更新日:2024/06/20
この記事のまとめ
ネットワーク環境を整備する役割を担うネットワークエンジニアは、社会にとって重要な役割を持つやりがいのある仕事です。専門知識が必要なこともあり、「興味はあるけど未経験から転職できるのだろうか」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、未経験からネットワークエンジニアになるために必要なスキルや成功ポイントなどについてわかりやすくご紹介します。
目次
ネットワークエンジニアとは、サーバー間を接続してネットワーク環境を構築・運用するエンジニアのことを指しています。また、構築のほかに運用・保守も担当します。ソフトウェア開発の上流工程を担当するシステムエンジニアとは異なりルーターやスイッチといったネットワーク関連のハードウェアに触れる機会が多いことも特徴の一つです。
ここ数年、ネットワークは社会的に非常に重要度の高いインフラとなっており、ネットワークエンジニアはトラブル発生時には迅速に復旧のための対応に取り掛かることが求められます。企業や個人のインフラを支えているという性質上、ちょっとしたネットワークトラブルが大規模な信用問題に発展するケースもあるため、迅速なトラブル解消が非常に重要な仕事です。
ここ数年、急速なIT技術の発展や労働力不足に伴いIT人材は不足の傾向が続いています。2019年3月にみずほ情報総研株式会社が発表した「IT人材需給に関する調査」によれば、現在の生産性上昇率が高位に推移した場合、IT人材の需給ギャップは2030年までに最大で78.7万人にまで増加することが推定されています。仮に生産性上昇率が低位に推移したとしても、最大で16.4万人のIT人材の供給不足が発生する見込みとなっています。
少子高齢化による老齢人口の増加によりIT業界においても若年層の不足が生じることが見込まれており、今後エンジニアの需要はますます高まっていくと予想されています。
このことから、未経験からであってもネットワークエンジニアになれる可能性は十分にあります。
ネットワークエンジニアとして働くためにはITに関する知識が不可欠です。ネットワークの構造に関する基礎知識だけではなく、ルーターやスイッチなどのハードウェアに関する知識が足りていないと、実務で満足な成果を上げることはむずかしいでしょう。
LANやWAN、IPの設定などのネットワーク用語もしっかりと理解したうえで仕事に取りかかる必要があります。
ネットワーク環境の構築はエンジニア一人だけでなく複数人でプロジェクトを組んで進めるケースが少なくありません。進捗管理や今後の進め方など、こまめに情報共有をする必要があり、プロジェクトメンバーと円滑に連携できるコミュニケーション能力が必要となります。
ネットワーク環境は、「構築したものの現場で動作させてみたら思うように動かなかった」というケースも少なくありません。想定外のトラブルが起こることもあります。
そうした状況を適切に判断し臨機応変に対応する能力と、どのように工夫すれば課題を乗り越えられるのかを導き出すための柔軟な思考が、ネットワークエンジニアには求められます。
ネットワークエンジニアは必ず資格を取得しないとなれない職種ではありませんが、次にご紹介するスキルや資格を持っていたほうが転職はしやすくなる傾向にあります。
IPA(情報処理推進機構)が主催する情報処理試験のうち高度試験に分類される、ネットワークエンジニアをはじめとしたインフラエンジニア向けの国家資格です。
ネットワーク関連の固有技術を活用してニーズに合わせた情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たし、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う人材を対象としています。
試験は実務に即した内容となっており、合格率は令和3年度春期で12.8%と、難易度は高めとなっています。
こちらもIPAが主催する情報処理試験の一つです。システム開発の土壌となる基礎知識を有しているかを確認するための試験であり、「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」を対象としています。
試験は選択式の問題のみが出題され、記述試験はありません。これからITエンジニアとしてキャリアをスタートさせたい方が最初に受験する試験としても適しています。
合格率は令和3年度春期で41.6%と、十分に学習を積んだ方であれば合格は可能です。
こちらもIPAが主催する国家資格で、ネットワークスペシャリスト試験と並ぶ高度試験です。
情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守に関わるうえでクライアントの情報セキュリティポリシーに準拠してセキュリティ機能の実現や情報システム基盤の構築をおこない、情報セキュリティ技術の専門家として情報セキュリティ管理を支援する人材を対象としています。
ネットワークスペシャリストと同様、合格率は低く、令和3年度春期で21.2%となっています。
企業のテレワーク導入などに伴い時間や場所に囚われない働き方が今後も増えていく可能性があるため、資格を取得しておくと転職の選択肢が広がるでしょう。
上記でご紹介したスキルを身につけたり試験にトライしたりするためには、どのように勉強をすればよいのでしょうか。ここからは、ネットワークエンジニアとして活躍するための勉強方法を4つご紹介します。
最も手軽なのは、インターネット上で公開されている学習サイトを利用して学習を進める方法です。
インターネット上には、これから新たにエンジニアとして活躍したい方のためのe-ラーニングなどの教材が多数公開されています。インターネット環境さえあればすぐに始められ、学習に取り組むハードルが低いのがメリットです。
ネットワークエンジニアとして働きたい方向けの書籍を購入するのも方法の一つです。ネットワークエンジニア向けに学んでおきたい技術を解説した書籍が多数販売されているため、自分に合った教材を一冊選んで勉強してみるとよいでしょう。資格試験のための勉強をしたいのであれば、過去問がまとめられた教材などもあります。
ネットワークエンジニア志望者向けの勉強会に参加するという方法もあります。実際にネットワークエンジニアとして活躍する講師など、現場に精通した方から直接話を聞き学ぶことができるため、紙やインターネット上の情報だけではない実務的なスキルや知識を身につけられるメリットがあります。
動画サイトを通じてオンライン授業を開催しているケースもよくあります。自宅にいながらプロの講師のレッスンを受けられるので、勉強会に参加する時間が取れない方でも参加しやすいでしょう。動画であれば何度でも繰り返し視聴できるため、復習しやすいのもメリットです。
「ネットワークエンジニアに転職したい」といっても、多くの求人情報の中から自分のレベルや本当にやりたいことに見合った求人を探すのは意外とむずかしいものです。そんな場合は転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
マイナビITエージェントでは、未経験からネットワークエンジニアになりたいと考えているものの、どのように転職活動を進めていいかわからないとお悩みの方に、経験豊富なキャリアアドバイザーが転職活動の流れや最適な求人を紹介しています。ネットワークエンジニアへの転職をお考えの際はぜひお気軽にお問い合わせください。
ここでは、未経験からネットワークエンジニアになるために必要なスキルや成功ポイントなどについてお伝えしました。
ネットワークエンジニアは専門知識が必要な仕事ではありますが、未経験からでも十分に転職は可能です。書籍や動画サイトなどで学んだり資格を取得したりして事前に知識やスキルを身につけておけば、転職の選択肢はさらに広がります。自分に合った方法でネットワークエンジニアについて学び、転職エージェントも効果的に活用しながら、ぜひネットワークエンジニアへの扉を開いてみませんか?
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