更新日:2023/11/14
この記事のまとめ
IT業界で活躍するにはITに関する専門的な知識とスキルが必要ですが、人手不足なこともあり未経験者も積極的に採用しています。そのことから「手に職をつけたい」と転職を目指す方も多いでしょう。しかし、転職するうえで気になるのが年収ではないでしょうか。
この記事では、IT業界全体とIT関連職10種の平均年収を紹介します。IT業界で高収入を得る方法や未経験でも転職を成功させるポイントなども解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マイナビエージェントの調査によるとIT業界全体の平均年収は390万円であり、小売・流通業界(平均年収349万円)、サービス関連業界(平均年収330万円)など他業界と比べても年収は若干高めです。IT業界は自分のスキルや実績が給与に反映されやすく、自分の努力次第で高収入を目指せるところが特徴です。
また、日々発展を続けるIT業界ではITエンジニアの需要が高まっていることもあり、「未経験者でも採用したい」と考える企業は少なくありません。高収入を目指したい方、手に職をつけたい方はIT業界への転職を目指してはいかがでしょうか。
一口にITエンジニアといっても、その職種はさまざまです。これからIT業界へ転職するにあたって事前に職種ごとの仕事内容や年収水準をチェックしておくと、ミスマッチを防げるでしょう。ここでは、IT関連職10種の平均年収と仕事内容について紹介します。
プログラマーはシステムやソフトウェアの開発に携わるITエンジニアです。システムエンジニアが作った設計書を基に、PythonやJavaなどのプログラミング言語を使用してコーディングします。
プログラマーはITエンジニアの登竜門といわれる職種であり、IT業界未経験者はまずプログラマーへの転職を目指すのがおすすめです。またプログラマーが扱う分野は幅広く、Web系や組み込み系、社内システム系など多岐にわたります。転職する際は、自分が携わりたい分野を調べてから求人を探すとよいでしょう。
システムエンジニアは、クライアントの要望をヒアリングしてシステムの設計・開発を行う仕事です。システムの設計書を基にプログラミングする工程は、プログラマーに依頼することもあれば、自身で行う場合もあります。
システムエンジニアはシステムに関する専門的な知識に加え、クライアントのニーズを引き出すヒアリング力や、専門用語をかみ砕いて分かりやすく説明する能力も必要です。
システムやソフトウェア開発における現場責任者のような存在がプロジェクトリーダーです。プロジェクトが円滑に進むように全体を管理し、何か問題が発生すれば率先して解決にあたります。
プロジェクトリーダーはメンバーから信用を得るための高いIT技術と人間性が必要です。加えて、チームを引っ張っていくリーダーシップやマネジメントスキル、コミュニケーションスキルが求められます。
プロジェクト全体を統括する総責任者がプロジェクトマネージャーです。現場責任者であるプロジェクトリーダーのさらに上のポジションにあたり、クライアントを含めた社外関係全般に関する責任を負います。
プロジェクトマネージャーはクライアントの要望をヒアリングし、どのようなITシステムを開発するのかを決め、システムの規模や予算に基づいてチームの編成を行うのがひとつの業務です。チームのプロジェクト進行状況を確認しつつ、最終的な評価やレビューも行います。プロジェクトリーダー以上に高いマネジメントスキルが要求される職業で、IT業界の中でも年収が高めです。
サーバーの設計や構築、運用を担当するのがサーバーエンジニアです。サーバーのスペックや処理能力、通信速度など、あらゆる要素を考慮して設計します。保守業務はサーバーの監視やセキュリティーチェック、ウイルス対策などが主な仕事です。
サーバーエンジニアには、「Windows Server」「mac OS」「Linux」などのOSに関する知識が求められます。加えてネットワークの保守管理にも関わることから、セキュリティーの知識も必要です。トラブル対応の多い仕事であるため、問題解決が好きな人に向いている職業といえます。
ネットワークの設計や構築、運用、保守を担当するのがネットワークエンジニアです。サーバー同士をネットワークでつなげる仕事を行うことから、サーバーエンジニアと同様に「インフラエンジニア」と呼ばれることもあります。
ネットワークエンジニアはネットワークやクラウドの知識が必要です。加えて、クライアントの要望をヒアリングするコミュニケーションスキル、ファイヤーウォールやIDSなどのセキュリティーに関する知識も欠かせません。サーバーの知識も身につければ、インフラに強いITエンジニアとして活躍できるでしょう。
データベースの開発や設計、運用を担当するのがデータベースエンジニアです。ビジネスの意思決定において、多くの企業がデータを活用するようになりました。膨大なデータを適切な場所に収め、必要なときに瞬時に引き出すためにはデータベースエンジニアの存在が欠かせません。
データベースエンジニアはデータベースシステムの知識に加え、「Oracle Database」「Microsoft SQL Server」といった製品の知識が必要です。責任感が求められる仕事ですが、企業経営を左右する重要な案件に携われることや、幅広いスキルが身につけられる点が魅力として挙げられます。
情報セキュリティーに配慮したシステムの設計・運用や、サイバー攻撃への対策などを担当するITエンジニアです。ネットワーク環境の多様化によってサイバー攻撃も高度化しており、企業の重要な情報を守るセキュリティエンジニアは需要が高まっています。
セキュリティエンジニアには、セキュリティーに関する専門的な知識が要求されます。システムの実装においてプログラミングを行う場合にはプログラミングスキルも必要です。また、クライアントの情報を守る倫理・道徳意識も求められます。
システムが正常に稼働するように、システムの管理・運用を担当する仕事です。サーバーやネットワークなどを監視し、トラブルが起きたらその原因を探り、対策を練ります。「システム保守」の仕事と似ていますが、システム保守が担当するのはトラブルに対するシステムの復旧作業である点に違いがあります。
システム運用にはサーバーやネットワークに関する知識と問題を見つける洞察力、システムを使うユーザーから改善箇所を聞き出すヒアリングスキルが求められます。未経験者歓迎の求人も多い職種であるため、IT業界未経験者もぜひ挑戦してみてください。
クライアント企業の経営課題やビジネス戦略をヒアリングし、それに沿ったIT戦略を提案する仕事です。システム開発における最上流工程を担当することから、高いITスキルと経営スキル、コミュニケーションスキルが求められます。またクライアント企業の経営課題を解決するには、クライアント企業が属する業界の知識も必要です。
ITコンサルタントの平均年収は512万円ですが、待遇のよい企業に勤める方や独立した方の中には年収1,000万円を超える方もいます。
IT業界は実力主義の風潮があり、同じITエンジニアであっても人によって年収には大きな差があります。IT業界で高収入を得るには相応のスキルと経験が重要なのは前提ですが、ほかにも大事なことがあります。IT業界へ転職して年収アップを実現したいのであれば、ここで紹介する3つの方法を押さえておきましょう。
企業によって給与の設定はさまざまであるため、給与水準の高い企業に転職するのが年収を上げるひとつの方法です。IT業界の中でも、外資系企業は比較的給与が高めに設定されている傾向にあります。
外資系企業では高い英語力やリーダーシップ、自己発信力などが求められ、転職するのは簡単ではありません。しかし、成果主義で自分の実力が給与に反映されやすいことから大きなやりがいがあります。
IT業界にはさまざまな職種があり、キャリアアップの道が多くあるのが魅力です。たとえば、プログラマーから始めてシステムエンジニア、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーのようにキャリアアップできます。
スキルや経験を充実させてキャリアアップできれば、年収も比例して上がるでしょう。ITエンジニアに関連する資格も多くあるため、スキルを磨いて年収アップを目指しましょう。
会社員の場合は所属する会社の規定に基づいて給与が支払われるため、ある程度収入の限界があります。しかし独立してフリーランスになれば収入の制限がなくなり、自分の努力次第で高収入を目指せるでしょう。
一方で、仕事を獲得できなければ収入もゼロになってしまうリスクがあります。フリーランスとして成功するためには、相応の実績を積んだり、人脈を形成したりすることが欠かせません。
IT業界の魅力は年収の高さだけではありません。仕事を選ぶうえで給与は大事なポイントですが、やりがいや充実感を持って働くためには働きやすさや将来性なども大事です。ここでは、年収以外のIT業界の魅力を3つ紹介します。
IT業界に従事することで、専門的なスキルが身につけられます。身につけた専門性は別のIT企業への転職にも活かせることから、手に職をつけられるのがメリットです。簡単なルーティンワークや事務作業などはAIやロボットに仕事を奪われる可能性がありますが、IT業界ではそういった心配も少ないといえるでしょう。
しかし、IT業界のトレンドや技術の変化は早く、常に知識のアップデートが必要です。勉強し続けるのが苦手な人にはIT業界がきついと感じる可能性があります。
IT業界では次々に新しい技術やサービスが生み出されるため、最先端の分野に携われる点が魅力です。「同じような仕事の繰り返しはつまらない」「何か新しいことがしたい」という方にとって、IT業界は刺激的といえます。
これまでにないシステムやサービスを生み出せたときは、大きなやりがいと充実感を得られるでしょう。挑戦することが好きな方は、ぜひIT業界を目指してみてください。
IT業界は、リモートワークやフレックスタイム制度など柔軟な働き方を取り入れている企業が多い傾向にあります。IT業界の仕事は時間や場所に制約されず、パソコンひとつで完結する作業が多いためです。
リモートワークやフレックスタイム制度があると、ワークライフバランスを実現しやすくなります。たとえば、「家族や友人との予定を合わせやすい」「仕事と家事の両立がしやすい」などです。実際、自由度の高い働き方がしたいためにIT業界へ転職する人も少なくありません。
IT業界は人手不足が深刻化しており、未経験者を募集する求人も多くあります。ただし、誰でも簡単に転職できる業界ではありません。ここでは、未経験者がIT業界への転職を成功させる方法やポイントについて解説します。
IT業界で活躍している職種の中には高度なスキルが要求され、未経験者では転職が難しいものもあります。たとえば、IT業界未経験者がいきなりITコンサルタントやプロジェクトマネージャーを目指すのは難しいといえるでしょう。これらの職業はスキルや経験を充実させて到達できるキャリアです。
まずは、ITエンジニアの中でも比較的転職しやすいプログラマーを目指すとよいでしょう。プログラマーはITエンジニアの登竜門ともいわれ、仕事を通じてITの基礎的な知識やスキルを身につけられます。
未経験者は経験者に比べてアピールできる実績や経験が乏しいため、資格を取得してアピール材料を増やすのもおすすめです。資格を取得すればスキルを客観的に証明できるだけでなく、成長意欲や計画性も評価されます。
しかし、ITに関連する資格は多くあり、未経験者には難易度が高すぎるものもあります。転職活動に支障をきたさないよう、無理せず自分のレベルに合った資格を選びましょう。IT業界未経験者におすすめの資格は「ITパスポート」「基本情報技術者試験」などです。ほかにも自分が学びたい分野の資格があれば、ぜひ挑戦してみてください。
IT業界には、未経験者でも応募可能な求人が多くあります。転職では基本的に即戦力が求められるため、未経験者は「未経験可」の記載がある求人を探して応募しましょう。未経験者を積極的に採用している会社は、入社後の社内研修を充実させていることがほとんどです。
しかし転職前にITの勉強を何もせず、入社後の研修に期待することはやめましょう。未経験可の求人でも最低限のITリテラシーは求められます。
採用される確率を少しでも上げたい方は、スクールに通うのがおすすめです。スクールに通えば、用意されたカリキュラムに沿ってプログラミングやシステム開発におけるスキルを体系的に習得できます。分からない部分があれば講師に直接質問できるため、挫折しにくい点もメリットです。中には転職を支援しているスクールもあります。
しかし、スクールに通うのは費用がかかる点がデメリットです。まずは書籍や学習サイトなどで独学してみて、挫折しそうであればスクールに通うのもよいでしょう。
マイナビエージェントの調査では、IT業界の平均年収は390万円です。他業界と比較しても年収が高めで、ITコンサルタントやプロジェクトマネージャーになればさらに高収入を目指せます。未経験者でも転職できる業界であるため、ぜひ目指してみてください。
IT業界への転職を成功させたい方は、マイナビITエージェントへご相談ください。IT業界に精通したキャリアアドバイザーが、応募書類の添削や面接対策のアドバイスなどを通じて未経験者の転職を成功に導きます。
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