更新日:2023/05/15
ITエンジニア向けの様々な資格の中でも、ネットワークスペシャリスト試験は転職に役に立つといわれます。
難度が高く合格者も少ない傾向があり、ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアとしての高い専門性を証明することができます。
ここでは、ネットワークスペシャリスト試験の内容やネットワークスペシャリスト試験合格が役立つ職業、難度、受験方法などを紹介します。
目次
ネットワークスペシャリスト試験は、経済産業省が認定する国家資格である「情報処理技術者試験」の、試験区分のひとつです。
ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアとしてキャリアアップを検討している人なら、ぜひ取得しておきたい資格といえます。
ネットワークスペシャリスト試験に合格した人は、ネットワーク分野のプロフェッショナルとして、自分の力で業務上の課題を発見・解決できる知識を持っている証明になります。
また、ネットワーク技術だけでなくサービス動向までを理解して、規模が大きくセキュリティの高いネットワークシステムを、目的に応じて構築・運用できる知識を持っていることが期待されるでしょう。
経済産業省が認定する国家資格「情報処理技術者試験」の中でも、レベル4として位置付けられている難関試験ですが、企業からの評価も高いのが特徴です。
試験は午前I・午前II・午後I・午後IIの4項目となっており、午前は4つの選択肢から1つの回答を選択する多肢選択式、午後は記述式の試験が行われます。
それぞれの試験時間と出題数、回答数は以下になります。
ネットワークスペシャリスト試験で出題される範囲は幅広く、以下の項目が網羅されています。
いずれもネットワークシステムに関連する知識・技能に関する内容となっています。
ネットワークスペシャリスト試験の難度は高いとされていますが、具体的にどの程度難しいのでしょうか?
独学でも合格は可能なのでしょうか?おすすめの参考書なども一緒にご紹介します。
ネットワークスペシャリスト試験の合格率は、2019年度実績で14.4%です。
ネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアなどの知識や経験があるIT技術者が主に受験していることを考えると、難度は高い資格といえるでしょう。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
ネットワークスペシャリスト試験のためのスクールは全国各地に存在していますが、独学での合格を目指すなら、時間をかけてコツコツと勉強していくことが何よりも重要です。
人によって異なるものの、毎日最低1時間の勉強時間は確保し、半年から1年ほどかけて学んでいくことをおすすめします。
実務経験者の場合、直前だけ対策するという人もいますが、ネットワークスペシャリスト試験には記述式問題があるため、対策をきちんとしていないと点が取れないケースが多いようです。
実務経験が豊富な人でも、しっかり準備をして試験に臨むようにしましょう。
ネットワークスペシャリスト試験は毎年10月に実施されており、申込期限は7月初旬から8月中旬までとなっています。
インターネットと願書郵送のいずれかで申し込むことができます。
試験の一部免除規定がありますので、事前にチェックしておくと良いでしょう。
5,700円(税込)
ネットワークスペシャリスト試験には、年齢制限や受験資格はありません。
12月下旬に合格者の受験番号が、試験を主催するIPA(情報処理推進機構)のWebサイトに掲載され、同時に成績照会・および成績のPDFファイルが掲載されます。
試験結果の通知はありませんので、自分でWebサイトを見て確認します。閲覧には受験番号とパスワードが必要です。
合格者の受験番号は後日、官報にも公示されます。
ネットワークスペシャリスト試験に合格すると、どのような場面で有利になるのでしょうか。
ネットワークスペシャリスト試験合格が転職や仕事で役立つケースを3つご紹介します。
インフラエンジニアは、ネットワークやサーバーの設計や構築を行います。
インフラエンジニアが活躍する分野には、ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアと呼ばれるエンジニアが存在します。
両方の分野を担当しているインフラエンジニアもいれば、分担しているインフラエンジニアもいます。
企業や現場によって対応範囲は異なります。各エンジニアについては後述します。
ネットワークエンジニアは、コンピューターネットワークの構築・保守・管理を行う技術者です。
LANケーブルやルーターなどのネットワーク機器を扱い、企業内で使用するネットワークを構築・運用する事が主な仕事内容です。
また、クライアントから要望を聞き出し、正確に理解して最適なネットワーク環境を設計していく事もあるので、ネットワーク機器の知識だけではなくコミュニケーション能力や論理的思考能力も必要になります。
サーバーエンジニアは、メールサーバーやWebサーバーなどの設計やカスタマイズ、テストなどを行います。
導入するサーバーの種類や通信読度、設置台数など、どう組み合わせて構築すれば運用に適しているかを考えて設計しています。
また、機器を繋ぐ物理作業だけでなく、サーバー稼働に必要なOSやアプリケーションの設定なども行うため、プログラムの知識も必要となります。
サーバーエンジニアに必要なスキルや評価ポイントなど、こちらの記事に詳しく書いてますのでご覧ください。
ネットワークスペシャリスト試験は、ネットワークエンジニアとしての就職・転職だけでなく、IT系職種全般で有利になるでしょう。
それは、他の応募者よりも深い知識と高い学習意欲を示すことができるためです。
特に、新卒や第二新卒でネットワークスペシャリスト試験に合格している人は非常に少ないため、就職活動にも有利です。
官公庁システムの開発案件の場合、国家資格保有者の数が入札条件になる場合があります。
そのため、企業ではネットワークスペシャリスト試験の合格者数を重視する傾向があるようです。
ネットワークスペシャリスト試験合格者に対して、資格手当や合格時に取得一時金を与えるといった企業もあります。
ネットワーク全般の専門知識が広く問われるネットワークスペシャリスト試験は、難度が高く合格は大変ですが転職でも有利に働きます。
実務経験が長い人が勉強に取り組めば、今まであまり携わってこなかった分野の知識もまとめて勉強でき、新しい発見やスキルアップにつながるでしょう。
自分の知識レベルを確認するため、または専門性を高めていくためにも、ネットワークスペシャリスト試験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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