ITエンジニアは、これまでの経験や習得したスキルを活かしてほかの職種への転職がしやすい職のひとつです。ITエンジニアとして一定の経験を積み、キャリアアップのための転職を目指している方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ITエンジニア経験者が転職を成功させるために押さえておきたいポイントを紹介します。自身が望むキャリアアップを実現するためにも、転職活動を始める前にチェックしておきましょう。

ITエンジニア経験者は転職しやすい？

「ITエンジニアは転職しやすい職業なのか」という疑問を抱いたことがある方もいるのではないでしょうか。比較的ITエンジニア経験者は転職がしやすいため、キャリアアップや待遇改善を求めるのであれば、積極的に転職を検討してもよいでしょう。ここでは、転職市場におけるITエンジニアの需要について紹介します。

IT業界における転職は一般的

IT業界は、キャリアアップや待遇改善、年収アップなどさまざまな目的で転職する方が多い点が特徴です。業界全体が人材不足に陥っているため、高度なITスキルを習得した人材の需要が高いところも転職の追い風になっていると考えられるでしょう。キャリアアップを目的とした転職は企業側からも歓迎されるケースが多いため、転職を検討しているのであれば積極的にチャレンジすることをおすすめします。

情報処理・通信技術者の有効求人倍率

厚生労働省が発表している一般職業紹介状況によると、ITエンジニアが含まれる「情報通信・通信技術者」の有効求人倍率は1.45倍です。これは、求職者1人に対して1.45件の求人があることを示しており、IT人材を求めている企業が多いことを意味します。

高度なスキルを有しているエンジニアにとっては、売り手市場であるといえるでしょう。自身のスキルレベルや経験の豊富さによっても異なりますが、IT業界は全体的に転職しやすい環境にあります。

ITエンジニア経験者が転職するときに重視するポイント

年収アップやワークライフバランスの改善、キャリアアップなど、転職の目的は人によって大きく異なります。ITエンジニアからの転職を検討する際は、まず自身が転職によって実現したい目的を明確にすることが重要です。

ここからは、ITエンジニア経験者が転職の目的として掲げることが多い3つのパターンを見ていきましょう。目的ごとにどのようなポイントを重視して転職活動に取り組めばよいかを紹介するので、ミスマッチを防ぐためにも事前にチェックしておくことをおすすめします。これらの目的で転職するのであれば、普段からスキルアップに励みつつ経験を積みましょう。

1.年収アップ

ITエンジニアの転職目的として、多くの人が掲げるのが「年収アップ」です。仕事内容ではなく、報酬水準に不満がある場合の転職が該当します。

年収アップを目的として転職する場合は、自身のスキルレベルを高めるように日々の学習に励むことが大切です。そのうえで、現職より高い報酬水準を提示する企業に応募するとよいでしょう。上流工程の経験を積み、マネジメント層にキャリアアップする道もあります。

2.ワークライフバランスの改善

長時間労働や休日出勤が常態化している企業に在籍している人は、ワークライフバランスの改善を目的とした転職を検討することがあります。転職目的がワークライフバランスの改善である場合は、報酬水準の高さより勤務時間や年間休日数、勤務地などが重要となるでしょう。

求人情報を探すときは平均残業時間や有給休暇の消化状況などをチェックすることをおすすめします。普段からスキルアップに取り組んでいれば、ワークライフバランスの改善と年収アップを同時に実現することも可能です。

3.スキルアップ・キャリアアップ

「高度なスキルを習得したい」「上流工程に携わりたい」など、スキルアップやキャリアアップを目的とした転職も多い傾向にあります。在籍中の企業で高度なスキルを習得できそうにない場合に検討することになるでしょう。

スキルアップやキャリアアップを目的としているのであれば、自分がこれまでに習得したスキルや経験が活かせ、キャリアパス制度が整備されている企業を選ぶのがおすすめです。トレンドの開発手法を取り入れており、最新技術の採用に熱心な企業を選べば実現しやすいでしょう。

ITエンジニア経験者の転職で失敗しやすいポイント

自分のことをきちんと分析できていないと、いざ転職しても失敗して後悔する結果につながりかねません。そこでここからは、ITエンジニア経験者が転職時に失敗しやすいポイントをチェックしていきましょう。これから転職しようと考えているのであれば、失敗を防ぐためにも注意深く確認しておくことをおすすめします。

これまでの経験・スキルを把握していない

自分が積み重ねてきた経験や習得したスキルを正しく把握しておらず、キャリアパスを明確に描けていないと面接の際にうまくアピールできず、失敗につながってしまいます。転職を決断したら、実務経験を整理しつつスキルマップを作成し、どの分野でキャリアアップしたいのかを検討するとよいでしょう。

スキルレベルを正しく把握して自分が望んでいるキャリアパスとセットで考えることで、転職で重視するポイントや転職先に求める条件を明確にできます。また、自己分析をすることで選考時に志望動機や自己PRをきちんと伝えられるようになり、「自分のことをアピールできずに不採用になった」という失敗を避けられます。

転職先をきちんと選んでいない

転職目的やキャリアパスを明確に描いていても、転職先をきちんと選ばないと失敗につながります。たとえば一口にITエンジニアといっても、インフラエンジニアとWebエンジニアとでは業務内容が大きく異なるでしょう。

転職目的と実現したいキャリアパスを明確にしたら、それを実現できそうな転職先を注意深く探すことが大切です。求人情報や選考の機会を活用し、これまでに培ってきた経験やスキルを発揮できるか、キャリアアップの道が開かれているかをチェックするとよいでしょう。

ITエンジニア経験者が転職を成功させる3つのコツ

ITエンジニアとしての経験やスキルを活かして転職するためのコツを紹介します。自分が思い描いたキャリアパスを実現するためにも、これから紹介する3つのコツを押さえておくとよいでしょう。自分の市場価値を高めるため、ぜひ事前に確認することをおすすめします。

1.転職理由を明確にする

転職を検討し始めたら、まずは転職理由を明らかにしましょう。年収アップや待遇改善、ワークライフバランス改善、スキルアップなど、何を目的としているかによって転職で重視するポイントが異なります。転職理由は職種や企業を選ぶときの軸となるため、最初に明確にしておくことで、転職後のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。

2.自分のスキルレベル・経験を把握する

転職目的が定まったら、自分のスキルレベルや実務経験を把握しましょう。これまでのキャリアを振り返りながらスキルマップを作成して可視化し、どのようなスキル・経験を武器にして転職活動を進めるかを考えます。

習得したスキルや経験を活かせる転職先を選択することで、さらなるスキルアップやキャリアアップを実現しやすくなるでしょう。武器としたいスキルを転職後にどのような形で発揮できるかも含めて考えることをおすすめします。

3.スキルアップに励む

ITエンジニアとしてキャリアアップするには、スキルアップに励む意識が欠かせません。IT業界は技術が進歩するスピードが速く、長期的に活躍したいのであれば最新の技術を積極的に取り入れることが大切です。そのためには、継続的に学習し続ける必要があるでしょう。

新たなプログラミング言語を学んだりトレンドの開発手法を使ったりするなど、スキルアップの方法はさまざまです。自身の市場価値を高めるためにも、普段からIT技術について学習することをおすすめします。

ITエンジニア経験者が転職を成功させるために習得したいスキル

ITエンジニアとしての市場価値を高めて転職を成功させるには、いくつかのスキルを習得することが必要です。IT関連以外にも求められるスキルがあるので、転職前に習得に励むことをおすすめします。ここでは、ITエンジニア経験者が理想の転職を実現するために習得しておきたいスキルを3つ紹介します。

開発スキル

開発スキルは、エンジニアとして働くうえで欠かせない主要な技術です。開発スキルにはプログラミングスキルやハードウェア・ソフトウェアに関するスキルなど、さまざまなものが含まれます。

「新たなプログラミング言語をひとつ習得する」「クラウドサービスについて深く学ぶ」「AI開発に役立つ技術を学ぶ」など、開発スキルを高めるために役立つ学習に取り組みましょう。使える開発技術を増やすことで、さまざまなプロジェクトで活躍しやすくなります。

コミュニケーションスキル

ITエンジニアの仕事で求められるのは開発スキルだけではありません。多くのプロジェクトはチームで進めるため、円滑なプロジェクト進行に必要なコミュニケーションスキルが求められます。

ヒアリングスキルやプレゼンテーションスキル、ネゴシエーションスキルなど、ビジネスで役立つコミュニケーションスキルを高めましょう。コミュニケーションスキルはすぐに強化できるものではないため、普段から努力することが大切です。

マネジメントスキル

プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなど、マネジメント層を目指すのであればマネジメントスキルが欠かせません。ビジネスにおけるマネジメントスキルは、「経営リソースを適切に管理・運用するために必要なスキル」の総称です。

具体的には、プロジェクトの工程を見積もって必要な人員を計算したり、予算を確保したりするスキルを指します。上流工程を担当するエンジニアを目指したいと考えている方は、マネジメントスキルの習得に励みましょう。コミュニケーションスキルと同様に一朝一夕で習得できるものではないため、普段から努力することが求められます。

IT業界の年収水準はどの程度？

転職時に気になるのは、やはり年収水準ではないでしょうか。マイナビエージェントが2020年に実施した調査によると、IT業界全体の平均年収は427万円であり、職種別の年収水準は以下のとおりです。

• プロジェクトマネージャー：670万円
• プリセールス：599万円
• 社内システム企画：512万円

高度なスキルが求められる職や、マネジメントに携わる職の年収水準が高い傾向にあります。キャリアアップ・年収アップを目的として転職したいと考えている方は、マネジメント層を目指すとよいでしょう。現場で開発に直接携わる職を選ぶ場合も、IT業界全体の水準と現職の年収を考慮して転職先を選ぶことをおすすめします。

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まとめ

IT業界全体で高度なスキルを有するエンジニアが不足しているため、ITエンジニアは比較的転職しやすい職種といえます。キャリアアップを目的として転職する方も多く、企業側も転職者を歓迎する傾向にあります。ITエンジニアとしての転職を考えているのであれば、自分のスキルレベルや経験を活かせる職を選ぶとよいでしょう。

どのように転職活動を進めればよいのかが分からずに困っている方は、ぜひマイナビITエージェントにご相談ください。経験豊富なキャリアアドバイザーがベストな転職をサポートいたします。

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