更新日:2024/02/07
この記事のまとめ
就職・転職活動を行っていると、求人情報の中で「第二新卒」や「既卒」という言葉を目にすることがあります。両者は共通している部分もあり、混同されやすい傾向にありますが、意味は異なるため注意が必要です。
この記事では、第二新卒と既卒の違いやおすすめの仕事、採用を有利に進める選考対策を紹介します。就職・転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
自分が第二新卒なのか、既卒なのか気になる方も多いのではないでしょうか。求人情報の中には「第二新卒歓迎」「既卒歓迎」と記載された求人があります。「既卒者なのに第二新卒を募集している求人に応募してしまった」といった事態にならないよう、ここで紹介する第二新卒と既卒の違いを押さえておきましょう。
一般的に第二新卒とは、新卒入社した会社を3年以内に退職し、転職活動を行うビジネスパーソンを指します。ただし明確な定義はなく、企業によっては「20代は第二新卒」「大学を卒業した20代が第二新卒」などと捉えているケースも少なくありません。
なお、厚生労働省が公表している「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」によると、新卒入社後3年以内に離職した人の割合は、新規高卒就職者で37.0%、新規大学卒就職者で32.3%となっています。
参照:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します|厚生労働省
既卒に関しても明確な定義があるわけではありません。厚生労働省の「労働経済動向調査(令和4年8月)の概況」によると、既卒者とは高校や専門学校、大学などの学校を卒業後、すぐに就職する人以外(35歳未満)の方を指しています。
厚生労働省の定義では「勤務経験の有無は問わない」とされていますが、一般的には就業経験のない方を指して「既卒」と呼ぶ傾向にあります。
第二新卒は社会人経験が少ないことから、「転職で不利になるのではないか」と心配する方も多いでしょう。しかし、年齢の若い第二新卒は転職市場では需要があるため、必ずしも不利になるとは限りません。ここでは、転職における第二新卒のメリット・デメリットを紹介します。
第二新卒は新卒と違って社会人経験があり、ビジネスマナーを習得している人が多い傾向にあります。そのため、企業側からするとビジネスマナー研修をしなくても済み、教育コストを節約できるメリットがあります。基本的なビジネスマナーが身についていることをきちんとアピールできれば、転職活動を有利に進められるでしょう。
転職では学歴よりも職歴を重視される傾向にあります。そのため学歴が優秀ではなくても、前職の実績をアピールできれば採用される確率を上げられます。転職の採用面接では、前職で学んだことや得たスキル、成功・失敗した経験など、前職での経験を中心に質問されます。前職を振り返り、スムーズに答えられるようにしておきましょう。
第二新卒には短いながらも社会人としての経験があります。実際に働いてみて初めて、自分には何が得意で不得意なのかが見えてきたでしょう。こうした社会人経験を活かして自己分析や企業研究を行えば、より自身に合った転職先を選べてミスマッチに悩まずに済みます。
20代は若さがあってポテンシャル採用も狙えるため、未経験の業界・職種に挑戦することも可能です。キャリアの方向性を変えるなら、第二新卒のいまがチャンスといえます。
第二新卒は早期退職している事実から、企業側から「またすぐに辞めるのでは」と懸念されやすい点がデメリットです。人材の採用・教育には多くのコストがかかることから、早期退職されると企業側にとって大きなダメージとなります。
早期退職を懸念されないように、転職理由はポジティブに伝えることが大切です。「給与に不満があった」「上司と仲が悪かった」といったネガティブな内容だとマイナスな印象を持たれてしまうため注意しましょう。
第二新卒は転職市場で需要があり、転職を有利に進めやすい傾向にありますが、既卒の場合はどうでしょうか。「既卒」と聞くとマイナスなイメージを持つ方もいますが、既卒には新卒や第二新卒にはないメリットがあります。ここでは、既卒のメリット・デメリットを紹介します。
新卒の場合、内定をもらっても大学を卒業するまで入社できません。しかし、既卒は無職の状態で就職活動をしているため、採用後に即入社できる点が強みです。既卒はすぐに人材を採用したい企業からの需要が高く、うまく就職活動を進めれば早期入社も不可能ではありません。
厚生労働大臣が新卒採用にあたって「少なくとも学校卒業後の3年間は応募できるようにすること」と企業に協力を促しています。そのため学校卒業後3年以内の既卒者であれば、大手企業であっても新卒採用枠で入社できる可能性があります。
大手企業は新卒採用がメインであり、中途採用を行う企業は多くありません。大手企業へ就職するのであれば、既卒のいまがチャンスです。新卒同様の手厚い研修を受けられる点も大きなメリットといえます。
一度会社で働くと、社風や働き方、価値観が染みついてしまう場合があります。しかし、既卒は新卒と同様に就業経験がないことから、企業側にとって一から自社好みに育てやすい人材と評価され、採用で有利になるケースがあります。
無職の期間が長いと、「働く気がないのでは」「何か問題があるのでは」と企業側が懸念しやすくなります。既卒になった理由や経緯は人それぞれですが、なぜ就職していないのかを正直に伝えることが大切です。
また、学校卒業後にアルバイトをしていた場合はその旨をきちんと伝えましょう。就業意欲が高いことを評価してもらえれば、就職活動を有利に進められます。
既卒と第二新卒のどちらが就職・転職で有利かは、企業の考え方や採用条件、それぞれの状況にもよるため一概にはいえません。たとえば、既卒で年齢が若ければスムーズに就職できる場合があります。しかし、既卒で30代の場合、無職期間が長いことから第二新卒よりも転職の難度は上がるでしょう。
第二新卒の場合、既卒と違って社会人経験があることから転職では有利になりやすい傾向にあります。しかし、前職を早期退職している事実があり、企業側から「またすぐに辞めそう」と思われた場合には不利になりかねません。
第二新卒・既卒のいずれの場合であっても、転職を成功させるには企業側の懸念点を解消することが重要です。
第二新卒・既卒の両者に共通しているのは、社会人経験が少ないことです。そのため就職・転職先を選ぶ際には、未経験でもできる仕事を選ぶと、転職活動をスムーズに進められます。
しかし、具体的にどのような仕事を選んだらよいか、悩む方も多いのではないでしょうか。ここでは、第二新卒・既卒におすすめの仕事を5つピックアップして紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ITエンジニアはシステムやソフトウェアの開発・設計に関わる技術者です。一口にITエンジニアといっても、プログラマーやシステムエンジニア、データベースエンジニアなど多様な職種があります。
IT業界未経験者は、ITエンジニアの登竜門である「プログラマー」を目指すのがおすすめです。プログラマーはコンピューターに指示を送るプログラミングを行う職業で、システム開発における下流工程を担当します。未経験者を募集する求人は多く、手に職をつけられる点が魅力です。また豊富なキャリアパスがあって将来性も高く、実績を積めば高収入も目指せます。
公務員は国や地方自治体に雇用され、公務に従事する職業です。一口に公務員といっても、警察や教師、市役所職員などさまざまな種類があります。公務員試験には年齢制限がありますが、年齢の若い第二新卒や既卒であれば受験可能です。
公務員として働くメリットには、安定性や福利厚生の充実度があります。また、地域や人のために働くことから社会貢献度が高く、やりがいや充実感を得られる点も魅力です。
営業職は自社の商品やサービスを顧客に提案し、契約・販売につなげる職業です。企業の売り上げに関わる営業職は幅広い業界で需要があり、多くの企業が未経験者を積極的に採用しています。
営業職の魅力は自分の実力が給与に反映されることです。一般的に営業職にはインセンティブ制度が採用されており、実績を残すほど高い給与を得られます。コミュニケーションスキルを磨きたい方にもおすすめの職業です。
介護職は高齢者や障がい者に介護サービスを提供する職業です。介護職は高齢化社会によって需要が高まっているものの、人手不足が深刻化しています。従事者の年齢層が高い介護業界では体力のある若者は重宝されるため、第二新卒や既卒は比較的採用されやすいでしょう。
介護職の魅力は、利用者から直接感謝の言葉をもらえることです。人の役に立っていることが実感でき、充実感を持って働けます。また実務経験を積んで介護福祉士やケアマネジャーの資格を取れば、キャリアアップや高収入も目指せます。
配送ドライバーは、車を運転して商品や荷物を届ける仕事です。基本的に運転免許があればできる仕事ですが、企業によっては中型・大型免許が必要となることもあります。
車を運転する仕事はAIやロボットに代替される心配が少ないため、将来性が高い点が魅力です。またインターネットショッピングを利用する人が増えた影響で、配送業の需要が高まっています。車を運転するのが好きな人は、ぜひ目指してみてください。
採用市場で需要のある第二新卒・既卒といっても、選考対策を怠れば就職・転職が思うように進まないでしょう。就職・転職活動が長期化すると、肉体的にも精神的にも負担がかかります。スムーズに採用を勝ち取るためにも、ここで紹介する選考対策を押さえておきましょう。
履歴書は各欄をしっかり埋めましょう。履歴書に設けられている趣味・特技欄に「特になし」と記載するのはNGです。趣味・特技欄の記載内容は、面接でコミュニケーションを図るきっかけにもなります。可能な限り、仕事につながる趣味や特技を記載するとよいでしょう。
また学歴や職歴に空白期間がある場合は、その理由を簡潔に記載することが大切です。空白期間は企業が懸念しやすい部分であるため、記載しないと書類審査の段階で不採用になってしまう可能性があります。
履歴書には志望動機を書く欄が設けられています。企業側にとって志望動機は、応募者の入社意欲や自社とのマッチ度を評価する重要項目です。
そのため、志望動機は丁寧に作り込む必要があります。志望動機では、「なぜ応募先企業を選んだのか(企業独自の強み)」「入社後にどう貢献したいか」を盛り込むようにしましょう。文字数は200文字~300文字程度、あるいは記入欄の8割程度を埋めるようにしてみてください。
第二新卒は社会人経験があることから、ビジネスマナーを注意深く見られます。既卒も中途枠であれば同様に、社会人としての素養を評価されます。そのため面接に臨む前に、入退室のマナーや受け答えの仕方をきちんと押さえておきましょう。
以下に、入退室の流れを簡単に紹介します。
面接には定番の質問があります。スムーズに答えられないと準備不足だと思われ、入社意欲が低いと評価される恐れがあるため注意が必要です。面接では緊張して頭が回らないこともあるため、定番の質問に対しては事前に答えを用意しておくとよいでしょう。以下は、既卒と第二新卒の定番の質問です。
・大学卒業後に就職しなかったのはなぜですか?
・卒業からいままで何をしていましたか?
・前職を退職した理由を教えてください
・前職で学んだことは何ですか?
・前職で苦手だと感じた仕事はありますか?
基本的に面接の最後には面接官から「何か質問はありますか」と聞かれますが、「何もありません」と答えるのはNGです。逆質問は応募者の入社意欲を試す質問でもあり、何もないと答えれば自社への興味が薄いと思われてしまいます。
また、企業のホームページや求人情報を調べればすぐに分かる質問をしたり、面接官がすでに話したことを繰り返し質問したりするのも、マイナスな評価につながるため注意しましょう。企業研究を入念に行い、逆質問をいくつか用意しておくことが大切です。
転職活動に慣れていないと、「転職をどのように進めたらよいのか」「自分にはどのような仕事が合っているのか」と悩むこともあるでしょう。転職活動はひとりで進めることも可能ですが、成功率を上げるためには転職エージェントを活用するのがおすすめです。
マイナビエージェントは求人の紹介や応募書類の添削、面接対策のアドバイスなど、転職活動のサポートを行っています。サービスの利用は無料であり、就職・転職に関する悩みであれば何でも相談できます。就職・転職活動をスムーズに進めたい方は、お気軽にご相談ください。
一般的に既卒は学校を卒業してすぐに就職しない35歳未満の人を指し、第二新卒は新卒入社後3年以内に転職活動を行う人を指します。両者の特徴は、社会人経験が少ないことです。既卒と第二新卒が就職・転職活動を成功させるには、転職のノウハウやポイントを押さえる必要があります。
マイナビエージェントでは就職・転職活動の進め方や成功のポイントについてのアドバイスを行っています。業界事情に精通したキャリアアドバイザーが、あなたの就職・転職を成功に導くお手伝いをしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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