更新日:2024/10/11
この記事のまとめ
転職活動において、面接は選考の合否を左右する重要な段階です。しかし面接は頻繁に受けるものではないため、緊張したり焦ったりしてしまう方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、面接を受けるときの基本的なマナーを受付・入室・進行中・退室の4段階に分けて紹介します。
面接は自分のスキルや経験をアピールする場ですが、基本的なマナーを習得しているかもチェックされます。スキルや経験と関係ないところで自分の評価を落とさないためにも、面接に臨む前にひととおり確認しておきましょう。
目次
面接を受ける際は、採用担当者と会話するときだけでなく、会場に到着して待機しているときにも基本的なビジネスマナーを意識することが大切です。ここでは、面接会場へ向かうときや到着したときに意識したい3つのポイントを紹介します。
面接会場には、開始時間の5分前~10分前に到着するのが基本です。遅刻しないように注意するあまり到着時間が早くなりすぎることもあり得ますが、極端に早く到着するのも失礼な行為にあたります。
面接会場に直接入場するときは、5分前~10分前に入場すれば問題ありません。しかし、エントランスに受付がある場合はその分早く行動する必要があります。15分前に到着するように時間を調整し、最終的な準備を整えるとよいでしょう。
その後、開始時間の10分前になったら受付に用件を伝え、採用担当者に取り次いでもらいます。電話やタブレットなどによる無人受付を実施している企業の場合は、事前の案内にしたがって採用担当者に連絡します。
受付後に採用担当者や面接会場のスタッフから何らかの指示が出た場合は、それにしたがいましょう。「○○でお待ちください」「上着や不要な荷物は○番のロッカーに収納してください」など、どのような指示が出るかは状況によって異なります。相手の話を注意深く聞き、指示を聞き漏らさないようにすることが大切です。
同日に面接を受ける応募者が多い場合など、状況によってはある程度の待ち時間が発生します。待ち時間は面接直前の準備時間としてうまく活用しましょう。面接で話す内容を事前に振り返っておけば、採用担当者から質問されたときに戸惑うことを防げます。ほかにも、当日の新聞を確認して時事問題をチェックしたり面接のシミュレーションをしたりするのも有効です。
基本的な入室マナーについて、待合場所で名前を呼ばれてから着席するまでの流れに沿って確認していきましょう。ノックの回数やドアの閉め方など、細かな点までまとめています。読みながら実際に動きをつけて練習してみると、より理解しやすいでしょう。
待合場所で名前を呼ばれたら、面接室のドアを3回ノックします。このとき、ノックはゆっくりと落ち着いてするよう意識しましょう。あまり強くたたいては威圧感を与え、早くたたいてはせかしているような印象を与えてしまうためです。
会場によっては、面接室のドアが開いたままになっているケースがあります。そのようなときはノックはせず、ドアの手前で「失礼いたします」と声をかけてからお辞儀をして入室の許可を待ちましょう。
ノックに対して「どうぞ」や「お入りください」という言葉が返ってきたら、「失礼いたします」と返事をします。その後、ひと呼吸置いてからドアを静かに開けましょう。
ドアが開いたままになっているケースでは、この時点ですでに「失礼いたします」と声をかけています。許可をいただき次第、入室しましょう。
また、まれに「どうぞ」の声が聞こえないケースがあります。そのような場合は、改めてノックを3回します。それでも返事がなかった場合には、「失礼いたします」と声をかけて入室します。
初めにドアが閉まっていたときは、入室したらきちんと閉めましょう。「解放中」などの張り紙がされている場合には、基本的に扉を開いたままで構いません。心配な場合は、担当者に確認するとよいでしょう。
ドアを閉めるときは、なるべく音を立てないようにします。また、後ろ手に閉めることはせず、軽くドア側を振り返ってから閉めましょう。このとき、面接官に対して背を向けてしまうのは失礼になり得るため、少し斜めを向くようなイメージでドアに向き合うとよいでしょう。
ドアを閉めたら、改めて面接官のほうに向き直ってからお辞儀をしましょう。お辞儀の後は、用意された椅子の横まで進みますが、このときの動作はひとつひとつゆっくりと丁寧に行います。
面接官のほうに向き直ったらひと呼吸置いてからお辞儀をし、頭を下げた状態でひと呼吸置いてから頭を上げ、頭を上げた後もひと呼吸置いてから歩き始めるといった具合です。
椅子の横に到着したら、面接官を見据えてあいさつをしましょう。あいさつの際は、時間を用意してくれたことへのお礼をひと言述べたうえで自分の名前を伝え、最後は「よろしくお願いいたします」と締めるとよいでしょう。あいさつを述べた後には、もう一度ゆっくりとした所作でお辞儀をし、面接官からの指示を待ちます。
椅子の横であいさつを終えると、面接官から着席を促されます。この際には何も言わずに座るのではなく、「失礼いたします」とひと言伝えてから着席しましょう。座り方としては、少し浅く座ると背筋が伸び、姿勢が美しく見えるためおすすめです。
実際に面接がスタートすると、会話に集中するあまり基本的なマナーが抜け落ちてしまうことがあります。志望動機を伝えたりスキルをアピールしたりするなど会話を通じて採用担当者にアピールすることは大切ですが、会話の内容と同じくらいマナーも大切であることを忘れないようにしましょう。ここでは、面接中に意識したい2つのマナーを紹介します。
質問に答えるときや自己PRをするときなど、採用担当者と会話するときは相手の目を見て話しましょう。会話するときに相手の目を見るのは、基本的なマナーのひとつです。時々目線が相手の目から外れることは問題ありませんが、常に外れていると自信がない印象を与えてしまいます。
相手の目を見て会話することは、入社してからも日々のコミュニケーションで求められる基本的なスキルです。面接でもそのことを意識するとよいでしょう。
相手の質問に答えるときは、PREP法を意識することが大切です。PREP法とは、「結論(Point)」「理由(Reason)」「具体例(Example)」「結論(Point)」の順で伝える会話法です。
面接では、最初に相手の質問に対する直接的で簡潔な答えを述べ、続く部分でその理由と結論を裏づける事例や経験を伝えます。最後に再び結論を述べることで、説得力がある方法で分かりやすく必要な情報を伝えられるでしょう。
面接では入室マナー同様、退室マナーも大切です。退室時は面接が終わった安心感から気が抜けてしまい、マナーがおろそかになってしまう可能性が高いため注意が必要です。
ここで退室時の流れとともにマナーを学び、入室から退室まで好印象を残す立ち居振る舞いを身につけましょう。
面接官から面接終了を伝えられたら、まずは着席したままでお礼を伝えます。「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」というような言葉がふさわしいでしょう。お礼を述べた後は、着席のまま頭を深く下げます。お礼の言葉を伝えるときも一般的な会話と同様に、相手の目をきちんと見ることが大切です。
一礼ののち、ひと呼吸置いてから席を立ちます。このとき、そのまますぐにドアのほうへ向かうのはNGです。席の横に立って姿勢を正して面接官と向き合い、もう一度「ありがとうございました」とお礼を伝えて一礼します。
一礼後は面接官と軽くアイコンタクトをしたうえで、ひと呼吸置いてからドアのほうへ歩き出しましょう。
ドアの手前まで来たら、最後のあいさつです。姿勢を正して面接官と向き合い、「失礼いたします」と声をかけて一礼してから退室します。
ドアを開けるときは、面接官になるべく背中を向けないようにしましょう。退室後、ドアを閉めるときもなるべく音を立てないように手を添えて閉めます。
なお、退室後すぐに気を抜いてしまってはいけません。面接会場を出るまでは姿勢を正して歩きましょう。スマートフォンの電源を入れ直すのも、会場を出てからにするのが無難です。
ここでは、入室時に面接官がチェックしているポイントを3つ紹介します。面接官の考えを理解したうえで改めて入室マナーを押さえれば、どのような立ち居振る舞いに気をつける必要があるかが見えてくるでしょう。
入室時の立ち居振る舞いには、身についている礼儀が自然と表れます。具体的にはあいさつやお辞儀がきちんとできるか、TPOに合わせた立ち居振る舞いができるかといったことです。
どれも決して難しいことではありません。そのため礼儀を感じられない振る舞いがひとつでもあれば、「ビジネスマナーを習得していない」と判断されてしまうでしょう。
入室時の態度から、面接官は応募者が気配りのできる人であるかを確認しています。たとえばあいさつやお辞儀がおざなりでは、面接時間を作ってもらっていることに対する感謝の気持ちがないと感じられてしまうでしょう。
また、ノックや歩き方をはじめとしたささいな動作にもその人の性格が表れます。ひとつひとつの動作からも、コミュニケーション能力や性格を推測されていると考えましょう。
面接が進むにつれて、緊張が解けて態度が変化することがあります。面接担当者は最後まで応募者の態度に変化がないかをチェックしているため、もう少しで面接が終わるからといって最後まで気を抜かないようにしましょう。
面接終了後も、オフィスを退出するまで採用担当者に見られていると思って行動することをおすすめします。社内にいる間はどこに採用担当者や人事を担当している社員がいるかが分からないためです。
ここでは面接の入室・退室時にやってはいけないことを4つ紹介します。これらのNG行動をしてしまうと、自分の評価を下げてしまいかねません。緊張していてもミスをすることがないように、しっかりと頭に入れておきましょう。
面接官に促されるより早くドアを開けて入室したり、椅子に座ったりすることは避けましょう。ビジネスマナーがなっていないと判断されてしまいます。
また、普段から相手の話を聞き終える前に話し出してしまうことが多い方ほど、面接官の話も遮ってしまいかねません。最後までしっかりと面接官の話を聞いたうえで行動するように心掛けましょう。
ドアを開けながら返事をすることをはじめ、複数の行動を同時に行わないようにしましょう。ドアを開けるときであれば、「失礼いたします」と言い終えてからドアを開けます。着席するときも同様に、「失礼いたします」と言い終えてから、実際の行動に移すのがマナーです。
これらの行動を同時にしては「とりあえず言っているだけ」と捉えられ、気持ちの伴わないマナーだと見なされるでしょう。
面接の待合場所や控室には、ハンガーラックが用意されていることがあります。しかし、あらかじめ準備されているものであっても、断りなく使用するのはマナー違反です。
使用を勧められていなければ、許可を取ったうえで使用しましょう。また、場合によっては最寄りのコインロッカーにコート類を預けるのもひとつの方法です。
面接の場においては、基本的に名刺交換は不要です。まれに名刺を求められることもありますが、レアケースだといえるでしょう。面接官から求められていないにもかかわらず、名刺を差し出す行為はNGです。常識がないと思われてしまう恐れがあります。
なお、逆に面接官から名刺を渡されるときはありますが、その際には立ち上がって両手で丁重に受け取りましょう。
面接には基本的な流れがあるものの、応募する企業がすべてその流れで進むとは限りません。面接の進め方や選考で重視されるポイントは企業によって異なるため、イレギュラーが発生することもあり得ます。
そこでここからは、イレギュラーが発生したときの対処法をいくつかチェックしていきましょう。予想外の事態が発生したときに慌てないためにも、事前にどのような事態が起こり得るかを確認しておくことをおすすめします。
受付後に案内係から個別に指示が出ることがあります。個別に何らかの指示が出た場合は、それにしたがうのが基本です。
「ドアを開けて入場したら、ドアは閉めずに開けておいてください」など、一般的なマナーと違う指示が出た場合にもそれにしたがいましょう。指示を無視すると、「話を注意深く聞かない応募者」と判断される可能性があります。
面接官が入室するよりも先に面接室に案内されるケースがあります。このとき、特に着席の指示がなかった場合には、椅子の横に立って待つのが無難でしょう。着席して待つように指示された場合には、それにしたがいます。
ただし、面接官が入室した際には立ち上がり、面接官が席に着くまで待ちましょう。後の流れは一般的な面接と変わらず、「本日はありがとうございます。〇〇です。どうぞよろしくお願いいたします」とあいさつを伝えるところから始めます。
企業によっては、採用担当者がエントランスまで見送ってくれる場合があります。そのようなときは、採用担当者の少し後ろを歩きエントランスへ向かいましょう。
途中で話しかけられた場合は、基本的なマナーを押さえつつ対応すれば問題ありません。エントランスに着いたら最後にもう一度お礼を述べ、退出するとよいでしょう。すでに面接が終わっているからといって、気を抜かないようにすることが大切です。
遠方の企業に応募した場合やサテライトオフィスで働く場合など、状況によっては面接がオンラインで行われることがあります。そのようなときは、以下のマナーを意識するとよいでしょう。
対面での面接と異なる部分がいくつかあるため、注意しましょう。事前に本番と同じWeb会議システムを利用して練習すると、本番も落ち着いて対応できます。
面接は短時間で行われるからこそ、普段の人となりが話し方や所作に表れます。ビジネスマナーに苦手意識を持っているのであれば、本番で自然と振る舞えるように練習を積んでおく必要があるでしょう。
しかし自分を客観的に見ることは難しく、普段の意外な癖が面接官に悪印象を与えてしまうケースがあります。
面接対策を万全にしたい方は、ぜひマイナビエージェントのサービスをご活用ください。マイナビエージェントでは、転職先の紹介だけでなく、面接練習のサポートまで行っています。面接練習のサポートをするのは、転職のプロであるキャリアアドバイザーです。どのような振る舞いやマナーが面接官に好印象を与えるかを熟知しているからこそ、的確なアドバイスが可能です。
面接は選考における重要な段階で、応募者にとっては緊張する場面といえます。そのため、緊張のあまり基本的なマナーがおろそかになって採用担当者によくない印象を与えてしまうことがあります。これから面接を控えている方は、事前準備を整えてシミュレーションを徹底し、落ち着いて対応できるようにしておくとよいでしょう。
選考をはじめとして転職活動全般にわたって不安を抱えているのであれば、転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。転職エージェントを利用すれば効果的な選考対策を行えるだけでなく、非公開求人を紹介してもらえるメリットもあります。
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