更新日:2024/10/31
この記事のまとめ
企業の採用担当者は、志望動機から自社に合った人材かを見極める傾向があります。それだけに履歴書に記載する志望動機は重要なポイントです。
そこで今回は、転職成功率を高める志望動機の書き方をご紹介します。押さえておきたいポイントや注意点をご紹介するほか、例文も複数パターンご用意しました。自分の魅力がよく伝わる志望動機の書き方をマスターしましょう。
目次
志望動機では「その会社を選んだ理由や、その会社で実現したいこと」を記載するのに対し、自己PRでは「これまでの経験やスキル、入社後どのように貢献できるのか」を記載します。このように志望動機と自己PRは異なりますが、注意点として、志望動機と自己PRの中身がかけ離れてしまわないようにすることが大切です。
たとえば、志望動機が「営業として自分の力で引っ張っていきたい」であるのに対し、自己PRが「目立たなくても縁の下の力持ちとして、補佐に徹するのが得意」と書いてあっては、話に一貫性がなくなります。これでは説得力に欠けると、採用担当者からは評価されるでしょう。
志望動機と自己PRがちぐはぐした内容にならないよう、つながりを意識して書きましょう。
採用担当者の印象に残る、魅力的な履歴書の志望動機のまとめ方について、4つのポイントをご紹介します。
志望動機を書く際に最も大切なのは、同じ業種や職種の仕事がたくさんある中で、「その企業を選んだ理由」を伝えることです。企業の情報を収集して、事業方針やビジネスモデルを理解したうえで記載すれば、採用担当者に納得してもらえる内容となるでしょう。
転職理由とその会社を選んだ理由には、一貫性を持たせる必要があります。たとえば、転職理由として、「前の会社は、自身の挑戦したいプロジェクトを実現できる環境でなかった」ことを伝えたのであれば、その会社を選んだ理由においては「御社には積極的に新プロジェクトに挑戦できる環境があると考え、志望するにいたった」などと伝えるのがベターです。
転職理由とその会社を選んだ理由に一貫性を持たせることで、なぜ自社を選んだのか、採用担当者を納得させられるでしょう。
これまでの経験を示す際、「優秀な営業成績を上げました」というだけでは、具体性がなく、説得力に欠けます。「入社1年目で営業成績トップを取りました」「チームの業績を10%アップさせました」など、具体的にどのような成果を出したのかを説明しましょう。
志望動機には、将来的にその企業でどのような働き方をしていきたいのか、ビジョンを織り込んでもいいでしょう。そうすれば、「この企業に長く勤めるつもりです」という意思を伝えられます。
とはいえ、あまりあからさまにアピールすると、とってつけたように感じられてしまうでしょう。応募先企業での経験の生かし方などと関連付けて、さりげなく織り込むのがおすすめです。
履歴書の志望動機を定型的にしないためには、独自のエピソードを盛り込むのがおすすめです。人柄や仕事に対する姿勢がありありと想像できるようなエピソードを盛り込めれば、採用担当者から好印象を持たれるでしょう。ここではそのようなエピソードを探す方法をご紹介します。
応募先企業と自分に共通していることを探しましょう。そのためには、まず企業としての強みや業界としての強み、職種ならではの強みをリサーチします。
たとえばリサーチの結果、応募先企業には「新サービスを立ち上げることに精力的」という強みがあったとしましょう。そして自身が「革新的な企画を考えることが好き、やりがいを感じる」というタイプだったとすれば、この2つには共通性があります。「企業の求める人材に自分はマッチしている」と志望動機で伝えやすいでしょう。
続いて、これまでの仕事経験から「革新的な企画を考えることが好き」という具体的なエピソードを探します。こうして見つけたエピソードを志望動機に盛り込めば、説得力とオリジナル性のあるものが完成するでしょう。
転職理由や退職理由を深掘りすることでも、具体的なエピソードは見つけられます。たとえば、「応募先企業のほうがやりたいことに合致していると思ったから」であれば、そのように思うようになった具体的なエピソードを探してみましょう。
「現職に携わる中で、エンドユーザーと直接関わり、その感想を聞くことで大きなやりがいを覚える自分に気付いた」「そのため、BtoBがメインである現職から、BtoCの企業かつ消費者の意見を素早く反映させていくことで知られる貴社を志望した」といった具合です。
採用担当者が履歴書の志望動機から何を知りたいのかを分かっていなければ、適切なアピールができません。ここでは志望動機から採用担当者が読み取ろうとする、4つのポイントをご紹介します。
採用担当者は志望動機を見ることで、自社の業界内での立ち位置といった企業情報をどの程度集めているかを判断します。しっかり情報を集めたうえで志望動機が書かれていれば、それだけ入社への意欲も高いと考えられるためです。
人材採用や人材教育には、一定のコストがかかります。そのため、企業はできるだけ長く勤めてくれそうな人材を採用したいと考えるのです。
採用担当者は、応募者が長く活躍してくれるかを見極めるため、応募者のキャリアビジョンと自社が目指す方向が合致しているかどうかをチェックします。
採用担当者は志望動機を読むうえで、その方の性格が自社と合っているかどうかもチェックします。
「チームでフォローし合うことを大切にする社風」や「個人の意見を尊重し、新入社員でも積極的に発言することが求められる社風」といった企業の社風に応募者が合っているかは、採用担当者にとって重要な判断基準となるでしょう。
志望動機を読むうえで、採用担当者は、応募者がどのようなプレゼンテーションを行う人物であるかということをチェックします。
文章全体の筋が通っていて、説得力がある志望動機であれば、採用担当者は「高いプレゼンテーション能力を持つ人物である」と評価するでしょう。
続いては、履歴書の志望動機を書く際の注意点をご紹介します。
志望動機欄があまりにスカスカだと、「やる気がない」と受け取られてしまう恐れがあります。小さすぎない文字で、記入欄の7割以上は埋めるつもりで記載しましょう。
なお志望動機の書き出しに、「はじめまして」などのあいさつ文は不要です。同様に、「長文失礼しました」や「どうぞよろしくお願いいたします」といった締めの文も必要ありません。
「教育体制が整っていて成長できそうだと感じました」といったことしか書いていない志望動機の場合、「受け身の姿勢である」という印象を与えてしまう恐れがあります。
自ら積極的にスキルを磨き、企業に貢献していける人材であることをアピールすることが大切です。
実際には、前職の待遇に対する不満や、人間関係の不満が転職理由になっている場合があるかもしれません。しかし、こうしたネガティブな内容については、志望動機には書かないように注意しましょう。
「うちの会社に入っても不満を感じたらすぐに辞めてしまうのでは?」と思われてしまうリスクがあります。
企業理念に共感できるかどうかは、応募先を探す際のひとつのポイントです。しかし、志望動機が「理念に共感した」のみで、どのような点に共感したのかが具体的に書かれていないと、「事業内容や職務内容に対する関心が薄いのでは」と思われてしまいます。
履歴書の志望動機で、応募先の企業について書くときは、「御社」ではなく「貴社」を使います。初歩的なビジネスマナーであるため、覚えておきましょう。ちなみに、面接をはじめ対面で話すときは「御社」を使います。
履歴書の志望動機について、パターン別の例文を4つご紹介します。例文を参考に、自分自身の実績やスキルに基づいた、オリジナルの志望動機を書きましょう。
都心の投資用マンションを多く取り扱っている貴社で、これまでの不動産営業経験を生かしていきたいと考え、志望いたしました。
前職では、主に居住用物件を取り扱う賃貸不動産営業を行ってきました。そのため、「どのような物件が住む人にとって魅力的なのか」という点については、十分な知見を持っています。前職の仕事を通して、投資用物件についても知りたいと思うようになり調査していたところ、貴社が取り扱われる物件に出合い、魅力を感じました。
入社したあかつきには、自身の知見を生かし、貴社物件の投資用不動産としてのメリットをお客さまに伝え、成約に結び付けたいと考えております。
前職でオフィス向けのルートセールスをしていた際、貴社の製品のことを知り、魅力を感じて転職を志望いたしました。
前職のルートセールスにおいては、営業としての職責を果たすため、尽力してまいりました。しかし、フォローが足りなかったという理由で、お客さまが関連製品を他社にご発注されたことがありました。
それをきっかけに、お客さまとの縁をつないでいくことや、問題解決のために寄り添うことの大切さを再認識できたのです。その後は、既存顧客流出率をチーム内で最も低く抑えることに成功し、着実に売上を伸ばしていきました。
貴社でも、製品の魅力をお客さまにより深く理解していただけるよう、丁寧なフォローができる営業を目指したいと考えています。
経理として、貴社の経営を縁の下で支える一員になりたいと思い、志望いたしました。
前職では、営業事務として文書作成業務や営業と顧客の橋渡しをする仕事をしてきましたが、経費精算業務などを通して経理の仕事に興味を抱くようになりました。そのような中で、貴社の「チャレンジ第一」という求人広告のキャッチコピーを拝見したとき、挑戦心を重視してくれる貴社において、経理の仕事に従事しようと決意できたのです。
経理経験はありませんが、独学で簿記検定2級を取得しております。挑戦心と向上心を大切に、スキルアップしていきたいと考えています。
前職は同じ鉄鋼業界なので、業界特有の慣習や用語にも対応可能です。ゆくゆくは決算対応等の知識も身に付け、貴社の発展に貢献していきたいと考えております。
前職では営業職に就いておりましたが、その後、出産・育児を機会に退職いたしました。子どもが大きくなり、再び働くことを考えた際、仕事から離れている間に取得したフードコーディネーターとアレルギー対応食アドバイザーの資格を生かせる仕事に就きたいと考え、志望いたしました。
私は、プライベートでも日常的に栄養バランスや盛り付けにもこだわった料理を作っています。特に、子どもにアレルギーがあることから、アレルギー対応食についてはSNSでも積極的にレシピを発信しており、貴社の経営する親子カフェにも何度か足を運ばせていただきました。
調理スタッフやメニュー開発の業務経験はありませんが、アレルギーのある子どもを持つ親としての経験を生かし、アレルギー対応食の開発や製作に携わっていきたいと考えております。
熱意あふれる意気込みを持っている方でも、志望動機を書く際に気を付けるべきポイントを疎かにしてしまうと、独りよがりな内容になってしまう恐れがあるでしょう。
ここでは志望動機の失敗例をご紹介します。同じパターンに陥ることのないよう、確認しておきましょう。
私が貴社を志望したのは、貴社の主力商品である◯◯ボールペンが大好きだからです。中学生のときに、初めて◯◯ボールペンに出会い、そのデザイン性と書き心地のとりこになりました。それ以来、手書きの文字を書くときはいつも愛用しています。
もちろん、この履歴書も◯◯ボールペンで書いています。勉強が辛いときも、美しいペンを見ているとがんばろうという気持ちになれました。派手すぎず上品で、中学の頃から10年以上経ったいままで、どの年代でも違和感なく持てるデザインと品質のボールペンは、他社にはないものだと思っています。
貴社の「一人ひとりが社会をつくる」という経営理念に感銘を受け、志望いたしました。社員の成長がチーム全体の成長につながるという考え方は、これまで5年間働いてきた中での私の実感でもあります。
中でも、特に魅力的に感じたのが、貴社の研修制度です。入社後は定期研修があるとのことで、入社すれば成長させてもらえそうな点が、他社にはない魅力と感じ応募しました。
これまでの営業経験を生かして働いていけると感じたため、貴社を志望しました。前職では、3年間ルート営業として働いてきました。常にお客さまの問題に寄り添うことで、既存顧客の流出を防ぎ、安定した結果を残しています。
お客さまとのコミュニケーションを通して良好な関係を築いていくことは、営業の基本であると認識しております。これまでの経験を生かし、貴社でもお客さまから信頼される営業として活躍していきたいと考えています。
貴社のテレビCMを見たときに、「この会社で働きたい!」と思いました。私は何事にも粘り強く取り組む性格で、仕事にも遊びにも、常に一生懸命です。特にチームで動くのが得意で、協調性や調和を大切にする仕事に就きたいと思ってきました。この点も、貴社の仕事にぴったりだと考えています。
入社後は、チームの和を大切に、真面目に仕事に邁進してまいります。私を採用していただければ、貴社の業績にも貢献できると思います。ぜひ一緒に働くメンバーの一員にしていただきたく、志望しました。
ここではケース別に履歴書の志望動機の例文をご紹介します。ご用意したのは、「同じ業種や職種に転職するケース」「未経験の職種に転職するケース」「過去に勤めていた企業に出戻りするケース」の3パターンです。自身の状況に近いものを参考にしてみてください。
BtoBの保険営業が主だということに惹かれ、貴社を志望しました。現職では、BtoCの保険営業を5年間に渡り担当していますが、この職に大きなやりがいを感じる反面、今後のキャリアを考えたうえでは法人営業の場でさらなるスキルアップが必要だと考えたためです。
入社後は、より一層精力的に知識や資格の取得を目指し、一日も早く戦力となれるよう尽力いたします。
私は株式会社〇〇にて、マーケティング職に〇年間従事してきました。売上を上げるためにさまざまな分析や施策を行い、実際に効果を上げられたときには大きなやりがいを感じます。
しかしその反面、マーケティング職では消費者から直接意見を頂く場が少ないのが現実です。現職に就くまでは学生の間も含めて、〇年間に渡り接客業を生業としていた身としては、そのことがずっと気にかかっていました。そのため、消費者と直接関わることができ、なおかつユーザーファーストを掲げた取り組みが有名な貴社を志望しました。
入社後は、マーケティング業務で培った消費者心理に沿う営業を心掛け、貴社の売上に貢献していきたいと考えております。
総合商社である貴社から現職に転職した理由は、専門性を追求するためでした。しかし現職を経験したことで、より一層、貴社の総合商社とは思えないほどの専門性の高さを実感するとともに、自身が求める将来を実現できるのは貴社であると感じました。
貴社からの転職後、私は〇年間に渡り、医療機器を専門とした商社にて営業を務めてまいりました。貴社でもここ数年間で医療機器の取り扱いが増えていると存じ上げます。〇年間で培った知識を基に、より一層の貢献ができるよう尽力いたします。
志望動機は、面接でも質問されるものです。履歴書に書いた志望動機を面接で生かす方法をご紹介します。
面接で答える志望動機と履歴書に書く志望動機は、一貫したものである必要があります。面接では、履歴書の内容をベースに話すようにしましょう。
面接官は、履歴書を手元に用意したうえで志望動機を質問します。しかし、すべての面接官が、履歴書の志望動機をしっかりチェックしているとは限りません。「履歴書の内容はすでに理解されている」と考えるのではなく、一から説明するつもりで志望動機を伝えましょう。
提出した履歴書は、コピーを残しておくのが賢明といえるでしょう。履歴書の志望動機をまとめる際に収集した情報やメモなども、面接のときまで取っておくようにしましょう。
履歴書の志望動機について寄せられることの多い質問に回答しました。「履歴書はどのようなフォーマットがよいのか」「手書きで書くべきなのか」など、よくある疑問をここで解消し、万全の体制で履歴書を作成しましょう。
応募先企業からフォーマットの指定がある場合には、それに従いましょう。そうでない場合には、アピールしたい項目を強調しやすいフォーマットがおすすめです。
履歴書にはある程度の定型がありますが、販売元や発行元によって、多少の差があります。自分好みのものを選びましょう。なお職務経歴書についても同様です。フォーマットの指定がなければ、好みのものを選んで構いません。
応募先企業から書き方の指定がある場合には、それに従いましょう。そうでない場合には、手書きでもPCで作成しても、問題ありません。
また、外資系やIT系の企業に提出する履歴書は、PC作成が主流です。このように業界によっても違いがあるため、不安な方は業界事情についてもチェックしたうえで、書き方を選ぶとよいでしょう。
志望動機の文字数は、150字~200字が目安です。そのうえで志望動機欄の7割以上は埋められるように意識してみましょう。
志望動機欄があまりに小さい履歴書の場合には、「志望動機書」を別途用意する方法もあります。ただし、別途用意したとしても、あまりに長文にすることは避けましょう。必要な要素がすべて含められていて、なおかつ簡潔で分かりやすいことが大切です。
履歴書の志望動機を作成する際には、主張に筋が通っているか、オリジナルであるかという点を意識することが大切です。そのためには、会社に対する理解はもちろん、自分自身に対しての理解も深めなくてはなりません。
企業および自分への理解を深めるためには、転職エージェントの利用が有効です。マイナビエージェントでは、各企業の人事担当者から得た情報をお客さまにご提供。お客さまからヒアリングした内容をもとに経験やスキルを客観的に評価し、履歴書の添削やアドバイスもいたします。
マイナビエージェントを利用して、完成度の高い履歴書を完成させ、転職成功率を高めましょう。
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