転職するときは、将来有望な業界を選んでキャリアアップしたいと考える方が多いでしょう。メーカー営業への転職を検討している方の中には、将来性が気になる方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、メーカー営業の将来性やキャリアアップを実現するために習得したいスキルを紹介します。事前に情報をチェックして、メーカー営業が自分にマッチした選択かどうかを判断するとよいでしょう。

メーカー営業の営業方法

メーカー営業は、自社で製造するさまざまな製品を顧客に販売する職種です。営業対象である顧客の種類によって「新規営業」「ルート営業」「反響営業」に分かれ、同じ営業でも営業スタイルが大きく異なります。ここでは、3つの営業スタイルについて見てみましょう。なお、メーカー営業はBtoB営業に分類される職種で、企業相手に営業するのが基本です。

新規営業

新規営業とは、新たな取引先を発掘するために自社と取引のない企業に対して商品を宣伝する活動です。インサイドセールス（電話やメールによる営業活動）や飛び込み営業の手法を用います。メーカー営業では、営業活動全体に占める新規営業の割合は低い傾向です。

ルート営業

ルート営業とは、すでに自社と取引している企業に対して新しい商品やサービスを提供する営業活動です。取引先の卸売業者や小売業者、商社を順番に回って販売したい商品を提供します。すでに販売した商品に対する評価や改善要望をヒアリングし、開発や製造の現場にフィードバックするのも重要な役割です。メーカー営業として働く場合、ルート営業に携わる機会が多いでしょう。

反響営業

反響営業とは、自社サイトから問い合わせてきたユーザーや広告に反応したユーザーに対して商品を紹介するスタイルの営業活動です。新規営業やルート営業は自ら進んで商品を宣伝しますが、反響営業はユーザーからアプローチしてくるのが大きな違いといえるでしょう。商品に興味を持っていると予想されるため、比較的成果につなげやすいのがメリットです。

メーカー営業の将来性は？

メーカー営業への転職を検討していると、「将来有望な仕事なのか」「長期的に働けるのか」と疑問に思う方もいるでしょう。ここでは、メーカー営業の将来性について詳しく解説します。メーカー営業として長く活躍したい方やキャリアアップを目指す方は参考にしてみてください。

営業職の重要性は高い

メーカー営業をはじめとした営業職の重要度は高いといえます。自社の商品をユーザーに宣伝して販売する仕事で、売り上げに直結するためです。どれほどよい製品を生産しても宣伝する方がいなければ、ユーザーは商品の存在に気づきません。

営業は自社の商品の魅力をアピールし、市場認知度を高めて購買につなげる重要な役割を果たします。今後どのような商品を生産する場合でも営業職の重要度は大きく変化しないと考えられるため、将来性は高いといえるでしょう。

営業環境の変化に対応する必要がある

将来性が高くても、旧態依然とした営業スタイルを貫けばよいわけではありません。市場の変化やテクノロジーの発展により、営業スタイルは変化すると予想されます。ユーザーの興味・関心や情報収集の方法も変わるでしょう。

日々変化する環境に対応するには、SNSを利用した営業活動やリスティング広告の活用、マーケティングチームとの連携強化など、さまざまな活動に取り組む必要があります。長期間メーカー営業として働きたいのであれば、環境の変化に柔軟に対応するため、常に新しい情報や技術を学習する姿勢が大切です。

スキルを活かしたキャリアアップが可能

メーカー営業として働いていると、さまざまな職種で役立つスキルを習得できます。習得できるスキルの一例は以下のとおりです。

• ヒューマンスキル
• 課題解決力
• ロジカルシンキング
• プレゼンテーションスキル

これらのスキルは、メーカー営業から別の職種に転職しても活用できます。汎用性が高いスキルを身につけることで自分の市場価値を高められるため、転職を重ねてキャリアアップしたいと考えている方にもおすすめの選択肢です。

メーカー営業の市場価値を高めるスキル

メーカー営業として活躍して自分の市場価値を高めるには、必要なスキルの習得が欠かせません。ここでは、メーカー営業として長期的に働くために必要なスキルを3つ紹介します。キャリアアップしたいと考えている方は、これらのスキルを磨くとよいでしょう。

1.ポータブルスキル

ポータブルスキルとは職種が変わっても活用できるスキルの総称で、どのような職種でも求められるスキルと言い換えられます。代表的なポータブルスキルは以下のとおりです。

• 現状を把握するスキル
• さまざまな状況に対応するスキル
• 交渉や調整をするスキル
• 人的・物的リソースをマネジメントするスキル

仕事を円滑に進めるのに必要なスキルと、対人関係を良好に保つために必要なスキルが含まれます。いずれのスキルもビジネスにおいて重要です。

2.資料作成・プレゼンスキル

メーカー営業に限りませんが、営業は提案資料の作成や顧客へのプレゼンを行います。プレゼン内容が成果を左右する場合もあるため、理解しやすく見やすい資料を作成し、説得力がある説明をしなければなりません。

ほかにも、見積書や契約書、請求書といった書類を作成するのも仕事のひとつです。これらの業務を迅速にこなすには、事務スキルが欠かせません。事務スキルやプレゼンスキルを磨くことは、自身の市場価値を高めることにつながるでしょう。

3.営業職向けの資格取得

自分のスキルレベルを示し、転職活動を有利に進めたい方は、営業職向け資格の取得もおすすめです。営業として働くのに役立つ資格として以下が挙げられます。

資格 証明できるスキル 営業士検定 営業事務・営業管理業務・指導・マネジメント・マーケティングに関する知識レベル セールスレップ 営業戦略・販促活動・規格型営業・経営・企業評価に関する広範な知識を有すること マイクロソフトオフィススペシャリスト（MOS） Microsoft Office製品ユーザーのスキルレベル TOEIC 英語力のレベル

資格がないと働けないわけではありませんが、取得することで自分のスキルレベルを客観的に証明できます。高いレベルに達していれば転職市場で大きな武器となるため、キャリアアップを目指す方は取得を目指してもよいでしょう。

メーカー営業からのキャリアパス例

メーカー営業のキャリアパスは、別業界の営業に転職する道やマネジメント職を目指す道、マーケティングに携わる道とさまざまです。ここでは、メーカー営業の先に開かれているキャリアパスを紹介します。自分にマッチしたキャリアパスを探すためにも、それぞれの職種がどのような業務に携わるかチェックしましょう。

マネジメント職

メーカー営業として成果を上げた方には、営業現場の管理職として働くマネジメント職にキャリアアップする道があります。営業は直接営業活動に携わることで、各スタッフが担当する分野・エリアで契約を獲得し、売り上げにつなげることが求められます。

一方、マネジメント職は、営業チーム全体で企業が求める成果を上げなければなりません。営業チームに割り当てられた人的・物的・情報リソースを有効活用し、どのような営業活動を展開すればよいかを考えて実行するのが主な仕事です。マネジメント職を目指す方は、これまで積み重ねてきた経験・スキルに加えて、マネジメントスキルを習得しましょう。

マーケター職

マーケターに転職する道もあります。営業は見込み顧客に対して自社製品を販売するのに対し、マーケターは市場から見込み顧客を発掘する仕事で、販促活動においてより上流の工程に携わる職種です。

マーケティング現場でも営業と同様に、自社の製品を魅力的にアピールするスキルやユーザーのニーズにマッチした製品を紹介するスキルが求められます。営業経験を高く評価する企業もあるため、営業からのキャリアチェンジを目指す方はそのような企業を選ぶとよいでしょう。

企画・開発職

企画・開発職にキャリアチェンジするのもおすすめです。ただし、営業とは仕事内容が異なるため、新たなスキルを習得しなければなりません。企画・開発職に必要なスキルは、クリエイティブ性やリサーチ力です。

また、ロジカルシンキングやヒューマンスキルのようなポータブルスキルは、企画・開発職でも役立ちます。市場調査のような営業と似た業務もあり、これまでの経験やスキルを活かせる場面もあるでしょう。

コンサルタント

経営に関与する仕事がしたい方は、コンサルタントにキャリアチェンジする道を検討してもよいでしょう。コンサルタントはサービスや商品を販売するのではなく、課題解決策を立案して実行を支援します。営業とは関連性が低いものの、営業経験を活かせる職種です。

メーカー営業は、ユーザーが抱える課題を解決するために自社製品の活用方法を考えて提案する機会があります。そのような活動を通じて磨いた課題解決力やロジカルシンキングのスキルは、コンサルタントとして活躍するうえでも役立つでしょう。

IT営業職

別業種の営業職に転職したい方は、IT営業職がおすすめです。IT営業は、ユーザーの悩みや課題をヒアリングし、ITシステムを活用した解決方法を提案して契約につなげます。メーカー営業と同じBtoB営業がメインであることから、これまでの仕事で培ったさまざまなスキルを活用できるでしょう。

IT業界は将来有望な業界と考えられており、需要も増加しています。求人も比較的豊富なため、別業種に転職したい方は検討してもよいでしょう。

メーカー営業の将来性に関する質問

メーカー営業への転職やキャリアアップについて考える中で、さまざまな情報に触れると、不安を感じることもあるでしょう。ここでは、メーカー営業への転職を検討する方によくある質問を4つピックアップして紹介します。疑問点を解消したうえで、安心して転職活動を進めましょう。

Q1: AI技術の発展でメーカー営業がなくなるって本当ですか？

将来のことを確実に予測するのは難しいものの、メーカー営業そのものがなくなる可能性は低いと考えられます。ただし、AI技術をはじめとしたテクノロジーの進化に伴って営業スタイルに大きな変化が生じるかもしれません。長期的にメーカー営業として活躍したいのであれば、最新の情報に柔軟に対応する必要があります。

Q2: 飛び込み営業が多いって本当ですか？

飛び込み営業は、新規顧客を獲得する目的で展開する営業活動ですが、メーカー営業ではあまり行われません。メーカー営業は、既存の取引先を回って新しい商品やサービスを紹介する手法がメインです。ただし、営業スタイルは企業によって差があります。転職先を選ぶ際は、企業が公開する求人情報や事業内容を分析し、入社後に取り組む仕事について調べるとよいでしょう。

Q3: どのような営業活動がメインですか？

メーカー営業は、すでに製品を納品した企業を回って新商品を紹介し、アフターサポートを提供するのが主な仕事です。取引先の要望を聴取したりフィードバックを受け取ったりすることもあります。メーカーの取引先は多くが法人であるため、BtoBのルート営業がメインです。

Q4: 海外営業には携われますか？

海外への販路拡大を目指すメーカーもあるため、メーカー営業は海外営業に携わりやすい職種です。中には、売り上げのほとんどを日本国外で上げている企業もあります。海外営業を目指すのであれば、グローバル展開に力を入れている企業に転職し、営業スキルや語学力をさらに磨くとよいでしょう。

まとめ

メーカー営業は自社で生産する製品をユーザー企業や商社に紹介して販売する仕事です。売り上げに直結する重要な役割を果たすことから、将来性が期待できる職種といえます。メーカー営業への転職を目指す方は、ポータブルスキルを身につけて自分のキャリアパスを実現できそうな企業を選びましょう。

自分ひとりで転職活動を進めるのが難しいと感じる方は、ぜひマイナビ営業エージェントをご活用ください。営業職の求人を数多く取り扱っており、希望にマッチした企業探しをキャリアアドバイザーがサポートします。

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