更新日:2024/09/10
この記事のまとめ
IT業界で人気の職種「クラウドエンジニア」を目指すために資格の取得を考える人は多いのではないでしょうか。しかしIT関連の資格は種類が多く、資格選びを失敗すると時間やコストを浪費してしまうこともあります。
この記事では、クラウドエンジニアにおすすめの資格や取得のメリット、選び方についてご紹介します。
目次
クラウドエンジニアになるためには資格が必要なのでしょうか。クラウドエンジニアの仕事内容と併せて解説します。
クラウドエンジニアの主な仕事内容は、インフラ設計です。クラウド上にあるサーバーを設計・構築し、ネットワークの整備や保守などを担います。インフラ設計というと裏方のイメージがあるかもしれませんが、現場での業務が円滑に進むよう各方面を調整する役割もあり、必要不可欠な仕事です。
クラウドエンジニアの仕事内容は以下の記事でも具体的に解説しています。
クラウドエンジニアになるためには、特定の資格が必要というわけではありません。しかし、自分のスキルを客観的に証明するという意味では、資格を持っていたほうが求職活動やキャリアの形成において有利になります。
クラウドエンジニアとして活躍したいという方は、以下のようなポイントに着目して資格を選ぶことをおすすめします。
では、ここからクラウドエンジニアにおすすめの資格やその概要、難易度をご紹介します。
「情報処理技術者試験(FE)」は経済産業省が認定する資格であり、IT人材として必要な知識を有することを証明できます。国家資格であるため知名度が高く、クラウドエンジニア以外のIT業界全般でも役に立ちます。
情報処理技術者試験を取得するには、ネットワーク、セキュリティ、アルゴリズムなど幅広い知識が必要です。IT人材としての知識を体系的かつ包括的に学べるため、資格取得を目指しながらITに関する知識の基礎固めをすることができます。
「情報処理安全確保支援士(SC)」は、情報セキュリティの知識や技能を認定する国家資格です。セキュリティに関する知見はクラウドサービスを設計・開発する際に必要となるため、業務でも大いに役立つ資格です。
処理安全確保支援士の合格率は20%前後で、IT系資格の中でも難易度が高い資格です。
「ネットワークスペシャリスト試験(NW)」は、ネットワークシステム全般に関する幅広い知識を有することを認定する試験です。取得すれば高度IT人材として認められ、情報システム基盤の企画から保守に至るまで、さまざまな工程で中心的な役割を果たし指導する人材として認められます。
試験の合格率は10%台前半であり、難易度は情報技術系の中でも何度が高い資格となっています。
「AWS(Amazon Web Services)」の認定試験は、パブリッククラウドで最大のシェアを誇るAWSの認定資格であり、クラウドエンジニアにとって必須の資格といっても良いものです。無料のオンラインセミナーがあるなど資格取得に向けた学習環境も整っているため、初めてクラウド分野を学習する方でも着手しやすい資格です。
AWS認定資格の合格率は公開されていませんが、資格の難易度は試験によって異なります。初級者は「AWS 認定クラウドプラクティショナー」から始め、中級者向けの「AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト)」、上級者向けの「AWS認定ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)」と、段階的に資格取得を目指せます。
「シスコ技術者認定(CCNA)」は、ITやネットワークに関する基礎知識を習得しながらクラウド分野の知識も習得できる資格です。
シスコ技術者認定はレベルによって難易度が異なります。ネットワーク技術の「エントリー」レベルは入門レベルとして設定される一方、上級レベルの「エキスパート」になると世界的に高く評価されるレベルです。クラウドエンジニアとして資格を取得するには、ネットワークの専門家として幅広い基礎知識が認められる「アソシエイト」レベルの取得を目指してみましょう。
「Google Cloud 認定資格」は、「Google Cloud Platform(GCP)」の知識とスキルを証明できる資格です。Google Cloudは近年シェアが拡大している3大クラウドサービスの一つでもあり、業務に活かすことができる求人も増えています。
Google Cloud 認定資格は2022年9月時点で11種類と幅広い分野で構成されており、自身の習熟度に合わせ適切なレベルの資格を受験することができます。
「Linux技術者認定試験(LinuC)」は、コンピューターOS「Linux」の知識やスキルを証明する資格です。Linuxは仮想サーバーの構築に用いられることも多く、クラウドエンジニアにとっても大いに役立つ資格です。
Linux技術者認定試験の難易度は、レベルによって異なります。試験はオンライン形式で、結果がすぐにわかるようになっています。経済産業省の「ITスキル標準(ITSS)」でレベル2相当の「LinuCレベル2」を取得するためには、その前に「LinuCレベル1」を取得しておく必要があります。
「Microsoft Azure認定試験」は、Microsoft Azureの知識やスキルを証明できる資格です。Microsoft Azureは3大クラウドサービスの一つであり、AWSに次ぐ高いシェアを誇ります。Microsoft社が認定する資格のため、高い信頼性があります。
Microsoft Azure認定試験はレベルごとに難易度が分かれています。無償で学習システム(Microsoft Learn)が提供されているため、コストをかけずに学習できます。
「CompTIA認定資格」は、世界118ヵ国にメンバーシップがいるIT系の国際資格です。IT業界全般で役立つ資格ですが、クラウド系の資格もあり、クラウドエンジニアとしての知識やスキルを証明できます。
「CompTIA認定資格」は資格の区分ごとに難易度も異なりますが、合格率は公開されていません。試験内容は特定のクラウドサービスの知識に限定されていないため、幅広いITスキルをアピールしたい方におすすめです。
「CCSP認定試験(Certified Cloud Security Professional」は、安全にクラウドサービスを利用するための知識やスキルを証明する国際資格です。資格を取得するとセキュリティ対策において強みをアピールできるため、クラウドエンジニアとしての付加価値となります。
CCSP認定試験に初心者向けの試験区分はなく、取得には5年以上の実務経験が求められます。そのため、資格の難易度としては高いといえるでしょう。クラウドエンジニアとしてさらなるキャリアアップを目指す経験者にはおすすめの資格です。
クラウドエンジニアに役立つ資格は、以上でご紹介したものの他に「Alibaba Cloud 認定試験」などもあります。自分のレベルに合ったものや、これから転職を考えている業界や企業で必要とされる知識に合わせて、資格を選ぶと良いでしょう。
クラウドエンジニアが資格を取得するメリットについて解説します。
資格を取得することは、技術や知識、スキルを有することの客観的な証明となります。国や信頼のある専門機関が証明するもののため、求職活動において実績の裏付けにもなります。
資格を取得すると、収入アップのチャンスが増えます。企業によっては資格手当が支給される場合もありますし、昇進につながることもあります。
資格を保有すると仕事の幅が広がるため、受注できる仕事の種類や案件を増やすことができます。会社勤めであっても、任される仕事の幅が増えることは自身のキャリアにとってもプラスに働くでしょう。
資格を取得すると即戦力であることの証明にもなり、社内で重要なポジションに就くことも可能です。また業務としては未経験であっても、保有する専門知識や積極的な行動、学習姿勢を評価してもらえるため、結果的にキャリアアップにつながります。
最後に、クラウドエンジニアを目指すためのポイントを2つご紹介します。
クラウドエンジニアはエンジニア職の中でも需要が高く、将来性のある職種です。クラウドエンジニアを目指すなら、自分がどのように活躍したいのか、どこに強みを持ちたいのかなど、キャリアビジョンを明確にしておきましょう。目標が明確になると、必要なスキルや資格などの「目的」が見えるようになります。資格取得がゴールにならないよう、目標から逆算してキャリア形成を図りましょう。
エンジニア職が資格を取得して自らのスキルにつなげるには、インプットだけではなく実践によって積極的にアウトプットすることが重要です。実践を重ねることで知識を再確認でき、実際の業務を想定したトレーニングができます。
この記事では、クラウドエンジニアにおすすめの資格と、資格を取得するメリット、選び方についてご紹介しました。
資格は自分のスキルを証明するものです。クラウドエンジニアとして自分の希望に合った資格を取得することで、目指すキャリアに近づくことができます。ぜひこの記事を参考に資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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