更新日:2024/04/26
この記事のまとめ
面接は自分を応募先企業に売り込む場です。選考担当者によい印象を与えるためには、意識しておきたいマナーが多数存在します。しかし、面接を受ける機会は人生の中でそこまで多いものではなく、どのようなマナーがあるのか理解できていない方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、面接で意識したいマナーをフェーズ別に紹介します。選考担当者に自分を魅力的な人材としてアピールするためにも、基本的なマナーを意識したうえで面接に臨みましょう。
目次
面接に適していない格好をしていては、それだけで「社会人としてのマナーに不安がある」と判断される恐れがあります。ここで服装や髪形のマナーを学び、万全の態勢で面接当日を迎えましょう。
なお、何を着用するとよいかは企業の規定や応募先企業の業界によって異なります。指定が特になかった場合は無難にスーツを選ぶか、日程調整の際に服装についても確認するのがおすすめです。
スーツで面接を受ける際には、清潔感とフィット感を大切にしましょう。これらが欠けていては、だらしない印象を与えてしまいます。
着古したスーツしかないようであれば、転職活動を始めるタイミングで新調することを考えましょう。転職活動に適したスーツを保有している場合でも、一度クリーニングに出してから着用するのがおすすめです。
カラーについては、無難な濃紺をベースにするとよいでしょう。シンプルなビジネススーツを選ぶことで、第一印象をよくする効果が狙えます。
私服を指定された場合には、オフィスカジュアルと思ってよいでしょう。私服であっても、清潔感がある服装を選ぶのが無難です。ダメージジーンズやパーカーなどといった、カジュアルすぎる私服は避けましょう。「ビジネスシーンに適しているか」「取引先との商談にそのまま臨めるか」という観点で考えると、判断しやすくなります。
ただし、アパレル業界やクリエイター業界などファッションセンスを求められる企業では事情が異なります。いずれにしてもTPOに合わせることが大切です。
かばんや靴といった小物は高価なものを選ぶ必要はありませんが、選び方には気をつけましょう。服装がきちんとしていても、小物がカジュアルすぎては悪目立ちしてしまいます。
かばんはビジネス向けのものを選び、かつ自立するマチつきのものがおすすめです。書類を取り出すときにもたつかず、所作が美しく見えるでしょう。
靴もまたビジネス向けのものを選ぶほか、傷や汚れがないかを確認します。履き古した靴しかない場合には、新調するのが無難です。
面接には、清潔感のある髪形が適しています。きちんと洗髪することはもちろん、寝癖にも気をつけましょう。
また、整髪料を一切使わないのはかえって清潔感がない印象を与えるほか、幼く見られてしまいかねません。適度にワックスやスプレーを使ったり結んだりして、髪をまとめるようにしましょう。まとめる際には、表情がよく見える髪形にするのがポイントです。特に前髪は目にかからないぐらいに切るか、流すとよいでしょう。
髪色については、黒染めまでする必要はありません。ただし、落ち着いた暗めのカラーリングを選ぶのが無難です。
面接会場に到着してから受け付けを済ませるまでの動きをチェックされていることもあります。そのため、会場に到着した時点で面接が始まっていると意識するとよいでしょう。
ここでは、面接会場へ到着後に受け付けをして待機室に入るまでの流れとそれぞれのフェーズで意識したいことを紹介します。
訪問先に到着する時刻は、面接開始時間の10分前が目安です。できれば余裕を持って家を出発し、会場の近くで時間を調整するとよいでしょう。身だしなみを最終確認する時間が取れるほか、交通機関の遅延をはじめ、何らかのトラブルがあったときにも対応しやすくなります。
携帯電話に関しては、到着前に電源を切った状態でかばんにしまうのが無難です。面接中に着信音が鳴り響いては、マナーがなっていないと思われてしまいます。
受け付けを済ませ、面接会場や待機室に移動するまでの間に応募先企業の社員とすれ違った際には軽くあいさつするのが基本です。わざとらしくあいさつするのは好ましくありませんが、気づいているのに無視するのもNGです。
場合によっては、すれ違った人が選考担当者だったという可能性もあります。何が起きるか分からないため、あいさつをはじめとした一般的なマナーは常に意識することが大切です。
企業によっては、面接前に待機室に案内されることがあります。待機室に案内されたときは、声が掛かるまで落ち着いて待ちましょう。過度に周りを見回したり、携帯電話を触ったりするのはNGです。
応募先企業から何らかの資料を配付されたときは、目をとおしておくことをおすすめします。企業側の担当者からアナウンスがあった場合は、それにしたがいます。
面接室に案内されたら、いよいよ面接本番です。入室時の動きからすでにチェックされていることを意識し、ひとつひとつの動作に気をつけましょう。ここでは、入室してから着席するまでに意識したいポイントを詳しく紹介します。入室や着席のタイミングは間違えやすいため、十分な注意が必要です。
名前を呼ばれたら席を立ち、入り口の扉を3回ノックしましょう。ノックは、少しゆっくりとしたイメージでするのがおすすめです。あまりにも早く、かつ強くたたくと威圧感を与えてしまいます。
ノックの後、「お入りください」「どうぞ」などの声掛けがあったら「失礼します」と返し、ひと呼吸置いてから扉を静かに開けましょう。勢いよく扉を開けると、落ち着きがない印象を与えるためです。
入室したら、入り口の扉を忘れずに閉めましょう。扉を閉めるときにも音をなるべく立てないように心掛けます。また、扉を後ろ手に閉めるのはマナー違反です。一度扉のほうを向いてから閉め、きちんと閉まるまで手を添えます。体を斜めに向けるイメージで扉を振り返るとよいでしょう。
用意された座席に着席するのは、選考担当者に案内されてからが基本です。案内前に着席するのはマナー違反とされているため、椅子の横に立って待ちましょう。選考担当者から「お掛けください」などと声を掛けられたら、「失礼いたします」と告げて着席します。無言で着席するのもマナー違反です。
案内してくれたスタッフから着席して待つように指示を受けたときは、それにしたがって着席します。選考担当者が入室したら一度立ち、あいさつするのが基本マナーです。
面接がスタートしたら、何を話すかだけではなくどのように話すかにも気を配る必要があります。応募先企業にとって魅力的な経験やスキルを備えていたとしても、話し方やコミュニケーションなどの基本的なポイントに問題があれば評価が下がるためです。ここでは、面接時のコミュニケーション面で意識したい3つのマナーを紹介します。
面接中は相手に伝わりやすい話し方を意識するほか、表情にも気を配りましょう。自信のない表情をしていては、どれほどよい自己PRをしたとしても説得力に欠けます。
ポイントとしては相手の目をきちんと見て話し、普段よりも目を大きく開くように意識するとよいでしょう。人と目を合わせるのが苦手な方は、選考担当者の口元やネクタイに視線を向けるのがおすすめです。
話し方については、簡潔な回答を心掛けます。そのためにも、回答では初めに結論を述べ、それから理由を伝えるという構成を意識しましょう。
また簡潔に回答するには、事前にある程度準備しておく必要があります。事前準備をせずに本番の面接に臨むのではなく、あらかじめ面接練習を積んでおきましょう。想定される質問を考え、どのように答えるかを準備しておくと効果的です。
面接では、ビジネスシーンにふさわしい言葉遣いが求められます。言葉遣いは印象を大きく左右する要素のひとつのため、以下の点を意識して面接に臨むとよいでしょう。
普段の話し方が無意識のうちに現れることも多いため、可能であれば他人に聞いてもらって気になる点がないかチェックしてもらうのがおすすめです。また面接練習時の言葉遣いを録音して聞き直し、不適切な箇所があれば改善する方法も有効です。
相手の話を最後まできちんと聞いてから自分の意見を述べるのは、コミュニケーションの基本です。面接でも同様で、相手の話を途中で遮って話し始めないようにしましょう。選考担当者が話しているにもかかわらず話し始めると、「きちんと話を聞かない応募者」とマイナス評価されてしまいかねません。
相手が話しているときは、相づちを打ちながら聞くことに意識を向けます。そのうえで相手の質問がどのような意図を持っているのかを考え、適切に答えることが大切です。
面接が終わると、つい気を抜いてしまいがちです。しかし、選考担当者は退室時の動きもチェックしています。そのため面接が終わったからといって気は抜かず、退室するまでが面接であるという意識を持つようにしましょう。ここからは、好印象を与えたまま面接を終わらせるために意識したい退室マナーを紹介します。
面接では退室時のマナーも見られています。面接が終わると気が緩みがちですが、面接会場を出るまでは気を引き締めておきましょう。
「これで終わりです」など選考担当者から面接終了の言葉を伝えられたら、椅子から立ち上がり、自ら率先してあいさつを述べます。このとき、お礼の言葉と一緒にお辞儀をするのはNGです。お礼を述べ終えてから、45度の角度でお辞儀をしましょう。ひとつひとつの動作を独立させるのが基本です。
またそのまま退室するのではなく、扉の前に着いたら一度選考担当者のほうを向き、「失礼します」と伝えてから一礼します。その後ゆっくりと静かに扉を開け、音を立てないように閉めてからその場を離れるのがマナーです。
面接会場を出ても、会社を出るまではどこかで誰かに見られている可能性があります。そのため、社外に出るまでは余計なことをしないようにしましょう。携帯電話を確認したり、かばんの中身を整理したりするのは建物を後にしてからにします。
選考担当者には見られていなかったとしても、別の社員に見られた情報が選考担当者に伝わることもあるでしょう。「面接会場での行動はすべて評価対象である」と意識しておくことをおすすめします。
好印象を与えるには、よいマナーだけでなくNGとされる行動も理解しておくことが大切です。どれほど基本的なマナーに気を使っていても、ここで紹介するNG行動を取ると低評価につながりかねません。事前に面接時のNG行動を把握し、本番の面接ではしないように意識しましょう。
面接への遅刻はもちろんNGですが、早すぎる到着もマナー違反です。面接会場には、面接開始時刻の10分前に到着するよう行動しましょう。
また、何らかの事情でやむなく遅刻してしまうケースもあるでしょう。そのような場合には、遅れると分かった段階ですぐに先方へ連絡を入れるのがマナーです。連絡するときは、どのような理由でどの程度遅れるのかを明確に伝えます。
面接に限らず、人と人とのコミュニケーションにおいてあいさつはとても大切です。面接では、ビジネスシーンにふさわしいあいさつを意識しましょう。具体的には、相手の目を見て丁寧な言葉遣いであいさつをします。
コミュニケーションは言葉だけではなく、表情やジェスチャーなどさまざまな要素を組み合わせて行うものです。したがって、あいさつするときには表情にも意識を向けるとよいでしょう。
小さな声や早口にならないように気をつけることも重要です。アピールしたいことがうまく伝わらなくなるうえ、自信のない印象を与えてしまいます。口をきちんと開いて話すことや、普段よりもゆっくりと話すことを常に意識しておくとよいでしょう。
緊張から焦って小声や早口になってしまうケースも多いため、事前に面接練習を重ねるのがおすすめです。練習するときには自分の回答を録音しておき、後で聞き直すと問題点が明らかになります。
相手が話し終えるよりも先に話し出すのはNGです。意欲は伝わるかもしれませんが、コミュニケーションに問題があるのではないかと思われる可能性が高いでしょう。
また、質問内容にそぐわない回答をしてしまうケースも見られます。「あらかじめ用意しておいた回答を言っているだけなのではないか」と疑われないためにも、質問の意図をよく理解してから回答するのがポイントです。
TPOに合わせた言葉遣いや立ち居振る舞いができることは、社会人としての基本です。面接の場で敬語をきちんと使えなかったり、まるで友人に対するようになれなれしい態度を取ったりしてはよい印象を与えられません。
また、話し方の癖は面接においてもふとしたときに出るでしょう。面接練習の際に録音して、自分の話し方に問題がないかを確認するのもおすすめです。
念入りに準備をしたとしても、面接の際にイレギュラーが発生することがあります。面接会場の様子や具体的な進め方は企業によって異なり、到着して初めて分かる情報もあるでしょう。ここでは、イレギュラーな事態のうち、比較的発生確率が高いものを3つピックアップして対処法を紹介します。いざというときに慌てないためにも、ここできちんとチェックしておきましょう。
集団面接を実施するときや会議室を面接会場として使用するときなど、面接会場に椅子が複数設置されていることがあります。そのようなときは、選考担当者から指定された椅子に座るのが基本です。
特に座る場所を指定されていないときは、面接会場の入り口に一番近い椅子に着席するのが基本とされています。入り口から遠い側の座席に選考担当者が着席するのが一般的であるためです。
選考担当者が遠方にいる場合など、状況によってはWeb会議システムを使用したオンライン面接を実施することもあります。オンライン面接であっても、話し方や言葉遣いなどのコミュニケーションに関する基本マナーは変わりません。しかし、オンライン面接ならではのポイントとして以下の点に注意しましょう。
面接が始まってから音声が聞こえないなどのトラブル発生を防止するためにも、事前に設定や通信状況などを確認しておきましょう。Web会議システムには音声や映像の状態をチェックする機能もあるため、活用するとスムーズに確認できます。
面接で予想外の質問をされ、答えに詰まることもありがちです。そのようなときは、黙ったままにせず「考える時間をください」と伝えるとよいでしょう。そのうえで答えられる範囲で回答するのがおすすめの対処法です。
黙ったままでいると、きちんとコミュニケーションを取れないと判断される可能性があります。考えても分からない場合は、正直に分からないと答えましょう。適当に答えるよりも正直に伝えたほうが、よい印象につながることがあります。
面接を受けるときは自分の経験やスキルをアピールするだけではなく、よい印象を残すために基本的なマナーに気を配ることが欠かせません。面接にはさまざまなマナーがあるため、ひとつずつ学んで自分の言葉や動作に反映させられるようにしておくことをおすすめします。
しかし、自分ひとりで面接対策を進めるのは難しいと感じることがあるでしょう。そのようなときは、転職エージェントが実施している模擬面接などの選考対策を利用するのがおすすめです。
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