更新日:2023/09/22
「IT業界は転職が多いと知ってはいるものの、実際に転職するとなると、自分でもできるのか不安になる」という方もいるのではないでしょうか。
IT業界で転職が多い理由や、採用につながる対策・コツを知ることで、自分の希望に沿った企業への転職が実現します。
そこでこの記事では、IT業界の転職事情や、転職の回数が多くても不利にならないポイントなどを詳しくご紹介します。
今まさに転職を考えている方や、IT業界において今後のキャリアパスについて悩んでいる方は、是非参考にしてみてください。
目次
「IT業界は転職回数が多いと不利になるのではないか」と思っている人もいるかもしれません。
一般的には「転職回数が多い=転職市場で不利」といった認識があるため、不安に感じるのも無理はありません。
ここでは、IT業界において転職回数の多さが転職に不利かどうかや、どのような転職理由が評価の対象となるのかをそれぞれ解説をします。
IT業界は企業によって専門の領域が異なります。
そのため、複数の企業でキャリアを積むのが一般的です。
たとえば、システム開発案件の一次受けをする大手SIerや、開発工程の下請けをするソフトハウス、リリース後のサポートを専門とする企業などが挙げられます。
こうした事情により、IT業界の中でさまざまな業務を経験する上では、複数回の転職が不可欠です。
一定の期間勤めたあとの転職は自然な流れだ、という業界内での共通認識があります。
IT業界は、他の業界に比べて人材の流動が激しく、スキルや実績を重視して人材確保をしようとする文化があります。
さらに、経済産業省のデータによれば、IT業界は2030年までに最大79万人の人材不足が起こると予想されている業界です。
どの企業でも慢性的な人手不足が続いているため、スキルアップやキャリアアップを目的とした転職なら歓迎する、といった企業が数多く存在しています。
転職回数が多い場合でも、すでに実務で十分通用するスキルや実績を携えていれば、転職の理由次第でプラスの評価に転じることもあるでしょう。
転職回数の多さはプラスの評価を得られることもある一方、転職履歴や転職理由によってはマイナス評価にもなります。
具体的には、短期離職を繰り返している場合や、「定時で帰れなかったから」、「人間関係がストレスだったから」といったネガティブな転職理由の場合です。
こうした理由で転職してしまうと、業務へ取り組む姿勢が悪いとみなされて、採用が遠のいてしまいます。
仮にスキルや経歴が伴っていても、なかなか就職に至らないケースも少なくないため、注意しましょう。
「転職回数は就職後の定着率にも影響するため、少ない方がいい」という認識が一般的ですが、IT業界に関しては転職する人材が多い傾向にあります。
ここでは、IT業界で転職が多い理由について、それぞれ解説をしていきます。
業界内でなぜ転職が多いのか理解することで、IT業界への転職に対する不安を和らげることができるでしょう。
PHPやRubyといったWeb系言語のスキルを磨きたいと思っていても、業種や現場の都合によってJavaやCしか使えないというケースがあります。
この場合、希望する技術が扱えずスキルアップも難しくなるため、転職を検討するのが一般的です。
IT業界の技術は、日々とどまることなく進化しています。
「このままだと時代の流れに乗れず、将来希望する仕事も任せてもらえなくなる」と感じているエンジニアも少なくありません。
エンジニアは、扱えるスキルが増えるにつれて、こなせる業務範囲も広がっていきます。
IT業界では、スキルアップに向けた転職戦略が重要です。
IT業界には大手SIerを一次請けとして、開発業務を下請け企業へと発注するピラミッド構造があります。
システムの開発規模が大きくなると、二次請けはもちろん、三次請けや四次請けへと発注がすすむ「多重下請構造」へ発展することも少なくありません。
基本的に下請けへの発注が行われるケースというのは、発注する企業側の業務キャパシティを超えたときです。
したがって、下請け時の予算や納期は発注側に裁量があり、各下請け企業の待遇は必然的に下がっていくことが多いでしょう。
こうした理由から、下請け企業に所属するITエンジニアたちは、待遇改善を求める転職活動をするのです。
IT業界の企業では、職種がそれぞれ細かく分かれている上、各企業によって専門性が異なります。
そのため、ITコンサルタントやITストラテジストなどになりたいと思っても、自社にポジションがなければ業務に携わることができません。
仮にポジションがあったとしても、すでに枠が埋まってしまっていることもあるため、確実に希望の職に就けるとは限らないでしょう。
自分が思い描くキャリアを実現できずに悩んでいるエンジニアは、一定数存在します。
こうした場合にも、転職しない限り状況が好転することは考えにくいため、キャリアアップという観点から転職の道を選ぶエンジニアも多いです。
一般的に、転職は理由次第でマイナスな印象を持たれてしまうという特徴があります。
一方、IT業界については転職回数が多くともマイナス評価にはつながらず、むしろ高評価につながる企業・部門も存在します。
ここでは、IT業界の中でも特に転職に対して寛容な企業・部門と、そうではない企業・部門について解説をします。
ぜひ、キャリアを選ぶ際の参考にしてみてください。
SIerは、転職回数の多さがマイナス評価につながりやすくなります。
特に大手SIerの場合、クライアントが公的な機関や金融機関といったこともあり、納品物への責任が大きいです。
長期的に従事してくれる人材を好んで採用するため、転職回数が多いとマイナスの評価につながる傾向があります。
また、プロジェクト途中での人員交代は機密情報の流出も懸念材料です。
大手・中小にかかわらず、各企業が情報漏洩に対して細心の注意を払っています。
一人でも信用度の低いエンジニアがいると業務上のリスクにつながってしまうため、転職回数が多いITエンジニアは採用面で不利になってしまうでしょう。
自社開発企業は、特定のクライアントを持たず、自社の裁量にしたがってシステムを開発する企業です。
エンジニアには、高いスキルレベルやチームでのコミュニケーションスキルといったことを求めることが多いようです。
そのため、SIerとは異なり、職歴よりも個人の能力を重視して採用する傾向にあります。
自社開発企業では、転職回数の多さよりも、自社内システム開発への貢献ができるかどうかが重要です。
スピード感を持って業務に取り組む姿勢や、スキルアップに向けた成長意欲などが強いアピールポイントになります。
社会に対して、イノベーションをもたらしたいといった想いのあるエンジニアが、有利になるでしょう。
SES(System Engineering Service)は、システム開発・運用の委託契約の一種で、エンジニアたちは常駐先の企業で技術的なサービスを提供します。
SIerや自社開発と異なる点は、プロジェクト単位で契約が終了し、業務先が変わるということです。
特定の企業に長く勤めることもありますが、半年や1年といった短期間で契約が終了し、次の現場へ移ることも少なくありません。
したがって、転職回数が多いかどうかで合否が決まるとは限りません。
むしろ、複数企業で実績を残してきたエンジニアなら、スキルが担保されていることもあり、積極採用が期待できるでしょう。
IT業界の企業には、ITシステムの自社運用を専任する情報システム部門があります。
職種としては広く、「社内SE」として認知されることが多いです。
システムの要件定義から開発、運用に至るまで業務内容が多岐にわたるため、幅広い知見やスキルが重視されます。
IT業界での経験が浅いうちから即戦力として活躍することは難しく、業界内の複数社でさまざまな業務を経験してきた人材が就任するポジションとして確立されている傾向にあります。
担当するシステムはある程度固定になりますが、転職回数の多さがマイナスの評価になりづらいといった点では優れた環境でしょう。
IT業界での転職を検討すると決めた場合、やみくもに転職活動を進めるのはおすすめしません。
面接での適切な対応を学んだり、第三者からの就職サポートを受けたりしながら、希望する企業への転職を目指しましょう。
ここでは、IT業界への転職を成功させるコツについて詳しく解説をします。
いずれも、知っているだけで採用に近づける情報なので、それぞれチェックしてみてください。
ITエンジニアが転職を考える際には、現職に何らかの不満を感じているケースが多いです。
しかし、面接の場で転職の理由を他責にするのはマイナス評価につながるため、避けましょう。
採用担当者の立場からすると「うちの会社でも同じ理由で短期離職するのではないか」という疑念が生じてしまいます。
もしも前職に不満があったとしても、スキルアップやキャリアアップといったポジティブな転職理由を伝えておくのがおすすめです。
加えて、十分な業務経験やスキルが伴っていれば、面接でも説得力が上がります。
企業側に価値のある人材だと思ってもらえることが重要です。
転職回数が多いITエンジニアは、自身の職歴に説得力を持たせるためのストーリーを考えておきましょう。
理由としては、採用担当者が職歴を見たときに「なぜ転職回数が多いのか」と、転職を繰り返した意図を知りたがるためです。
ポイントは、長期間従事できなかった理由と、転職に至ったビジョンを説明することです。
スキルアップやキャリアパスと絡めながら説明すると、説得力のある転職理由がつくりやすくなります。
自身のやりたいことを明確にした上で、希望先の企業でどのような価値を生み出していきたいのかを、ストーリー仕立てで表現すると効果的です。
これまで、転職回数の多さを許容してくれる業界全体の文化や、企業・部門がそれぞれあると解説してきましたが、実際は、転職回数に寛容な企業であっても企業風土や採用基準は多種多様で異なっています。
とりわけ、求職者の視点だけでは企業の実情が見えづらく、情報不足で希望に沿わないような企業に当たってしまうリスクも否めません。
そこで重要になるのが、転職エージェントへの相談です。
IT系の転職事情に通じた専任のキャリアアドバイザーのサポートを受けることで、自分が希望する企業とのマッチング率を高めることができます。
IT技術に精通したスタッフもいるため、スキル面で求人選びにこだわりがある方も安心して相談ができるでしょう。
IT業界では、さまざまな企業がそれぞれに専門性を持っているため、キャリアの中で「エンジニアは転職回数が多くなる」というのが、業界の中での共通認識です。
一方で、転職の理由次第では、プラスにもマイナスにも評価が分かれるため注意しましょう。
IT業界で転職を成功させるには、転職理由を他責にせず、ストーリー性を持たせて面接官にアピールすることです。
「今後の転職活動が一人では不安」という場合は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。
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