更新日:2025/02/28
この記事のまとめ
インフラエンジニアの仕事は需要が安定しており、将来性が高い点や高収入を目指せる点など、働くメリットが多くあります。しかし、「向いていない」「辞めたい」と感じる人も多いのではないでしょうか。転職にはリスクも伴うため、辞めたいと思っても、慎重に検討することが大切です。
この記事では、インフラエンジニアを「辞めたい」と感じる理由や5つの対処法を紹介します。記事の後半では、インフラエンジニアが目指せるキャリアパス(転職先)や転職成功のポイントも解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インフラエンジニアとして働いていて転職したいと感じるときには、まず「なぜ辞めたい」と感じたのかを言語化することが大切です。ここでは、インフラエンジニアが「向いていない」「辞めたい」と感じる理由を6つピックアップして紹介します。転職したい理由が言語化できない方は、ぜひ参考にしてみてください。
インフラエンジニアの中でも運用・保守を担当する場合は、24時間体制のシフト勤務になるケースが多く、夜間や土日の出勤が必要になる場合があります。夜勤では昼夜逆転の生活リズムを強いられるため、身体的な負担が大きく、睡眠不足や体調不良に悩まされることも少なくありません。
また、トラブル対応やメンテナンスなどで休日出勤が必要になるケースもあります。休日勤務が重なると、家族や友人と過ごす時間が減り、プライベートを犠牲にしていると感じることもあるでしょう。
インフラエンジニアの仕事には、システムやネットワークの安定稼働を維持するために、定期的な点検やログの確認、マニュアルに沿った操作など、ルーティンワークが多く含まれます。こうした日常的な業務は地味で単調に感じられることが少なくありません。
インフラエンジニアとして働くうえで、単純作業をコツコツと正確にこなすことは重要なスキルですが、クリエイティブな仕事や変化の多い業務を求める人にとっては、物足りなく感じることもあるでしょう。
自社ではなくクライアント企業や常駐先で作業をする場合、人間関係の悩みが生じることがあります。たとえば、常駐先の社員やパートナー企業の担当者との間で、仕事の進め方や意識の違いが生まれる場合があります。自分がよかれと思って提案したアイデアや改善策が受け入れられなかったり、逆に、相手のやり方に疑問を感じても指摘しにくい状況が続いたりするとストレスがたまるでしょう。
また、技術的な質問や業務上の相談をしようとしても、常駐先の雰囲気や関係性によっては気軽にできず、孤立感を覚えることもあります。さらに、派遣型の業務の場合、プロジェクトや契約ごとに常駐先が変わることが多く、そのたびに新しい環境に適応し、新たな人間関係を構築する必要があります。これを煩わしく感じる人にとっては、精神的に大きな負担となるでしょう。
インフラエンジニアとして活躍するには、技術の進化や業界のトレンドに追いつくための継続的な学習が不可欠です。特に、クラウド技術やセキュリティー、ネットワーク構築などの分野は日々新しい技術やサービスが登場するため、必然と学習量が多くなります。
業務時間中だけではカバーできない知識を習得するため、仕事後や休日を使って自己学習が必要になるケースもあり、プライベートの時間が削られることにストレスを感じる人も少なくありません。また、忙しさから勉強時間を確保できなかったり、周囲についていけないと感じたりする人もいます。
IT業界は実力主義の風潮が強く、スキルや経験、成果が年収に反映される傾向にあります。ゆえに、経験の浅いうちは年収の低さに悩むこともあるでしょう。
また、インフラエンジニアの業務内容がサーバーやネットワークの運用・保守など、いわゆる「裏方」としての役割が多いことから、成果が見えにくく、収入に直接反映されにくい点も不満を感じやすい要因です。そういった年収に不満を持った人は、高収入を得られるほかのITエンジニア職へ転職する傾向にあります。
インフラエンジニアの運用・保守業務では、マニュアルに沿ったルーティンワークが多く含まれます。そのため、日々の仕事が単純作業の繰り返しに感じられ、「このままでは専門性やスキルが身につかず、自分の成長につながらないのではないか」と不安を抱える人もいるでしょう。
また、運用・保守業務は成果が評価されにくく、キャリアアップのイメージを持ちにくくなることがあります。「いまの職場でこのまま働き続けても市場価値が上がらないのではないか」といった疑問を持つことで、辞めたいと感じる場合があります。
転職には、入社後にミスマッチが生じたり、年収が下がったりする可能性があるなど、一定のリスクも存在します。そのため、インフラエンジニアを辞めたいと感じでも、まずは慎重に検討することが大切です。ここでは、インフラエンジニアを辞めたいと思ったときの対処法を5つ紹介します。
インフラエンジニアを「辞めたい」と思った理由が曖昧なまま転職を決断してしまうと、転職先でも同じ理由で悩んでしまう可能性があります。そのため、自分が感じている不満や悩みを具体的に洗い出すことが重要です。
たとえば、「夜勤や休日出勤が多くて体力的につらい」「職場の人間関係がうまくいかない」「やりがいを感じられない」など、自分が感じている問題をリストアップしてみてください。そして、それらの問題が「自分自身の適性やスキルの問題」なのか、「会社の体制や環境の問題」なのかを整理しましょう。
不満や悩みがあるときは、どうしても仕事のネガティブな面ばかりに目が行きがちですが、自分がこの仕事を選んだ理由や、これまで感じてきた魅力に目を向けると、モチベーションを取り戻すきっかけになることがあります。インフラエンジニアの魅力には、以下が挙げられます。
さらに、自分がこれまでに学んだ知識や経験を振り返り、「できる仕事が増えた」「プロジェクトを成功させた」という具体的な成果を思い出すと、「もう少し頑張ってみよう」という前向きな気持ちが湧いてくるでしょう。
転職すれば、環境を一新できて不満や問題を改善できる可能性があります。とはいえ、同じ問題で悩むリスクも存在し、転職が成功するとは限りません。転職をせずとも解決する問題であれば、リスクを避けるうえでも現職で働き続けたほうがよい場合があります。
たとえば、夜勤や休日出勤が多いことが不満の場合、上司や人事に相談してシフトの調整を依頼するのはひとつの手です。また、スキルアップの機会が少ないと感じている場合は、自ら学びたい技術や挑戦したい業務を明確にし、それを上司やチームに提案することで新しいチャンスを得られる可能性があります。
「残業が多い」「休日出勤したくない」など、働き方に不満がある場合は、フリーランスになるのも選択肢のひとつです。フリーランスとして独立することで、雇用形態に縛られず、自分のペースで仕事を選ぶ自由を得られます。
また、収入面で不満を持っている場合も、複数の案件を掛け持ちすることで年収アップを狙えます。ただし、安定した収入を得るためには、積極的に営業活動をして自ら案件を獲得する必要があり、そのための自己管理能力やコミュニケーション能力も必要です。
現職で悩みや不満が改善できない場合は、転職したほうがよいでしょう。転職することで、現職の悩みや不満を解消し、新たな環境で自分のキャリアを再スタートできます。
たとえば、職場の人間関係に悩んでいる場合、転職することで人間関係を一から築き直すことができ、これまでのストレスをリセットできる可能性があります。特に、現職の文化になじめないと感じている場合、転職先で自分に合った環境を見つけられれば、より快適に働けるでしょう。また、給与に不満がある場合も、現職よりも給与水準の高い企業へ転職すれば収入アップが可能です。
インフラエンジニアから転職する場合、どのような選択肢があるのでしょうか。ここでは、インフラエンジニアとして働いた経験を活かせる転職先を5つピックアップして紹介します。興味のある職業が見つかれば、ぜひ挑戦してみてください。
Webエンジニアは、Webサイトやアプリケーションを設計・開発・運用する職業です。フロントエンド(ユーザーが直接触れる部分)やバックエンド(サーバー側で処理を担当する部分)、フルスタック(両方を扱う)などの専門分野に分かれています。
インフラエンジニアとして培ったシステムやネットワークの知識は、Webエンジニアの仕事にも十分活かせます。「アイデアを形にしたい」「ユーザーの反応を見たい」といった場合は、ぜひWebエンジニアを目指してみてください。
社内SE(社内システムエンジニア)は、企業内部のIT環境を管理・運用し、社員が効率よく業務を進められるようにサポートする職業です。具体的には、社内ネットワークやサーバーの構築・保守、セキュリティー対策の実施、業務用ソフトウェアの導入やカスタマイズ、IT機器のトラブル対応などを担当します。また、企業のIT戦略に基づき、新しいシステムや技術の導入を検討することも役割のひとつです。
社内SEに転職すれば、インフラエンジニアとして働いて得たネットワークやサーバーの運用経験、セキュリティーの知識などが活かせます。社内SEは多くの場合、勤務時間が比較的安定しているため、ワークライフバランスを充実させたい人におすすめです。
プリセールスエンジニアは、IT製品やサービスを提案・販売する際に、営業担当者と協力して技術的な支援をする職業です。具体的には、顧客のニーズをヒアリングし、要件に合ったソリューションを設計、提案するほか、導入後のメリットや運用面について説明します。また、プレゼン資料の作成や製品デモの実施、場合によってはプロトタイプの構築なども業務に含まれます。
プリセールスエンジニアは顧客と直接関わる仕事であるため、技術的なバックグラウンドを活かしながらコミュニケーションスキルを磨ける職種です。また、顧客の課題解決に貢献することで、感謝の言葉を直接もらえる点や、成果が評価されやすい点も魅力です。
プロジェクトマネージャー(PM)は、システム開発プロジェクトの全体を統括する職業であり、計画立案、進捗管理、品質管理、コスト管理、人員管理など、プロジェクトの成功に向けた多岐にわたる責任を担います。やりがいと責任が大きいポジションであり、プロジェクトを成功に導くことで達成感や成長を実感できるのが特徴です。
また、調整力やリーダーシップ、問題解決能力といったスキルを磨くことができ、IT業界以外でも通用する市場価値の高い人材になれます。さらに、プロジェクトマネージャーはIT業界の中でも比較的年収が高い点も魅力です。
ITコンサルタントは、企業のIT戦略立案やシステム導入、運用改善をサポートする職業です。顧客の課題やニーズを理解し、それに応じた最適なITソリューションを提案します。業務内容には、現状分析、要件定義、技術選定、プロジェクト計画の立案などが含まれ、クライアント企業のIT環境を効率化し、業績向上を支援することを目的としています。
ITコンサルタントは、クライアントの経営層やプロジェクトリーダーと直接関わる機会が多く、技術だけでなくビジネスの視点を養える点が魅力です。また、プロジェクトごとに異なる業界や企業文化に触れることで、視野が広がり、多様なスキルを習得できる点もメリットです。
労働者には「退職の自由」が認められており、雇用期間が定められていない場合は、退職の意思を会社に伝えてから2週間が経過すれば、雇用関係が終了します。そのため、上司や会社が「辞めることを認めない」「退職届を受け取らない」などの行動を取る場合でも、法的には退職を阻止できません。
ただし、会社から人手不足や業務の引き継ぎを理由に、長期間引き止められるケースもあるでしょう。こうした状況では、自分の権利を主張しつつ冷静に対処することが重要です。まず、退職の意思は口頭だけでなく、書面やメールなど証拠が残る形で伝えることをおすすめします。また、会社の対応が不当だと感じる場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することも検討してみてください。
転職の経験が少ない方の場合は、「どのように転職活動を進めればよいのか」「まず何から始めればよいのか」などと悩むこともあるでしょう。転職活動を効率的に進めて採用を勝ち取るためにも、転職成功のポイントを押さえておきましょう。ここでは、転職をスムーズに進める方法やポイントを5つ紹介します。
キャリアプランとは、自分の理想とするキャリアを実現するための計画のことです。転職を機にキャリアプランを見直し、今後の方向性やビジョンを明確にすると、自分に合った転職先を見つけやすくなります。また、方向性が定まっているとキャリアに一貫性が生まれ、転職を繰り返すことも防止できます。キャリアプランは面接でも聞かれる定番の質問であるため、スムーズに答えられるようにしておくとよいでしょう。
転職活動を進める前に、自分が仕事に求める条件を整理しておくことで、希望に合った職場を見つけやすくなります。具体的には、給与や労働時間、勤務地、福利厚生、休日の多さ、リモートワークの可否など、自分が重視するポイントをリストアップするとよいでしょう。
たとえば、給与を優先したい場合は、自分のスキルや経験が活かせる高収入の職種や企業をターゲットにできます。一方で、労働時間やプライベートの時間を重視したい場合は、残業が少なく、働きやすい環境を提供している会社を探すのが有効です。また、勤務地が重要な場合、通勤時間を短縮できる企業やリモートワークが可能な職場を選ぶと、ライフスタイルの向上につながります。
転職では即戦力が求められるため、前職の経験が活かせる求人を選ぶのがセオリーです。インフラエンジニアから別の職種へ転職する場合でも、前職で培ったスキルや経験を活かせるIT業界を志望したほうが選考を有利に進められます。
とはいえ、未経験でもやりたい仕事があれば、諦めずに挑戦してみることも大事です。好きな仕事に就ければモチベーション高く働くことができ、結果的に成長も早くなるでしょう。未経験の職種への転職は年齢を重ねるごとに難しくなるため、早めに行動してみてください。
インフラエンジニアとして優秀なスキルを身につけていても、選考対策が不十分であれば転職は成功しません。履歴書や職務経歴書の作成、面接準備など、選考対策を万全にして臨みましょう。たとえば、履歴書に記載する志望動機は、「その企業でなくてはならない理由」を記載することが大切です。どの企業でも通用するような内容だと、入社意欲が低いと思われてしまいます。
職務経歴書に記載する実績や経験は、数字を用いて具体的に記載しましょう。面接対策では、入退室のマナーを押さえること、定番の質問に対してスムーズに答えられるようにしておくこと、逆質問を用意しておくことがポイントです。
転職活動はひとりでも進められますが、転職エージェントを活用することで成功確率を上げられます。転職エージェントは、求人の紹介や応募書類の作成、面接対策などをサポートしてくれる人材紹介サービスです。
特にIT業界に精通したエージェントは、業界特有の動向や企業の内部事情に詳しく、自分に合った求人を効率的に見つける手助けをしてくれます。基本的に無料で利用できるため、試しに相談してみるのもよいでしょう。
インフラエンジニアを辞めたいと思ったときは、まず「なぜ辞めたいのか」理由を明確にすることが大切です。そして、辞めたい理由が自分の問題なのか、それとも会社の問題なのかを整理し、現職で不満を改善できないか考えてみましょう。現職で不満を改善できない場合は、転職を検討してみてください。
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