更新日:2026/01/22

この記事のまとめ
近年はさまざまなクラウドサービスが登場し、多くの企業や組織が自社にサーバーを持たずに新しいサービスを利用するようになりました。そういったクラウド基盤を支えているのが、社内外のクラウドに関するインフラを担う「クラウドエンジニア」です。
この記事では、クラウドエンジニアの仕事内容や今後の展望、必要なスキル・資格を紹介します。
目次

IT業界で働くエンジニアにはさまざまな職種がありますが、クラウドエンジニアとはどのような仕事を指すのでしょうか。ここでは、クラウドエンジニアの主な仕事内容について解説します。
クラウドエンジニアの仕事として、業務を円滑に進めるためのインフラ設計が挙げられます。クラウド環境上のサーバー設計・構築、ネットワークの整備など、インフラを担うことで現場をサポートします。現場がトラブルなく業務を遂行するために欠かせない仕事といえるでしょう。
インフラ設計だけでなく、クラウド環境の構築もクラウドエンジニアの仕事のひとつです。近年では自社でサーバーを持ち運用するオンプレミスではなく、仮想環境上にクラウド環境を構築して運用するケースが増えており、クラウドエンジニアの活躍の場はより増えているといえます。
設計・構築だけでなく、構築後の保守・運用もクラウドエンジニアの役割のひとつです。クラウドエンジニアは、クラウドに関するあらゆる業務を一手に担う仕事といえるでしょう。

サーバーやネットワークを構築するインフラ系のエンジニアとクラウドエンジニアは同じ仕事と捉えられることもありますが、厳密には違いがあります。ここでは、クラウドエンジニアと似た職種として、インフラエンジニア、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニアとの違いを見てみましょう。なお、ここで紹介するのはあくまで一般的な傾向で、企業やプロジェクトによって役割は重なる場合があります。
クラウドエンジニアとインフラエンジニアの主な違いは担当する領域です。インフラエンジニアはオンプレミス環境で、サーバーやネットワーク機器の物理的な管理を主に担当します。一方、クラウドエンジニアは仮想環境上でインフラを構築・運用し、AWS・Azure・GCPなどのクラウドサービスを専門的に活用します。
業務範囲としては、クラウドエンジニアはインフラエンジニアの一種といえますが、より専門性が高く、クラウドサービスに特化しているのが特徴です。
サーバーエンジニアはオンプレミス環境で構築するサーバーのインフラ整備を担うため、サーバーそのものの配線や接続も業務に含まれます。一方、クラウドエンジニアは、クラウド環境上で動作するサーバーの設計・構築・運用・保守を担当するという違いがあります。
ネットワークエンジニアもサーバーエンジニアと同様、オンプレミス環境で構築するネットワークのインフラ整備を担います。
クラウドエンジニアはクラウド上のネットワークを設計・構築・運用・保守しますが、ネットワークエンジニアはサーバー同士を配線して接続するなどの業務も行います。また、ルーティングと呼ばれるネットワークの経路を設定する業務もネットワークエンジニアの仕事です。
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査の結果によると、クラウドエンジニアを含むシステムエンジニア(基盤システム)の平均年収は752万6,000円でした。全産業の平均年収が526万9,900円であるため、給与水準は高いといえるでしょう。
年代別に見ると、40代前半で904万4,400円とピークを迎え、それ以降は50代後半までほぼ横ばいです。スキルと経験次第で比較的若くても高収入を狙えます。
参照:システムエンジニア(基盤システム) - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)
未経験からクラウドエンジニアとして働くことは可能です。ただし、スクールや専門学校に通って専門知識を身につけたり、企業が求めるスキルや知識を習得したりする必要があります。
クラウドエンジニアとして十分に活躍できるだけのスキルを持っていることを証明する経歴や資格があれば、実務経験がなくても採用されることはあり得るでしょう。

クラウドエンジニアへの転職は未経験でも挑戦できますが、どのようなスキルや知識が求められるのでしょうか。ここでは、クラウドエンジニアに必要なスキルや知識を6つ紹介します。
クラウドエンジニアとして働くにあたっては、プロジェクト内で円滑に業務を進めるためのコミュニケーションスキルが必要です。エンジニアは一人で成果物を完成させるのではなく、プロジェクト全体で協力し合って業務を行います。そのため、メンバーと協働できるコミュニケーションスキルが必要不可欠です。
クラウドエンジニアは、さまざまな事態やシチュエーションを想定して、多角的・論理的思考を繰り返しながら開発することが求められます。あらゆる可能性を否定することなく、「この仕組みを作ったらどうなるか」「こう操作したらどのように動くか」と疑問を持ちながら、実行・検証する能力が必要です。
クラウドエンジニアはクラウドを扱う職種であることから、クラウドに関する知識を身につけることは避けられません。クラウド技術は年々発展し続けているため、常に学び続ける姿勢が重要です。
クラウド上で動作するサーバーやネットワークを扱うケースが多いため、サーバーやネットワークに関する詳しい知識も求められます。サーバーやネットワークをそれぞれ専門とする場合、両方を扱う場合など、現場によって活用する知識はさまざまで、自分に合ったスキルを身につけることが大切です。
ハードウェアとソフトウェアを仲介しプログラムを円滑に動作させるミドルウェアに関する知識や、サーバーのような実機を指すオンプレミスに関する知識も必要です。「クラウドエンジニアなのだからクラウドに関する知識だけを学べばよい」というわけではなく、幅広い知識を学ぶことが求められます。
現場によっては、AWSやAzure、GCPなどのクラウド基盤に関する知識も必要です。使用している基盤は現場によって異なるため、必ずしもこれらすべての知識を習得しなければならないわけではありませんが、必要に応じて柔軟に学ぶ姿勢が重要です。

クラウドエンジニアとして働くうえで必要な知識やスキルを持っていることを証明するには、資格の取得がおすすめです。特に未経験で転職する場合、資格取得を目指す中で学んだ知識が転職後も役立つでしょう。ここでは、クラウドエンジニアに求められる知識を学べる資格を紹介します。
AWS認定ソリューションアーキテクトとは、Amazonが提供するクラウド基盤「AWS」の知識やスキルを認定する資格です。
全部で11の種目があり、それぞれ基礎レベル、アソシエイトレベル、プロフェッショナルレベルに分かれています。AWSを使った開発に携わりたいなら取得を目指すとよいでしょう。
Google Cloud認定資格は、Google社が提供するクラウド基盤である「Google Cloud」のスキルや知識があることを証明する資格です。
取得するとデジタルバッジと証明書が発行され、Google Cloudに関して十分な知識があることを証明できます。Google Cloudを活用した開発現場で働きたい人におすすめの資格のひとつです。
Microsoft Azure認定資格は、Microsoft社が提供するクラウド基盤「Microsoft Azure」のスキルや知識を身につけたことを認定する資格です。
全部で9種類の種目に分かれており、任意の種目を受験できます。Microsoft Azureを使った開発に携わりたい方は、あらかじめ取得しておくと自身のスキルをアピールしやすくなります。

クラウドエンジニアには、技術革新の最前線に立ち続けられることや社会インフラを支える充実感、柔軟な働き方の実現、グローバルに通用するスキルの習得と多岐にわたる魅力が存在します。ここでは、クラウドエンジニアへの転職を検討している方に向けて、具体的なやりがいを4つの観点から紹介します。
クラウドエンジニアの最大の魅力は、常に最先端のクラウド技術に触れられることです。AWS、Azure、GCPなどの主要クラウドプロバイダーは毎年新しいサービスや機能をリリースしており、これらを学び実践する過程で技術力が飛躍的に向上します。クラウド技術は日進月歩で進化しているため、AI、IoT、Infrastructure as Codeといった革新的な技術にも自然と触れる機会が増えるでしょう。
この環境は、自身の市場価値を高めるだけでなく、企業に最適なソリューションを提案できる専門家としての成長も促進します。技術コミュニティへの参加や資格取得に向けた学習を通じて同じ志を持つエンジニアと交流することで、さらなる刺激と学びが得られるでしょう。
クラウドエンジニアの魅力は、ビジネスのデジタル変革を直接支える社会的意義の大きさにあります。現代社会においてクラウドサービスは重要なインフラとして機能しており、クラウドエンジニアはその根幹を支える責任ある立場です。企業のクラウド移行をサポートすることで、ビジネスの拡張性や柔軟性の向上に貢献し、経済活動の効率化を促進します。
また、24時間365日稼働する安定したシステム構築を通じて、社会全体のデジタル基盤を強化する役割も担っています。災害時のデータ保全やセキュリティ対策の強化など、社会的課題解決への貢献も大きく、自分の技術が社会インフラの一部となることで得られる充実感はやりがいのひとつといえるでしょう。
クラウドエンジニアは場所や時間に縛られない柔軟な働き方を実現しやすい職種です。クラウドシステムはインターネット経由でアクセス・管理が可能なため、多くの企業がリモートワークを積極的に導入しています。通勤時間の削減により、プライベートに使える時間が増え、ワークライフバランスを重視する方に適しています。
また、フレックスタイム制度を採用している企業も多く、自分のペースで業務を進められる点もメリットです。これは時差のある海外チームとの協働をスムーズにするという実務上の利点も生み出します。自己管理能力を磨くことで生産性が向上し、家事や育児との両立も可能となるため、多様なライフスタイルに合わせたキャリア構築ができる点が大きな魅力です。
クラウドエンジニアとして身につくスキルは、国境を越えて通用する普遍的な価値を持ちます。AWS、Azure、GCPといった主要クラウドプラットフォームは世界共通のサービスで、これらの技術を習得することで国際的なキャリア展開の可能性が広がるでしょう。特に、グローバル企業や海外プロジェクトでは、クラウド技術の専門知識を持つエンジニアの需要が高まっています。
また、最新の技術情報は英語で発信されることが多いため、自然と英語力が向上し、国際的なコミュニケーション能力も磨かれます。クラウドエンジニアとして培ったスキルは日本国内に限らず、世界中どこでも活かせる強みとなり、グローバルなキャリアパスを描く基盤となるでしょう。

クラウドエンジニアは技術力だけでなく、ビジネス視点やコミュニケーション能力など、多面的な資質が求められる職種です。そのため、適性がある人には、いくつかの共通する特性があります。ここでは、クラウドエンジニアに向いている人の特徴を5つ紹介します。
クラウドエンジニアに向いている人の特徴として、常に新しい技術に興味を持ち続けられる人が挙げられます。クラウド環境は日々進化しており、AWS、Azure、GCPといった主要プラットフォームは毎年のように新機能をリリースしています。このような環境で活躍するには、最新技術への好奇心と継続的な学習意欲が不可欠です。
特に、クラウドネイティブ技術やIaCツールなど、新しい概念や手法を積極的に取り入れる姿勢が求められます。「構築して終わり」ではなく、常に最適な設計を追求し、セキュリティやコスト効率の観点からも改善を続ける人がクラウドエンジニアとして高く評価されるでしょう。
クラウドエンジニアには論理的思考力が不可欠です。クラウドシステムの設計や運用で求められるのは、複雑な要件を整理し、最適な解決策を導き出す能力です。システム全体の構造を理解し、コンポーネント間の関係性やデータの流れを論理的に把握することで、効率的なアーキテクチャを設計できます。
予期せぬ障害が発生した際には、現象を論理的に分析し、迅速に原因を特定する必要があります。コスト最適化においても、リソースの使用状況を分析し、効率的な運用方法を論理的に検討する能力が重要です。これらのスキルは、システム設計の基本原則やトラブルシューティングの方法論を学ぶことで強化できます。
クラウドエンジニアの仕事は、チームでの協力が欠かせません。プロジェクトは開発者やネットワーク担当者、セキュリティ専門家といった多様なスキルを持つメンバーとの連携で進行するため、円滑なコミュニケーション能力が重要です。
クラウド環境の構築や運用においては、技術的な課題を非技術者にも分かりやすく説明する「翻訳者」としての役割も求められます。たとえば、経営層には技術的メリットをビジネス視点で伝え、開発チームには技術的制約を的確に説明するといった橋渡し役を担うことも少なくありません。
チーム内で問題が発生した際は、関連部署と協力して迅速に解決策を見出す柔軟性も必要です。このような協働を通じて、より大規模で複雑なクラウドプロジェクトも成功に導けます。
クラウドサービスの多くは従量課金制を採用しているため、クラウドエンジニアには高いコスト意識が求められます。システムをただ構築するだけでなく、無駄なリソースを削減し、最適なインスタンスタイプを選択することでコスト効率を高める視点が重要です。
たとえば、不要なインスタンスの停止や自動スケーリングの設定、リザーブドインスタンスの活用など、さまざまな手法を駆使してコストを抑えながらパフォーマンスを維持する能力は、企業からの信頼獲得につながります。ビジネス目標とコストのバランスを考慮した提案ができるクラウドエンジニアは、市場価値も自然と高まるでしょう。
クラウドエンジニアに求められる重要な資質として、自動化・効率化を追求する姿勢があります。クラウドの本質はリソースを効率的に活用することで、Infrastructure as Code(IaC)を駆使したインフラ構築の自動化や監視・運用プロセスの効率化が必須スキルです。繰り返し行う作業を自動化することで人為的ミスを減らし、サービス品質が向上します。
たとえば、AWS Auto Scalingなどの自動化サービスやTerraformのような構成管理ツールを活用することで、リソースの自動スケーリングやインフラ構成のテンプレート化が実現できます。常によりよい方法を探求し、業務プロセスを改善できる人は、クラウドエンジニアとして高い適性を持っているといえるでしょう。
クラウドサービスを活用する企業は年々増加傾向にあり、今後も増えることが予想されます。総務省が取りまとめた「令和2年版情報通信白書」「令和6年通信利用動向調査の結果」によれば、クラウドサービスを一部でも利用している企業は2015年には44.5%でしたが、2024年には80.6%にまで上昇しています。
クラウドの活用が増えるにしたがってクラウドエンジニアの需要も高まると想定されるため、クラウドエンジニアは将来的にもニーズのある職種といえるでしょう。

サーバーやネットワークをはじめとしたインフラに携わるクラウドエンジニアは、今後さらに必要性が高まる職種です。設計・構築・運用・保守と幅広い業務に携わるため、未経験からチャレンジする方は資格を取得したりスクールで専門知識を習得したりして、自らのスキルをアピールすることが大切です。
クラウドエンジニアへの転職について疑問や不安があれば、マイナビ転職ITエージェントにご相談ください。業界に精通したキャリアアドバイザーが、クラウドエンジニアに転職するには何を身につければよいかアドバイスします。
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