更新日:2022/10/27
この記事のまとめ
「エンジニアになって手に職をつけたい」「別のIT系職種からジョブチェンジしたい」といった理由でクラウドエンジニアの仕事に興味を持つ人は少なくありません。
しかし、「クラウドエンジニアって未経験から目指せるのかな」と不安に思っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、クラウドエンジニアは未経験から目指せる職業なのか、クラウドエンジニアの仕事内容、必要な知識やスキル、取得しておくと将来役立つ資格などを解説します。
長く働ける仕事へ転職を検討している人や、クラウドエンジニアの仕事に魅力を感じている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
未経験からクラウドエンジニアを目指すことは十分可能です。その根拠としては以下の要因が挙げられます。
総務省の「令和2年版情報通信白書」によると、2019年時点においてクラウドサービスを利用している企業は約65%でした。調査開始当時からは約20%、前年2018年からは約6%上昇しており、クラウドエンジニアの需要が年々高まっている実態がうかがえます。
また、利用企業からはクラウドサービスの効果を評価する声が多く見られ、全体の85.5%が「効果があった」と回答しています。
近年の働き方改革や、新型コロナウイルス流行にともなうテレワークの推進なども後押しし、クラウドサービスを支えるクラウドエンジニアの需要は今後いっそう高まっていくことが想定されます。
クラウドエンジニアとはその名の通り、クラウドに精通したエンジニア職です。主な仕事としては、サーバーやネットワークのインフラ設計、クラウド環境の構築、保守・運用などが挙げられます。
いずれもクラウド上での作業となるため、物理的なサーバーに直接手を加えることはありません。将来的な拡張を見据えたり、作業効率を踏まえたりしながら、高いセキュリティレベルのクラウドサービスを作り上げていきます。
クラウドエンジニアの詳しい仕事内容は、以下の記事もご覧ください。
クラウドエンジニアは未経験から目指せる職種ですが、実務をこなすうえではある程度の知識やスキルは持ち合わせておく必要があります。
ここから、クラウドエンジニアに必要とされる主な知識やスキルを6種類ご紹介します。
クラウドを専門とするクラウドエンジニアにとって、クラウドに関する知識やスキルは欠かせません。
適切なクラウドサービスをその都度駆使できることが、クラウドエンジニアとして望ましい状態です。
したがって、クラウドの仕組みはもちろん、各クラウドサービスに関する専門的な知識も求められます。
クラウドエンジニアには、インフラに関する知識やスキルも必要です。
クラウドを問題なく稼働させるためには安定的なサーバー環境を整える必要があり、そのために最適なサーバーの選定と、それをクライアントに提案するスキルが求められます。
すでにサーバー技術全般に精通しているインフラエンジニアの経験がある場合、クラウドエンジニアへの転職は比較的スムーズに実現するでしょう。
プログラミングスキルの知識レベルは、クラウド構築において効率や精度を高める重要な要素です。
プログラミングスキルがあれば、クラウドエンジニアとしてより活躍の幅が広がります。
例えば、サーバー構築の際に構築用のプログラムを作成できれば、作業の自動化が実現します。
手作業の必要がなくなれば、より効率的に作業が遂行でき、人的ミスも回避できます。
OSとアプリケーションの間に位置し、より複雑な処理を実現するミドルウェアに関する知識やスキルも必要です。
ミドルウェアの組み合わせによって、よりカスタマイズされた処理が可能となります。
具体的には、アプリケーションサーバーやWebサーバー、データベースサーバーなどを指します。
設定・運用のみならず、エラー時の復旧についても網羅しておくと良いでしょう。
オンプレミスとは、インフラ構築やシステム稼働に用いられるネットワーク機器やサーバー、ソフトウェアを自社で保有し、運用・管理することです。
クラウド移行に際しては、オンプレミスの設計構築を的確に理解しなければなりません。
したがって、クラウドエンジニアはクラウドまわりだけでなくオンプレミス方面の知識やスキルも併せもつ必要があります。
クラウドエンジニアはコミュニケーションスキルも必要な仕事です。
作業自体は一人で進めるものであっても、プロジェクトを遂行していくためには、クライアントや自社内のメンバーとの連携が欠かせません。
一見あまり重要ではないように思えるかもしれませんが、全体の動きを捉え、人間関係を良好に保てるクラウドエンジニアこそが、求められ活躍できる人材になれます。
未経験者がクラウドエンジニアに関する知識を得るには、おおまかに2つの方法が考えられます。
それぞれの特徴とメリット・デメリットについて理解し、自分に合った方法を選択するようにしましょう。
まずは、一人で勉強を進める方法です。
自宅やカフェ、自習室など、場所に関わらず黙々と集中して勉強ができる人にはおすすめです。
独学のメリットは、何といっても費用を抑えながら知識を学べる点にあります。
主にかかる費用は本の購入費の数千円程度であり、近隣に図書館があれば無料で静かな環境を得ることができます。
また、現代はインターネット上にも有益な情報が溢れているので、パソコンやインターネット環境があれば、勉強のためにかける費用はより抑えられるでしょう。
さらに、自分のペースで勉強を進められる点もメリットです。
仕事やプライベートの予定、体調などに合わせて臨機応変に計画を立てられるので、ストレスや身体の負担を減らして勉強を継続できます。
独学最大のデメリットは、モチベーションの維持が難しい点です。
学校のように同じ目標を持ち切磋琢磨する仲間が身近にいないため、心身に疲労が溜まってくると勉強の目的を見失いがちになります。
また、良くも悪くも柔軟な動きが可能なので、その時の気分によって勉強を休んでしまうと、サボり癖がついてしまうリスクもあります。
2つ目は、資格取得のスクールや専門学校に入校し学ぶ方法です。
対面やオンラインで実施される講義を受けることで知識を蓄積し、資格取得を目指します。
スクールや専門学校で資格取得を目指すメリットは、一定の強制力がある点です。
決められた場所・方法で、決められたカリキュラムを、決められた時期までに受講することが求められるため、自分の気分に関わらず勉強を継続しやすい環境が手に入ります。
周囲に同じ目標をもった仲間もいるため、励まし合ったり情報交換し合ったりしながらモチベーションを保っていける点もメリットです。
また、最適化されたカリキュラムや教材で勉強を進められるので、独学よりも効果的な勉強ができる可能性が高いでしょう。
デメリットは、ある程度の費用がかかる点です。
スクールや専門学校を利用する場合、数十万円単位の費用がかかります。
「何があっても資格取得しなければならない」という目的意識と、最後までカリキュラムをやりきる覚悟を持たなければいけないでしょう。
また、メリットでもある強制力は、時にデメリットにもなり得る要素です。
仕事や家庭にトラブルが生じても、100%自分の思い通りに計画を変更することは難しい点が足かせとなる方もいるでしょう。
クラウドエンジニアとして働くうえで役立つ資格をご紹介します。
特に未経験で実績がない状態からクラウドエンジニアに挑戦する場合は、あらかじめ資格を取得しておくと、採用選考でポジティブな評価が得られる可能性が高まります。
Linux技術者認定試験(LPIC)は、Linuxの技術力を証明する資格です。
Linuxに関する内容を網羅しており、クラウドエンジニアとして基盤となる技量を身につけるためにはうってつけの資格といえます。
また、海外仕様の資格試験も多く見られるなか、Linux技術者認定試験は日本仕様にカスタマイズされた試験内容である点も、取得をおすすめできるポイントです。
違和感のない日本語で、日本の現場で活きる内容が出題されるため、資格試験慣れしていない方やIT初心者でも受けやすい資格になっています。
CCNA(Cisco Certified Network Associate)認定資格は、ネットワーク関連機器メーカーとして知られるシスコシステムズが主催する資格です。
自社製品の取り扱い技術やネットワークの基礎知識を問う内容で、ネットワーク技術者に欠かせないスキルの証明として浸透しています。
クラウドエンジニアとして活躍するうえでも、CCNAの取得は有利に働くことが期待できます。
なお、2020年には試験制度がリニューアルされ、細分化されていた複数の試験科目がCCNAに統合されました。統合にともない難易度が上がったとの声も聞かれるため、十分な試験対策が必要でしょう。
AWS(Amazon Web Service)認定資格とは、Amazonが実施するクラウドサービスAWS(Amazon Web Service)に関するスキルを証明する資格です。
クラウドサービスの代表格といわれるAWSは、クラウドエンジニアが扱う頻度が高いことから、実務に直接的に役立つ資格として知られています。
全11種類の資格が4つのカテゴリに分かれているため、クラウドエンジニア未経験者から、ある程度の経験を持つ方まで、幅広い層からニーズのある資格です。
Google Cloud認定資格は、Googleが展開するクラウドサービス「GCP(Google Cloud Platform)」に関するスキルを証明する資格です。
取得することで、Googleで実際に活用されているクラウド技術を活用できるようになります。
資格合格者からは、「クラウドスキルに自信が持てるようになった」「高収入につながった」といった声が多数寄せられており、クラウドエンジニアとして働くうえで大きな後ろ盾となります。
Microsoft Azure認定資格とは、マイクロソフトが展開するクラウドサービス「Azure」に関するスキルを証明する資格の総称です。
Microsoft Azureは近年シェアを拡大していることから、AWS同様に実務でリアルに活かせるスキルが身につきます。
難易度・役割ごとに複数の資格が用意されているため、自分に適したものを選択しやすく、スキルアップの見通しも立てやすい資格です。
「未経験からクラウドエンジニアを目指したい。けれど転職できるのか不安」という人に最適なのが、転職エージェントの利用です。
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転職支援サービスは無料で利用できるので、クラウドエンジニアへの転職を決意している人はもちろん、興味がありながら決めきれない人も、まずはお気軽に相談してみてください。
クラウドエンジニアは、未経験からでも十分に目指せる職業です。
現在活躍しているクラウドエンジニアの中にも、かつて未経験だった先輩たちは数多くいます。
IT人材の不足が叫ばれる中、クラウドエンジニアが活躍できる場面は多数ありますので、なりたいクラウドエンジニア像を描きながら転職の実現を目指しましょう。
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