更新日:2025/06/30
この記事のまとめ
業務委託として働いた経験がある方が、転職や就職活動を進める際には「履歴書の書き方」に悩むことが少なくありません。雇用形態の違いや実績の伝え方に戸惑う場面もあるでしょう。
そこでこの記事では、業務委託経験者の履歴書の書き方を、状況別の具体例とともに解説します。自身のスキルと経験を最大限に伝えるためのヒントをつかみ、新たなキャリアへの一歩を確実に踏み出しましょう。
目次
業務委託という働き方は正社員やアルバイトなどとは異なる契約形態であるため、履歴書への記載方法に迷う方も少なくありません。まずは、業務委託とは何かをあらためて整理したうえで、履歴書を求められる代表的な場面について確認しておきましょう。
業務委託とは、企業と個人または法人が業務単位で契約を結び、成果物の納品や特定の作業の完了に対して報酬が支払われる契約形態のことです。労働時間や勤務場所を企業側が指定することはなく、受託者は独立した事業者として業務を遂行します。
業務委託は民法上、「請負契約」または「委任契約(主に準委任契約)」に分類されます。請負契約は成果物の完成を目的とし、準委任契約は特定の業務や作業の遂行そのものを目的とする契約形態です。実務では多くの場合、業務委託は請負契約、または準委任契約のいずれかに該当します。
雇用契約とは法的な扱いが異なるため、履歴書に記載する際は企業に雇われていたわけではないことを明示しながら、担当した業務内容や成果が伝わるように工夫することが重要です。契約形態の違いを理解してもらえるよう、誤解のない表現を心がけましょう。
業務委託として働いてきた方も、転職や新たな契約を結ぶ場面では履歴書の提出を求められることがあります。代表的なのは、正社員転職を目指す場合や、転職エージェントへ登録するタイミングです。また、継続案件の契約更新や、新たなクライアントとの初回面談において、経歴を整理した資料として履歴書を提示するケースもあります。
こうしたシーンでは、業務の継続性や成果、ビジネスマナーを備えていることを簡潔に伝えることが求められます。どのような目的で履歴書を提出するのかを意識し、状況に合った内容で構成しましょう。
業務委託の働き方には幅があり、開業届の提出状況や受託経路によって、履歴書の記載方法も異なります。ここでは、代表的な3つのケースに分類し、それぞれの具体的な書き方をまとめました。自身の状況に近いパターンを参考に、実践に活かせる履歴書作成へとつなげていきましょう。
開業届を提出していた場合は、個人事業主として独立していた事実を明確にし、屋号や業務内容、契約期間などを具体的に記載することが重要です。継続的に取引を行っていたことや、業務範囲の広さが伝わるように工夫しましょう。
また、すでに事業を終了している場合でも、「一身上の都合により廃業」といった形で記載すれば問題ありません。契約期間と業務内容を明記し、活動の一貫性や実績が伝わるように構成することが大切です。
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開業届を提出していない状態で業務委託として働いていた場合も、履歴書への記載は可能です。業務委託契約に基づく働き方であることを明示しながら、業務内容や成果が伝わるように記載します。
なお、現在は活動を停止している場合も、終了時期とその旨を添えておくことで、応募先企業に誠実な印象を与えることができます。具体的な取引先名が出せない場合は、業務内容を中心に構成しましょう。
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クラウドソーシングを通じて案件を受託していた場合も、履歴書への記載は可能です。この場合は、サービス名や取引先の企業名ではなく、業務内容や成果が伝わるように記載します。
携わった業務のジャンルや職種、契約期間を明示し、終了時にはその旨を添えると、応募先に誠実な印象を与えやすくなります。取引の継続性や実務対応力が読み取れる構成を意識しましょう。
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業務委託の経歴を履歴書に記載する際には、正確な情報を伝えるだけでなく、採用担当者の目に留まる工夫も重要です。ここでは、成果を数値で示す方法や自己PRの構成、転職理由の整理に加え、記載時に意識しておきたい注意点について解説します。内容と表現の両面から、履歴書の完成度を高めていきましょう。
業務委託の経歴を履歴書でアピールする際は、成果を具体的な数値で記載することが効果的です。「売上拡大に貢献」といった抽象的な表現よりも、「前年比120%の売上成長に寄与」のように定量的に示すことで説得力が生まれます。
担当業務に取り組んだ結果として、何を実現したのかを数字で伝えることで、実務経験の深さや成果の大きさを採用担当者にイメージしてもらいやすくなります。作業件数や改善率、継続取引の実績なども、信頼性を高める材料として有効です。
業務委託から会社員(正社員)への転向を考える場合は、雇用形態を変えたい理由と、その背景にある意欲や目的を明確に伝えることが求められます。たとえば、「継続的な業務に携わり、長期的に成長したい」「チームでの協働を通じて組織に貢献したい」といった前向きな理由は共感を得やすいでしょう。
また、応募先の事業内容や役割に、自身の経験やスキルがどうかみ合うかを具体的に述べると、志望動機に一貫性が生まれます。
業務委託の働き方では、自ら課題を見つけて対処し、成果を出すための判断力や実行力が求められます。こうした環境で培ったスキルや対応力を、職務経歴の中で端的に示すことが自己PRの核となります。
たとえば、複数案件の同時進行によるマネジメント力、短納期対応の実行力、課題発見から提案・改善までを自走できる力などは強みとして伝えやすい要素です。加えて、業務委託では見えづらいとされる対人関係や報連相の丁寧さも言及しておくと、安心感につながります。
業務委託の経歴を履歴書に記載する際には、契約先企業の名称や機密性の高い業務内容をそのまま書かないよう注意が必要です。特に秘密保持契約(NDA)を締結していた場合は、情報の取り扱いに細心の配慮を払うことが求められます。
具体的な企業名を挙げる代わりに、「アパレル業界向けECサイトの運用支援」「教育系サービスのコンテンツ制作」といった業種や業務の性質を記載することで、経験の内容を伝えながら信頼も損なわずに済みます。
業務委託として積み上げてきた経験を会社員(正社員)としての就業に活かすには、履歴書の記載内容だけでなく、採用担当者の視点を意識した戦略的な準備が欠かせません。
ここでは、即戦力としてのアピール方法や、成果物の提示、転職エージェントの活用法といった、選考通過率を高めるための具体的な工夫を解説します。
業務委託の経験は、実務に即したスキルを備えた即戦力として高く評価されやすい特徴があります。履歴書では、業務内容や成果を端的に記載し、企業が求める人材像との重なりを意識して構成すると効果的です。
たとえば、Webディレクターとして複数案件をマネジメントした経験、ライターとしてSEOを意識した記事を毎月20本納品していた実績、エンジニアとして既存システムを安定稼働させながら機能追加を担っていた経歴などが挙げられます。こうした業務実績は、配属先でもすぐに成果を出せる人物像を印象づける材料となるでしょう。
デザイナーやエンジニア、ライター、マーケターなど、成果物を通じてスキルを伝えられる職種では、ポートフォリオの提出が有効です。実績を整理しURLやPDFにまとめておくと、採用担当者に具体的な能力が伝わり、ほかの候補者との差別化が図れます。
さらに、企業秘密への配慮を前提に、自身の工夫や担当範囲について補足を加えると、単なる成果物以上の価値を示すことができます。履歴書と併せて提出することで、実力と信頼の両面で印象を高められるでしょう。
業務委託経験者が会社員(正社員)への転職を検討している場合は、転職エージェントの活用を視野に入れることで、準備を効率的に進めやすくなります。求人の紹介に加え、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策、キャリア相談などの支援を受けられるのが特徴です。
特に履歴書でどの実績や強みに注目すればよいか迷う場合には、転職エージェントの客観的なアドバイスが役立ちます。やりとりを通じて自分に合う選択肢が見えてくるため、転職活動の方向性にも自信を持てるようになるでしょう。
履歴書や職務経歴書の作成、面接対策、キャリアの棚卸しなど、転職活動には十分な準備が必要です。マイナビエージェントでは、キャリアアドバイザーが一人ひとりの状況に合わせて履歴書や職務経歴書の添削を行い、手厚くサポートいたします。
業務委託として積み上げてきた実績を企業に正しく伝えるためのアドバイスも行っており、応募先に応じた戦略的な対策を進められます。マイナビエージェントと新たな一歩を踏み出しませんか。
業務委託として働いてきた方の中には、履歴書への記載方法に迷うケースがあります。応募先の企業に契約形態の違いを理解してもらう工夫や、成果を客観的に伝える視点を取り入れ、経験の価値を効果的に表現しましょう。
転職活動における不安や疑問がある場合は、マイナビエージェントをご活用ください。転職業界に精通したキャリアアドバイザーの的確なアドバイスで、あなたらしい働き方の実現をしっかりと支えます。
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