更新日:2026/04/21

この記事のまとめ
IT業界の年収は、「IT」と一括りにすると実態が見えにくい領域です。転職を考え始めると、「ITエンジニアの年収はどのくらいが目安なのか」「自分の経験ではどの水準になりそうか」と気になる人も多いでしょう。
しかし、求人票に書かれている年収だけでは、職種や工程、経験年数による違いまでは見えにくく、相場がつかみにくいと感じることもあります。
そこでこの記事では、ITエンジニアの職種別の平均年収の目安を整理したうえで、年収アップを目指す進め方や、働き方など年収以外に確認しておきたいポイントも紹介します。情報をキャッチして、自分に合ったキャリアの選択肢を見極めましょう。
目次

ITエンジニアの年収は一律ではなく、担当する職種や役割によって差が出ます。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも、賃金(年収)は職種ごとに示されており、水準をひとまとめにはできません。
たとえばjob tagの賃金(年収)は、全国の目安として「プログラマー」が574万1,000円、「システムエンジニア(受託開発)」が574万1,000円、「プロジェクトマネージャ(IT)」が752万6,000円と示されています。数字を並べるだけでも、職種で水準が変わることが分かります。
IT業界の年収の全体感をつかむときは、ひとつの平均額だけで判断するのではなく、職種別の目安として確認したほうが実態に近いといえるでしょう。
参照:「プログラマー」|job tag(厚生労働省)
参照:「システムエンジニア(受託開発)」|job tag(厚生労働省)
参照:「プロジェクトマネージャ(IT)」|job tag(厚生労働省)

職種別の年収は、領域ごとに整理すると比較しやすくなります。ここからは、開発・基盤・運用に関わる主要職種をまとめ、平均年収の目安を整理します。気になる職種の年収水準を把握しましょう。なお、数字は厚労省「job tag」の賃金(年収)を根拠にしています。
プログラマーは、システムやソフトウェアの機能をコードとして実装する役割で、設計内容をもとに開発を進める場面が多くみられます。体制によっては設計やテストまで担当範囲が広がることがあり、職場や案件によって役割が変わる点も特徴です。
また、開発領域がWeb/組み込み/社内システムなどに分かれるため、必要になる知識や扱う技術も領域に応じて変わります。
受託開発のシステムエンジニアは、顧客の要望を整理し、要件定義や設計を行いながら開発・テストまでを案件単位で進める役割を担います。顧客ごとに仕様を決めて個別にシステムを作る形が中心となるため、扱う業務や工程も案件ごとに変わります。
要件定義や基本設計といった上流工程を担当するか、プロジェクトの進行管理まで任されるかによって、求められる役割は変わってきます。担当範囲が広がるほど責任も大きくなり、年収水準にも影響しやすい職種です。
参照:「システムエンジニア(受託開発)」|job tag(厚生労働省)
Webサービス開発のシステムエンジニアは、Web上で提供するサービスを対象に、機能追加や改善を重ねながら品質と使いやすさを整えていく役割です。新規開発だけでなく、既存機能の改修や性能面の見直しなど、公開後も継続して手を入れていく点に特徴があります。障害対応や原因の切り分け、再発防止に向けた修正が担当範囲に含まれることもあります。
受託開発のように顧客ごとに作り切る進め方とは異なり、利用状況や要望を踏まえてサービスを育てていく仕事です。担当領域が広がると、改善の判断や関係者との調整も増え、求められる視点も変わってきます。
参照:「システムエンジニア〈Webサービス開発〉」|job tag(厚生労働省)
スマホアプリ開発は、iOS/Android向けのアプリを対象に、画面や操作性の設計から実装、テストまでを進める仕事です。公開して終わりではなく、リリース後も機能追加や不具合修正を行いながら更新を重ねていく点に特徴があります。
端末やOSの違いを踏まえた動作確認、アプリストアの審査・公開手続き、アップデート対応など、スマホアプリ特有の作業も発生します。Webサービス開発と近い領域に見えるものの、スマートフォン向けの実装と配布・更新の流れを中心に進む点に違いがあります。
参照:「ソフトウェア開発〈スマホアプリ〉」|job tag(厚生労働省)
基盤システムのシステムエンジニアは、サーバーやネットワーク、データベースなどの土台を整え、安定して動かすために設計・構築・改善を担います。性能や可用性、障害時の復旧を見据えて構成を決める場面もあり、扱う範囲が広いほど設計の難易度や責任が増えやすい仕事です。
クラウド環境の設計や移行が関わるケースも増えており、運用を見据えた設定や調整が求められます。アクセス権限やネットワーク設計など、セキュリティ面の配慮が業務に含まれることもあり、アプリケーション開発とは役割の中心が異なります。
参照:「システムエンジニア〈基盤システム〉」|job tag(厚生労働省)
運用・管理〈IT〉は、稼働しているシステムを止めないために、監視や障害対応、定期作業、設定変更などを通じて安定した運用を支える仕事です。日々の稼働状況を確認しながら、小さな不具合やリスクを早めに見つけて対応していきます。
担当するシステムの規模や、24時間体制の有無、障害対応の難しさによって、求められる対応や経験も変わります。基盤システムの設計・構築と比べると、日々の運用を回しながら改善点を拾い、安定稼働につなげていく役割が中心です。
ヘルプデスク〈IT〉は、社内や利用者から寄せられる問い合わせに対応し、PCや業務システムのトラブル解消や使い方の案内を行う仕事です。ログインできない、ソフトが動かないといった日常的な困りごとに対応し、利用者が業務を進められる状態を保ちます。
対応範囲は職場によって異なり、PC周辺のサポートが中心の場合もあれば、業務アプリケーションやアカウント管理まで担当するケースもあります。原因を切り分けて専門部署へ引き継ぐ場面も多く、状況を整理して伝える力が評価されやすい役割です。
参照:「ヘルプデスク〈IT〉」|job tag(厚生労働省)

IT関連職の年収は、上流工程を担うか、データやセキュリティ、AI/DXなど専門性の高い分野を担うかによって差が出ます。求められる判断や責任の重さが変わるためです。
ここからは、上流工程・データ・セキュリティ・AI/DXに関わる主要職種を取り上げ、平均年収の目安を整理します。数字は厚労省「job tag」の賃金(年収)を根拠にし、役割の違いと併せて見ていきます。
プロジェクトマネージャー〈IT〉は、システム開発や導入の計画を立て、進行・品質・コスト・納期を見ながら関係者をまとめ、完了へ導く役割です。案件の規模や難易度、調整相手の多さによって責任の重さが変わりやすい職種でもあります。
設計や実装を直接担う場面がある一方で、中心は全体の進行を管理する役割にあります。開発職とは、求められる役割の軸が異なります。
参照:「プロジェクトマネージャ〈IT〉」|job tag(厚生労働省)
ITコンサルタントは、企業が抱える課題や目的を整理し、システム化の方針や進め方を整理して関係者の合意をつくる役割です。業務の流れや投資対効果、優先順位まで含めて検討する場面が多く、提案だけでなく実行支援に関わるケースもあります。
プロジェクトマネージャーが開発の進行管理を中心に担うのに対し、ITコンサルタントは「何を、なぜ作るのか」を整理する段階の比重が大きい役割です。経営課題や業務プロセスまで視野に入れて方向性を示すため、技術だけでなく事業理解や調整力も求められます。
コンサルティング営業〈IT〉は、顧客の課題や要望を聞き取り、解決に必要なサービスやシステムを提案し、導入までの調整を進める役割です。商談では業務の背景や要件を整理し、社内のエンジニアや開発部門と連携しながら提案内容を整理します。
成果が売上や契約に直結しやすく、扱う案件の規模や提案領域(インフラ/セキュリティ/クラウドなど)によって求められる知識も変わります。営業職でありながら、技術側と顧客の間をつなぐ橋渡し役を担います。
参照:「コンサルティング営業〈IT〉」|job tag(厚生労働省)
データサイエンティストは、データを分析して傾向や課題を見つけ、施策の判断材料として示す役割です。統計や機械学習などを用いて結果をまとめるだけでなく、分析の意味合いや施策の方向性を関係者に伝え、意思決定へつなげる説明力も求められます。
データエンジニアと比べると、データの整備そのものよりも、分析結果を判断材料として示す工程に重心があります。扱うデータや目的によって手法も変わるため、事業理解と分析の両方を行き来する力が問われます。
参照:「データサイエンティスト」|job tag(厚生労働省)
データエンジニアは、分析や活用に使える形でデータを集め、加工し、扱いやすく整える役割です。データ基盤の設計や運用、データの品質管理に関わることもあり、必要なデータが安定して使える状態を保つ仕事が中心です。
データサイエンティストが分析結果を判断材料として示す比重が大きいのに対し、データエンジニアは分析以前の工程で、データを使える状態に整える工程の比重が大きい役割です。データの量や更新頻度が増えるほど、運用や品質をどう保つかが重要になります。
セキュリティエンジニア〈脆弱性診断〉は、システムやアプリケーションに弱点がないかを点検し、リスクと対策を整理して改善につなげる役割です。診断は指摘で終わらせず、技術側と共有しながら優先順位を付け、修正を進める場面も出てきます。
対象はWebアプリケーションだけでなく、ネットワークやサーバーなどに広がることもあります。扱う領域が変わると確認するポイントも変わるため、担当範囲を押さえたうえで業務像を捉えることが大切です。
参照:「セキュリティエキスパート〈脆弱性診断〉」|job tag(厚生労働省)
AIエンジニアは、機械学習などの技術を使って、予測や分類、文章・画像の処理といった機能をシステムに組み込む役割です。モデルを作るだけでなく、学習に使うデータの準備、精度の検証、運用しながら改善を続ける場面もあります。
データサイエンティストが分析結果や示唆を意思決定につなげる比重が大きいのに対し、AIエンジニアは実装して動かす比重が大きい点に違いがあります。開発環境や利用目的に合わせて、モデルの更新や性能劣化への対応が求められることもあります。
DXプロデューサーは、業務や組織の課題を整理し、デジタル活用で変える点を整理して推進する役割です。ITの企画にとどまらず、現場との調整や関係者の合意形成を進め、取り組みを継続できる形に整える場面も多くみられます。
プロジェクトマネージャーが開発の進行管理を中心に担うのに対し、DXプロデューサーは変革の目的や進め方をつくり、組織に根付かせる比重が大きい職種です。部門をまたいだ調整を重ねながら、業務や事業の変革を前に進めていきます。

IT業界で年収アップを目指すときは、経験の積み方や担当領域の広げ方を意識すると、選択肢が整理しやすくなります。上流工程に関わる経験を増やす、専門性の高い分野へ軸足を移すなど、キャリアの方向によって年収の伸び方は変わってきます。ここでは、年収アップにつながりやすい考え方と進め方を整理していきましょう。
企業によって給与水準や評価制度は異なるため、年収アップを狙う場合は、応募前に「どの年収レンジが提示されやすいか」「評価や昇給がどのタイミングで行われるか」を確認しておくと、応募先を比較しやすくなります。求人票では年収レンジや手当の内訳、評価・昇給の時期が示されることもあるため、まずは書かれている条件を丁寧に読み取っておきたいところです。
一方で、評価項目や昇給の細かな幅は公開情報だけでは分かりにくいケースも少なくありません。選考の場で評価の進め方や目標設定の有無を確認することもできます。転職エージェントを利用する場合は、求人票に書かれない条件面の補足や確認事項を確認しやすくなるでしょう。
IT業界にはさまざまな職種があり、経験を重ねる中で担当する工程や役割を広げていける点が特徴です。たとえばプログラマーから経験を積み、システムエンジニア、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーへと役割が広がるケースもあります。
スキルや経験を深めて担当範囲が広がれば、より難易度の高い業務を任される場面も増え、年収水準が上がる可能性もあります。ITエンジニアに関連する資格も多いため、現在の業務に直結する領域から学習を積み上げ、自分に合う形で成長を続けることがキャリアアップのポイントです。

IT業界を転職先に選ぶときは、年収だけで判断せず、どの技術領域に関われるか、働き方の条件が自分に合うかも確認しておくと安心です。新しい領域に触れられるか、学び直しを支える体制があるか、残業やオンコールの有無・頻度など、入社後の働き方を具体にイメージするための情報も押さえておきたいところです。ここでは、応募先を比べる際の確認ポイントをまとめます。
IT業界では、クラウドやセキュリティ、データ活用など、新しい技術領域に関わる機会がある点が魅力です。担当するサービスやプロダクトの変化に合わせて、扱う技術や開発手法が更新される場面も多く、業務を通じて知識の幅を広げていけます。
その分、技術の更新に併せて学び直しや知識のアップデートが求められやすい領域でもあります。新しい情報を追う仕組みがあるか、勉強会やレビューの文化があるかなど、学びを支える環境も見ておくと、入社後に求められる学びの量を想像しやすくなります。
IT業界では、リモートワークやフレックスタイムなど、働き方の選択肢を用意している企業もあります。通勤方法や勤務時間の組み立て方を調整しやすく、自分に合う働き方を選びやすい点は魅力です。
制度の運用は企業ごとに異なるため、応募先を選ぶときは「どの程度リモートが可能か」「勤務時間の扱いはどうなっているか」など、基本的な条件をそろえて見ておきたいところです。求人票や面接で確認する方法のほか、転職エージェントを利用する場合は、出社頻度や勤務時間の扱いなど、求人票だけでは読み取りにくい条件を確認しやすくなることもあります。
IT関連職では、職種や勤務先、担当範囲によって、残業やオンコール対応が発生する場合があります。オンコールは、勤務時間外でも連絡に備え、必要に応じて障害対応などを行う待機を指します。運用や基盤を支える職種では、安定稼働を守る役割の一部として位置づけられることもあります。
働き方をイメージする際は、平日夜間や休日対応の有無、障害対応の体制、シフト勤務の有無など、勤務の形に関わる条件も見ておきたいところです。求人票だけでは読み取りにくいこともあるため、面接などの場で確認できる範囲から整理していくと、入社後の働き方を想像しやすくなります。

未経験からIT業界を目指すときは、最初の職種選び、学習の進め方、求人の選び方迷いやすいものです。何から始めるかを整理できると、「どの職種を目指すか」「どこまで学んだ状態で応募するか」が決めやすくなります。ここでは、入口として選びやすい職種の考え方、基礎学習の進め方、未経験可求人で確認したいポイントをまとめます。
未経験からIT業界を目指すときは、最初にどの職種を選ぶかで、必要な学習内容や応募先の見方が変わります。開発、インフラ、運用・サポートでは仕事内容と求められる基礎が異なるため、何に関わりたいか、どんな業務から始めたいかを手がかりに入口を決めていく流れが現実的です。
職種名だけで判断せず、求人票に書かれている担当範囲を確認し、入社後に任される業務(例:テスト中心か、設計補助まで含むか)をそろえて見ておくとよいでしょう。あわせて研修やOJTの有無、学習支援の仕組みなど育成環境も押さえておくと、入社後にどの順で仕事を覚えていくかが想像しやすくなります。
未経験から学習を始めるときは、先に「何をできるようにするか」を決めておくと、やることが絞れます。たとえば開発職ならプログラミング言語の基礎と簡単な成果物の作成、インフラ職ならネットワークやLinux、クラウドの基礎理解など、目指す職種で優先順位は変わります。
資格は応募職種に必要な基礎と結びつくものを選ぶと、学ぶ内容を定めやすくなります。学習手段には独学、スクール、社内研修などがあり、費用や使える時間、質問や添削などの支援内容も異なります。自分に合う進め方を見極め、学習を継続することも、IT業界で経験を積んでいくうえでのポイントです。
未経験からIT業界を目指す場合は、「未経験可」と書かれた求人を中心に探すことが多くなります。ただし同じ未経験可でも、想定している業務内容や育成の進め方は企業や案件ごとに異なります。どのような業務から担当するのか、研修期間があるのかなど、仕事内容の条件をそろえて見ておくことが大切です。
応募前には、配属先の仕事内容、担当する工程、客先常駐の有無、評価の考え方など、求人票から読み取れる情報を見ておくと比較しやすくなります。さらに面接や選考のやりとりを通じて確認できる点もあるため、分かる範囲から条件をそろえていくと、入社後に任される仕事や育成の進み方を想像しやすくなるでしょう。

IT業界の年収は職種や担当領域によって幅があり、開発・基盤・運用、上流工程やデータ、セキュリティなど、役割の違いによって水準も変わります。年収のほか、仕事内容や働き方、今後積みたい経験も含めて整理すると、自分に合うキャリアの方向を考えやすくなります。
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