更新日:2023/12/27
この記事のまとめ
第二新卒とは、一般的に新卒入社後2年~3年以内に転職活動をするビジネスパーソンを指します。新卒で就職したものの、仕事内容や職場環境などが自分に合わずに転職を検討している第二新卒の方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、第二新卒としての転職を成功に導くコツを詳しく紹介します。再びミスマッチに悩む結果に陥らないためにも、選考対策を徹底してから転職活動に臨みましょう。
目次
第二新卒という用語には明確な定義が存在しません。一般的には、学校を卒業し新卒で企業に入社後、3年以内に転職する方を指します。最終学歴は四年制大学に限定されず、高校・専門学校・短期大学・大学院なども含まれます。上記のことから、第二新卒に該当する年齢の目安は以下のとおりです。
第二新卒の基準はあくまでも各企業に委ねられているため、求人に応募する際に確認しましょう。スキルや経験が不足している分、新卒採用と同様に熱意やポテンシャル重視の選考が行われます。
第二新卒採用は、広義の中途採用に該当します。そのため、求人内容に「第二新卒」などの記載がなくても、募集条件をクリアしていれば中途採用への応募は可能です。ただし、中途採用では即戦力として活躍できるスキルが求められます。そのため、十分なスキルを有していなければ中途採用枠での採用を勝ち取るのは難しいでしょう。
また、第二新卒と並んで転職市場でよく耳にする言葉に「既卒」というカテゴリーがあります。これも明確な定義がないものの、おおむね学校卒業後3年以内を指す点が第二新卒と共通です。通常、正社員としての就業経験がない方を指しています。
転職市場における第二新卒の扱いは、新卒採用とも一般的な中途採用とも異なります。これから第二新卒枠で転職しようと考えているのであれば、転職事情を正しく理解しておくことが大切です。ここでは、第二新卒採用を取り巻く環境やよくある転職理由を詳しく解説します。
厚生労働省が2022年10月に発表した「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します」によると、新卒として就職してから3年以内に離職する方の割合は以下のとおりです。
おおむね3人にひとりが、就職してから3年以内に離職していることが分かります。特に離職率が高いのは宿泊業・飲食サービス業で、新規高卒就職者の60.6%、新規大卒就職者の49.7%が3年以内に退職しています。
参照:新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します|厚生労働省
企業側の人材採用においても、第二新卒に対する需要が高まっています。その背景として、新卒の就職事情が売り手市場になっていることが挙げられます。求人数に対して学生数が不足しており、企業側は思ったように新卒を採用できていません。
また、新卒採用者も3年以内に3人にひとりが離職しているのが現状です。そこで企業は、若手人材を確保する目的で第二新卒採用に力を入れています。企業が第二新卒を欲しがる詳しい理由については後述します。
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」から、第二新卒として転職活動している方が前職を辞めた原因を見ていきましょう。2021年に20歳~24歳で転職した方が挙げた主な転職理由は以下のとおりです。
職場の人間関係が好ましくなかった:12.8%
上記の結果から、労働環境や待遇に不満があることを理由にして転職した方が多いといえます。実際に転職活動を始める際は、自分が転職を決断した理由を解消できる企業を探すことが大切です。
中途採用の募集を見ていると、第二新卒に言及している求人を目にする機会があります。第二新卒は、「新卒で入社したにもかかわらず早期退職した」とマイナスイメージを持たれるケースがあるものの、注目されているのは事実です。なぜ第二新卒を積極的に採用している企業があるのか、その理由を見ていきましょう。
第二新卒が求められている理由のひとつに、「社会人経験のない人材よりも即戦力になりやすい」というものがあります。ビジネスマナーなどは前職で学んでおり、研修で教える必要がありません。そのため、自社の業務に必要な情報だけを教えれば活躍してもらえます。
新卒で入社した社員に比べて教育コストが少なく前職での社会人経験を活かせるメリットから、第二新卒を求める企業が増えてきています。
新卒入社した企業の在職期間が短いために前職の色に染まっておらず、柔軟に対応しやすい点も企業が第二新卒を求める理由のひとつとして挙げられます。
同じ企業に長く勤めていると、その企業のカラーや社風、仕事の進め方などに染まるため、転職してもなかなかそこから脱却できない場合があります。第二新卒の場合は社会人としての基本が身についている一方、新しい職場のルールや仕事のやり方にも柔軟に対応できることから、採用したいと考える企業が増えています。
人材不足に悩んでいるために、第二新卒を採用して必要人員を充足させたいと考えている企業もあります。新卒採用市場において、優秀な学生はインターンシップを経由した早期選考で内定が出されるなど、企業間での人材の奪い合いが激化しているのも理由のひとつです。
そのため、新卒にこだわる必要性はないと考えて第二新卒を広く採用する方向に人事戦略を変更する企業も多く存在します。
これから第二新卒として転職することを考えているのであれば、入社したい企業の選考に突破するために意識しておきたいポイントがいくつかあります。自分に合った企業を見つけても、選考を通過できなければ入社できません。少しでも有利に選考を進めるためにも、下記で紹介する3つのポイントを意識しておきましょう。
第二新卒は社会人経験があるという部分で、新卒よりも「即戦力」に近い立場であると考えられています。スキルや実績が少ない事実は否めませんが、社会人としてのマナーやメールの書き方、名刺交換の方法などの基本的なビジネススキルは最低限身についていることをアピールしましょう。
第二新卒は少なからず社会人経験があるため、業務内容をある程度理解していることが求められます。企業研究を念入りに実施したり転職エージェントを活用して転職を考えている企業の仕事内容を事前に確認したりして、「どのような業界・職種・企業で、自分はどのように貢献したいと思っているのか」を理解しておきましょう。
同じ業界・業種の企業であっても、社風や経営方針はさまざまです。そのため、企業研究では公式サイトに掲載されている情報や転職エージェントから得た情報を詳しく分析することが大切です。
ビジネススタイルや将来のビジョン、求めている人材の特徴が見えてくれば、自分に合った企業かどうかを判断しやすくなります。経営方針・ビジョンに将来性を感じられるか、自分が望んでいるキャリアプランを実現でき、意欲的に働けそうかなどをじっくり考えましょう。
企業側にとってメリットが多い第二新卒採用ですが、転職者側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、第二新卒で転職する主なメリットを3つ紹介します。在籍中の企業にミスマッチを感じており、いまからでもやり直したいと考えているのであれば、転職を検討してもよいでしょう。
第二新卒者の中には、新卒時の就職活動がうまくいかなかった方もいるのではないでしょうか。このまま現職を続けるのが難しいと感じ、転職を考えることもあるでしょう。
第二新卒の場合は社会人としての経験があることから、新卒時には分かっていなかったことも踏まえてリスタートできます。いわば、「2回目の就職活動」ができる状況といえるでしょう。
第二新卒は一度社会人としての経験を得ているため、新卒時よりも自分の適性やスキルが理解できている状態であるのが一般的です。そのため、新卒のときと比べてより的を射た転職活動ができるでしょう。
やりたいことが明確化されると、自分が目指したい業種・職種・企業が見つかりやすくなります。応募先企業に対して自分のやりたいことやキャリアプランを的確に伝えられ、それらを実現できる可能性を新卒のときより高めやすいでしょう。
新卒時に第一志望の企業に就職できないことは珍しくありません。人気企業は競争も激しく、万全の対策を立てて就職活動に臨んでも選考に突破できないこともあります。
第二新卒での転職では、新卒時に不採用になった企業に採用されるチャンスがあります。社会人経験を経たことによって、新卒時の就職活動でうまくいかなかった点に気づき、志望動機や自己PRなどの対策をしっかり立てられるようになるからです。
転職活動で失敗しないためには、避けたいことがいくつかあります。ここでは、失敗につながりやすい要素を7つ見ていきましょう。転職したのにもかかわらず再びミスマッチに悩む状態に陥ることを防ぐためにも、早めに確認しておくことをおすすめします。
転職を考える背景として、ネガティブな理由が潜んでいることもあるでしょう。しかしネガティブな理由だけで転職してしまうと、じつはどこの会社も同じような状態であったり、ほかの嫌な部分が目についたりして自分の理想とする会社には出会えないこともあります。
しかし、ネガティブな転職理由があるときでも「自分のやりたいことは何か」を考えて転職をすれば、多少つらいことがあったとしても頑張れます。ネガティブな理由だけで転職を検討せずに、ポジティブな理由も一緒に考えましょう。
転職を焦って表面上の条件のみで転職先を決めてしまう行為は、企業と自分のミスマッチを引き起こす原因のひとつです。第二新卒として後悔しない転職を実現するには、自己分析が欠かせません。求人情報や面接など外部から得られた情報をそのまま受け取るだけでなく、それらの情報を自分なりに分析・検証します。
先入観や自説に固執せず、あらゆる可能性や選択肢を自分の中に持っておくことで、より理想に近い転職を実現しやすくなります。万が一「こんなはずではなかったのに」というミスマッチ感を抱いたとしても、問題の対処法が浮かんでくるでしょう。
転職活動に取り組む際には、「自分は今後どのようなキャリアを目指したいのか」をしっかりと考えてから業界・企業を選定しましょう。
どのような企業であっても、中途採用の面接では「今後のキャリアプランを教えてください」と聞かれることが一般的です。応募者のキャリアプランと応募先企業の業務内容・経営方針があまりにもかけ離れていたり、志望動機にズレがあったりすると、マイナスイメージにつながります。
現職がつらい場合であっても、転職先を決める前に退職してしまうことは避けたほうがよいでしょう。退職後になかなか転職先が決まらないと、職歴に空白期間が生まれます。すると応募先企業の採用担当者から「計画性がない」と判断されてしまいかねません。
また転職活動がうまくいかなければ、収入がない状態が続きます。転職先が見つからないと生活が苦しくなることに加え、次の仕事が決まらない焦りも出てくるでしょう。
精神的にも追い詰められた結果、「どこでもいいから内定をくれる会社に」とよく調べないまま入社を決めてしまい、再びやりたい仕事ではない業務に就くことになったり、給与や待遇が悪くなったりする可能性もあります。
「二度目の就活」という感覚で新卒時と同じように転職活動に臨むとうまくいかない可能性があります。
たとえば、職務経歴書や志望動機の質を高めずに多くの会社にエントリーすると、自分の弱点をなかなか把握できなかったり転職活動が予想以上に長引いたりすることもあるでしょう。転職できた場合でも、「思っていた仕事内容とは違った」というミスマッチにつながりかねません。
志望動機やキャリアプランを明確にし、「自分はどのような仕事をしたいのか」「自分はどのような形でこの会社に貢献できるのか」を新卒時よりも具体的に考えながら転職活動を進めましょう。
職務経歴書は、自分の職務経験や実績・スキルなどをアピールするために作成する応募書類です。職務経歴は変化するものではないため、「一度作ったら使い回せばいい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、一度作った職務経歴書を使い回していると、ボトルネックとなる部分を改善できず、書類選考を通過できない可能性があります。職務経歴自体は変えられませんが、応募する企業に合わせて強調するポイントやアピールの仕方を工夫しましょう。
面接で起こりがちな失敗のひとつとして、自分の長所や積極性を伝えようとして独善的なアピールになってしまうことが挙げられます。
採用担当者に上記のような印象を与えてしまうと、「この人は協調性がなく、周りの社員たちとうまくやっていけないのではないか」と評価されかねません。積極性をアピールする際には、周りの人たちとの協調性がある点にも触れるようにするとよいでしょう。
ミスマッチを防いで意欲的に働ける企業を探すには、転職の軸を明確にすることが大切です。ここでは、第二新卒として転職活動に臨む方が意識しておきたい4つのポイントを紹介します。
思い描くキャリアプランが実現できる企業を探すためにも、自分を見つめ直したうえで転職活動に取り組むことが大切です。
第二新卒の強みのひとつに、一度就職した経験を活かしてより深く自己分析や企業分析できることが挙げられます。その強みを活かすためにも、以下の要素をひとつずつチェックしておくとよいでしょう。
上記の要素は、社会人経験があるからこそより明確に理解できる部分といえます。さらに、一度社会の仕組みや働き方を学んだことで、企業に対する理解も深まっているでしょう。新卒にはないメリットを活かすことで、第二新卒としての転職を成功させやすくなります。
転職活動の成功は、「スケジュール管理が大きな鍵を握っている」といっても過言ではありません。転職活動は、やろうと思えば際限なく続けられます。誰かにゴールを提示されるものではなく、あくまでも自分の評価や判断に依存するためです。
しかし、続ければ続けるほど理想が高まったり判断基準の軸がブレたりして、どの決断が正しいのか分からなくなります。自分の中で明確なゴールを定め、そこに向かうための具体的なスケジュールを作成しましょう。
在職中の場合は、退職の申し出が退職希望日の何ヵ月前までに必要なのかを確認したうえで、転職先への入社希望日や引き継ぎスケジュールを決めます。
すでに退職している場合は、自分の中における転職活動のゴールを「〇〇の企業が決まったら」という結果や「〇月〇日まで」と日付で具体的に設定するとよいでしょう。
一度社会人を経験すると、働き方や会社に対して妥協できる点とできない点が明確になります。しかし、自分が希望するすべての条件を満たす転職先が見つかるとは限りません。
そのため譲れない条件を3つ程度に絞り、その条件が合致する企業かどうかで入社を判断するようにしましょう。そうすると、「さらに条件に合う会社があるに違いない」と迷い、決断できなくなる事態に陥るのを防げます。
第二新卒の場合、退職理由の伝え方には注意を払う必要があります。採用担当者は、新卒入社から数年以内に退職した第二新卒に対し、「採用してもすぐに辞めるのではないか」「前職と同じ状況に遭遇したら、嫌になって投げ出すのではないか」という懸念を抱きがちです。
そのため、「退職のきっかけとなった出来事は、自社でも起こり得るものか」「自社でならば、その問題を解消できるのか」といった点を確認しようとします。退職理由を伝える際には、ネガティブ要素をポジティブに言い換えて採用担当者を安心させるようにしましょう。言い換えの例は以下のとおりです。
〈例〉
転職活動に取り組むときは、第二新卒のメリット・デメリットをきちんと把握したうえで適切な選考対策を実施することが必要です。ここからは、第二新卒の転職において見逃せない5つの選考対策を紹介します。
いずれも転職を成功させるうえで欠かせない要素であるため、時間を確保してひとつずつ準備を整えましょう。十分な選考対策を講じることで、内定獲得率を高められます。
一定の社会人経験があることは、新卒と比べたときに大きく有利になるポイントです。そのため、前職での経験や習得したスキルは忘れずにアピールしましょう。
社会人経験が数年しかなかったとしても、基本的なビジネスマナーやポータブルスキルなどは習得しているものです。業務に必要とされる専門的なスキルを十分に習得できていないとしても、ビジネススキルを有していることで新卒より有利な条件で転職できるでしょう。
前職をなぜ退職したのか、応募先企業への転職後に何を実現したいのかを伝えることも大切です。この点が曖昧になっていると、転職理由と絡めた志望動機に説得力が欠け、採用担当者にアピールするのが難しくなります。
転職目的をきちんと伝えられないと、「本当に早期退職せずに活躍してくれるのだろうか」と思われる可能性があります。採用担当者に余計な不安を抱かせないためにも、応募先企業のビジョンや業務内容などと組み合わせながらポジティブな転職理由を伝えるようにしましょう。
応募先企業で長く働きたいことをアピールするためにも、将来のキャリアプランを忘れずに伝えましょう。キャリアプランを単純に伝えるだけでなく、応募先企業のビジョンと絡めて説明できるとより効果的です。
企業のビジョンとマッチしたキャリアプランを考えていることを伝えられれば、「自社でなら長く活躍してくれるのではないか」と思ってもらえる可能性が高まります。転職後のミスマッチを防ぐ観点でも重要です。
機械設計やITエンジニアなど専門スキルを求められる職種に応募するときは、前職で培ったスキルや自分で習得したスキルのアピールも大切です。数年程度しか社会人経験がなかったとしても、一定の専門スキルは習得しているでしょう。
業務を通じて身につけたスキルは新卒と比べたときに大きな武器となり、選考を有利に進めることにつながります。第二新卒として専門職に転職したいと考えているのであれば、社会人経験を積みつつ常に学習に励むことが大切です。
第二新卒採用は一般中途採用とは異なり、ポテンシャルが重視される傾向にあります。特定の企業カラーに染まっておらず、柔軟に対応できることを評価する企業もあるでしょう。
そのため、柔軟性や適応力をアピールすることも大切です。特定の方法に固執することなく、求められるやり方に合わせて柔軟に対応し、活躍したいと思っていることを伝えるとよいでしょう。
第二新卒採用は経験やスキルが少なくても有利な条件で転職しやすいものの、転職を成功させるには念入りな選考対策が必要です。自分に合った企業を見つけられない、選考対策をする時間を確保できないと悩んでいるのであれば、転職エージェントを活用することをおすすめします。
転職エージェントでは、求人の紹介を受けられるだけでなく、応募書類の添削や模擬面接など選考対策のサポートも受けられます。転職エージェントのサポートを受けつつ企業探しや選考対策に取り組むことで、転職に成功する可能性を高められるでしょう。
一般的に、第二新卒は新卒で入社した企業を3年以内に辞めて転職する方を指します。第二新卒者には新卒にはない社会人経験があるだけでなく将来性にも期待できるため、第二新卒採用に力を入れている企業は少なくありません。第二新卒としての強みを活かせば、転職を成功させられるでしょう。
しかし、理想の転職を実現するには自己分析や企業研究を徹底し、自分に合った企業を選ぶことが大切です。ミスマッチを防ぐためにも、早めに転職エージェントに相談して必要なサポートを受けるとよいでしょう。
マイナビエージェントでは第二新卒の転職をサポートしています。第二新卒に強い転職エージェントを探している方は、マイナビエージェントにぜひご相談ください。
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