更新日:2024/02/21
この記事のまとめ
自動車や家電製品など、身の回りのあらゆるものにIT技術が活用されており、今後もIT技術を組み込んだ製品の需要は高まると予想されています。しかし、現在のIT業界は技術の発展に対応できる人材が不足しており、今後もIT人材の不足が拡大していくと言われています。
IT業界への転職を目指す人は、IT業界の現状や将来性、どのような職種があるのか押さえておきましょう。この記事ではIT業界について詳しく解説します。またIT業界で働くメリットや向いている人についても紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
IT業界とは「Information Technology(情報技術)」を活用したサービスを展開する企業の集合体といえます。IT業界の中にもさまざまな職種があり、それぞれ働き方や必要なスキルが異なるため、IT業界へ転職を考える人は業界の仕組みについて知っておきましょう。ここでは、IT業界の種類や技術、平均年収などを紹介します。
多くの業種や職種が存在するIT業界ですが、大きく分けると以下の5種類に分類されます。
上記の分野をまたがって展開する企業もあります。
IT業界の発展は速く、次々に新しいサービスや技術が生まれています。中でもIT業界では以下5つの技術が注目されています。
IoTとは「Internet of Things」の略で、モノがインターネットを経由して通信する技術です。建物や車、家電製品などにも導入されています。5Gは「第5世代移動通信システム」のことで、スマートフォンを利用する人にとっては馴染みのある言葉でしょう。IoTと高速通信の5Gが掛け合わさることで、自動運転車両や遠隔医療において実用性が向上しています。
クラウドとは、ユーザーがサーバーやソフトウェアを持っていなくても、インターネット上で利用できるサービスのことです。クラウドサービスの身近な例としては、WebメールやSNSなどが挙げられます。
AIはコンピューターが人間のように判断や推測を行い、データを処理する技術です。AIによって膨大な量のデータ(ビッグデータ)を処理でき、高精度な予測分析や判断が可能となっています。
VRは仮想現実とも呼ばれ、コンピューターで作り出した空間を現実のように体験できる仕組みです。ARは拡張現実と言われ、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することです。VRとは対照的なものといえるでしょう。
デジタルトランスフォーメーション(DX)はデジタル変革で、企業がAIやIoTなどのデジタル技術を用いて、業務を効率化させることを指します。
マイナビエージェントの『業種別平均年収ランキング【2020年版】』によると、IT・通信業界の平均年収は390万円となっています。業種別に見ると、最も平均年収が高いのは「ハードウェアベンダー」、2〜4位を占めるのは「SIer・ソフトハウス」です。
IT業界へ転職するために特別必要な資格や学歴はなく、未経験者を歓迎している求人も多いため、業界未経験者でも転職可能です。特に20代であれば、将来性を見込まれてポテンシャル採用も狙えます。ただIT業界といっても多様な業種があるため、企業によってはITやシステム関連の知識、過去の実績を応募条件としているケースもあります。
転職するうえで、「長く働き続けられるかどうか」は重要なポイントです。時代の変化によって将来性が厳しい業界もありますし、AIの発展によって仕事を奪われる職種もあります。ここでは、IT業界の現状や将来性について解説します。
総務省が公開している「令和4年版情報通信白書」では、2020年のIT業界を含む情報通信産業の市場規模(名目国内生産額)は51.0兆円で、前年(52.3兆円)と比較すると2.5%減少しています。
新型コロナウイルス感染症の影響で業績不振となり、IT投資案件の中止や先送りをした中小企業が多く見られたものの、大企業では計画どおりにIT投資が実施されている傾向です。
今後、IT業界ではIT人材が大幅に不足すると予測されています。特にAIやIoT、ビッグデータなどの技術の進展がめざましい分野では、こういった新しい技術に対応できる人材の確保を課題としています。
IT人材の不足に対して、政府も積極的に対策を講じています。そのひとつに、デジタル人材育成プラットフォーム「マナビDX(デラックス)」があります。これはデジタル知識・能力を身につけるためのポータルサイトです。
ほかにもハイレベル若手IT人材の発掘・育成のために、22歳以下の若者を対象に合宿形式での講習会も実施しています。IT業界は人材が不足しているものの、政府や民間企業のIT化への取り組みは今後も活発化していくでしょう。
転職を検討中の20代には、IT業界が人気と言われています。他の業界と比較して、今後の成長が期待される上、テレワークにも対応しやすい業界であることが理由のようです。アフターコロナはこれまでにも増してIT業界で働きたいと考える人材が増えると予想されます。
ソフトウェア業界とは主にコンピューターやアプリなどのプログラムの開発に携わる業種です。
ソフトウェア業界で働く魅力やメリットは、他の業界に比べて比較的高い年収と、仕事に対するやりがいです。また、ソフトウェア業界の仕事は、"手に職"系の仕事なので、将来的にはフリーランスとして独立することもできます。
ソフトウェア業界の主な職種には、システムエンジニア(SE)・プログラマー・ネットワークエンジニアなどがありますが、線引きは曖昧で、企業によってはそれぞれの職務が重複していることもあります。システムの設計・開発・テストを手がける職種が、システムエンジニアです。
そして、そのシステムにプログラマーがプログラミングし、サービスを形にしていきます。ネットワークエンジニアはシステムの基礎となるコンピューターネットワークのシステム構築や保守管理などを行う職種です。
難しい技術や身の回りの物事の仕組みを理解するのが得意な方なら、楽しみながら仕事に取り組めるでしょう。IT業界は流れが早い業界のため、変化を受け入れながら日々勉強することが苦にならない方も、ソフトウェア業界での仕事に向いているといえます。
電子機器類のような目に見える機械や設備・装置などを製造しているのが、ハードウェア業界に所属する企業です。
ハードウェア業界で働くメリットは、自分が手がけた製品・成果が目に見えることです。製品がテレビCMや広告などで紹介されることもあり、達成感を得ることができるでしょう。また、ハードウェアの設計は、企業により手法も考え方も全く異なるため、入社後に、1からスキルを教育してもらえることが多いです。
ハードウェア業界の主な職種が、ハードウェアエンジニアです。電子回路や電子機器の設計を担っています。ハードウェアエンジニアには、電気・電子工学の知識だけではなく、幅広い知識が求められ、ソフトウェアや品質管理に関係する知識も要求されることがあります。
ハードウェアというモノ作りを担う業界なので、機械いじりが好きな方には向いているといえます。また、ソフトウェアを組み込んだ製品も増えており、ソフトウェアにも興味があるような好奇心旺盛なタイプであれば、ハードウェア業界で活躍できそうです。
他にも、ハードウェアの動作テストが計画通り進まないような状況であっても、落ち着いて検証を繰り返せる冷静さと粘り強さも、ハードウェア業界で働くための重要な気質とされています。
情報処理サービス(SI)業界の企業を大別すると、システム開発から保守まで一括で請け負う「SIer」企業と、必要な期間・人数のエンジニアを提供する「SES」企業に分類できます。また、SIerはソフトウェアの受託開発と情報処理という、2つの業界にまたがっています。
情報処理サービス(SI)業界に属する企業は、主に法人顧客のシステム構築や運用支援などを行います。法人相手のビジネスなので、仕事の規模が大きく、やりがいを感じられるでしょう。また、ITコンサルタントなどは年収が高い傾向にあります。
情報処理サービス(SI)業界の主な職種には、ITを切り口とした提案で顧客企業の抱える課題を解決する「ITコンサルタント」や、エンジニアと営業の二役を併せ持った職種「セールスエンジニア」などがあります。セールスエンジニアは、IT業界の変化のスピードに対応できる「技術の分かる営業」へのニーズから生まれた職種です。
情報処理サービス(SI)業界の職種は、企業の問題解決が主な仕事です。企業が抱える問題は、企業ごとに異なるため、ヒアリングが非常に大切です。そのため、顧客の話をよく聞き、要点を精査して必要な提案を素早く行える人材が求められています。よって、コミュニケーション能力が高く、かつ重要なポイントや要点を見つけ出すのが得意な方は情報処理サービス(SI)業界に向いているといえるでしょう。
Webサイトやインターネット広告の制作、EC(電子商取引)、SNSなどに関わるのがインターネット・Web業界です。
インターネット・Web業界は、在宅ワークやノマドワークなど柔軟な働き方を取り入れている企業も多く、ワークライフバランスが取りやすい業界と言えます。
インターネット・Web業界は、毎日のように変化し、新しい職種が生まれています。例えば、Webサイト制作の際に全体を指揮するWebディレクターや、Webサイトに掲載する記事を執筆するWebライターなどがあります。また、WebサイトのデザインをするWebデザイナーや、動画コンテンツが重視される昨今においては、動画クリエイターなども人気です。
インターネット・Web業界を目指すにあたり、向き不向きはないといわれています。歴史の浅い業界であるため、企業のカラーはさまざまで、業界に求められる特定の性質というものが存在しません。新しい技術を学び続ける貪欲な姿勢があれば、インターネット・Web業界で活躍できる人材になれるでしょう。
通信インフラとはインターネットやスマートフォン、Wi-Fiなどに用いられる通信回線や、それらを運用するために必要な設備のことです。ここでは、通信インフラ業界で働くメリットやどのような人が向いているのかを解説します。
インターネットが普及した現代では、電気や水道、ガスのように通信インフラは私たちの生活に欠かせないものといえます。通信インフラ業界で働くことで、社会を支えている実感を得られることが大きな魅力です。また通信分野は技術の進歩が速く、最先端のIoTや5Gに触れられるのも魅力として挙げられます。
通信インフラ業界の代表的な職種は4つあります。サーバーの設計・構築・管理を行う「サーバーエンジニア」、コンピューターネットワークの構築・運用を行う「ネットワークエンジニア」、データベースの設計・開発を行う「データベースエンジニア」、情報セキュリティに配慮した設計や構築を行う「セキュリティエンジニア」です。
通信インフラ業界の仕事は人々の生活を支えるものであるため、「誰かの役に立ちたい」「社会を支えたい」といった人に向いています。また通信インフラ業界は技術やトレンドの成長も速いため、変化を恐れずに挑戦できる人にもおすすめの業界です。
IT業界は「Information Technology(情報技術)」を活用したサービスを展開する企業の集合体で、ソフトウェア業界、ハードウェア業界、情報処理サービス(SI)業界、インターネット/Web業界、通信インフラ業界の5つに分けられます。IT分野は技術の発展が速く、AIやIoTといった新しい技術に対応できる人材が不足している状況です。
そのためIT業界は未経験者にも門戸を開いており、政府も民間企業もIT人材の育成に力を注いでいます。今後もIT業界は発展していくことが予想できるほか、未経験者でも転職できる業界であるため、興味のある人はぜひ挑戦してみてください。またマイナビITエージェントにご相談いただければ、IT業界の求人紹介や転職に関するサポートが可能です。お気軽にお問い合わせください。
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