更新日:2024/06/21
一口に「営業」といってもその手法は多種多様であり、営業を行う際には自社の商材や個人の営業スタイルに合った方法を選択することが大切です。
ここでは、営業における代表的な手法を種類別に詳しくご紹介します。
目次
営業手法には大きく分けて「アウトバウンドセールス」と「インバウンドセールス」の2つがあります。それぞれの特徴について解説します。
アウトバウンドセールスとは、「営業マンが自分から見込み顧客に営業をかける営業スタイル」のことです。顧客リストを整備し、電話やメール、飛び込み営業などさまざまな方法でアプローチをおこなって受注を目指します。
自分からアプローチするのではなく、オウンドメディアやメルマガなどで情報発信を行い、それに対する問い合わせがあった見込み顧客にアプローチをする営業スタイルです。
公式サイトの問い合わせフォームに送られてきた資料請求やセミナーの申し込み、電話による問い合わせなど、商談の最初のステップは見込み顧客側からの接触となるのが一般的です。
営業手法には数多くの種類があります。自社の商材や営業スタイルに合った方法を見極め、成約率を高められる手法を選びましょう。
訪問先との約束がない状態で訪問して営業活動を行う方法です。リストさえあればどのような会社にでも営業をかけられるのが強みですが、突然の訪問になるため歓迎されない場合も多く、門前払いを受けることも少なくありません。したがって成約率もそれほど高くなく、営業担当者によっては大きなストレスを感じてしまう手法でもあります。
飛び込みは、昔は営業手法の主流ともいえるものでしたが、最近はセキュリティ対策により飛び込みがむずかしい企業が多く、またコンプライアンスの面から問題視されるケースもあり、以前よりは使われなくなってきています。
顧客リストをもとに電話でアポイントを取り、商談につなげて受注獲得を目指す営業手法です。これも昔からよく使われている手法の一つで、現在でも一定の成果を発揮しています。社内にいながら営業活動ができるので一日に大量の件数をこなせること、また顔が見えない電話によるやりとりになるため正しい言葉遣いを身につけられることもメリットです。
一方、あらかじめ電話をかけるためのリスト整備をおこなわなければならなかったり、迷惑電話のような扱いを受け一方的に電話を切られたりする可能性もあります。
自社の商品やサービスの販促メールを見込み顧客に送信し興味・関心を高める営業手法です。業務においてメールを使うことが当たり前になったここ10数年ほどの間に主流の営業手法の一つとなりました。
メールは好きなタイミングで読むことができるので押し売りに感じられにくく、先方の担当者に直接コンタクトが取れる可能性が高いメリットがあります。ただし、読まれずに削除される場合があること、またそれによってアポイントにつながる確率が下がる点がデメリットです。
Webサイトの問い合わせフォームからの問い合わせやメルマガを見た方からの質問など、見込み顧客からの問い合わせに対するクロージングをおこない契約を獲得する手法です。
自分から新規顧客を開拓する必要がなく、すでにある程度の興味を持ったうえで連絡をしてきた見込み客に対するアプローチすることになるため、成約率が高いのがメリットです。ただし、十分な売上を獲得できるための反響を得るには自社の製品のブランディングによる認知度向上が必要であり、マーケティング施策に明るい人材が必要となります。
レター(手紙)を見込み顧客に送り、相手の関心を引き付けて商談につなげる手法です。特に大企業においては効果が高いとされる方法であり、決済者にたどり着くまでのプロセスが長期化しそうな場合に営業マンが直接決裁者に手紙を出して商談の機会を獲得します。
一件一件手紙を書くための労力はかかりますが、熱意が伝わりやすいのがメリットです。適切なタイミングで手紙を差し出すことでさらに効果が高まります。
既存顧客から自社の製品について問い合わせが来ることがありますが、その問い合わせを「引き合い」と呼んでいます。引き合いが来ると内容に応じて見積もりや納期を提示し、既存顧客がその内容を承諾すれば契約が成立するのが一般的です。
自分から営業する必要がないため、少ない労力で成果を上げられるのがメリットです。しかし、継続的に引き合いが来る状況を維持するためには相手との信頼関係を維持し続ける必要があるため、日常的なフォローが欠かせません。
自分の知識やスキルを活用して見込み顧客の課題や悩みを解決する営業手法です。コンサルティング営業が存在感を発揮する業種として代表的なものは不動産や保険などですが、経営サポートなどの無形商材においても効果を発揮します。
いい結果を出せればリピーターがつきやすく、安定した収益につながりやすいメリットがあります。一方では常に最新の知識を学び続ける大変さもあるでしょう。
ヒアリングを通じて見込み顧客の課題やニーズを導き出し、その課題に対する解決策を提示する営業手法です。「提案型営業」と呼ばれることもあります。相手のニーズを把握するためのヒアリング力やコミュニケーション能力、課題解決力などの高いスキルが求められますが、信頼関係を築ければ安定的な顧客になりやすいメリットもあります。
ある商品と一緒に別の商品をセットで購入してもらう手法です。たとえばファーストフード店で「ご一緒にポテトはいかがですか?」という案内はよくありますが、これも広義のクロスセルであるといえます。
クロスセルには顧客単価を高めやすいというメリットがあります。ただし、相手が興味を抱いていない商品をしつこく進めてしまうと信頼関係が損なわれてしまう可能性もあるので、適度なバランスが大切です。
自社に興味・関心を持つユーザーにとって有益なコンテンツを発信し、愛着を持ってもらうことで購買行動につなげる営業手法です。
ブログやSNSのアカウント運用、商品の紹介動画制作など、コンテンツ発信の方法はさまざまです。コンテンツマーケティングを通じて自社のファンを増やせれば、固定客が増加して安定的な収益を上げられるようになります。一方、すぐに成果を出すことは難しく、目に見える結果につながるまでには地道にコンテンツの発信を継続する必要があります。
インターネットやスマートフォンの普及により、ここ数年の営業活動ではデジタル機器を活用する機会が増えてきています。さらに、2020年以降の新型コロナウイルスの感染拡大によりテレワークの導入が広がり、対面での営業活動は大きく制限されました。
HubSpotが行った「日本の営業に関する意識・実態調査2021」によれば、現在の法人営業組織におけるテレワーク導入率は54.4%。そのうち77.0%が直近1年以内にテレワークを導入したと回答していることから、リモート対応が急速に進んでいることがわかります。さらに、その中でリモート営業を導入している法人営業組織も36.4%と着実に増加しています。
働き方改革の気運が全国的に高まっている背景もあり、今後もさらにデジタルへの転換は進んでいくと考えられます。まさにいま、営業手法は新しい時代に突入していると言ってもいいでしょう。
ここまで、代表的な営業手法についてお伝えしてきました。インバウンドセールスとアウトバウンドセールスのどちらを選択すべきかは組織の体制や商品・サービスの種類によって異なります。社内で十分に検討し、自社にとって最も効果的な手法を選択することが大切です。
また、以前のアナログな営業手法とは異なりいまは営業活動もデジタル化が進んでいます。時代に合わせて柔軟に営業手法を転換させつつ、それを随時バージョンアップできる仕組み作りも今後は必要となってきそうです。
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