更新日:2023/01/17
長い学生時代を終え、「さぁ社会人として働くぞ!」と意気込んで就職したものの、仕事を始めてみたら「なんだかしっくりこない...」と悩みを抱える人は多いと思います。「この仕事を一生続ける人生でいいのか」「他社へ入社した同級生はもっと好条件で仕事をしているのに自分はどうして...」「人間関係がうまくいかない」など、不安や不満を覚えることもあると思います。そんなときに考えるのが、転職という道。人生の大きな岐路ともいえるでしょう。
新卒で就職した人が3年未満で転職を考える場合、「第二新卒」というカテゴリーに入ります。この、第二新卒と呼ばれる人の転職活動が今、とても盛んです。今回は、そんな第二新卒者の転職状況について徹底解説したいと思います。
目次
第二新卒とは、各教育機関を卒業して就職したあと、およそ3年以内に転職する人を指す言葉です。その定義に年齢は関係なく、職務経歴で判断します。高校卒業後の就職で3年以内である場合も、大学や大学院卒業後の3年以内である場合も、第二新卒というカテゴリーにあてはまります。
社会人1年未満での転職の場合は、第二新卒であるとともに、「短期離職」「早期退職」というカテゴリーにも属します。この場合、転職先となる求人企業は、継続勤務に不安を覚えるなどして、採用の可能性が減ってしまうおそれがあります。
新卒に比べると第二新卒者の求人数は減少します。また、1度は社会に出ているということで、最低限の社会人スキルを持ち合わせているとみなされます。なので、第二新卒で転職活動をする際は、ビジネスマナーなどを理解しておく必要があります。
「ミドル転職」とは、30代の転職者のことです。30代ともなると、20代で培ってきた経験をすぐに発揮するよう求められ、即戦力として期待されることがほとんどです。それに比べて第二新卒は、これから伸びていく人材かどうかという面で期待される傾向があります。さらに、前職の歴が浅いため、まだどの企業の色にも染まっていない点が歓迎されます。
厚生労働省の調査によると、2014年3月に各教育機関を卒業した人の3年未満離職率は、中学卒で67.7%、高校卒で40.8%、短大卒で41.3%、大学卒で32.2%となっています。
厚生労働省「一般職業紹介状況(平成29年4月分)」を加工して作成
厚生労働省が発表した資料「一般職業紹介状況(平成29年4月分)について」によると、2009年度に求人数が一気に落ち込みましたが、その後は右肩上がりに上昇しているのがわかります。これは、2008年に起きたリーマン・ショックの影響で求人数が急激に減少しましたが、その後は経済が回復に向かいつつあるということを表しています。
30代のミドル転職者は採用競争が激しく、その競争から手を引いた企業が次に狙いを定めたのが第二新卒者です。そのため、近年では第二新卒者のニーズが高まっている傾向があります。
ここからは、第二新卒で転職する際のメリット・デメリットについてご紹介します。
仕事への悩みや不満は人によって違うと思いますが、それが「就業時間に納得がいかない(シフトへの不満や残業が多いなど)」「人間関係がうまくいっていない」「考えていた仕事とは違った」などであれば、転職することによって環境を変えることが可能です。転職によって悩みを根本から解決できれば、あなたにとって大きなメリットになります。
第二新卒の転職時には「もっと給料を上げてほしい」といった要望も交渉できる可能性があります。新卒入社の際は、自分の能力に適しているかどうか判断がつかないまま、求人条件どおりに就職することがほとんどですが、働き始めてからの成長度合いや経験値は人それぞれです。一定以上の知識とスキルがあり、結果も出せていれば、その評価を転職先に求めてみても問題ありません。あなたの実力を提示し、それに対して高評価を示してくれる企業であれば、お互いにとってメリットになるでしょう。
働き始めると、これまで培った経験を糧に、今後の自分をどう伸ばしていきたいかが明確にわかるようになってきます。それに伴い、自分の将来の目標を実現できる職場で働きたいという願望も生まれ、それが転職への動機につながることも多くなります。そんなときは、自分がこれから得たいスキルに関して蓄積のある企業への転職を考えてみましょう。その転職が成功すれば、必然的にあなたのスキルアップにつながるはずです。
3年未満で転職した場合、転職先では"信頼を得る"という面で努力が必要となります。例えば、転職先の企業から「またすぐに転職してしまうのではないか」と思われてしまうのは仕方がありません。しかも、それが1回目の転職であれば大目に見てもらえますが、2回目、3回目ともなれば、信用度はかなり低くなってしまいます。「根気のない人」というイメージを持たれてしまう可能性もありますので、転職先では信頼関係の構築に人一倍力を注ぐ必要が出てくるでしょう。
また、転職先で出会う同僚との関係も一からになってしまいますので、新たな人間関係を育むのが苦手という方は苦労してしまうかもしれません。金銭面では、有給付与日数が初年度からのカウントになったり、退職金制度のある会社であれば長期間勤務者との差が出てしまったりすることもあります。
企業が第二新卒者を採用する理由として、ミドル転職者よりも競争率が低いことを紹介しましたが、他にも主に2つの理由があります。
通常、企業は新卒入社した者に対して研修期間を設け、その際に社内もしくは外部発注による研修員を動員する必要があります。しかし、第二新卒者はその必要がなくなるか、簡易的なもので済むようになります。
そのため、第二新卒者を採用することで、企業にとっては一人前の社会人として育てるための時間とコストの削減につながるのです。
第二新卒者には、環境の変化による臨機応変さが求められます。しかし、前職での蓄積がある分、幅広い仕事に対応できる人材に育つ傾向があります。そのため、新卒者よりも仕事を覚えるのが早く、仕事の幅も広く設けられる人材として企業に迎えられることが多くなります。
第二新卒者の年齢は、10代後半から20代前半がほとんどです。社会人としての経験は数年程度であり、前職でのやり方に凝り固まっていないので、柔軟性の高さも期待されるでしょう。
ほとんどの人が新卒入社の際に、「この会社で長く働き続けよう」と思っていたはずです。ただし、仕事というのはスタートしてから見える景色があるのも当然です。そんなときに転職を考えるのは悪いことではありません。また、それがキャリアアップにつながれば、なおさら素晴らしいことです。転職は、今の状況を「もっと良くしたい」というあなたの強い意志の表れですので、強い覚悟を持って行動してみてください。
本文でもお伝えしたように、現在は第二新卒にとって、とても転職活動がしやすい状況です。これまで、第二新卒を採用していなかった大手企業も、第二新卒の採用、あるいは新卒扱いとしての採用に積極的になってきている傾向があります。
第二新卒の大きな強みは、社会人経験がありつつ、環境の変化を受け入れられる柔軟さです。転職を試みる際は、あなた自身の今の経験値をしっかり振り返った上で、転職活動に臨んでください。
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