製造業の営業職
自社で何かを製造する企業(メーカー)の営業職。顧客に対して自社製品を売り込みます。
製造業の営業職は、自動車や家具、食品、化粧品など。あらゆるメーカーには、
それを提案・販売します。いったい、どのような仕事内容なのか、
年収やキャリアパスなど、就職・転職で知っておきたい情報を詳しくご紹介します。
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製造業の営業職とは?
製造業の営業職は、自社で何かを製造する企業(メーカー)の営業職のことです。つまり、顧客に対して自社製品を売り込む職種です。何かしら、自社でモノづくりをしている企業は製造業(メーカー)となります。そのため業種は幅広く、電気機器や自動車などの機械系の他、半導体などの部品系、食品、化粧品、家具、衣料品、住宅など実に多様です。
営業職が取り扱うものには、有形商材と無形商材があります。製造業の営業職はサービスなどの無形商材とは異なり、自社で製造した「モノ」を売るので有形商材の営業です。
また、製造業の営業職は主にBtoB(法人営業)の営業がほとんどでしょう。個人相手ではなく小売店や卸売店、商社などの法人向けに営業をかけていきます。営業職には新規顧客を開拓していく新規営業と、既存顧客を深耕して売上拡大を図るルート営業があります。ただし、製造業の営業職だからどちらかに偏っているというものではありません。業種や企業、あるいは企業の状況などによって、新規営業とルート営業のどちらを行うのかはさまざまです。
製造業の営業職の仕事内容
ここでは「新規営業」と「ルート営業」の大きく2つに分けて、それぞれ解説します。
新規営業の仕事内容
新規営業とは、これまで取引実績のない新規の顧客を開拓していく営業のこと。例えば電話でのテレアポや飛び込み営業、問合せへの反響営業や既存取引企業からの紹介などを通して、新規で顧客と取引をすることを目的としています。直接訪問だけでなく、オンラインを利用した商談で顧客のニーズをヒアリングし、作成資料をもとに提案・説明して自社商品の魅力を伝えるケースもあるでしょう。たとえ一度の商談で契約が決まらなくても、何度もアポイントをとって関係構築をしつつ、自社製品を購入いただけるように粘り強く営業していくのがメーカーの新規営業です。
ルート営業の仕事内容
ルート営業とはすでに自社製品を納入している既存顧客を巡回し、継続して購入をしてもらったり、新製品や未納入製品を提案して発注してもらったりする仕事です。他社製品に置き換えられないため、また自社製品の売上を拡大してもらうために、顧客との関係構築が重要になるでしょう。従来よりも多くの商品を発注してもらう、あるいは新商品を作ったときに既存顧客に提案して売上の拡大を図るのも、ルート営業の業務の一つです。
また、自社製品に不良品やクレームがあった際も、営業職が対応するケースも少なくありません。その他、顧客のニーズや声をヒアリングして自社の製造部門や開発部門にフィードバックし、製品の改善や新商品の開発に反映させる「橋渡し」も重要な役割となるでしょう。
製造業の営業職のやりがい
製造業の営業職は、多くの場面でやりがいを感じられる仕事です。例えば自社の技術でしか作れない製品が社会に普及して利用者に喜ばれていれば、社会の役に立っているという実感が得られるでしょう。
また、実際に顧客と直接やり取りする中、利用した人の声を直接聞けるのも製造業の営業職の醍醐味でもあります。「ありがとう」と感謝されたり「御社の製品はすごいね」と褒められたりすれば、製造業の営業職としては嬉しく、やりがいに感じられるはずです。
逆に、ユーザーからの意見や指摘、クレームを受けたときは、それらを真摯に受けとめることが大切。自社に向けて改善提案することで、新商品の開発や、より良い製品を生み出すプロセスに貢献できます。顧客への真摯な対応や密なコミュニケーション、課題解決に向けた提案によって信頼を獲得し、「〇〇さんだから信頼して契約するよ」などと言ってもらえたときも、やりがいを感じる瞬間といえるでしょう。
製造業の営業職に向いている人
製造業の営業職に向いている人としてまず挙げられるのは、「自社製品が好きな人」です。製造業の営業職は商社の営業と違い、自社以外の製品は基本的に扱うことはありません。そのため、自社で製造販売している製品が嫌いでは顧客に魅力的な説明をするのが難しく、販売や契約につなげにくいでしょう。逆に、自社製品を心の底から愛着を持てれば、魅力は顧客にも伝わるはず。その熱意がポイントとなり、販売や契約に至ることも少なくありません。
その他に、「飽きずにコツコツ継続できる人」も製造業の営業職に向いているといえます。企業の社風にもよりますが、メーカーでは新商品が頻繁に発売されるというよりも、既存の商品を継続的に扱うことの方が多いでしょう。同じ商品を地道に拡販していくのが、製造業の営業職の基本業務になります。
また、これは営業全般にいえることですが、「人とコミュニケーションするのが好き」「顧客の視点になって考えることができる」「丁寧でマメに連絡がとれる」という人も、製造業の営業職に向いているでしょう。
製造業の営業職に必要なスキル・資格
ここでは、製造業の営業職に必要なスキルや資格をご紹介します。
必要なスキル
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プレゼンテーション能力
製造業の営業職にとって、プレゼンテーション能力は必要スキルの1つです。新規顧客であれ既存顧客であれ、自社の商品を魅力的に伝えるプレゼンテーション能力は購買につなげるためには必要不可欠なもの。わかりやすく、心に響くプレゼンテーションというだけでなく、論理的に納得性のある説明をすることでより売上拡大につながるでしょう。
プレゼンテーションは口頭だけでなく、PowerPointなどのソフトを利用して行うことも少なくありません。そのため、口頭での説明が上手いだけでなく、資料作成する能力も製造業の営業職が持っておくべきプレゼンテーション能力になります。
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コミュニケーション能力
製造業の営業職は顧客と接して信頼関係を築き、売上拡大を図るのが主なミッションです。そのため、コミュニケーション能力を持っていれば、顧客と信頼関係が築くことができ売上にも繋がるでしょう。
コミュニケーション能力とは、主に「聴く力」「伝える力」「察する力」などが該当します。相手の顕在化したニーズだけでなく、潜在的なニーズまで聴くための「聴く力」。自分の考えていることが、相手も同じように考えられるようにわかりやすく説明する「伝える力」。そして、相手の言葉の行間や場の空気を読む「察する力」の3つです。これらコミュニケーション能力を磨くことで、顧客と良好な関係を築き、売上を拡大することができます。
必要な資格
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MOS資格(Microsoft Office Specialist)
製造業の営業職は、顧客ごとの売上や受発注などの管理を日常的に行う必要があります。そのため、WordやExcel、PowerPointなどの基本的なオフィススキルは持っておく必要があるでしょう。これらオフィススキルを網羅的かつ体系的に身につけられるのが、MOS資格(Microsoft Office Specialist)です。
MOS資格は、必ず取得しておかなければいけないというわけではありません。しかし、早期に成果を出すためには、取得しておいたほうが賢明な資格といえるでしょう。 -
業界に応じた資格
メーカーといっても、さまざまな業界のメーカーが存在します。各業界で設けられている資格があれば、製造業の営業職としては持っておくべきといえるでしょう。なぜなら、その製品や業界に精通しているプロとして、顧客や社内からの信頼を得るきっかけになるからです。
例えば、電製品を製造しているメーカーの場合、「家電製品アドバイザー」という資格があります。また、薬品メーカーや健康食品・化粧品メーカーなどの営業であれば薬機法の広告取扱者として知識保有を証明する「YMAA個人認証マーク」、景品表示法の広告取扱者として知識保有を証明する「KTAA個人認証マーク」を取得しておくことで、顧客からの信頼性が高まるでしょう。
同じように、住宅メーカーの営業なら「宅建士(宅地建物取引士)」、食品などの小売店を顧客に持っているなら「販売士」、アパレルメーカーなら「色彩検定」「繊維製品品質管理士(TES)」などの資格も取得がおすすめです。各業界に応じて知識習得のために必要な資格は異なるため、自身の目指す業界で求められる資格を調べてみてください。
製造業の営業職の年収
マイナビエージェントの調査によると、機械・電気・電子・素材の技術営業・セールスエンジニアの平均年収では、平均年収は「467万円」となっています。年代別では、20代が377万円、30代が583万円となっており、1つの目安になるでしょう。
製造業の営業職の就職/転職先・活躍の場
製造業の営業職の就職先・転職先として、まず考えられるのは同業他社のメーカーでしょう。業界や製品の知識をそのまま活用できるうえ、前職での戦略なども転職先に応用できます。
その他に、製造業の営業職は製造ラインを把握した仕事が可能であり、かつ新規営業・既存営業どちらも対応できる点から、他業界のメーカーにも活躍の場があるでしょう。また、メーカーで培った営業力を軸に、他業種の営業職への転職も可能です。新規営業とルート営業、これまで取り組んできた営業スタイルで活躍を求められる企業であれば、業種は関係なくニーズはあると考えられます。
さらに、顧客として付き合ってきた小売店やスーパーマーケット、卸売業者などにも活躍の場があるでしょう。製品を仕入れる側として必要な知識はもちろん、メーカー側の考え方も熟知しているからです。
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製造業の営業職のキャリアパス
製造業の営業職のキャリアパスとして、社内での異動による別職種でのキャリアが考えられます。顧客と直接やり取りをしてきた強みを活かして、開発部門で顧客視点からの製品改善や商品開発することも可能でしょう。
また、工場などの製造部門で品質管理を担ったり、マーケティング部門で製品の認知拡大・ブランディングを行ったりというキャリアも考えられます。もちろん営業部門の中で、そのままキャリアアップを目指すことも可能です。係長や課長、次長、部長、部門長と、それぞれのレイヤーで成果を上げていけば、営業として縦のラインでのキャリアアップの道があります。
ただし、どれくらいでどのポジション・レイヤーに就けるのかは、企業によって異なります。営業部門でのキャリアアップを目指すなら、就職・転職の面接、あるいは上司との面談時などに確認しておいてください。
製造業の営業職に転職する際の志望動機
製造業の営業職に転職する際、面接や履歴書で必要になる志望動機。まず押さえておきたいのが、メーカーがモノを製造する企業であるということです。そのため、選考を受ける企業が作っている製品に対して良い印象を持っていないと、志望動機として辻褄があわなくなります。事前のリサーチや下調べを徹底し、その製品や魅力、強みなどを十分に理解しておきましょう。その前提で志望動機が述べられていなければ、説得力がなく採用に至る可能性が低くなります。また、そのメーカーの製品だけでなく、業界の知識や動向、競合他社の製品についてもできる限り調査しておきましょう。
企業が掲げている理念やミッション、ビジョン、バリューなどへの共感性も志望動機として考えられます。事前に企業サイトなどを確認し、企業の考えと共感できる部分を見つけ、志望動機として伝えてください。
製造業の営業職に転職されたい方へ
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