更新日:2024/07/25
この記事のまとめ
履歴書や職務経歴書に記載する志望動機は、自身の入社意欲をアピールする重要な項目です。選考通過に大きく影響することから、ポイントを押さえて作成する必要があります。しかし、「ネットワークエンジニアの志望動機をどのように作成すればよいのか分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ネットワークエンジニアの志望動機の書き方を4つの手順で解説します。また、志望動機作成で意識したいポイントやアピールしたいスキル、例文も紹介しているため、転職を成功させたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
志望動機を書くために、ネットワークエンジニアの仕事内容をいま一度確認しておきましょう。仕事内容の正しい把握は、適切な志望動機を書くために必要なことです。ネットワークエンジニアは、ネットワークのシステム構築や監視・運用など、ネットワーク関連に特化したエンジニアです。業務は大きく3つに分けられます。
クライアントへのヒアリングを通じてどのようなネットワークシステムを希望しているのかを明らかにし、要件をまとめて詳細設計に落とし込みます。要件に応じて必要なネットワーク機器の種類や使用する回線を選択するため、機器の予算や回線費用など運用後のネットワークの維持費のほか、構築までのスケジュールを考慮します。
セキュリティーやOS、サーバーなど、システム関連の高度な専門知識とともに、クライアントの意向を正確にくみ取る理解力と提案能力、プロジェクト全体を進める推進能力など幅広い力が求められます。
作成した設計書とスケジュールに基づいて機器や回線を設置し、ネットワークを構築していきます。ネットワークの構築では、物理的なケーブリングや機器の設置に関する知識が必要です。構築後はテストをし、問題なくデータ共有や情報処理が可能なことを確認後、ネットワークシステムの運用をスタートします。
ネットワークの運用が開始されても、ネットワークエンジニアの業務は終わりではありません。運用を始めてからも、機器の設定を変更したり構成の変更が必要になったりと、臨機応変な対応が求められます。
トラブルが起きたときには被害を最小限に抑え、安定したネットワークの運用を維持させることもネットワークエンジニアの大切な仕事です。場合によっては、顧客企業に常駐してネットワークの監視業務を行うこともあります。
プロジェクトやネットワークの規模によって、これら3つの業務をひとりで一貫して担当することがあれば、複数人で分担する場合もあります。
転職経験が少ない人の場合、どのように志望動機を作成したらよいのか悩むことがあるでしょう。志望動機の書き方に明確な決まりはありませんが、基本的な構成や盛り込みたい要素を押さえておくことが大切です。ここでは、ネットワークエンジニアの志望動機の基本的な書き方について解説します。
志望動機の冒頭では、ネットワークエンジニアを目指したきっかけや志望先企業を選んだ理由を簡潔に記載します。たとえば、「インターネット障害に対応してくれたネットワークエンジニアの仕事を間近で見て興味が湧いた」「設立して30年以上の長い歴史を持ち、運用から保守まで一貫して担当する貴社に魅力を感じた」などです。
冒頭で記した志望理由について、その根拠となる具体的なエピソードや背景を伝えます。志望理由が抽象的でありきたりな内容だと、採用担当者の心には響きません。具体的な志望理由を記載するためには、インターネットや業界紙などを駆使して業界研究や企業研究をする必要があります。
「志望先企業の特徴は何なのか」「他社と比べて優れている点は何なのか」などを意識して企業研究を行いましょう。
志望先企業で活躍できることを示すために、これまでの職歴で培ったスキルや経験を示します。前職で活躍した実績を具体的に示すと、自分の能力を理解してもらいやすくなります。そのほか、志望先企業で活かせる資格があれば、しっかりとアピールしておきましょう。
志望動機の最後には、「入社してからどのように活躍したいのか」「どのような人材になるのか」などを記載しましょう。転職では即戦力となる人材が求められます。未経験者であっても、採用担当者が「採用して自社で育てたい」と思ってもらえるように将来性が伝わる内容にしましょう。
また、自身のキャリアプランを記載するのも有効です。5年先、10年先にどうなっていたいのかを記載することで、長期的に働く意思をアピールできます。
志望動機は自由に記載できるがゆえに、応募者によってクオリティーに差が生まれやすい項目です。未経験者の場合、経験者と比べてアピールできる実績やスキルが乏しいため、志望動機で入社意欲を示すことが重要です。ここでは、ライバルと差別化するために志望動機作成で意識したいポイントを3つ紹介します。
実績や経験をアピールする場合は、数字を用いるのがポイントです。たとえば、「ITインフラの運用・保守の経験があります」ではなく、「これまでに10社のITインフラの運用・保守を経験してきました」といったように、数字を活用することで採用担当者に自身の能力や経験値をイメージしてもらいやすくなります。
アピールできる実績がない未経験者の場合は、「これまでどのように仕事に向き合ってきたのか」を、具体的なエピソードを交えつつ伝えるとよいでしょう。
面接では履歴書や職務経歴書の内容を基に質問されます。好印象を与えようとするあまり、話を過度に盛ったり広げすぎたりすると、志望動機を深掘りした質問をされた際に答えられなくなります。反対に、質問してほしい内容を記載すると、面接を自身がアピールしやすい有利な展開に持っていくことが可能です。
選考では、自分のスキルや経験をアピールし、採用するメリットを感じてもらうことが重要です。しかし、企業によって求めている人物像は異なるため、やみくもに自分のスキルや経験をアピールするのは効果的ではありません。
極端な例ですが、ネットワークエンジニアを目指すときの志望動機で飲食店の知識をアピールしても採用担当者の心には響かないでしょう。志望先企業が求めている人物像を理解し、アピールポイントを絞って伝えることが大切です。
ネットワークエンジニアを目指すにあたり、志望動機でどのようなスキルや能力をアピールすればよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。企業によって求める人材が異なる場合もありますが、基本的には以下で紹介する4つの知識・能力をアピールすれば高い評価を得られるでしょう。
ネットワークエンジニアは幅広いネットワークやサーバーについての知識が求められます。まず押さえておきたいのは、TCP/IP全般の知識とOSI参照モデルの知識です。TCP/IPとは、インターネット・イントラネットで標準的に使われている通信プロトコル(通信方法)のことです。このTCP/IPを構成するプロトコルには、IP、ICMP、TCP/UDP、SMTP、Telnet、SSH、HTTPなどがあります。
OSI参照モデルは、さまざまな機器をネットワークに接続するために、コンピューターなどの通信機器の機能を分割して階層化したものです。OSI参照モデルは7つの階層構造に分割したものであり、ネットワークシステムを設計構築する際には、ほとんどがこのOSI参照モデルをベースにしています。7つの階層は第1層の物理層から始まり、第7層のアプリケーション層まで各階層で技術的に必要とされるものは異なります。
ネットワークエンジニアとして仕事をするのであれば、第1層の物理層から第2層のデータリンク層、第3層のネットワーク層、第4層のトランスポート層までは最低限理解しておくとよいでしょう。
またクラウドサービスの普及により、SDNなどを用いたネットワークの仮想化が進んでいます。これまでネットワーク機器の追加や変更をするために行っていた機器の追加やケーブルの抜き差し、ルーター・スイッチの変更といった物理的な作業を行うことなく、ネットワーク機能の変更が可能です。
ネットワークの仮想化に対応するためには、SDNやネットワーク制御に用いられるOpenFlowの知識が必要です。ネットワークの仮想化で使われるRuby、Java、Pythonなどのスクリプト言語も扱えるようになっておくとよいでしょう。
ネットワークエンジニアの仕事のスタートは、クライアントへのヒアリングです。クライアントの要望や意向を正確にくみ取り、設計に結びつけていくには相手の言葉をうまく引き出す必要があります。
設計を提案する際、あるいはネットワークの運用後のトラブル時など、クライアントやユーザーに説明が必要なこともあるでしょう。説明する相手がIT関連の専門知識を持ち合わせていない場合もあるため、理解しやすい言葉で伝える能力も求められます。
また、ネットワークシステムの構築のために、複数の人員でプロジェクトを組むこともあります。計画に沿って業務を進めるには、メンバーとの円滑な関係づくりも重要です。つまり、ネットワークエンジニアとして仕事を進める際、人との関わりは避けてはとおれません。コミュニケーション能力は、ネットワークエンジニアにとって大切なスキルといえます。
ネットワークに不具合や障害などのトラブルが起きないよう、ネットワークエンジニアは監視業務も担当する場合があります。クライアント企業に常駐して監視作業を行うことも多く、システムを問題なく動作させ続けるためには粘り強い監視が必要です。最後まで責任を持ち、忍耐強く業務に向き合えることは、ネットワークエンジニアにとって重要な適性といえます。
ネットワークエンジニアに限らず、IT業界は技術の進歩が速い傾向にあります。そのため、日々情報のアップデートが求められます。好奇心旺盛で新しい知識を吸収するのが得意であれば、適性があるといえます。
志望動機の書き方やポイントが分かっても、実際に作成するとなると筆が止まってしまう方もいるでしょう。ここでは、ネットワークエンジニアの志望動機の例文を紹介します。例文をテンプレートのように活用して、自分なりの言葉で表現してみてください。
【例文】
システムインテグレータとして長い歴史と技術を持ち、社員のスキルアップにも力を入れている貴社に大きな魅力を感じ志望しました。前職は総務で働いていましたが、社内のネットワークが障害を起こしたときに、サポートに来てくれたネットワークエンジニアの的確な仕事の様子に感銘を受け、ネットワークエンジニアの仕事に興味を持ちました。
ネットワークシステムに関するスキルはありませんが、現在、独学で資格を取るための学習を進めています。前職で培った、人と関わりながら業務全体を見渡して仕事を進めていく力を活かしつつ、技術的なスキルアップを目指し、貴社の長い歴史に恥じないネットワークエンジニアとして貢献していきたいと考えています。
【よい点】
IT業界に興味を持ったきっかけが書かれており、業務内容もある程度理解していることが伝わります。また、独学で転職準備をしている点も、本気度を伝えられて好印象を与えられます。
【例文】
業界内での高い技術と大きなプロジェクトを数多く成功させている点に惹かれて、貴社を志望しました。これまではIT関連のヘルプデスクを担当してきました。今後はお客様と深く関わり、ネットワークシステムを通じてさまざまなサポ-トがしたく、ネットワークエンジニアとして働きたいと考えております。
貴社がシステム構築されている案件はいずれも規模が大きく、そのような案件に関わることで、技術と知識を高めていきたいと思います。いずれは、システム設計から運用までを任せていただけるような高い技術を持ったネットワークエンジニアとなり、貴社の事業に貢献していきたいと考えております。
【よい点】
IT業界の経験を伝えつつ、なぜ転職をしたいのかが伝わる内容です。また、業界の中でもなぜ志望先企業を選んだのかも書かれており、独自の内容になっている点も高評価のポイントです。
【例文】
公共系の案件が多く、社会貢献性が高い点に惹かれて貴社を志望しました。現在は社内のネットワークエンジニアとして4年間業務に携わり、主にセキュリティー対策の推進と日々のメンテナンスを担当しています。
しかし、現職では自社のインフラ整備に留まっており、よりさまざまな場所で自身の能力を用いて活躍したいと思い、貴社を志望しました。上記の実務経験に加え、2年間は新卒・中途採用者の教育も担当した経験があるため、将来的には新人育成の場でも貢献できると考えております。
【よい点】
同職種で転職を考えた理由に触れられている点がよいポイントです。同職種からの転職の場合、採用担当者を納得させられる理由を書かないと、「不満があるとすぐ辞めてしまうかもしれない」という不安を抱かせてしまいます。経験者の場合は、「前職でできなかったことを達成したい」とステップアップの意思を見せることが大切です。
【例文】
私は世の中の人により多くの便利なシステムを届けたいと思い、貴社を志望しました。現在はIT化が進んでおり、日常生活の中でもICT機器に触れる機会が増えています。そのような中で、ネットワークエンジニアとして活躍する社会的な意義は大きいと考えます。
IT業界の経験はありませんが、前職で身につけたコミュニケーション能力を用いて、クライアントの要望を丁寧にヒアリングして貢献していきます。
【悪い点】
上記の例文では、どの企業でも使い回せる一般的な内容にとどまっています。また、ネットワークエンジニアに興味を持った具体的な話も記載されていません。この内容であればエンジニア全般に当てはまってしまうため、さらに深掘りした情報を伝えましょう。
ここでは、志望動機がうまく言語化できずに困っている方へ向けて、ネットワークエンジニアへのよくある転職理由を紹介します。以下を参考にし、志望動機を作成してみてください。
企業側にとって、志望動機は応募者の人柄や入社意欲を確かめるための項目です。志望動機の書き方に明確なルールがないとはいえ、表現の仕方を誤るとマイナスな印象を与えかねません。ここでは、マイナス評価を受ける志望動機について解説します。志望動機を作成した後は、以下に該当していないかチェックしましょう。
志望動機がどの企業にも通じる汎用的な内容だと、「手を抜いている」「入社意欲の低い人」などマイナスな印象を持たれてしまいます。志望動機の作成は時間や労力のかかる大変な作業ですが、入念に企業研究をしてオンリーワンの内容にしましょう。また複数社に応募する場合でも、志望動機は使い回しせずに1社ずつ独自の内容で作成することが大事です。
転職先を決めるうえで、給与や待遇などの条件面は重要なポイントです。とはいえ、志望した理由が労働条件だと、「自社で働く意欲があるのか」「条件がよければ別の会社でもいいのか」などと思われてしまいます。志望動機は、事業内容や仕事内容、商品・サービスを軸に記載しましょう。
志望動機は200文字~300文字、あるいは記入欄の8割程度が目安とされています。長文の志望動機は読みにくいうえに、「うまく文章をまとめられない人」とマイナスな印象を持たれてしまうでしょう。また、アピールポイントが多い志望動機も「自慢ばかりする人」といった印象を持たれる場合があるため注意が必要です。加えて、最もアピールしたいポイントが伝わりにくくなってしまいます。
未経験者であっても、「入社後に貴社で学びたい」と記載するのはNGです。企業によっては充実した研修制度を強みに打ち出していることもありますが、職場は学校と違って「学ぶ場所」ではありません。志望動機では、「入社後にどのように成長したいか」「将来どのようなネットワークエンジニアになりたいのか」を記載しましょう。
ネットワークエンジニアの志望動機では、「ネットワークエンジニアを目指す理由」「数ある企業の中から志望先企業を選んだ理由」を具体的に記載することが重要です。入念に業界研究や企業研究をして、採用担当者を納得させる志望動機を作成しましょう。
「志望動機の作成をサポートしてほしい」「自分に合った企業を紹介してほしい」といった方は、ぜひマイナビITエージェントにご相談ください。ネットワークエンジニアの転職ノウハウを熟知したキャリアアドバイザーが、あなたの強みが伝わる志望動機を一緒に考えます。また、求人の紹介や面接対策のアドバイスなど、転職成功に向けて手厚くサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。
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