の幅広い知識とスキルを備え、マルチプレーヤーとして活躍するエンジニアです。特定の領域に限定せず、ネットワーク・サーバー・クラウドなどインフラ全般に精通しています。
プロジェクトやチームのマネジメントも担当しますが、プロジェクトマネージャーとは違い、現場で作業することもあります。
ゼネラリストになるには、まず特定領域でスペシャリストとして経験を積み、徐々に守備範囲を広げていくことが大切です。同時に、マネジメント能力やデータ分析力、コミュニケーション能力を磨きましょう。
ITコンサルタントは、クライアントが抱える問題を分析し、IT戦略を立案して解決に導く専門家です。経営戦略や経営課題に対するIT戦略の策定・提案・助言が主な仕事で、サーバー構築のような現場作業はありません。
しかし、適切な戦略を立てるにはシステム開発に関する幅広い知識が必要となり、近年はクラウドに関する知識も求められます。コンサルティングという仕事柄、コミュニケーション力やビジネス感覚、経営やマーケティングの知見も必要です。
「自分はインフラエンジニアに向いている」または「インフラエンジニアに求められることが理解できた」と感じたのであれば、インフラエンジニアへの転職を目指して動き始めましょう。ここでは、具体的に何をすればよいのか3つのステップに分けて紹介します。
未経験のインフラエンジニアには、高いレベルのスキルは求められません。とはいえ、やる気や将来性をアピールするためにも、インフラエンジニアに関する基礎知識は勉強しておきましょう。
学習する内容は、ネットワーク・サーバーの仕組みや設定方法、セキュリティー対策の知識やスキル、プログラミングスキルが挙げられます。
インフラエンジニアは、特に資格を必要としない職種です。しかし、関連資格を取得している、あるいは取得に向けて学習していることは転職時の大きなアピールポイントになります。資格取得に向けた学習をすることで、インフラエンジニアの仕事に対する理解も深まるでしょう。おすすめの資格を以下にまとめました。
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スキルの勉強がある程度進んだら、未経験者を募集している求人を探しましょう。インフラエンジニアのスキルは業務の中で身につけることも多く、未経験者を受け入れている企業は長期的な育成を見据えているため、基本レベルのスキルでも転職は可能です。
未経験者を募集している求人を見つける方法としては、ハローワークや転職サイト、転職エージェントなどが挙げられます。
未経験からの転職を成功させたいのであれば、転職エージェントの利用がおすすめです。求人の紹介だけでなく、応募書類の添削や面接対策など転職活動を全般にわたってサポートするため、未経験からでもインフラエンジニアへの転職を成功させられるでしょう。
転職を成功させるうえでは、慎重な転職先選びが欠かせません。性格や素質がインフラエンジニアに向いているとしても、自分に合った転職先が見つからなければ長続きしないでしょう。ここでは、未経験からのキャリアチェンジを成功させる3つのコツを紹介します。
未経験のインフラエンジニアを受け入れている企業の多くは、将来的に戦力となる人材へと教育することを前提にしています。しかし、中には安い賃金で雇える「運用・保守」のみを担当する若手を確保したいだけの企業も存在します。そういった企業では一人前に育ててもらえず、キャリアアップも望めません。
未経験からインフラエンジニアを目指す場合は、研修制度が整っている企業や資格取得支援が充実している企業を選びましょう。最初は「保守・運用」の担当でも、企業の後押しがあればキャリアアップへの道筋がしっかりと見えてきます。
企業によっては、システム開発のうち「運用・保守」のみを請け負っているケースもあります。そのような企業では、学習を続けても「構築」「設計」といった上流工程へのキャリアアップは望めません。上流工程に携われないため、業務を通じてスキルアップすることも難しいでしょう。
やりがいとキャリアアップを両立しながらインフラエンジニアを続けたいのであれば、転職先を選定する段階で業務内容をしっかりと確認することが大切です。
未経験者をしっかり育ててくれる企業やスキルアップ・キャリアアップしやすい企業は、自力では簡単に見分けられません。企業の体質や職場環境、待遇を総合的に判断し、自分に合った企業を見つけたい方は、転職エージェントを活用しましょう。
転職エージェントは企業の内情に通じているため、未経験者に適した企業やキャリアアップが見込める企業を紹介してくれます。IT業界に強い転職エージェントであれば、より安心です。
インフラエンジニアに向いている人には、機械に興味・関心があることに加え、コミュニケーションが得意、体力があるといった特徴があります。すべてを持ち合わせていなくとも問題ありませんが、欠けているものは少しでも伸ばせるように日々の生活で意識してみましょう。
また、インフラエンジニアにはネットワークやサーバーの知識、ヒアリング能力といったスキルも必要です。キャリアアップを含めた総合的な転職活動に挑みたい方は、マイナビITエージェントにご相談ください。
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