更新日:2024/10/22
この記事のまとめ
現代社会において、ITは欠かせない存在です。AIやロボットなどのさまざまな分野で急速な発展を見せており、将来性が高い業界であると感じている方もいるのではないでしょうか。
一方で、業務の一部をAIやロボットに代替される可能性があるなど、このままIT業界で働き続けても大丈夫なのか不安を覚えることもあるでしょう。
そこでこの記事では、IT業界の現状と今後を左右する要素、将来性について解説します。IT業界への転職を検討している方が意識しておきたいポイントや転職成功のコツも紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
IT業界の今後を知る前に、まずは現状を正しく把握しておきましょう。IT技術が発展していることに伴い、私たちの生活はますます便利になっています。しかし、業界としての現状はどうなっているのでしょうか。ここでは、IT業界の現状を解説します。
人手不足の解消や労働生産性の向上など、さまざまな目的を達成するためにビジネス上でのコミュニケーション手段のデジタル化が進んでいます。新たな領域のビジネスに参入する企業もあり、それに伴うシステムやアプリケーションも普及しました。
一方、ロボットやAIなどの発展に伴い、情報セキュリティアナリストやデータサイエンティストといった職業の需要も増えていくでしょう。各分野を熟知したITエンジニアの存在も欠かせません。
インターネット分野においても、「Web 3.0」と呼ばれる新たな概念に注目が集まっています。Web 3.0は「分散型インターネット」とも呼ばれ、ブロックチェーン技術を用いたものです。
IT技術やサービスは発展しているにもかかわらず、IT業界全体は人材不足に陥っています。その理由としては、少子高齢化による労働人口の減少に加え、専門性の高い職業であるITエンジニアの育成に時間がかかる点が大きいといえるでしょう。
それに加え、AIやビッグデータなどの技術の発展に対応できる先端IT人材の需要が高まっています。IT業界に対してハードルの高さを感じたり、ネガティブなイメージを持ったりする方がいるのも人材不足の原因として挙げられるでしょう。
さまざまな業界でITの活用が進んでいることも影響して、業界全体は拡大傾向にあります。市場規模の拡大に伴い、高度な知識を有するIT人材の需要も高い状態にあるといえるでしょう。
業界を問わずDXやシステムの置き換え、新技術の活用が進められているため、今後も一定の成長および市場の拡大に期待できます。IT業界は全体として将来性に期待できる業界であるといえるでしょう。
IT業界の将来性に対して不安を感じている方は少なくありません。なぜIT業界に不安を感じるのか、ここでは代表的な3つの理由について詳しく見ていきましょう。転職を検討している方は、正確な情報に基づいて判断するためにも事前にひととおり確認しておくことをおすすめします。
IT業界は日進月歩で技術が進化していて、AIやロボットなどの技術が次々に開発されています。それに伴い、コード生成AIをはじめとしたITエンジニアの仕事を肩代わりするシステムが登場しました。今後もさまざまな技術が開発されたり、既存の技術が進歩したりする可能性が高く、それによってITエンジニアの業務がAIやロボットに奪われるのではないかと考えている方もいます。
しかし、技術革新に伴って一部の業務がAIやロボットに置き換えられる可能性は高いものの、すべての業務がなくなる可能性は考えにくいでしょう。新技術を開発したり、システム化が不可能な領域の仕事を担当したりする人材は欠かせません。高いレベルの技術を習得すれば、IT業界で長く活躍できるでしょう。
IT業界は変化するスピードが速い業界として知られています。新技術の登場や既存技術の改良によって、開発のトレンドが変化したり、いままで使っていた技術が時代遅れになったりすることもありがちです。
そのため、IT業界の将来性が高いと感じていても、自分の技術が今後も通用するのか不安に感じて転職をためらう方もいるでしょう。IT業界で活躍し続けるには、積極的に新技術を学んで実務で使えるようにする必要があります。
IT業界の中には労働環境に問題がある企業もあり、長時間労働や激務に悩まされている方もいます。そのような企業の情報を聞くと、転職を戸惑うこともあるでしょう。
とはいえ、労働環境に問題がある企業ばかりではなく、ワークライフバランスをきちんと考慮している企業も数多くあります。ITエンジニアへの転職を検討するときには、企業選びの段階できちんとリサーチして労働環境が整っているところを選ぶことが大切です。
転職先を決める際には、業界や企業の将来性についても知っておくことが大切です。いまではロボットやAIに仕事を代替される職業も増えています。長く安定して働くためにも、IT業界の今後・将来性について押さえておきましょう。
IT業界のトレンドのひとつに、「IoT」と呼ばれるものがあります。これは「モノのインターネット」を意味する言葉で、あらゆるデバイスがインターネットと接続できる技術のことです。IoTは自動車や医療・農業といったさまざま分野で活用されており、日常生活や仕事で欠かせないものとなっています。ほかにもAIやブロックチェーンなどさまざまなIT技術があり、多くの分野においてITの需要は拡大していくでしょう。
IT業界では人材の需要構造が変化しています。AIやIoTといった新しい技術・サービスの発展に伴って、先端技術をはじめとしたより高度なスキルを発揮できるITエンジニアが求められています。IT業界で活躍し続けるには、常に情報と知識をアップデートすることが大切です。
社会インフラとして重要な役割を果たしているのも、ITの特徴です。ネットワークやサーバーなどが存在しなければ、多くのサービスが提供できなくなります。金融商品の取引や生産機械の制御などはもちろん、日々のコミュニケーションにもIT技術が広く使用されているのが現代社会の特徴です。
そのためITの重要度は高く、さまざまな分野でITエンジニアが求められています。多くの業界でDXが進んでいることもあり、今後はさらにIT人材の重要性が高まると考えられるでしょう。
新たなビジネスの創出や既存業務の効率化など、さまざまな目的でシステム化を進めている業界・企業があります。また、老朽化したシステムを新しいものに入れ替えなければならないケースもありがちです。
新システムの開発や旧システムの更改を実施するときも、ITエンジニアの力が求められます。今後もさまざまなITスキルを発揮してシステムを開発するITエンジニアが必要とされる可能性は高いでしょう。
「IT業界は残業が多い」「勉強し続けなければならない」など、ネガティブなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、働き方改革の推進もあって働きやすい職場環境を整えるIT企業も増えてきました。ここでは、IT業界へ転職するメリットを3つ紹介します。
日々の経験や自発的な学習を通じてITに関する専門的な知識を習得できれば、手に職をつけられます。経験を積んでいけばフリーランスや起業も目指せます。専門的な知識が必要な業界であるにもかかわらず、未経験者や異業種経験者の採用にも積極的であるため、IT業界に興味のある方は目指してみるとよいでしょう。
IT業界には、報酬を定める際に個人のスキル・経験を重視する企業が多い傾向です。十分なレベルのスキルがあれば仕事の幅を広げられるほか、キャリアアップや高収入も目指せます。
さまざまな業務に積極的に取り組み、スキルアップに励むとよいでしょう。また、ITに関する資格は多くあるため、資格を取得して知識やスキルを身につけるのもおすすめです。
IT業界全体で柔軟な働き方を推進する傾向にあり、またパソコンひとつでできる仕事も多いことから、出勤・退勤の時間を従業員が決められる「フレックスタイム制」や、自宅で働ける「リモートワーク制」を導入している企業もあります。
フレックスタイム制やリモートワークを活用すれば通勤ラッシュを避けられるほか、自分のライフスタイルに合わせた働き方も可能です。転職先の企業を探すときは、働きやすさにも目を向けてみるとよいでしょう。
IT業界で働くメリットは多くありますが、いくつかのデメリットもあります。転職してから「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、主なデメリットを把握したうえで転職するかどうかを検討したほうがよいでしょう。ここでは、IT業界へ転職するデメリットを3つ紹介します。
職種や働き方によっても異なりますが、リモートワークが推進されている企業で働くと、職場の人と直接コミュニケーションを取る機会はそれほど多くはありません。中にはリモートワークで完結する場合もあるでしょう。
ただし、メールやWeb会議など、オンライン上でコミュニケーションを取る機会はあります。対人関係にストレスを感じやすい方は、直接コミュニケーションを取らないことがメリットとなる場合もあるでしょう。
IT業界は技術やトレンドの変化が激しいため、常に知識や情報のアップデートが欠かせません。ITの需要構造が変化していることを考えると、ITエンジニアとして長く働くためには、将来的に求められるスキルを積極的に習得することが大切です。実力主義のIT業界で最新の知識やスキルを身につけていなければ、周囲から取り残される恐れがあります。
IT業界は発展途上であり、ほかの業界と比べると歴史の浅いベンチャーやスタートアップ企業が多くあります。そのため、ほかの業界の大手企業や歴史のある企業と比べると教育制度が充実していない場合がある点はデメリットといえます。
しかし、若手の育成に力を入れている企業もあります。したがって、IT業界未経験から転職する場合はミスマッチを防ぐためにも念入りに企業研究することが大切です。
一口にIT業界といっても、さまざまな種類のITエンジニアが活躍しています。ここでは将来性に期待できるITエンジニアとして、「AIエンジニア」「クラウドエンジニア」「セキュリティエンジニア」の3つを見ていきましょう。
将来的にどの分野のITエンジニアを目指そうか悩んでいる方は、この機会に確認してみることをおすすめします。
さまざまな分野でAIの活用が進んでいることから、AIエンジニアの需要が高まっています。具体的な仕事は、AIそのものの開発やAIを組み込んだシステムを開発することです。AIの開発が完了したら、機械学習やデータ分析などAIを実用化するために学習させる工程にも携わります。
必要なデータを学習させてAIの精度を高めるためにも、AIエンジニアは欠かせない存在といえるでしょう。多くのビジネスでAI技術の活用が進んでいるため、今後も幅広い分野で活躍できます。
クラウドサービス上にネットワークやサーバーといったインフラを構築し、システムを動かせるようにするのがクラウドエンジニアの仕事です。これまではシステムを使用する企業が自社内にITインフラを整備するケースが多かったものの、クラウドサービスが広まったことでクラウド化を進める企業が増えています。
これまでオンレプミスで稼働していたシステムをクラウド化するケースもあり、それに伴ってクラウドエンジニアが必要とされています。クラウドサービスは今後も広く活用され続けると予想されるため、クラウドエンジニアは将来性にも期待できるでしょう。
ITシステムを運用するうえで欠かせないのが、十分なレベルのセキュリティーを確保することです。セキュリティエンジニアはサイバーセキュリティーのプロフェッショナルで、不正アクセスやマルウェアといったさまざまな脅威からシステムを守ります。
どのようなセキュリティーが必要か考慮して設計し、システムに実装するのが主な仕事です。完成したら、きちんと動作するかのテストを実施します。運用がスタートしてからは、日々登場する新たな脅威からシステムを守るためにアップデートやメンテナンスを実施するのも重要な仕事です。安全なシステム運用に欠かせない存在であり、将来性にも十分期待できるでしょう。
WebサイトやWebアプリケーションをはじめとして、主にWebブラウザ上で動作するシステムを開発するのがWebエンジニアです。インターネットの重要性が高まっていることもあり、多くの企業がビジネスにWebを活用しています。
WebエンジニアはWebサイトやWebアプリケーションの企画から実際の開発、リリース後の運用までを広く担当します。ユーザーが実際に目にする部分だけでなく、バックで動くサーバーやデータベースを扱うこともあり、広範な知識・スキルが必要です。
Webは社会生活に広く浸透しているため、開発・運用・保守を担当するWebエンジニアの需要は高い状態が続くと考えられます。
IT業界が未経験者に門戸を開いているのは事実ですが、何も対策せずに転職活動を始めると失敗してしまう恐れがあります。IT業界への転職を成功させて長く働き続けるためにも、ここで紹介する5つのコツを押さえておきましょう。
転職活動を始める前には、キャリアプランを立てることが重要です。キャリアプランとは、理想の働き方を実現するための行動計画を指します。あらかじめキャリアプランを立てることで転職活動に軸が生まれ、いま何をしなければならないかが明確になります。途中で軸がぶれて方向性を見失うことも避けられるでしょう。
また、選考で今後のキャリアについて聞かれることも少なくありません。5年後、10年後、20年後にどのようなキャリアを形成していたいのかを考えておきましょう。
IT業界のトレンドを押さえておくことも大切です。AIやIoT、クラウドサービスなどさまざまなトレンドがある中で、自分がどの分野に関わりたいのかを明確にしておけば転職先選びに役立ちます。また、IT業界のトレンドや将来性について選考で問われる可能性があります。
トレンドの技術は、どの分野に携わるかによっても異なります。自分が携わりたい分野が明確になったら、そこでどのような技術が使われているのかをチェックしましょう。そのうえで学習を進めれば、スキルのミスマッチを予防できます。
未経験からの転職で知識やスキルに自信がない場合は、資格を取得するのがおすすめです。資格を取得すれば、一定の知識やスキルを有していることを客観的にアピールできます。転職活動も有利に進み、企業によっては資格手当が支給されて年収が上がる可能性もあるでしょう。
IT関連の資格はセキュリティーに関する資格やプログラミング言語に関する資格など、さまざまな種類があります。自分の働きたい分野に合わせて取得する資格を選びましょう。
ITエンジニアとして必要なスキルを効率的に習得したいのであれば、スクールに通うのがおすすめです。プログラミングの勉強は難度が高く、書籍やインターネットなどを活用して独学しても挫折するリスクがあります。モチベーションを保つのも難しいでしょう。
その点、スクールに通えば疑問が生じた時点で専門の講師にすぐに質問できるので、より理解を深めやすくなります。ただしスクールへ通うには相応の費用がかかるため、きちんと資金計画を立てましょう。
一口にIT系職種といってもさまざまな種類があり、それぞれ求められるスキルの種類やレベルが異なります。未経験者が転職を成功させるには、それほど高いスキルを要求されない職種を選ぶのがポイントです。
たとえば、IT系で転職しやすい職種としては「プログラマー」「Webエンジニア」「インフラエンジニア」が挙げられます。
特にプログラマーはITエンジニアの登竜門と呼ばれる職種であるため、プログラミングの基礎を身につけるうえでもおすすめです。
IT業界で長く活躍し続けてキャリアアップするには、常にスキルアップを意識する必要があります。技術革新についていくためにも、以下のスキルを優先的に学びましょう。
上記のスキルを習得するには、日頃の業務に加えて自発的な学習が欠かせません。技術文書などを読んで最新情報を取り入れ、開発にどのように活かせるか、どのような分野で需要があるかなどを考えましょう。
社会全体におけるITの存在価値は高く、それを支えるIT業界は将来性に期待できる業界のひとつです。これからIT業界への転職を考えている方は、将来性に関して過度に心配する必要はありません。
ただし、IT業界で長く活躍し続けるには、継続的な学習を積み重ねてスキルアップし、技術革新についていくことが大切です。スキルの習得やキャリアアップに励めば、より需要の高い人材になれるでしょう。
IT業界への転職を検討している方は、ぜひこの機会にマイナビITエージェントにご相談ください。マイナビITエージェントでは、IT業界を熟知したキャリアアドバイザーが一人ひとりの転職目的を実現するために全力でサポートします。
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