更新日:2024/09/10
この記事のまとめ
IT業界の成長やIT人材需要の変化により、2030年には最大で約79万人のIT人材不足になることが予想されています。IT業界へ転職するか悩んでいる人は、今後どのような人材が求められるのかを知っておくとよいでしょう。
この記事では、IT人材が不足している理由や求められるIT人材について詳しく解説します。またIT系職種へ転職する際の注意点や、需要の高いIT系職種についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
IT人材は情報サービス業やITソフトウェアを提供するサービス業に勤める人、企業の情報システム部門の従業員などを指します。ニュースや情報誌などで「IT人材不足が深刻化している」と耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。ここでは、IT業界の人材不足が深刻化している理由について解説します。
経済産業省の発表によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足するといわれています。また、経済産業省がITベンダーに対して人材不足に関するアンケートを実施したところ、「求める人材が採用できない」「なかなか人材が育成できない」という課題が挙げられています。
IT人材不足が深刻化している理由として、IT業界の成長やIT技術の急速な変化が挙げられます。近年はさまざまな業界・業種で、AIやIoTの導入が進んでいます。そして私たちが普段使うアプリケーションやWebサービスにおいても、次々に新しい技術やサービスが増えているのを実感している人も多いでしょう。このようなIT業界の成長や技術変化に対して、エンジニアの供給が追いついていないのが現状です。
求められているIT人材の変化も、IT人材不足の要因のひとつです。従来型IT人材(従来のIT需要に対応するIT人材)と先端IT人材(AIやビッグデータ、IoTなどを扱うIT人材)を分けた需要の試算結果によると、今後は従来型IT人材の需要が減少し、先端IT人材の需要が増加すると見られています。
多くの企業ではIT人材を求めているため、転職先で悩んでいる場合はIT系職種への転職を検討するのもよいでしょう。IT関連の知識・技術を身につけるのは簡単ではありませんが、IT業界は未経験でも転職できるほか、スキルを身につければフリーランスも目指せる点が魅力です。ここでは、IT業界へ転職するメリットを3つ紹介します。記事の最後には需要の高いIT系職種を5種紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
専門的な知識・技術が必要なITエンジニアでも、未経験者歓迎の求人が多くあります。未経験者歓迎といってもまったく知識がない場合は転職が難しく、最低限のITリテラシーが求められる点には注意しましょう。IT関連の知識を身につけるためには、資格を取るか、スクールに通うのがおすすめです。またエンジニア向けの書籍や学習サイトも多いため、独学するのもよいでしょう。
ITエンジニアは基本的にパソコンがあればどこでも仕事ができます。そのため自宅やカフェなど、好きな場所でリモートワークできることもあるでしょう。また出勤時間が自由に選べる「フレックスタイム制」、カジュアルな服装で働ける「クールビズ」を取り入れているIT系の企業が多く、働きやすい環境が整っているのも魅力です。
ITエンジニアとして知識やスキルを高めれば、フリーランスを目指したり起業したりすることも可能です。フリーランスになれば働き方の自由度は一層高まり、スキル次第では高収入も目指せます。またIT業界で起業する場合は仕入れや在庫管理が不要で初期費用もかからないことから、低リスクで始められるメリットがあります。
ITエンジニアを目指すにあたり、まずはどのような人材が求められるのかを知っておくことが大切です。企業に求められる人材になることで、転職を有利に進められます。転職を成功させるためにも、ここで紹介する「求められるIT人材の3つの特徴」を押さえておきましょう。
「ITエンジニアは黙々とひとりで仕事をこなす」といったイメージを持っている人も多いでしょう。しかし、実際にはチームで連携を取ることがあり、上流工程になればクライアントと打ち合わせをする機会もあります。そのため、コミュニケーションスキル・ヒアリングスキル・プレゼンテーションスキルを含めた「ヒューマンスキル」が求められます。
クラウドサービスやIoTの普及により、不正アクセスやサイバー攻撃、デバイスからの情報漏洩といったセキュリティ対策が重要視されています。実際、Webサイトがハッキングされて個人情報が盗まれる事件も少なくありません。健全な企業運営のためにも、情報セキュリティに精通している人材のニーズが高まっています。
ビックデータやIoT、AIといった先端IT技術の需要が年々高まっているため、これらの技術を扱える先端IT人材が求められています。一方、従来型IT人材の需要は今後減っていくことが予想されるため、将来性の観点においても早い段階から先端IT技術を学んでおくとよいでしょう。
IT業界は売り手市場で、未経験でも転職しやすいメリットがあります。しかし、専門的な知識・スキルが求められるIT業界で長く働き続けることは決して簡単ではありません。ここでは、IT系職種へ転職する前に知っておくべきことを2つ紹介します。
IT業界は技術やトレンドの変化が速いため、ITエンジニアに転職できても最新の情報や知識をアップデートし続けなくてはいけません。与えられた業務をただこなすだけでなく、日頃からニュースやトレンドを追いかけたり、資格を取得したりといった努力が必要です。ITエンジニアは成長意欲がある人や努力が苦ではない人に向いている職種といえます。
システム開発の仕事は基本的に締め切り厳守です。納期に遅れれば他工程にも影響をおよぼすばかりか、クライアントからの信用を失ってしまう恐れもあります。納期に追われるプレッシャーや、納期に間に合わせるために残業が発生する可能性がある点に注意しましょう。
IT系職種といってもさまざまな種類があります。転職して長く働き続けるためにも、自分に合っている仕事を選ぶことが重要です。ここでは需要の高いIT系職種を5種ピックアップし、仕事内容や求められるスキルについて紹介します。
サーバーや情報セキュリティに関する業務を担当するのがセキュリティエンジニアです。具体的にはサーバーの構築や保守・運用、セキュリティを強化するシステムの設計・運用などを行います。セキュリティエンジニアに求められる知識は以下のとおりです。
IoTの技術を利用した製品の企画・設計・プログラミング・運用などを行うのがIoTエンジニアです。製品の企画やシステム開発を行う点では組み込み系エンジニアと混同されがちですが、IoTエンジニアはIoT技術に特化した製品を担当します。IoTエンジニアに求められる知識・スキルは以下のとおりです。
ビッグデータから必要な情報を収集・抽出し、企業の課題解決を行うのがデータサイエンティストです。現在は多くの企業が経営戦略およびサービス改善のためにデータを用いるようになったため、データサイエンティストの需要が拡大しています。データサイエンティストに求められる知識・スキルは以下のとおりです。
クラウドサービスに関するシステムの構築や保守を行うのがクラウドエンジニアです。主に業務を円滑に行うためのインフラ設計を行います。インフラ設計という点では、サーバーエンジニアやネットワークエンジニアと似ていますが、クラウドエンジニアはクラウド環境上で動作するサーバーの設計・構築を担当します。クラウドエンジニアに求められる知識は以下のとおりです。
プロダクト(製品・商品・サービス)に対する責任と決定権を持つのがプロダクトマネージャーです。プロダクトのターゲット設定から立案、ロードマップの作成など業務内容は多岐にわたります。プロダクトマネージャーに求められるスキルは以下のとおりです。
IT業界の成長やIT人材需要の変化によって、IT人材不足が深刻化しています。人材が不足しているからこそ、IT系職種への転職はおすすめです。IT系職種への転職を有利に進めるためには、情報セキュリティや先端IT技術について学ぶとよいでしょう。
IT系の職種へ転職したい人、未経験でも転職できるのかが不安な人はマイナビITエージェントへご相談ください。多くの求人情報の中から、スキルや希望に合った求人をご紹介いたします。
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